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■ 2017/05/20 (土)  片道次回作1 プロトタイプ ■
【片道次回作1 開発中!】

ここ最近、開発日誌をじっくり書いてしまって
作業の進行が少し遅れてしまっていたので、
今週は全力で開発の方に労力を投入していました。

ということで、現在、私が何をやっているかをお知らせです!



【ただいまの作業 プロトタイプ開発中】

ただいま「片道勇者の次回作」のプロトタイプを開発中です。
今は基本システムを作成中で、できているのは以下のあたりです。

・マップの表示処理(今回はこれも自作です、ヘクスマップ!)


・基本的な移動処理(クリックした先に移動できる、経路探索が少し大変)

・攻撃やスキルなど基本コマンドの実装
(今回はメニューを開く必要なし! 詳しいことはいずれまた)

・敵のAIのひな形(近付いたらこっちに気付いて、寄ってきて殴るだけのAI)

・落ちてるアイテムと交換できる処理

・ランダムで敵やアイテムが沸いてくる処理



そしてこれから最低限「骨」として作らねばならないのは、
いま思いつくだけでも以下のあたりです。


・情報を表示するための各種インターフェース
(HPゲージやら何やら。表示するだけなので楽)

・マップ自動生成処理(そもそもマップのあり方を再検討する必要がありそう。
『片道勇者』では「大局的にどう進むか」を楽しめる部分が少なかった気がするので)

・ショップの取引機能(地味にすごく面倒臭い処理です)

・レベルアップ処理(今回はプラス版の女神像的な数択ランダム選択肢から、
上げるパラメータや取れるスキルを自分で選べる予定です)

・キャラクターとの会話処理や選択肢機能・テキストスクリプト

・強制スクロールの処理(当然今回も強制スクロールします)

・マップ上の「壁」の実装(マップのアクセントとして優秀すぎる!)

・タイトル画面の実装(片道勇者みたく少し凝ってみたいですね)

・ワールド選択画面の実装(いつも通り)

・キャラメイク画面の実装(今回はワールド選択の次に出すかも)

・ゲーム終了時評価画面の実装(いつも通り)

・街やダンジョンの生成処理

・ミニマップ処理(今のところ必要か分かりません、別の手段で補える?)

・各種便利機能(最後まで考え続けることになるでしょう)




【マップ自動生成、どうしよう?】

この開発予定の部分で、いま特に悩んでいるのが「マップ自動生成」です。

『片道勇者』のマップ自動生成は、
「とりあえずそれっぽいマップが奇跡的にできた!」というところで満足してしまい、
「どう楽しんでもらうか」という点において何の意図も持っていませんでした。

「山の近くにいれば敵のランダムイベント襲撃に対応しやすい」など、
たまたま局所的には行動の方針が生まれたりもしたのですが、
無思考で作るのはあまりにも偶然頼りすぎるので、
今度はしっかり「意図」を持って作りたいなと思います。
せっかく2Dマップを使っているのに、そこで面白さを出せないのはもったいない!
せめて、上あたりを攻めるか下あたりを攻めるかを
「狙って判断」して進められる感じにしたいですね。

「たまに1地形に2つの属性がある(北側が雪原、南が荒野など)」とか、
「たまに危険だけど実入りが大きい細道ルートがある」とか、
いただいたコメントからもいろいろと考えてみています。
一方で、ある片方の選択肢ばかりが有利になると面白くないので、
バランス調整の労力はますます上がるかもしれません。

基本は「リターンが大きい道はリスクが高い」でそれっぽくなるでしょうけれど、
「状況次第では自主的に危険な道を回避したほうがいい」くらいの
微妙なバランス感で行きたいですね。
『片道勇者』のダンジョンみたいに、変に毎度突っ込みすぎると死ぬくらいが理想です。



以下はいただいた拍手コメントへの返信です。

>PLAYISMでローカライズする際、全テキストのエクセルデータを
>用意するそうですが、これをウディタで準備する場合は始めから
>DBに打ち込んで呼び出すように作るのでしょうか? それとも全部
>手作業で打ち込み直したり? 選択肢やインターフェイス周りの
>テキストはどう管理すべきでしょうか?                  .
>何か効率的な方法があれば紹介してほしいなあと思っています。


PLAYISMさんちのこちらの手順にある内容ですね。
ウディタの場合、ローカライズすることを前提にするなら
全ての文字列を始めからユーザデータベースや
テキストファイルに入れてしまうのが一番早いと思います。
片道勇者では一定以上を手作業で入力することになってしまいましたが、
それでも大変な地獄を見てしまいました。
うまいことデータベースに入れておけば整理もある程度ラクになるはずです。

