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■ 2017/04/22 (土)  初RPG制作で意図したこと2 ■
【初RPG制作で意図したこと 後半】

先週の記事(前半)から続けての内容です!
今回は、12年前の2005年にリリースしたRPG『シルフェイド幻想譚』を振り返り、
当時考えていたであろう「意図」について引き続き整理していきます。

前回は大きな意図について述べましたが、今回は細々としたものが多めです。
『シルフェイド幻想譚』を私好みのゲームにするにあたって、
一体どういう意図があったのか、よければぜひご覧ください。

今回の話題一覧↓
【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】
【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】
【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】
【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】
【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】
【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】
【初めてクリア評価を入れた】




【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】

『シルフェイド幻想譚』では、従来の普通のRPGを遊んでいるときに
「この情報がないと判断しようがないんだけど!」と私が感じていた部分に、
「判断するための情報」をいろいろ明示するように意識しました。

<バトル時の相談>


たとえば『シルフェイド幻想譚』では、バトル中でも「相談」コマンドが使用できます。
使ってもターンは進みません。この「相談」で何が聞けるかというと、主に、
「その戦闘から逃げられるか、逃げられるなら逃走率はどのくらいか」
「敵と自分との強さの差はどのくらいか」
の二点です。

これは、
「相手が強いなら逃走することを判断に入れて欲しかった」
という自分の要望を入れたかったのと、
「プレイヤーさんは強い相手だったら逃げようと思っているかもしれないのに、
そもそも相手が強いか見た目だけじゃ分からない」

という問題を回避する二つの目的があったからだと記憶してます。

特に後者の「強さ」に関しては、当時の私はだいぶ気にしていまして、
「RPG慣れしてしまった人ほど見た目から敵の強さを判断しなくなってしまうのではないか」
という考えを持っていました。

たとえば、何かのRPGの中盤で出てくる「ワイバーン」と、
後半に出てくる「ファイアドラゴン」がいるとしたら、仮に似た大きさ・見た目だったとしても
バランスの都合で後半で出る「ファイアドラゴン」の方が普通は強いはずです。

それどころか、バランス調整の問題で「後半で出てくるネズミみたいな敵」が
前述の「ワイバーン」より強かったりする場合さえありますから、
相手の強さを誤解のない手段で伝えるのは重要な課題だと考えていました。

特に本作は最初から好きな場所に移動できてしまうゲームなので、
いきなり極端に敵が強いエリアに踏み込んでしまう可能性もあります。
そういった可能性もある中、戦闘において実際にぶつかる前の「相談」ができれば、
プレイヤーさんもより安心して偵察ができるはずです。

何より、「おおまかな逃走成功率」が事前に分かれば、
「逃げにくいのでいちかばちか戦う」や、
「必ず逃げられるからギリギリまで戦ってみる」
など、新たな判断が生まれます。
そういう点も、面白みが生まれていいんじゃないかと考えていた部分でした。

さらに『シルフェイド幻想譚』では、道をふさがれていたり、
明らかに退路がない場面以外ではボスからでも逃走することができます

「相談」コマンドで逃走できる可能性を示したのは、従来のRPG的な常識に従ってしまって、
「ボス戦に入ってしまったときに、不利な状況にもかかわらず死ぬまで戦ってほしくはなかった」
からというのもありました。

「逃走コマンドって、強い相手にこそ一番使いたいコマンドのはずですよね! 
使えるときは逃走成功率の大小を教えますのでぜひ判断の上で『逃走』してください!」

という主張が、当時の自分のどこかにあったのかもしれません。
そして、今でも割とそう思っています。逃げることが重要な判断の一つになるRPG、好きですよ。



【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】

イベントの報酬をどういう形にするか、開発当時はだいぶ悩んでいました。

『シルフェイド幻想譚』は「物語に興味がない人でも楽しく考えて遊べるように」という前提で
作っていたので、完全にストーリーを取っ払っても楽しめるよう、
「全てのイベント報酬は必ず一定以上のゲーム的利益に繋がる」ように意識していました。

ここでの「ゲーム的な利益」とは、「一定以上のお金や、装備・仲間などの意味のある強化」や
「クリアするために必須のフラグ(最終ダンジョンへのカギなど)」
を指します。
時間制限があるゲームなのでイベントを無視するケースも増えると思いますが、
かけた時間以上に必ずいいものがもらえるならば、きっといくらかは挑戦してくれるでしょう。

というわけで、もらっても仕方がない3桁くらいの金額の金銭報酬や、
報酬が感謝の言葉だけというケースは、基本的に
ほとんど入れてなかったと思います(忘れてるだけかもしれませんが)。

そしてもう一つ注意したこととして、労力さえつぎ込めば、
たとえイベントに失敗しても何かしらの報酬が得られる
ように意識しました。
たとえば、以下のような具合です。


●とある村が襲撃されるのをうまく防衛できればクリアフラグがその場で手に入るし、
仮に失敗しても仲間が一人増える。

●敵の砦を攻略したとき、ゲーム開始から時間が経ちすぎていたら
仲間が加入する可能性がなくなる代わりに大金を得られる。



イベントに失敗ルートがある場合は、ほぼ必ず
こういった別報酬が手に入るようにしていたので、
「失敗ルートでも徒労に終わらないようにしたい」という意識が強くあったように思います。

ただ全てに配慮はしきれていなくて、一部のイベントは
リソースの投入タイミングが遅れると何ももらえなくなってしまいます(病気の姉弟など)。
こういう場合は、リソースを投入した分だけは何か見返りをくれるようにすればよかったですね。

何はともあれ、
「失敗した場合に何も得られなくてゲーム内時間を損失するだけなら、やらない方が効率的」
という発想がプレイヤーさんの意識に根付いてしまったら、
それが一番作り手からすると面白くない結果なので、
なるべくそういった状況を避けられるように、
チャレンジをうながすような造りにしようと心がけていました。

「挑戦してくれたこと自体に報酬をあげたい」という考えは、
12年経った今でも特に大事にしていきたい「意図」です。



【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】

最後の調整段階に入ったとき、フィールドマップがスカスカに感じたので、
できるかぎり「1画面あたり1つ」くらいの施設を置くつもりの意図で、
何もなかった場所に施設をいろいろ追加したり、
後半に作った施設の配置を変えたりしていました。

<赤い点が予定通り作った施設、青い点が後で追加したり移動させた施設やイベント地点>
青い点が、赤い点の隙間や、何もなかった場所を埋めるように配置されています。



上の図の「青い点」が後半に追加した部分や場所に迷っていた部分です。
その中には、埋めるために無理矢理ネタをひねり出したものもあります。

たとえば、「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が守る宝物庫ダンジョン」や、
「封印された扉を開けるカギを売っている人の家」「滅ぼされた何もない家」といった具合です。
特に「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が出る宝物庫」に関しては、
「いつでも戦える、今は倒せない強い敵」に一度でもぶつかってもらえば、
それを目標にして勢いよくゲームを進めてもらえるのではないか、
と考えていたようで、割と序盤のエリア付近にも設置しました。

フィールド上の施設やイベント地点を「1画面あたりおおよそ1つ」という密度にしたのは、
当時の言い分だと単純に「スカスカだとつまらない」という理由になるのですが、
今の自分が言い換えるなら、「フィールドを探索すればだいたい一定のペースで
何かが見つかるという期待を感じて欲しかった」
からだったような気もしています。

「労力を投入したが何も得られず徒労に終わる」というのがゲーム内で一番面白くないことで、
それが続くと以後、『プレイヤーさんが積極的に調べてくれたり、
期待感を持ってくれなくなってしまう』可能性が高くなってしまいます。

そんなわけでマップ探索に関しても、とにかく
「一定以上動けば定期的に『新しい場所』」が見つかる」ように意識していました。
そして、もし何もないように見える場所があるとすれば、
「そこには隠された何かがある」という感じで、秘密のありかをほのめかしています。
また、最後までどうしても空白地帯ができてしまう場所には「立て札」を置いて
プレイヤーさんを不安にさせないようにしました。

今になって思うと、私にとって「どちらにいけばいいか心配になる距離」が
だいたい1画面分くらいだったのかもしれませんね。狭い!



【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】


フィールドマップには「約1画面あたり1つ」という密度で施設やイベントを置くようにした一方、
街での用事はなるべく最短で終わるようにすべく、「街のサイズは最小限」にするよう心がけました。

『シルフェイド幻想譚』の街はおおよそ3~5画面程度の大きさで、
階層を移動しない限りは画面切り換えもありません。
人の家もたったの6x6マスだったりします。

たとえば、以下は最初の街のマップです。他の街も、ほぼこれに近い大きさです。

<最初のサーショの街 全体図>


基本的にマップは大きければ大きいほど作るのが大変になるので、開発側としても、
「目的を果たす最低限の大きさなら自分も楽ができるだろう!」
と考えていたことは確かです。

ですがそれ以上に、
「移動してもゲーム内時間が進まない場所での『広さ』はゲーム的に意味がないので、
それなら無駄なリアル移動時間を使わせない方が親切だろう」
という考えもありました。
つまり、「入口から宿屋まで3秒! よし、効率的!」という発想で街を見ていたのです。

また、マップサイズを最小限にすると同時に、
「家の装飾品は『調べたときに情報を得られるもの』だけを置く」ように心がけました。
タンスやクローゼットを置く場合は、調べたときに必ず反応があるようにしたのです。

たとえば病気の姉弟がいる家でタンスを調べたときには「質素な服が入っている」
といった情報を出したりして、住人の生活や雰囲気を伝えることができるので、
この辺りは物語やキャラ好きの人に楽しんでもらえる部分になるだろうと考えていました。

逆に、「調べても反応がないもの」はとにかく置きませんでした。
これも同様に「物語やキャラ好きの人」に対しての配慮で、
「調べても何も出ないことがあって徒労に感じる」ことを徹底的に避けたかったからです。

何を調べても必ず反応があるなら、住人たちの背景を知りたいプレイヤーさんであれば
どんどん細かいところまで探してもらえるかもしれません。
フィールドマップでもそうでしたが、内部のマップ探索においても、
「かけた労力が無駄にならず、必ず何らかの反応が与えられる」形にすることを意識していました。



【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】

皆さんには、次のような経験がないでしょうか。
たとえばお金を貯めて武器を買ったら、すぐ行ける場所で
次のグレードの武器が販売されていてガッカリしてしまったり、
あるいはそうなることを心配していつ装備の換装をすればいいか
分からなくなったりしたことなど、一度くらいあるかもしれません。

「これから先にもっとコストパフォーマンスのいい武装や、
より強い武器が出たらどうしよう、ここで買っていいのかな?」

という発想でお金を温存するハメになると、結局お金が使えなかったり、
仮に買ってもすぐ新製品が出たりして損した気分になる
のではないかな、と私は考えました。
システム的なところでゲームへの不安を感じさせるのは、なんとなくもったいない気がします。

もちろん、そういった「将来どうなるか分からない中での対応方法」も
ゲームのうまさだよと言われればそうなのですけれども、
今どきは育成スキルツリーも初期状態で全て公開されてることが多い時代ですし、
先々の強化方針を計画してもらうためにも、「強化のコストと強くなれる度合い」くらいは
最初に見せた方がフェア
な気がします。

そこでゲーム的に安心できる形にするために、『シルフェイド幻想譚』では、
『買える武装のレパートリーは全て最初の街に並べる』ことにしました。
こうしておけば、「どの段階で何の装備の換装を行うのが最適か」という点について、
おのおの自分のペースで考えてもらえるかもしれません。

何より、「強い装備を買うにはお金が全然足りない」ことを最初に示せば、
以後、お金を手に入れられるチャンスに敏感になってくれる可能性が上がるでしょう。
そうやって「足りない感」を感じてもらうのも、ゲームのやる気に繋がる大事な点だと私は考えています。
「あと1000シルバ貯めれば●●が買える!」と思っている状況で
そのゲームを二度とやらなくなるプレイヤーさんって、あまりいらっしゃらないと思いますしね。

なお、最初の街には全ての購入可能武装が売っていますが、
次の街ではなんと全ての基本的な理力(魔法)が購入可能になっています。
店で主人公を強化できる機会は、最初と次の街でほぼ完結しているので、
「どういった成長ができるか」という情報は、かなり早期に提供を済ませています。
あとは、お金と必要パラメータ次第です(といいつつ、隠し魔法ショップも存在していますが)。



【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】

『シルフェイド幻想譚』には一カ所だけパズルを解いて突破する場所があります。

といってもRPGのパズル部分は、解けない人や、
そもそもやりたくない人もいるだろうなと思ったので、
パズル自体は入れはしたものの、同時に飛ばせる配慮も入れました。

具体的には、「パズルに苦戦していると判断できる状態」になったら、
アドバイザーが「ゲーム内時間」を消費して突破する手段を提案
してくれます。
それを採用した場合、時間を使って壁を破り、パズルを無視することができます。

これは『シルフェイド幻想譚』が時間の概念を持つRPGだからできたことですが、
普通のRPGでも「お金を使えばパズルを無視できる」という感じにしてもいいかもしれません。



「苦手なことを無視できるか、別リソースを消費したり別の手段で通過できる」
という配慮は、多くの人に遊んでもらいたいゲームを目指すならば
大事な点かもしれないと今は思っています。

特に『シルフェイド幻想譚』は、「時間制限付きのRPG」という
ただでさえ人を選びそうな内容ですから、変なところで詰まったりしないようにと、
なおさら注意しようと思っていたのかもしれません。

何はともあれ、人によってはずっと攻略できなさそうな課題は、無視できるようにするか、
他の課題で補えるようにすると親切そうです。
……といいつつ、クリアできるか怪しい最難関ミッションとか、
やっぱり一個くらい入れちゃうんですけどね!



【初めてクリア評価を入れた】

私が「クリア評価」を初めて導入したのは、この『シルフェイド幻想譚』からでした。

これは「リプレイ性を高くするため」と、「どのくらいのものを見たか」
プレイ後に少しでも把握できるようにする目的です。
「クリアにかかった日数」や、「強い敵とどれだけ戦ったか」、
「仲間にできるようになったキャラの数」、「人々を救った度合い」などが評価されます。

詳細な内容は、旅を共にしたアドバイザーキャラクターが主にコメントしてくれます。
プレイの傾向をキャラクターが評価してくれるとちょっと嬉しくなるだろう、と考えたからです。
というか私がそういうのを求めていますので、皆さまにもどんどん採用していただきたいですね!

また、ここで「他のプレイ方法もあるんだよ」というのを示すきっかけにもなりますから、
リプレイ性の高いゲームにはこういった「クリア評価」は相性がいい要素だと感じます。
他にも、こういう評価画面で「知らない間に失敗した点」や、
「まだ見てない点」についてのヒントも出せるかもしれません。
「実はX日以内にXXすると●●できるんだよ」とか、「仲間は最大で●人いるよ」といった情報です。

それと、もう一つ意識した点として、クリア評価のコメント内容は、
評価が仮に最低ランクでも、「初めてならこれが普通です!」
「今度やったらもっとうまくいける!」と言ってくれるようにしたり、
他にも戦闘評価が低かったら「強すぎる相手と戦うのは避けて慎重に戦ったんだね」という具合に、
なるべく遊ぶ人がションボリしない、前向きな言い方にすることを心がけていました。
といっても初めてだったので、今と比べればやや雑な感じはあります。
この技術は、これからもどんどん磨いていきたいと考えています。


そして本作のクリア評価、実は確か全てSランクのパーフェクト評価にすることはできません
全部を最高評価にしようとしても、どれかが一段階以上抜けるようになっています。

例えば、最高評価の日数で急いで進むと、
人々を救う評価が最大にならない、といった具合です。
これは確か、「完璧な答えはないよ」と示す意図でこうしていた気がします。

これはこれでシブくて、今でも個人的に好きな発想だとは思うのですが、
開発経験を重ねた今となっては、そもそも「A」~「C」ランクのような「優劣」でなく、
「早い旅」「慎重な旅」などといった「傾向」を評価する形の方が
よかったかもしれない、と思うようになっています。

たとえば「最低限しか戦わずにクリア!」も偉大な挑戦のはずですし、
悪いことができるなゲームなら「邪悪プレイ」も試してもらえると私にとって嬉しいはずなので、
善人プレイだから「優れている」という評価を示してそのコースばかり遊んでもらうのは、
果たして開発側にとってお得なことなんだろうか? と感じるところもあるのです。

なので、最終的に「色々試してもらうこと」を目的とするなら、
「優劣」でなく、「傾向」評価の方が合っていた
のかもしれません。
たとえばクリアにかかった「日数」の評価なら、A~Cというランクを出すのでなく、
「超特急!」「慎重な旅!」「バランス!」という表現にするといった具合です。

一方でシューティングゲームなど、「うまくなってもらうこと」を
最終的な目的とするゲームの場合は、A~Cランクのような
「優劣」の方が望ましい
のかなと思います。

より高みを目指して欲しいところは「優劣」評価で、
色々試して欲しいところは「傾向」評価にしよう、という考え方は、
全方位シューティングゲーム『シルフドラグーンゼロ』あたりによく反映されていたと思います。
確か「スコア」や「強化のケチり具合」は「優劣」の評価としてA~Cなどランクが付けられるのですが、
「多く使った機体」や「好みの武装」に対しては「傾向」についての感想コメントがあるだけで、
「優劣」のランクは付かないようになっているのです。


評価の仕方も、いま振り返ってみると色々と考えさせられるところがあります。
プレイヤーさんも開発者側も、お互いが幸せになれるような
よりよい評価手段を模索していきたいです。



ということで、以上、『初RPG制作で意図したこと』、後編でした!

いま『シルフェイド幻想譚』に対して思い出せる「意図」はこんな感じとなります、
いかがだったでしょうか。後半はやや地味だったかもしれませんね。

ここまでの前編・後編の内容をざっくりまとめると、
主な意図は以下の四種類くらいに整理できそうです。

●キツくはしたくなかったが緊張感を持たせたかった。
→ 比較的余裕のある時間制限を設けたり、
死亡回数に余り気味な制限を持たせた。

●好みが分かれそうなところは、見たくない人は見ずに済むように、
やりたくない人はやらずに済むようにした。

→ オープニング削減や相談コマンドの搭載で、ストーリーやキャラに
興味がある人とそうでない人に両対応化した。
→ フィールド上の戦闘のエンカウント場所を限定した。
→ リソースを消費してパズルを飛ばせる配慮を入れた。

●不安に感じそうなところは不安を軽減させる工夫を入れた。
→ 戦闘時、判断するために必要な情報をいくらかオープンにした。
→ 買える装備のメニューを最初から全部見せるようにした。
→ 時間制限付きのゲームなので進行度の目安を見せるようにした。

●投入した労力そのものや、プレイ傾向を評価するようにした。
→ 内部マップでは反応のない装飾品は置かず、必ず何か反応があるようにした。
→ フィールドではできるかぎり1画面あたり1つくらいの施設を用意した。
→ クエストでは成功しても失敗しても程々以上の報酬を得られるようにした。
→ クリア評価を搭載し、どんなプレイでもなるべく前向きな表現でコメントした。


締めるところはキュッと締めて、ゆるくすべきところはゆるくして、
かつ安心して遊んでもらいつつ、チャレンジにはしっかり見返りを用意する。
そうまとめてみると、本当にどれも当たり前の話かもしれません。
ですがそういった当たり前のことをするのが難しいのもまた、ゲーム開発です。

『シルフェイド幻想譚』を作った当時の私は、今よりはるかに未熟でありながら、
今でも使える重要な考え方もいくつか持っていた気がします。
そしてまた、その中には今の自分でさえたまに忘れがちなことも含まれています。

ゲーム開発における「意図」は、良いゲームを再現するための大切な武器です。
次のゲームでも、これらの「意図」が使えそうな部分があれば忘れずに使っていきたいですね。





以下は前編の記事に対する気になった拍手コメントです。
皆さまの拍手コメント、いつも本当にありがとうございます!