さらに、もしPerlやPHPなど何かスクリプトが使えるのでしたら、
データベースに雑に文字を入れていても以下のような方法が使えます。

1.ウディタで各データベースをCSVとして出力する。
2.スクリプトなどを組んで「日本語部分だけ抽出」し、
それをエクセルファイル化して先方に渡して翻訳を依頼。
3.英語化されたテキストをもらったら、またスクリプトを組んで
「1」のCSVに対して「日本語部分を英語文で置換」する。
4.以上の手順でできた翻訳済CSVをウディタに読み込ませる。


という手順で、比較的楽にゲームを翻訳できると思います。
私がほぼそんなやり方でした。

ウディタには文字列置換などの機能もあるので、その気になれば
ウディタのコモンイベントを組んで上の全工程を行えるかもしれません。
とにかくローカライズにおいて「抽出」と「置換」は自動化しないと大変です、
人間の目だと絶対に見逃しますから。

ちなみに私が見た海外のゲームだと、ゲームに使用する文字列だけが
全部数個のXMLファイルにまとまっていたりして、
そこから呼び出す形にしていたケースがあります。
そこまでやっていれば翻訳も手軽なんですが、その場合、
ゲーム内に1テキスト入れるにもいちいち文字列ファイル側に
入力しなければならなくて、作るのがちょっと大変になってしまいます。

使えるリソースと使える技術の範囲で、うまくやってみていただければと思います。



開発日誌のゲーム開発ネタが尽きてきているので、
もし何か「こんな話題を聞いてみたい!」というお話がございましたら、
ぜひ拍手コメントからお送りください!
答えられるものはどんどんお答えしていきます。
 
■ 2017/05/13 (土)  楽しくて学べるゲームの作り方 ■
【楽しくて学べるゲームの作り方】

前回から引き続き、今回もゲームの作り方のお話です!

前回の記事でご紹介した『完成させるための作り方』は、
「あまり楽しくない部分もあるので、たぶん経験者向けです」と私は言いました。

では、初心者におすすめな「楽しくて、かつ経験値を多く得られる作り方」には、
どんな方法があるでしょうか?

今回お話しするのは、あくまで私の体験を元におすすめするやり方ですので、
だいぶ主観が強いですし、どれほどの人にお役に立てる話かは分かりません。
また、このやり方は「完成させること」を前提にしていませんので、
それも念頭に置いた上で、読み進めてくだされば幸いです。





【初心者向けの作り方、まずどんな『方向性』?】

前回の最後にも言いましたが、「一つ一つのものを面白く作るコツ」さえ
よく知らない状態でいきなり大きなものに挑むと、
10個作ったもののうち、1~2個くらいしか面白く作れない
かもしれません。
そうなった場合、たとえ完成しても辛い結末しか待っていないのは明白です。

よって初めてのうちは「大きなものを完成させる」ことよりも、別の方法で
多く経験値を得て、一つ一つのものを面白く作れるようになったり、
その他の経験を積むことを優先した方がたぶん効率的ではないか、と考えています。

そこで今回ご紹介するやり方の大きな方向性は、以下の通りとなります。


< 『楽しくて得るものが大きい作り方』の方向性 >

●作る面白さや短期的な満足感を重視して作る。
●なるべく素早く、多く評価してもらえる形態で作る。
●プレイヤーからのフィードバックをすぐに反映できる形で作る。
●完成させることは考慮に入れない。



それぞれについて、少し詳しく説明します。


●作る面白さや短期的な満足感を重視して作る。
→ あなたが初心者の人なら、ここはもう当然外せないところです!
といってもどんなことでも、たぶん無意識に取りかかると、
自然と面白さ重視の方向性になってしまうと思います。


●なるべく素早く、多く評価してもらえる形態で作る。
→ よりテンポ良く、たくさんの回数評価してもらう方が
当然、経験値の溜まり方が早くなります。
最短でたくさん評価してもらうにあたって、よさそうな方法を目指します。


●プレイヤーからのフィードバックをすぐに反映できる形で作る。
→ プレイヤーの人から送られてきた意見を取り入れ、実験してみるのは重要です。
「これがダメなら、一体どうやれば君たちは満足するんだ! これか!?」
と腹の内で思いつつ、色々試して、何度も見てもらうやり方を目指します。


●完成させることは考慮に入れない。
→ 今回のやり方では、「完成させる」ことは二の次とします。
「完成させるように作る」だけで作る面白さが相当に削がれるためです。

というのも、完成させようとすると、計画性が要求されたり、
追加の不安が生まれたり、素材作成へのコスト配分やペース配分も必要だったりで、
思考にかかる総コストが大幅に上がってしまう割に、
部分部分への満足感が減ってしまいやすくなります。

なので慣れない間は「楽しいところだけ最低限の手間で味わってもらう」ということで、
今回のやり方は完成させることを考えずにとにかく「作る面白さ」を重視します。
もちろん、最終的に完成してしまう分には全く問題ありません!