>【『シルフェイド幻想譚』では、「システム上、2人以上の仲間を同時に  .
>迎え入れることができない」という制限】に対し、仲間キャラクターの   .
>一部に、それぞれに特有で納得のいく理由づけがあって、当時とても  .
>感心させられた思い出があります。アルバートには             .
>「他の仲間キャラとは意思疏通が不可能で、戦闘時に支障が出るから」
>という至極当然な理由づけが。オーバは「トリオが嫌いだから」という、 .
>本人の性格的にも読み取れそうで単純明快な理由が。セタには     .
>「信用できる人間が主人公のみだから」という、ストーリー面でも     .
>重要で合点の行く理由がある点などですね。(中略) ところどころの  .
>状況説明に納得がいくのも、遊んでいて気持ちがよかったところです。 .


こういう観点のコメントは初めていただきました、ありがとうございます!
仲間の人数をオーバーしたときのメッセージはうまく思いつかなくて、
割と必死で考えていた気がします。

できれば『片道勇者』における「闇」のように、ゲームシステムに関わる部分には
もっとらしい世界観上の理由もしっかり付けたいなと考えているのですが、
全部は全部そうすることができないのでまだまだ力不足を感じます。

うまいこと説明できればゲームにも世界観にも入りやすくなるので、
これからもできる限り、システムとストーリーはリンクさせていきたいなと願っています。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ! 
■ 2017/04/15 (土)  初RPG制作で意図したこと1 ■
【初RPG制作で意図したこと 前半】

新作開発を進めるにあたって知見を整理しておこうと思い立ったので、
今回は12年前の2005年にリリースしたRPG『シルフェイド幻想譚』を振り返り、
当時考えていたであろう「意図」について整理してみることにしました。

当時は「何となくこうやった」としか説明できなかったことも、
今なら明文化して説明することができるようになっているはずです。

と思って書いていたら長くなったので、今回の記事は前半分の「前編」となります!
よければぜひ、ご覧ください。前編の話題は以下の通りです。

【『シルフェイド幻想譚』はどんな人をターゲットにしていたか】
【まず開始時のオープニングが長かったので、分けた】
【物語への「興味が薄い人」と「興味がある人」、両対応にしたかった】
【フィールドのエンカウント戦闘がストレスだったので場所を限定した】
【(余り気味だが)リソースに限度があることを示して緊張感を増した】
【どのくらいのペースで進めばいいか分からず不安になるので、
ペースメーカー的な存在を入れた】






【『シルフェイド幻想譚』はどんな人をターゲットにしていたか】

まず、『シルフェイド幻想譚』とは私が初めて作ったRPGです。
このゲームは、15日以内に世界を救うために天空島を冒険するRPGで、
移動したり休んだりするごとにゲーム内時間が経過していきます。
敵を含むメインキャラクターたちは、日数が経過するたびに
各々の目的のために島を移動したり、抱えている使命を進めていきます。
たとえば、あんまり放っておくと敵の側が伝説の武具を回収したりするのです。

このゲーム、当時は私が未熟であったがゆえに「どういう層に向けて作るか」といったことを
ほとんど意識できていなかったため、ひとまず仮想ユーザは私であり、
「私の好み」を大いに反映したRPGとなっています。

このゲームで反映した「私の好み」、つまり「想定ターゲット」は、
おそらく以下の通りだと考えています。

<ターゲット>
・常に行動に判断を問われるようなゲームが好きな人
・多すぎるザコ戦はちょっと遠慮したいという人
・なるべくフェアなプレイ感で遊びたいと思ってる人
・ストーリーを押しつけられたくないと思ってる人
・ゲーム面の楽しみや最適化を重視する人
・リプレイできるRPGを楽しみたい人


もし似た感じのターゲットを想定されている開発者さまなら、
これからお話しする中にも何か使いやすい工夫があるかもしれません。



【まず開始時のオープニングが長かったので、分けた】

すでに遊ばれた方にしか分からない言い方になってしまいますが、
実は『シルフェイド幻想譚』のオープニングは今の分だけではなく、元はもっと長いものでした。
「世界には目的のために動いている仲間がいるんだよ」ということを伝えるために、
他の仲間キャラの演出もオープニングに含めようと考えていたのです。

ただ、『シルフェイド幻想譚』は当初から「何度もリプレイする可能性があるゲーム」に
仕上げるつもりでした。そうなると何度も見るであろうオープニングが
長いと邪魔だよなあ、と思った末、私は、
「作りかけていた仲間キャラの演出をオープニングから分離」
することにしました。

分離した分のオープニングはどこへ行ったのかというと、
「街の人から聞ける話」という立ち位置に変え、
最初の街のイベントに移しています。その話は後でも述べています。

何はともあれ、
「オープニングで出るはずだった情報を、プレイヤーが任意に見られる場所に移動させる」
ことで、「短いオープニングですぐゲームに入れるようにできる」というのは、
初めてRPGを作った自分からすると画期的な手段に思えました。

なにより『シルフェイド幻想譚』は「ストーリーにあまり注目しない人」もターゲットです。
私も割とそっち寄りなんですが、そんな方々にとっては
長いオープニングは価値が低い時間です。
彼らはおそらく「必要最小限のゲーム的な情報だけ与えて始めさせてよ!」と
おっしゃると思います。というかそれがまさに私です。

そんなわけで、最終的にできあがったオープニングのメッセージ量は以下の通りとなりました。
(ここでは1文=1メッセージウィンドウ分として計算するものとします)

「主人公の性別選択・名前指定・トーテムの選択」
15文 (プレイヤー自ら開ける詳細情報テキストを除く)

「シーン転換、ゲームに必要な情報の説明」
17文(15日以内に災いを見つけること・15回まで復活可能であることなど)

「依頼者の誠意が多少感じられるおまけの会話と、プレイヤーの意思確認」
選択肢によって5文か8文

「重要アイテム入手メッセージとトーテムの挨拶」
9文くらい


キャラメイク含め、最低限通過するテキストは約50文ほどで、
名前とトーテム(他RPGでいう「クラス」のような要素)をすばやく選択すれば、
おそらく1分くらいでオープニングが終わると思います。

そしてスタート地点から見える最初の街に入ると、すぐに
兵士が「大ニュース大ニュース!」と叫びながらぶつかってきて、
兵士詰め所に入っていきます。
一周目のプレイヤーさんなら、たぶんその人に話を聞いてみることでしょう。

そこで話をすると発生するイベントは1分くらい続く長いシーンだったと思いますが、
実はあれこそが、元「仲間紹介を目的としたオープニング部分」だったのです。



【物語への「興味が薄い人」と「興味がある人」、両対応にしたかった】

これも、先ほどの「オープニングを切った」という話に関連する内容です。

私を含む「ストーリーにあまり注目しない人」がオープニングやデモシーンに出くわして困るのが、
「聞かなくてもゲームプレイそのものには影響しない世界観説明などの内容がほとんどなのに、
『重要なゲーム的情報』がそのシーンに混ざっていることがある」
場合です。

たとえばめちゃめちゃ長い世界観説明の後に、最後にちらっと
「ここで別れよう、おまえは南の砦で竜のカギを探すんだ!」
と言うゲーム的指示が出ていた場合、うっかりデモシーンを飛ばしたり、
テキストを読み飛ばしたりしてしまうと次への行き先が分からなくなってしまいます。

このような場合、飛ばすとゲームプレイに支障が出てしまうので、
「ストーリーにあまり注目しない(がゲーム部分にだけは注目する)人」にとっても、
たとえ興味がなくても全部しっかり見ないといけません。
となると、中には少し苦痛に感じる人も出てくるかもしれません。
私自身でさえ、自分で作ったお話が万人に対して面白いとは考えていませんしね。

開発者の方や「ストーリーに興味がある人」からしたら
「けしからん! 物語もしっかり見なさい!(見せなさい!)」と言われてしまいそうですが、
ストーリーに興味が持てない場面がしばしばある私にとっては、
ストーリーに興味がない人にも、興味がある人にも、両対応にした
「強制演出シーン」にできるのが望ましいなと思います。

ではシルフェイド幻想譚でどうやってその両対応を実現しようとしたかというと、
以下の手段を採用しました。

●先のオープニングのように、強制的に見る内容は「ゲーム的指示」に絞ることを心がけた。

●「ストーリーやキャラクターに注目したい人」向けの配慮として、「相談」コマンドを用意した。
→ 「相談」は今一緒にいる仲間やアドバイザーキャラとどこでも会話ができる機能で、
「場所」や「経過日数」に応じて会話の内容が変化します。

●世界観に興味がある人なら街のNPCキャラなどにも話しかけてくれるでしょうから、
その辺りでもある程度は欲を満たしてもらえる期待がありました。
切ったオープニングも、街のNPCキャラの方に入れたわけですしね。


これらの意図を言い換えると、以下のような感じになるでしょうか。

●キャラクターや物語に興味を持てない人に対しては、
「強制テキストにはゲーム的に必要な情報が主に出るんだよ」と
最初からアピールすることで、強制テキストだけは
以後もしっかり読んでもらうようにする。

●ストーリーやキャラに注目したい人のために、自発的に見られる会話パートを用意する。

『シルフェイド幻想譚』ではこうすることで、両方のタイプのプレイヤーさんが
不満を感じにくい構成にしようと意図していました。
当時、自分のストーリーには自信がありませんでしたから、
「遊ばれる人にとって見るに堪えないものだったら、見なくても済むようにしよう」
という考えも強かったのかもしれません。いまだにストーリーには自信はありません。

ただ、『シルフェイド幻想譚』ではこういった両対応を意識していたものの、
私の他のゲームだとあまりうまくいってないこともあります。

たとえばマウスアクションゲーム『モノリスフィア』のストーリーの入れ方は、
個人的にはちょっと微妙な評価です。
「ゲーム開始時やステージ間に、たまに割と長めの会話パートが入る」
という形式なのですが、あれこそ強制テキストを短めにして、
任意のタイミングで実行できる『相談』コマンドを入れた方が
スマートだったような気がします。

なお、最近のゲームは次にこなせるミッションやクエストがリストで確認できるようになっており、
強制演出シーンを飛ばしたり忘れても問題ない造りになっていることが多いはずです。

『シルフェイド幻想譚』は12年前のゲームなのでそのトレンドに乗ってはいませんでしたが、
一方で、クエストリストが存在しないことで「やらされている感」を
感じさせない造りになっていた可能性もある
ので、
そういうのがあった方がよかったのか、そうでなかったのかは今も分かりません。
これが長編だったら「クエストを忘れることによる不便さ」が上回るでしょうから、
まちがいなくクエストのリストを搭載したと思います。



【フィールドのエンカウント戦闘がストレスだったので場所を限定した】

これは私が一般のRPGをプレイしているときによく思っていたことなのですが、
単純なランダムエンカウント方式はストレスが溜まりやすい方式だと感じていました。
たぶん、特に予定も覚悟も期待もしてないのに何の前触れもなく突然戦いが始まるというのが、
ほんのり理不尽に感じていたのかもしれません。

なのでフィールド上での戦闘もいっそのことなくしてしまおうかと考えたのですが、
フィールド上で手軽に野良の敵に戦いを挑めなかったり、力を手軽に試せなかったり、
通過にあたって能力不足を感じられる場所がないというのは
RPGとして面白くないかもしれないとも思います。

そこで、「力試しやレベルアップがすぐできる」、「戦わなくてもある程度進める」
の両方を成立させられる方式として、以下の仕組みを導入しました。それが、

「フィールドでは、『森』の中でしかランダムエンカウント戦闘が発生しない」

という方式です。
これなら移動したいだけの人は気楽に移動できますし、
戦いたい人は自ら戦いにおもむくことができます。

私が過去に見た、エンカウント場所が限定されているシステムが
採用されているゲームは『ポケットモンスター』で、このゲームでは
「草むら」に入らない限りはランダムエンカウント戦闘が起きないようになっていました。

ポケットモンスターは、「すでにそのエリアのポケモンを回収済み」などの理由で
「戦う意味がない」場面が多いからこそのこの配慮だと思いますが、
普通のRPGでも戦いたくないときは多いので、これは素晴らしい方法だと考えています。
平均的なRPGで「プレイヤーがフィールドマップに出ている状況」というのは、
半分以上は「移動・探索」を主目的としている場合でしょうからね(残り半分が「戦闘」)。

そしてまたこれを採用した結果、「歩くだけでゲーム内時間を消費する」というシステムとあいまって、
「フィールド移動時はなるべく『森』部分を積極的に通って、
経験値を稼ぐ方が有利だと感じられる人が増えた」

というのが個人的に面白かったところです。
もちろん戦う価値がなくなれば森を通らなければいいので、面倒くささもありません。
「感じられる面白さ」だけを上げることができるということであれば、
この「限定された場所のランダムエンカウント」を採用しない手はありませんでした。

なおフィールドの後半では、部分的に「森」を通らざるを得ないところもあります。
これは「戦闘能力が低すぎる状態で先に進んでも大変なことになる」ので、
通行する心理的負担を大きくすることで、他のところを先に回ってもらうことを推奨する意図でした。
ある程度強くなった状態であれば、あっさり倒せるくらいの敵しか出ませんけれどね。

また敵との戦闘に入っても、たしか空を飛ぶ敵や水中など悪条件での戦闘でない限りは
逃走成功率を100%にしていた気がします。敵と戦うのもだいたい自由なゲームです。



【(余り気味だが)リソースに限度があることを示して緊張感を増した】

『シルフェイド幻想譚』ではゲーム内時間に「15日間」という時間制限がある他、
命の数も予備が「15個」と制限されています。つまり、

「それなりに次の行動を考えて時間を節約しなければならないけれど、
むやみに突っ走って死にまくるのは損」


ということをゲームシステム側で示しています。
急ぎつつ慎重に進まねばならないということで、なかなかのジレンマです。

といっても実際のところ、このゲームは変な詰まり方をしなければ
ゲーム内時間10日もかからずにクリアできる上、
死亡回数が5回を超える人も割合的にはかなりの少数だと思われます。
つまり、リソースは実はだいぶ余り気味に設定されているのです。

これは「日数にふさわしい量のイベントを用意できなかったから」というのもありますが、
もう一つ、「できればクリアはしてほしい」けれど「無思考になってほしくはなかった」
という私の要求を解決するために導入した方法でした。

この「無駄なことをしなければほぼ確実に突破できるくらいの制限時間」という、
最終難易度にはほとんど影響がなさそうな制限を付けるというのは、
「プレイヤーさんに全力で取り組んでもらう」目的においては非常に効果的な手段です。
シルフェイド幻想譚ではもっぱら「緊張感を持ってもらう」ための機能として、
これらのリソース制限を設定しています。

ただ、今振り返ってみると反省もあります。
あとどのくらいでゲームが終わるか分かりにくいので、
「前半は慎重に進んで、後半追い上げるぞ!」とか、
「後半で時間の余裕を持てるように前半は急ごう」「時間があるからここで溜めよう」といった
全体的な戦略があまり持てない形式だったということです。

この点に関しては、次の項目で話している「ペースメーカー」的な存在を
用意することでなんとかカバーしようと試みていますが、もう一歩欲しかったかもしれません。

もし次に同じような感じのゲームを作るなら、
「全体マップを最初に見せたり踏破率を出して、今どのくらいの探索ができているかを
もっと分かりやすくする」
といった配慮も入れればいいのかな、と今になって思っています。
言い換えると、「現在の進行度が何%か明確に分かるようにしたかった」というのが反省点です。
そうすれば、プレイヤーさんももっと先を見据えた判断ができそうです。

また、時間制限や死亡数制限を設けるもう一つの問題として、
「ゲームが苦手な人がクリアできない」という可能性が出てしまいます。
この点は対策を諦めてしまったのですが、いちおうサポートの一つとして、
「たとえ時間切れでゲームオーバーになっても、稼いだ成長のためのポイントを
そのまま引き継いで再プレイができる」
ような配慮を行っています。

ですがそれ以前の問題として、フリーゲームRPGという立ち位置の場合、
ゲームが苦手で挫折する人の数よりも、モチベーションが尽きて
途中であきらめる人の方がはるかに多いだろう
、と私は考えていました。

その一方で、ゲーム内に制限時間があれば、
とりあえず1回時間切れするまでは遊んでくれる可能性が上がりそう
な気がします。
そういう期待も制限時間を設けた理由の一つで、
「実は少し厳しい世界の方が、プレイ時間の平均値が伸びるのでは」と考えていたのです。

実際、私も時間制限があるゲームなら、
「とりあえず時間切れが来るまで挑んでみよう」と思うことが多いタイプです。
制限内でどこまでいけるか、楽しみになっているところもあるのかもしれません。

もちろんその場合、いざ時間切れでゲームオーバーになってしまったら、
次プレイへの期待がない限りはもう二度と遊ばない確率が高いと思います。
そこで『シルフェイド幻想譚』では、
「開始時にプレイスタイルを選べる『トーテム』の選択ができるようにした」のと、
前述した通りの「ゲームオーバーになっても一部経験値を引き継ぎできる仕組み」
搭載することで、2回目に挑んでもらえる確率を上げるような配慮を試みています。



【どのくらいのペースで進めばいいか分からず不安になるので、
ペースメーカー的な存在を入れた】


前述の通り、『シルフェイド幻想譚』にはゲーム内時間が設定されており、
フィールドやダンジョンで一歩あるくたび、あるいは宿屋で寝るたびに時間が経過していきます。
そしてゲーム内で15日が経つと、世界が滅んでゲームオーバーになってしまいます。

時間制限があると緊張感を持たせられるのがよい一方で、こういうシステムの場合、
「どれくらいの速度で攻略せねばならないか分からなくなってしまう」ため、
プレイヤーさんは「本当に必要最低限のこと」だけこなして、
脇目もふらず必死でただひたすら前進していくプレイになってしまうかもしれません。

開発者である私も、プレイヤーさんには「考えて効率的に行動して欲しい」と思っているものの、
さすがに「そこまで急かしたくはない」と考えていました。
何より、ゲームシステム側の問題でむやみに不安を与えるのは、
ゲームの形としてはあんまりだと思っています。

そこで、ある程度は時間の猶予があることを示すために、
「推奨する進行度」を表す「ある旅人」を日ごとにフィールド上を移動させて、
それを指標にしてもらうことにしました。

<マップで見える「焚き火」が、ペースメーカーたる旅人のいる場所です>


ゲーム内では、「この旅人と同じところまで来ていれば進行度的に大丈夫だよ」と
教えてくれるので、街のそばにその旅人がいる限りは、
比較的安心してその近くの探索や強化を行うことができるわけです。

ただ、当時はペースメーカーを付けたことをそこまで重要なことだと思っておらず、
後で評価されてようやく重要度に気付いた点だったので、
「ペース配分が分からないゲームシステムなら、ゲーム側からの
進行度の目安を示すのはとても重要なことかもしれない」

と考えさせられた一件になりました。

これは、リソースをどんどん消耗していく形式のRPGにも言えることかもしれません。
ダンジョン攻略時、今が何%くらいの進行状況なのか分からないことには、
進むべきか退くべきかの判断もできません(そしてたいていは情報不足から退くことになります)。
アイテムを大量に持ち込めるゲームならいいですが、慎重な配分が要求されるゲーム性なら、
「進行状況」を表す指標がどこかにあると、私も楽しく作戦を考えて楽しめそうです。
情報がない場合、とにかく継戦重視や安全重視のセッティングしかしなくなって、
プレイが一辺倒になってしまうことも多いですからね。


そして話が戻りますが、この「進行度の目安を示す」方法、
『シルフェイド幻想譚』では一つ失敗したところがありました。
実は旅人のいるマップで「相談」コマンドを使わないと、
「この人と同じペースで行けばいい」という情報を得ることができないようになっていたのです。

「旅人が進行度の目安である」という情報は今になってみると相当に重要な話だったので、
もっと積極的に、強制に近い形で教えてあげるようにすればよかったなと考えています。
物語やキャラに興味のない人は「相談」コマンドを使わない可能性があったので、
判断にも関わる重要なゲーム的情報は強制メッセージで出すべきだったのです。

こういった情報の重要度の見定めも、これからもっと
上手にやっていきたいなと考えさせられたところでした。



ということで以上、まだまだ続きますが、
ここまでが 『初RPG制作で意図したこと』 の前編です!
今回はここで一旦区切らせていただきます。

残り半分は来週、お届けします。気になる方は、よければお楽しみに!