あと、私はゲーム作りに初めて触れてからの最初の数年間、
「完成を目指そうとしてしまって、ずっと詰まっていた」ので、
それも「最初は完成させない」ことをおすすめする理由の一つです。

私と似たタイプの人だと、たぶん、ただ「完成させる」という要求を入れるだけでも、
簡単に何年も完成させられない状態になってしまうことでしょう。
きっと、「よいものを出さねば」と思っている人ほど、そうなってしまうと思います。

あの頃は、「人にお見せするからには『よいもの』でないといけない」と内心では思っていながらも、
最初から上手に作ることなどできなかったので、作ってみた一個のものにさえ満足できず、
ずっとゴールのない『練習』や『試行錯誤』をし続けて、先に進まなくなってしまいました。

具体的には、完成品を作る気概だけはあったものの、
全然進まないまま細部を何度も作り直してみたり、
ドットやマップやイベント作りを色々試したりするだけになってしまい、
結局いま振り返れば、何年もかけて完成させるふりをして
「経験を貯める作業」に従事するだけ
になってしまっていたのです。

ですが、こうなるくらいなら、最初からもっと効率的に経験を貯めることを目的にしたほうが、
人生の時間を無駄にせずに済むかもしれません。
それに、一人で悩んでいたことの7割くらいは実は大した問題ではありませんでしたし、
本当に大事なことは、「実際に人に見せて意見をもらって、初めて気付いた点」の方が
圧倒的に多かった
のです。


私は上記の経緯で一度挫折した後、たまたま新たな取り組み方を選んだのですが、
それは偶然にも、レベルアップする目的において非常に効果的なやり方でした。
今回はそれをご紹介します。



【初心者の人におすすめする作り方】

ということで、いよいよ本題の「初心者の人におすすめする作り方」です!

早速ですが、「面白さや満足感を重視」「素早く多く評価してもらう体制」
「フィードバックを反映してすぐ試せる」「完成させることは考えない」
の4つが揃った、私がゲーム開発初心者の人におすすめするゲームの作り方は、
以下のようなやり方です。



<1.何も考えずに、前から順に『全力の質』で作る>
全力でゲームを前から作る。素材やテキスト全てに対し、
後先を考えずに全身全霊で労力やネタを詰め込んでいいものとする。
ゲームシステムも、動くならまずは一部分からだけで構わないとする。

<2.一定以上できたら、そのたびに必ず『見てもらう』>
作ったものが「少し」できたら、必ず人に見せて意見や感想をもらう。
「少し」のペースは、数週間から一ヶ月程度、最大でも三ヶ月くらいが望ましい印象。
見せるのは友達でもSNSの知り合いでも一般公開でも、範囲や対象は自由。

<3.『やる気が尽きるまで1→2を続ける。飽きたらやめる>
ひたすら1→2の手順を繰り返してゲームを大きくしていく。
やる気が尽きたり飽きたりしたら、完成していなくてもそこで終わってよい。
あるいは、1→2の手順が1回で終わる「ミニゲームをいくつも完成させ続ける」やり方もOK。



一言で言うと、「小さい単位で全力で作って、少しずつ人に見てもらう」というやり方です。
連載形式で出していくやり方や、徐々にアップデートしていく方式、
あるいはミニゲームをポンポン出していくような形になるでしょう。

実は、前回の記事で最初に「完成させられなかった失敗例」として挙げた
「全力で前から順にひたすら絵やデータを作っていく」というやり方は、
「一番早く開発の満足感を得る」ことにおいては非常に効率的な方法でした。

そして今回ご紹介した上のやり方は、その「一番早く満足感を得る方法」に加えて、
「たくさんの経験値を得るため」の工夫として『見せる』手順を混ぜた方法となっています。