それはそうと、私は現在、新作『片道勇者の次回作(※ただし正当続編ではない)』
プロトタイプ開発中です。今回は『片道勇者』よりは見た目にこだわりたいので、
インターフェース周りなどにも前回より少しだけ労力を割いていて、ゆっくりめの立ち上がりです。

お知らせできるようなところまで来たらまたボチボチお見せしていきますので、
こちらもあまり期待せずにお待ちいただければ幸いです。


他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ! 
 
■ 2017/04/08 (土)  ウディタVer2.20公開! ■
【WOLF RPGエディターVer2.20公開!】

色々とイベントがあってこの話を載せるのが遅れてしまいましたが、
めでたく3年半ぶりくらいにウディタが更新されました! バージョン2.20です!

去年の10月くらいから4ヶ月くらいウディタの修正を続けていたので
さすがにちょっと疲れましたが、バグ報告はまだ届いています。ウホホホ!!
ゆっくり直していきます……。

さて、今回はVer2.20の目立った更新点をご紹介していきます!



◆選べる画面サイズが追加! 16:9サイズにも対応!

元のゲーム画面サイズである320x240(倍)・640x480・800x600に加え、新たに
848x480(16:9)・854x480(16:9)・960x720・960x540(16:9)・
1024x768・1024x576(16:9)・1280x960・1280x720(16:9)

から選択可能になります!

さすがに4:3サイズはクラシックだなあ……
とSteamに『片道勇者』を並べてもらってて感じたので、
今後はバリバリ16:9サイズも使っていきたいと思います。
万が一スマートフォンに進出する場合を考慮しても、
16:9あたりの方が見栄えがよくなるでしょうしね。


◆「タイルサイズ」と「ゲーム画面サイズ」を
個別に設定できるようになりました。


これも重要な修正点! 従来は画面サイズとタイルサイズが比例してたのが、
今回から「タイルサイズが32ピクセルでゲーム画面サイズは1280x720」
といった好きなタイルサイズと画面サイズの組み合わせが可能になります。

開発途中に「もう少しゲーム画面が広ければなぁぁ~!」と思ったその瞬間に
ゲーム画面サイズを増やしてもとりあえずは動くので、
色々試しやすくなると思います(※インターフェースは変になります)。


◆「システム言語」を変更可能に!

「ゲーム基本設定」から、「システム言語」を「日本語」と「英語」から選べるようになります。
タイトルバーやエラー文を英語表記にしたい場合は「英語」を選んでください。
『片道勇者』を海外に送り出すときに必要になったので搭載された機能です。


◆別のゲーム名なら複数の「Game.exe」を同時起動できるよう修正。

これは遊ぶ人が嬉しい修正です。これまでは何かのゲームのGame.exeが1個でも動いてると
別のゲームでもGame.exeを立ち上げられなかったのですが、
今回のバージョンからはゲームさえ異なれば複数起動させることが可能です。

これでウディタで音楽プレイヤーや放置ゲームを動作させたまま、
別のゲームを遊んだりすることもできます。
前回のウディコンで放置ゲームが複数来てて「ああ~複数起動したい!」と
思ったので搭載された機能です。


◆プレイヤーがゲームウィンドウ端をドラッグすることで、
ウィンドウサイズの倍率を自由に変更できるようになりました。


これも遊ぶ側にとって便利な機能!
ウィンドウ端をドラッグしてぐぐっと伸ばすと、画面サイズを自由に伸縮できます。
(ただしグラフィックドライバによっては拡大縮小で画面が止まる場合があります)

放置ゲームや音楽プレイヤーを動かしているときなどに
画面を小さくしてディスプレイの端に配置したりできます。

         
◆ツクールシリーズと同じく、音声ファイルの「LOOPLENGTH=~~」機能に対応。

ウディタはこれまでの版でもLOOPSTARTには対応してたのですが、
LOOPLENGTHには対応してませんでした。
今後はOGGファイルやMP3ファイルの最後をカットしなくてもループさせることが可能です。
要するにBGM素材屋さんのループ指定された素材ならそのまま取り入れても安心!


◆ルビの文字サイズをシステム変数「Sys23:ルビのフォントサイズ」で設定できるよう修正

これまでは画面サイズに応じて自動でルビサイズが変わっていたのが、
今回から自由選択になったのでルビの文字サイズも手動設定できるようになります。
むしろ「なぜなかった」という機能ですね。


◆コモンイベントファイル(CommonEvent.dat)が破損していた場合、
復旧可能な部分まで抽出して保存し直す処理を追加。


コモンイベントファイルの破損が検出されたら直せる部分まで復旧してくれる機能です。
でも半分とか吹き飛んでたらどのみちどうにもならないので、
その場合は以下のバックアップ機能に頼ってください。
 
 
◆「DATファイル自動バックアップ機能」を追加。エディターオプションから設定可能です。

いつファイル破損が起きるか分からないので付けた自動バックアップ機能です。
コモンイベントファイルやデータベースファイルをバックアップしてくれます(マップは別)。

エディタの毎起動時、Basicdata内のdatファイルだけをバックアップフォルダに1段階コピーします。
「毎月1日と15日に定期保存」されるモードも選べますので、
「うわあああいつの間にか変なところいじってるぅぅ元ってどうだったっけ!!」
というのを探したい人はそちらもオンにしてくださるといいと思います。

◆ジョイパッドのPOVキー(アナログスティックと十字キーがパッドにある場合の十字キー側)を
方向キーとして認識するように修正。XBOXコントローラの後ろトリガーを認識するよう修正。


地味ですがRPGならXBOXコントローラの十字キーを使われる人の方が多いと思いますので、
今回からPOVキーにも対応しました。『片道勇者』をSteamに展開するときに実装した気がします。


◆F11キーに全画面化を割り当てました(Alt+Enterの全画面化が使えなくなりました)

Alt+Enterの全画面化が不安定なことが発覚したので、
F11キーを全画面化に割り当てました。
他のツールでもだいたいF11が全画面ボタンのはずです。


◆使用可能なアイコン番号を1000~9999にも拡大。

アイコンをガバガバ使ってるとあっという間に1000個を超えそうになります、
というか『片道勇者プラス』でまずいことになりそうだったので
アイコン枠が0~999番だったのを10倍に増やしました。
さすがに足りると思います。


◆緑帯エラーが出た場合、「Game_ErrorLog.txt」ファイルにエラー文を出力する機能を追加

エラー文がファイル出力されます。
「エラーが出たけどわざわざメモってないよ!」というプレイヤーさんも
今後は楽に報告できるようになってますので、
作者さまにどんどんエラー箇所を連絡してください。


◆ Game.exe起動時、マウスカーソルのある場所のディスプレイを自動判別して
そのディスプレイにゲーム画面を表示するよう修正。


すっごい地味で言わなきゃ誰にも気付かれなさそうな修正ですが、
複数ディスプレイ上でGame.exeを起動したときにマウス座標とディスプレイ座標を計算して
今マウスカーソルがあるであろうディスプレイにGame.exe画面を表示させます。
すっごい地味なのに作るのにびっくりするほど苦戦しました。


◆同じEditor.exeを多重起動しようとすると警告が出るように修正。

これは作者さま側にとって地味に助かる機能!
知らずにEditorを多重起動してしまったとき、うっかり古いデータを開いているエディター側で
保存するとその時間までデータが巻き戻って微妙に困る問題がありました。
要するに、複数同じEditor.exeが出せるとたまに危険なことになるのです。

これからは同じEditor.exeが複数起動されそうになったら指摘してくれるので安心です。



この辺りが代表的な修正点ですが、他にも
バグ修正も含めれば150点くらい修正が加えられています。
多少は安定したと思いますので、よければぜひご利用ください。

【ウディタ公式サイト】
【ウディタVer2.20 更新内容一覧】

最新EXEを導入する際は必ずバックアップを取った上で上書きしてください。
一部の大きな変更に関しては「ゲーム基本設定」で前バージョンの挙動に
戻せるようにしているので、必要に応じてゲーム基本設定で
「Ver2.10時点の挙動で動作」などにしてください。

他にも「基本システム」というコモンイベント集が色んなゲームサイズ対応になって
座標計算の方法が完全に変わりましたので、すでに改造中の人が
最新のVer2.20基本システム更新分を導入したりすると
敵キャラが0,0座標(※左上)に寄ったりウィンドウが出なくなったりする可能性があります。
基本システムを改造して使っておられる方は、「基本システム」を更新しない方が安全です。



【おまけ Gクラスタに片道勇者が出ました】

一応これもウディタに関連する話なんですが、
GクラスタさまというサービスにPLAYISMさまからインディーゲームを出す話になったようで、
一番槍として『片道勇者』(無印版)が進出しました!
これも、ここ最近、裏で進めていたお仕事の一つです。


【Gクラスタ内 片道勇者紹介ページ】



Gクラスタさまでサービスされている「クラウドゲーム」とは、すごく雑に言うと、
「キー操作だけを送信し、映像を受信する」形でプレイするゲームです。
ゲーム処理や画面生成は向こうのサーバで行われます。

そうすると何がいいって、ゲームデータをダウンロードする必要はありませんし、
性能の高いPCや、ゲーム機を買ったりする必要もなくゲームを遊べるわけです。
求められるのはGクラスタの機器と高速かつ良好な通信回線のみ!

PCでのプレイに比べると少し遅延がありますが、
謎の技術で遅延は許容範囲内に抑えられており、
RPGや動きが遅めのアクションゲームくらいならほぼ問題なく遊ぶことができます。
『片道勇者』なら、Gクラスタ版だけ見せられれば
元から遅くなっているとはほぼ気付かないレベルでした。

いちおう、Gクラスタの機器(今なら1700円)をお持ちで、
月額500円プランに登録されている場合にプレイ可能となっております。
もしWindowsのPCを持ってなくてGクラスタをお持ちかつ月額500円プランに登録中という
レアな方がいらっしゃいましたら、よければぜひどうぞ。
夏休みに子供にゲームを遊ばせたいけどPCもゲーム機もない!
といった親御さんにも、お安くゲームを楽しんでいただけるプランかもしれませんね。



以下は、これまでにいただいた、気になった拍手コメントへの返信です。
皆さまのご意見ご質問、いつも本当にありがとうございます!


>今後のウディタの展開としてスマートフォン展開はありますか?

ウディタのゲームをスマートフォン(Android、ブラウザ経由でiPhoneでも可)で遊ぶなら、
PLiCyさまというサービスですでに独自に実現しておられますので、
スマートフォン展開は今のところそちらにお任せするような形になっています。
スマートフォンで遊ぶようにするだけなら、PLiCyさまのほうで無料で可能です。

私の方はWindows版だけで直近4ヶ月くらい修正を続けてたりしていて
この調子だと餓死コース一直線なので、手広くする前にまずは現状を
少しくらい収益化に繋げる道を模索する必要があるのではないかという認識です。
この点について、今も色々と考え中です。
(今年の1月にも、開発日誌で似たようなお話をさせていただきましたが、基本的には
現在ご提供させていただいてる分はそのまま無料でサポート&配信予定です)



>ゲームの話として状態異常(デバフ)の話がお聞きしたいです  .
>ゲームによって同一ジャンルでもかなり差が有るのに      .
>大きく話題に上がる事は少ないので是非お話しを伺いたいです。


状態異常(眠りや毒など)やデバフ(攻撃や防御低下など)については、
個人的にはおおよそ以下の印象を持っています。

●一番使いたい「強い敵」に状態異常やデバフが効かないことが多いので、
経験的にどうしても状態異常やデバフは軽んじられがちな印象。
効くことが明らかになっていれば選択肢に入ると思います。

●100%の確率で効かない状態異常・デバフの場合、
他の「確実に効果を発揮するスキル」が選ばれやすい。
たとえば「直接ダメージを与えたり、回復したり、味方を強化したりする」魔法などが優先される。
→ 相手が強敵であるほどターン数を無駄にできないだろうと思うからです。
「ボスに状態異常やデバフが効くかどうかを試すターン」さえもったいないときがあります。

●もし確率で効果が出る(100%効かない)状態異常・デバフを
使う場面が来るとしたら、情報交換したりwikiの情報などを集めて、
「状態異常・デバフの方が効果的だと『確定した』」段階でようやく選択肢に入る気がします。
→ 情報不足の状態では経験者でも状態異常やデバフを積極的に使わないかも。

●武器の付与などで「一定確率で自動発動する状態異常・デバフ効果」なら
付いてて損はないので、その武器本体の攻撃力が極端に低くなければ
状態異常・デバフ付き武器を使う場面もあります。
→ 他にも低コストだったりターン消費なしで使えたり、
何かの追加効果であれば試す場面もありそうです。
とにかく状態異常が主となる技の立ち位置は辛いかも。


以上が、「一般的にはこんな感じに落ち着いてしまうのでは」
と私が考えている状態異常効果・デバフへの印象です。

これらの印象があることを前提に、RPG『シルフェイド幻想譚』では
状態異常も戦闘中の選択肢になりうるよう、
どんな敵にも100%効くものを作ったりしました。以下の2つです。

・邪眼:ラスボスだろうがどんな敵でも確実に2ターン眠らせる(※特定キャラ専用)
・封印:どんな敵でも1ターン理力(魔法)を封印 & 理力への耐性を0%に下げる。

さすがにラスボスには普通の「一定確率で効く眠りの呪文」などは試さないでしょうから、
やるなら「100%確実に効く!」というくらい思い切った性能にしないと使われないかな、
と私は考えています。よそのゲームを遊ばせていただいているときも同様で、
強い敵にも高確率で効くことを知らないとそもそも私はその状態異常やデバフスキルを
使わない気がするので、取り入れるときは上記のような形で導入しています。



>ウルフさん、今度はBGMについて語っていただけないでしょうか?   .
>私は片道勇者のgameoverやシル学の黒サラ戦の曲が好きなのですが
>どうやって選曲しているのですか?                      .


普段から色々な曲を集めて、「何となく一番破壊力がありそう」とか、
「何となくこの場面に一番しっくり来そう」と感じたものを選ばせていただいています。
私には音楽をデータとして見る知識がないので、選ぶ基準は
「私の感性」というあまりにあいまいなものでしか説明できません。

たぶん、音楽を極めれば「盛り上がるシーンはテンポXXXで!」とか、
「こういうメロディラインにすれば悲しくっぽく聞こえる」「文化的にこれが合う」
というのが分かるかもしれませんが、私の場合は
「音楽はよく分からないけどなんとなくシーンに合う気がする!」
という基準だけで選んでいます。

音楽が分からない人間の選択なので、
ある意味においては音楽を詳しくご存じでない多くの人にも
共感してもらえるチョイスができているのかもしれません。


>TRPGの話をされてましたね。それについて自分がよく演じるキャラ設定、    .
>とっさの行動(=中の人の性格)も含めるとどのような感じのものが多いですか?
>また、他の人のキャラだとどのようなものがお好みですか?             .


日常でもそうですが、自分は基本的にはどんなときでも
「解決方法」や「仕組み」を真っ先に考えやすいようなので、
普通に事態を収拾するために動くようなキャラならできそうです。

ただ、茶化したり面白いことを言ったりするのは難しいですね。
上手にジョークを飛ばせるようになりたいなあ、と頻繁に思います。

他の人の好みのキャラは……GMをしてばかりだからかもしれませんが、
多種多様な組み合わせの人達だと嬉しいですね!
これといった好みがあるというよりは、
場を盛り上げてくれる人、まじめに進める人、運の悪い人など
「色々な種類の人が集まっている」のがうれしい気がします。
精神的役割が同じ人ばかりだと、役割の取り合いで衝突して困ったことになりますからね。

■ 2017/04/01 (土)  エイプリル 片道続編? ■
【エイプリルヒストリー!】

ということで、2017年のエイプリルフールは新しいネタを用意できなかったので、
2007年から2016年までのエイプリルフール総集編となりました。

【2017年 エイプリルヒストリー ページへ】


いざ振り返ってみると、この10年間で色んな出来事がありました。
上のエイプリルページの最後にもチラっと書きましたが、
現在、『片道勇者』の続編ポジションのゲームを構想&プロトタイプ作成中です。

まずはプロトタイプを作ってみてからですが、面白く作れそうな素質がありそうなら
リリースに向けて本格開発されると思います。よければほんのりご期待ください。



【片道勇者続編 目標】

前回と同じく、今回も『片道勇者続編』の目標をここに挙げておきます。

・「強制横スクロールローグライク」の部分は素直に踏襲。

・相変わらず「リプレイ性」を高くすることを目指す。

・「目標」の数を増やす=ストーリー要素を前回より多めにする?
または目標を後からどんどん増やせる仕組みにする。
『片道勇者』は後から足しやすい構造じゃなかったので。

・相変わらず画像素材が自作じゃなくても泣かない。

・スマートフォン展開も視野に入れた(ゲーム)デザインを目指す。

→ スマホ展開を考慮すると基本的な
ゲームシステムにもだいぶ変化が出そうです。
これについて考え中の案があるので、
プロトタイプにして試してみたいと考えています。

・バグが起きにくいような形式を強く意識して作る
→ この点に気をつけないと、『片道勇者プラス』みたいに
修正点が計700個以上になったりして後からデータやシステムを足すのが
激しくおっくうになるので、今度は気をつけたいです。
多少いじっても安心な形なら、安心して拡張できますしね。


ということで目標は前回のプラスアルファという感じですが、
『片道勇者開発記』の執筆によってローグライク開発のコツがだいぶ整理できたので、
それを活かしてもう一度、面白く遊べるローグライク作りに挑戦したいという欲があります。

『片道勇者』が一作目、『片道勇者プラス』が実質二作目なら、
この続編が「こなれた三作目」か「番外編」か「片道シリーズの悲しい末路」くらいの
立ち位置になるのではないでしょうか。

要求されるプレイスキルの方向性はそのままにするつもりですが、
システム自体は片道勇者からだいぶ変わると思います。
判断重視ゲー寄りだったり、次元倉庫でゴリ押しできたりする部分は
相変わらずにする予定ですので、その辺りはご安心ください。

ただ、『片道勇者』の正当続編を期待されている方からすると
「なんだこりゃ、別ものだ!」と言われるかもしれないので、
『片道勇者2』と名付けたりするのは避けようと考えています。

もっとも、プロトタイプを作ってみて素質や将来性がないと思ったら
片道勇者のときと同様、遠慮なくボツにする勢いで挑みます。
まずは考え中のアイデアをひとまず動く形にしてみて、
どれだけ実用に耐えうるかチェックする段階から始めていきます。

もちろん今日はエイプリルフールですので、
ぜひその点も加味して以上のお話を聞いていただけますと幸いです。

それでは、今年度もよろしくお願いいたします!
 