私の場合は、最短で多くの経験値を得られる『修行』を楽しくやるにあたって、

「全力で少しずつ作る連載形式を取り、1話分をアップデートしたらそのたびに見てもらう」

というやり方をこれまで3回ほど使いました。

その3回中、2回は未完になってしまいましたが、とにかくこのやり方の一番重要な点は、
『完成させるためのペース配分だとか後先をまったく考えずに、
全身全霊で自分の力をぶつけて好きなものを作って』

そしてそれを『見せて』いくことです。

『見せる』の部分が特に重要ですので、
いくら恥ずかしくても絶対にそこは外さないでください。
私も相当な勇気がいりましたが、そのとき誰かに何度も『見せて』いなければ、
今の私はここにはいなかったでしょう。

どのくらい勇気がいるかというと、公衆の面前で
下着を全開にして見せるくらい恥ずかしいです。
さらに『物語』のように、見られるのが自分の『内面』だったりすると、
もしかしたら全裸になるくらい恥ずかしいかもしれません。
創作はそもそも自分の見えない部分をさらす行為なので、どうか耐えてください。

といっても私の場合は運がいいことに、最初は学校の友達だけに見てもらって、
そこで「これなら次は広い場で見てもらっても大丈夫かな?」と自信をもらった上で
インターネット上に公開する流れを取ることができました。
内気で恐がりだった私では、一人だとインターネット公開までできなかったでしょうから、
いい友達に巡り会えたのも今ここにいる理由だと思います。



この『少しずつ全力で作っては見せる』やり方には、
私がゲーム開発者としての初期段階の栄養を得るために
とても大きな利点がありました。

このやり方で私が得ることができたものを、以下に挙げていきます。



【質の最大値を知ることができる】

まずペース配分や後先を考えずに全力で挑むことで、
自分が作れる「質の最大値」を知ることができます。
絵だけはすごくきれいに作れるとか、お話だけは面白く作れるとか、
快適なインターフェースが自作できる、キャラのドット絵がすごく動く、など、
何かしらの点であなたのピーク値を出せるはずです。

「完成させる」方向でいくと、どうしても労力やアイデアをある程度配分せざるをえなくなり、
『あとさき考えずにやたら全力で作る』といったことがやりにくくなるため、
「どこまでも遠慮なく質の最大値を試し続けられる」のは
「完成させない」前提だからこその最大のメリット
です。

もちろん「全力を出した結果、どういう評価をもらえるか」
という点に着目するのはもっと重要です。
期待通りの反応を得られてその技にもっと自信を付けられるかもしれませんし、
あなたが得意だと思い込んでいた技術が
実はそれほど評価を得られないかもしれません。

あるいは、自分としては平凡だと思っていたことが
なぜか異常に評価されたりして、自分の新たな『素質』を知る
かもしれません。
この話は、2つ後ろの項目でも述べていきます。



【量の限界を知ることができる】

限界の質で作り続けていれば、いつかやる気の減少や飽きなど何らかの原因で
続けられなくなるでしょうから、そこで開発を終わりにします。
(これに備えて、プレイヤーさんにはいつ開発を打ち切るか分からないことを
あらかじめ伝えておくといいでしょう)

開発を続けられなくなった時点で、
「あなたが最大値の質を出し続けた場合に、一体どのくらいの『量』を作れるのか」
ということが分かるはずです。これは後々、貴重な情報になります。

たいていの場合、意外と多くのものを作れないことを知るかもしれません。
「よく動くキャラクターのドット絵を描けるが、いざやると10体くらいが限界だった」
「無限に書けると思っていたが3時間プレイできるくらいのテキストを書くのが限界だった」
などです。

この『量』に関しては、『期間』と言い換えてもいいと思います。
最初に情熱を持って始めて一本を開発するにあたって、
一体どのくらいの期間までなら飽きずに続けられるか。
それはあなたにとっては三ヶ月かもしれませんし、一年かもしれません。
それが分かっていれば、本格的に一本作るときに、無理のない計画を立てやすくなります。

私の場合はとても意欲的な状態でも、1年くらい経った辺りから
気力が目に見えて減少し始めるようなので、
できる限りそれまでに決着を付けられるようにするか、
あるいはコアのところを開発し終われるように意識しています。

たいてい、この『期間』をオーバーすると作れるものの質が急激に低下していくと思うので、
密度の高いゲームを作りたいならば、開発期間の設定は重要です。



【自分の素質や弱点、高コストな部分を知ることができる】

作ったのがほんの一部分であれど、一定以上の人に見てもらうことで、
「あなたが平凡だと思っていた成果物なのになぜか評判がよかったもの」、
言い換えると、
「あなたが通常攻撃やパッシブスキルみたいなつもりで使ってるのに、
実は大きな成果を発揮できていた『素質』」

に気づく機会も増えるはずです。

というのも、自分にとって一番得意なことってたいてい「無意識にやれてしまう」ことなので、
自分自身では気付けないことが多いと私は考えています。
なので「普通に作っただけなのになぜか高い評価をもらった」部分というのは
おそらくあなたにとっての強い『素質』であり、それは今後もずっと多用できる武器になります。
なにせ、「低コストで高い結果を出せる」んですからね。

それ以外にも、
「作るのは好きなんだけど、なぜか不評ばかりな部分(苦手な技)」
「ウケはすごくいいんだけど、作るのが大変な部分(MP消費が激しい強い技)」
などに気付くこともあるでしょう。
早期にそれらを学べれば、今後の「自分の使い方」を考えるにあたって重要な材料になります。

たとえば、新たなゲームを作るときにも、

●「低コストで大きな効果が出せていた」技をなるべく多用できるような設計にする。
●「MP消費が激しいけどウケはいい部分」は要所ごとに使うようにする。
●「どうがんばってもウケが悪かった部分」はそもそも多く作らずに済むようにする。


といった風に、周りからの評価によって自分を知れば知るほど、
「自分を最大限に活かせるゲーム開発」ができるようになっていくはずです。
「他者からのウケがいい技」を中心に使って作ったゲームは、
そりゃ基本的には良い品質になります。自分の強みは遠慮なく活かしましょう。

私の場合、人からの評価で「自分はキャラ作りやセリフを書くのが得意なのかも」と感じましたが、
後に、それをメインに据えると期待した量が全然作れないことを知りました。
実は、それをメインの武器にするにはMP消費が大きすぎたのです。
一部の小説家の人のように、ものすごい量の文章をバリバリ生産し続けることはできません。

今はそういったMP消費が多い技は、なるべく要所要所だけに使うか、
あるいは量が足りなさそうな場合は他の人の手を借りるように意識しています。



【自分の作ったもので喜んでもらえることを知る】

「一部分だけを作って誰かに喜んでもらう」ということは、
実は「完成品を見て喜んでもらう」ことよりもある程度簡単
だと私は考えています。
なぜかというと、一部分だけに最高の情熱とアイデアを詰め込んで作った「密度」は、
ほとんどの場合、「完成品」よりも高くなるからです。
何より、1回あたりの挑戦のコストが段違いに少なくて済みます。

そしてゲーム作りの原体験として、
「自分の作ったものが、一部分といえど喜んでもらえた」
という経験を少しでも早い内に得ておくのは、後々とても大事になります。
喜んでもらえるかどうかは運次第とはいえ、見てもらう回数を増やせば、
それだけ「自分の力で喜んでもらえる部分」を発見するチャンスが増えるはずです。

「誰かに喜んでもらえた部分」は、今後も自信を持って作れるようになると思います。
ゲーム開発では大きな我慢が必要になることもたびたびありますが、
経験に裏打ちされた「たぶんここは喜んでもらえるだろう」という自信は、
心をとてつもなく折れにくくします。
その「自信」は開発におけるほぼ全ての面において、あなたを助けるでしょう。

なお、最初はその自信を得た影響でいくらか『慢心』してしまうこともあると思うんですが、
どこかで怒られたり、慢心のせいで失敗したりすることで、
いずれバランスの良い『自信』に調整されていくはずです。

大人になるまで、生きててずっと自分の存在意義を確認できなかった私のような人の場合、
「自分の意志で始めたことで誰かに喜んでもらえた」という体験をしてしまうと、
嬉しすぎて何年かおかしくなってしまいます。でもきっと、いつか通る道です。



【細かい部分への肌感覚を学ぶことができる】

「小さく作る」のに比べ、「完成品を作る」ことで逆に不利になってしまう点があります。
その中でも『評価や意見、感想をもらうこと』に関しては、
完成品の方に以下の不利な点があるのではないかと私は考えています。

●完成品を一気に見てもらっても、含まれている要素が多くて
目立つところしかコメントされないことが多く、
細部のどこがよかったかがあいまいになりやすい。


ほとんどの場合、完成品をまるっと見せたときには、
プレイヤーさんはゲーム全体のうちで最も気になったところの
いくつかしかコメントしてくれないことが多いはずです。

そしてたいてい、一番目立ついい点、あるいは悪い点に
注目が集まってしまって、その影響で他の
細かな「いい部分」「悪い