■ 2017/03/25 (土)  遊ぶ人に技量アップしてほしい! ■
【ゲームプレイの技量をレベルアップしてもらいたい!】

今回は自分の「アクションゲーム」を作るときに考えている
「遊び手の技量アップを考慮したステージ作成」についてご紹介します。
というところから始まって、途中からRPGの技量アップの話をし始めています。
今回はちょっと長いです。

・アクション作り――最初に『技量のレベル分け』をしよう!
・この「技量順にステージを考える」方法、RPGでも使える?
・じゃあRPGでプレイが上手になってもらえる方法ってある?






【アクション作り――最初に『技量のレベル分け』をしよう!】

皆さんはアクションゲームを作るとなったら、どんな意図でステージを作るでしょうか。

「世界観やストーリーをドラマチックに展開できるステージ?」
いいですね、私はまだそこまでの配慮に自信がありません!

「最初はゆるゆるで、徐々に求められる精度が上がっていく感じ?」
はい、私もおおよそそうです。でも、その「精度」の部分をもう少しだけ細かく考えています。

私が「アクションゲームを作りたい!」と思ったとき、
そのゲームはだいたいの場合、変わった操作性のものです。
代表的なのは『モノリスフィア』と『プラネットハウル』で、
『モノリスフィア』はマウスを引っ張ってその反動で飛ぶ感じのゲーム、
『プラネットハウル』は変則操作の宇宙船を苦労して操るゲームとなっています。

そんな変な操作性のアクションゲームは
「ほとんどの人が初めてこの操作性に触れる」ことが容易に推測できたため、
「急に求められる技量が上がったりすると絶望的なことになるだろうな!」と考えていました。
つまり、慎重に「要求技量」を上げていかないと、突然「壁」ができてしまうだろうと考えました。
「いきなり難易度が跳ね上がりすぎて攻略できない場所」、アクションゲームでたまにあります。

なので私はそういう事態をできるかぎり避けられるよう、
アクションゲームを作る際は基本的な挙動を楽しめるプロトタイプができた時点で、
最初に『要求技量のレベル分け』を行い、それを元にステージを作ることにしました。

たとえば、『モノリスフィア』ではおおよそ以下のような感じで、
プレイヤーさんへの『要求技量のレベル分け』を行っていました。


【モノリスフィア開発開始時に想定していた要求技量のレベル】

 レベル1 時間をかけてもいいので「おおよその方向」に飛べるようになる
 レベル2 時間をかけてもいいので「狙った一点」に飛べるようになる
 レベル3 敵の攻撃をタイミングよく回避できるようになる
 レベル4 すばやく何度も「おおよその狙った方向」に飛び続けられる
 レベル5 あいまいな精度で移動してそこそこタイミングよく攻撃ボタンを押せる
 レベル6 高い精度で移動してタイミングよく攻撃ボタンを押せる
 レベル7 敵の激しい攻撃を回避しながら精度の高い移動をしつつ攻撃ボタンを押せる
 レベル8 すばやく何度も「精密な方向」に飛び続けられる


私はまず最初にこれらのレベル分けを行った後、
ほぼこの要求技量の順番で技術を要求されるステージを作成したり、
あるいは最後の調整時に「ステージの登場順」を注意深く並び替えしたりしていました。

各技量のレベルに応じて、どんなステージを作ったか紹介していきます。



【レベル1 時間をかけてもいいので「おおよその方向」に飛べるようになる】
最初のステージ。敵もおらず、最も困難な課題でも「細い道を移動する」くらいで、ダメージは受けない。
ただし挑戦したい意欲がある人向けに、レベル4「素早くおおまかな操作」を求める課題も
ステージ内に置いていたりする。これはクリアしなくても先に進める。

【レベル2 時間をかけてもいいので「狙った一点」に飛べるようになる】
小型の蛇を倒すステージ。同じルートを行き来する蛇に横から上手に当たることが求められる。
といっても、よほど隙だらけな行動をしない限り蛇はこちらを積極的に攻撃しないのでゆっくり狙える。
(蛇は頭上に行くと上に飛び跳ねてくるが、横から慎重にいって触れることで安全に倒せる)

【レベル3 敵の攻撃をタイミングよく回避できる】
ボス蛇を倒すステージ。「敵の攻撃を誘発するいい位置にたどり着く」ための正確さに合わせて、
そこで敵の攻撃をタイミングよく回避できれば倒せる。回避方向はおおざっぱでよい。

【レベル4 すばやく何度も「おおよその狙った方向」に飛び続けられる】
レースで他のニワトリたちより早く先にゴールするステージ。
とにかくすばやい移動が求められ、一定以上コースをずれると速度が落ちて不利になる。
多少のミスや精度不足は許容されている、というか最下位でも先に進める。

【レベル5 あいまいな精度で移動してそこそこタイミングよく攻撃ボタンを押せる】
「移動しながら狙って右クリック」をして消火活動をするミッションや、
水バリアを張ったまま溶岩を抜ける場面や、固定目標に火の攻撃を行う場面。
それまで移動だけだったモノリスフィアにおいて、「攻撃」という新しい概念に慣れる段階。

それらの本番として火や水の世界の「ボス戦」があり、
「敵が動くが、比較的大きいので狙いが甘くてもどこかに当たる」、
あるいは「相手が動くし攻撃もしてくるがヒットさせるまでの時間に多少の猶予がある」
といった状況の戦闘シーンが繰り広げられる。ボス戦辺りはレベル5と6の中間くらいかも。

【レベル6 高い精度で移動してタイミングよく攻撃ボタンを押せる】
草原の世界のボス戦や、それ以後の世界で炎の能力を使って敵を倒すシーン。
「ゆっくり来る攻撃や一定のリズムで動く敵」をかわしながら
「すばやい精度で敵本体に攻撃を当てること」が求められる。
そういったシーンで使う炎の攻撃は「正確な移動方向でないと当てることができず」、
「持続時間も短い」ので、「高い精度」と「タイミング」と「ほどほどの回避力」の3つが同時に要求される。

【レベル7 敵の激しい攻撃を回避しながら精度の高い移動を行いつつ攻撃ボタンを押せる】
冥府の世界のボス戦や隠しボス戦など。激しい敵の攻撃をかいくぐりつつ、
敵の小さな弱点やすばやく動く小さな敵に高い精度で攻撃を当てなければならない。
すばやい移動と精度の両方が求められ、戦闘の最終段階にふさわしい忙しさになる。

【レベル8のステージ すばやく何度も「精密な方向」に飛び続けられる】
「(細い道で)15秒以内に壁に触れずに全ての黄色クリスタルを集める」など、
全くミスが許されない精密操作の課題。これはできない人もいると思ったので、
クリアしなくてもストーリーを進められるところにおまけミッションとして入れていた。



という感じでした。基本的には、「より早く」「より精密に」「やることが多くなる」のが
順当な要求技能のレベルアップだと思います。

各レベルの要求技量の設定は、あくまで「『初めて見るステージ』のレベルが
この順番になるように並べる」
という目的で使っており、
たとえばレベル1が終わっただけなのに、レベル2~4を飛ばして
いきなりレベル5が「クリアに必須」になるステージを出したりはしません。

でも、「前のレベルの課題が後の方にも出てくる」ことはあって、たとえば
技量がレベル5まで行っても、レベル1や3の高難易度版のステージを間に挟んだりします。
これは「飽きさせない」目的で、「前と似ているけれどより難しい課題」に挑んでもらう意図です。

そしてもし「技量のレベルを飛ばして課題を出す」場合は、
できる限り「無視しても進めることができるサブミッション」として用意
します。
これを用意しておくのもたぶん重要で、そうすることで、
「順番通りに進めるのが退屈だと感じかけていた熟練者あるいは挑戦者の人」が
「あ、ゲームがうまい人や挑戦者にも配慮してくれてるな」と感じてくれると思うので、
そういった人達にも続けて遊んでもらえる確率が上がるんじゃないかなと私は考えています。

RPGでも、「今すぐ攻略しなくてよい、現段階だと攻略が難しい課題」が
早い内にポンと置かれてると興奮しませんか?
それはたぶん、あなたが熟練者あるいは挑戦者の心を
お持ちだからではないかなと私は考えます。
どう工夫すれば無理矢理に突破できるか、それを考えるのは私も好きです。



【この「技量順にステージを考える」方法、RPGでも使える?】

この技量別にステージや課題を作っていくやり方は、
「RPG」などでもまったく同じ文法が使えると思います。

たとえばRPGの要求技量として、
「集中攻撃して危険な敵から1体ずつ減らせる」「敵を倒す効率的な順序を考えられる」
「補助魔法を使いこなせる」 「最小のコストで勝てる作戦が立てられる」

などの知識や技量を求められるように敵の出し方を工夫すれば、
似たような技能習得ができるかもしれません。

……が、今その考えに至ったとき、RPGのようなターン制バトルゲームで
「プレイが上手になったと感じた経験」が私にはあまりなく、
作る側である私としても、これまで遊び手にそういった訓練をさせることを
ほとんど意識していないことに気付きました。
「植物の敵には火炎属性が有効」などそういった「ゲームごとの知識」の面では
よく教えられましたが、「持ってる技を組み合わせて最適化をする」などの
「うまさ」の面で鍛えられた記憶があまりないのです。

たとえば「補助魔法は大人になってから」と知り合いに言われましたが、
まさに私もそうで、自分も年を取って複雑な計算ができるようになって、
ようやくまともに補助魔法を使うようになったのです。
(ただ、昔のゲームは効果説明があいまいだったり説明がなかったりする場合も多かったので、
この件を議論するには時代の影響も考慮する必要がありそうです)

あなたはRPGを遊んでて「うまいこと補助魔法などを使えるようになったゲーム」を
思い出せるでしょうか? 「補助魔法を使わないと絶対死ぬ」ゲームもあると思いますが、
これ以外にも、あなたはいつ「技をどう使えばもっともコストが安くダンジョン攻略できるか」
などを考えるようになったでしょうか?

こういうことを考えているうちに、私は
「RPGにおける最適な戦術を、果たしてゲーム内の教育だけで
身に付けてもらうことはできるのだろうか?」と考えるようになってきました。

もちろん、私が開発者の皆さまが作ってくださった工夫に全然気付かず、
自然と戦術を習得させられてきた可能性は十分にあると思います。
いいゲームほど、気付かないうちに自然と技術を習得させてしまいますからね。

ただ同時に、RPGの場合は以下のゲーム性になっているために
「自分の技量」の影響度があいまいになっているところも
あるのかなと感じるところもあります。


●勝てない理由が強化不足か戦術が甘いせいかの判断が付きづらい

→ 基本的にRPGはレベルアップや装備の更新をし続けることが求められるので、
ある段階で勝てないとき、「自分の戦術面での技量不足」に原因があるのか、
「そもそも強化不足でゲーム的にクリア不可能な状態なのか」の区別が
付かない場合があります。



要するに、「自分の戦術を改善するだけで勝てるようになるのかが分かりにくい」
という意味で、何が結果に影響したかがあいまいになっており、RPGはアクションゲームよりも
「ゲームプレイが上手になるきっかけ」を得にくいのかもしれません。
そもそも日本のRPGは「戦術」と「蓄積(装備やレベル等)」の両面を足したのが
総合的な強さになるゲームなので、あいまいなのは当然なんですけれどもね。

アクションゲームはうまいやり方ができるようになるとステージを突破できたりして、
うまいプレイに対するご褒美が割と即座に分かりやすく出ますが、
RPGではテクニカルかつ効率的に戦っても反応が地味なケースも多い気がします。
それをどうにかする意図で、たまに戦闘ごとに評価をしてくれるRPGもあると思います。

個人的な希望としては、勝てたのが「自分の戦術でうまくやれたから」なのか、
「溜め込んだ力が想定より多かったから勝った」のかを教えてくれる
ゲームが好きですし、
私もそういうゲームを作りたいと願っています。
ついでにプレイヤーさんのプレイ技量が上がってくれるとなおよしで、
初心者の人をゲーム中級者に引き上げられれば、
彼らが遊べるゲームはもっと増えるでしょう。

ちなみに『片道勇者』のようなローグライクRPGでは、自ら使おうとしない限りは
「溜め込んだリソース(倉庫の中身)」を使えないことが多いので、
プレイの結果のどの部分が「溜めたリソース」によるもので、
どの部分が「自分の技術」なのかが、ほどほどに区別できるようになっている気がします。
こういう形にできると、より私好みに近付きます。



【じゃあRPGでプレイが上手になってもらえる方法ってある?】

RPGのプレイ技量を上げる方法には、どんなものがあるでしょうか。
自分の場合、どう上手になってきたかを思い出せない、というか
年齢にしたがって自然と身に付いたような感じもあって、はっきり思い出せない状況です。

私が初めてまともに「補助魔法の使い方」を意識したのは
いつだったかなーと記憶をたどってみたところ、
ある変わったシステムのコンシューマRPGを遊んだときだったことを思い出しました。
そのゲームでは、「レベルがストーリー進行に従ってのみ上がり、それ以外は一切成長しない」
というシステムだったのです。

そのゲームでは「ある時点でのプレイヤー側の強さ」にはどうがんばっても限度があるので、
ボスに勝てない理由があるとしたら確実に「自分の戦術不足」だと知ることができました。
実質的にほとんどパズルゲームになっていたのかもしれませんが、
「自分のやり方に改善の余地がある」ことにさえ気付ければ改善は容易でした。

そういうことを考えると、RPGでの学習がうまくいってないのは、
「各要素を使ってもらうための圧力が弱い」、言い換えると
「ゲーム側からの強い動機を持たせてない」ケースが多いからかもしれません。
もっと言い換えると、「補助魔法を使わないとクリアできない難易度を
ぶつければいいんだね!」
と過激なことになっちゃうんですけれどもね。

問題が一つあるとしたら、そこまで要求技量を強制すると、
今度はゲームを投げられてしまう可能性が高くなることです。
「補助魔法を使ってようやく勝機が見えるゲーム」も
とあるゲーム会社さんのRPGには多かったりしますが、
一方で挫折する人を減らしたい気持ちもあるので、ゴリ押しの余地は残したい気がします。
ひどく優柔不断に思われるかもしれませんが、それが私のRPG開発スタイルです。

そんなことを私が考えているとき、プレイヤーさんに
補助魔法の使い所を意識してもらうにあたって、
いいほのめかし方があるとコメントをいただきました。
その一例が、昔のRPG『ドラゴンクエスト3』に登場した
「じごくのハサミ」というカニ型の敵です。


<敵に自分たちと同じ技を使わせるテクニック>

ドラゴンクエスト3の「じごくのハサミ」は大量に出てきて、
敵全員を硬くする防御アップ魔法「スクルト」を使ってくる敵です。

この敵、戦闘開始時は打撃でも(たしか)少しダメージが通るのですが、
元の高い防御力に補助魔法「スクルト」重ねがけの効果が合わさると、
なんとほぼ全く物理攻撃のダメージが通らなくなってしまうのです!

この体験から私も「スクルト強いな! いつか自分も使ってやる!」と感じさせられ、
補助魔法の使い方がとても印象に残った敵だったので、
いま考えると、このやり方はすごくいいほのめかし方だったように思います。

敵が 『自分たちが使うのと同じ名前の魔法』 を効果的に使ってプレイヤーを困らせる

この方法は、「いつかあの魔法を覚えて自分も同じ戦法で有利に戦ってやる!」
と感じさせてくれる、とてもいい手段だと思います。
特にこれ、「うっかり敵専用の技を作ってしまわない」のが重要なコツの一つかもしれません。
容量に余裕がある今の時代なら、カニが使う防御アップ技をうっかり「硬化」なんて専用技に
したくなるところを、あえて「主人公が覚えうる魔法と同じ『スクルト』」にするのです。

遊んでいるときは全然意識していなかったことですが、
こうやって振り返ってみると、うまいやり方が使われていたんだなあと感心します。
私のRPGは普段、そこまでいじわるな敵キャラが出てこないらしいので
歯ごたえがないと言われがちなのですが、これからはプレイヤーさんを困らせる敵を出すついでに、
こういった技の使い方のほのめかし方も混ぜていきたいなと考えています。

そしてまた、私の気付いてないところでこうやってたくさん教えられてきたのかもしれません。
そう思うと、己の未熟さを恥じるばかりです。



【補足 最終的にゴリ押しできてもいい】

この話の主題と矛盾するように思われるかもしれませんが、
私の作ったゲームが最終的に「うまい戦い方を覚えなくてもゴリ押しでクリアできる」
というプレイができたとしても、それはそれで全く問題ないと私は考えています。

子供時代の私のように、どうやってもうまい戦い方ができない人は必ず出るでしょうし、
そういう人達にも楽しんでもらえるようリソース(『片道勇者』なら「強い武器」など)をためて
クリアできるようになっている分には、それはそれですばらしいことだと思っています。
「技能の違う様々な人が、人それぞれにできることをしてクリアへたどり着ける」というのは、
ゲームのあり方として素敵なことだと思っていますから。

もちろん、「開発側として一番楽しんでもらいたいやり方」で挑むほど、
お得感や達成感が味わえるように作るのは大前提です。
それに加え、ゲーム開発者としては「ゲームがより上手になれるきっかけ」や、
「プレイヤー自身が気付いたと感じられるヒントの出し方」
があるなら
どんどん採用したいなと、次回作を控えた今になってますますそう思っています。
これからも「新しいルールのゲーム」を次々に作っていくにあたって、
その技量はきっとどれだけあっても足らないでしょうからね。



以上、プレイヤーさんの技量をレベルアップしてもらうきっかけを作るのは難しいなあ、
という話題でしたが、いかがだったでしょうか。

この記事で挙げた以外にも、「こういう形で俺は補助魔法の使い方を学べた!」とか、
「敵の各個撃破の重要性を学んだのはこのゲーム(のあの部分)だったなあ」
みたいな話があれば、情報をお寄せくださると幸いです。
ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。



それと、ビックリするかもしれませんが、私が初めてRPGを遊んだとき、戦闘では
「仲間キャラクターそれぞれで別々の敵を攻撃する」という遊び方をしていました。
つまり各個撃破を狙う「集中攻撃」を全然しなかったんですね。

なぜかというと、当時の私は「各グループの敵を一人以上で相手しないと、
囲まれて不利になったりするんじゃないか」
と考えていたからです。
近接武器でのリアルな戦闘風景をイメージしたとき、
「他の敵からの攻撃を受けるのを無視してでも、味方全員で敵一人に集中攻撃する」
ってのはなんだかおかしな気がしたんですよ。

実はそのゲームではそんなことを意識する必要など全くなかったのですが、
初めてゲームを遊ぶ人ほど、まず「ゲームルールに応じた効率化をすべき」という
ルールを学ぶまでが遠いのではないかとも感じます。

どこまで初心者の人に配慮するかは開発者さま次第ですが、
「安心して他の人にもおすすめできるゲーム」を目指すならば、
そんな昔の私にも上達してもらえる気配りをしたゲームを作りたいなと考えています。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ!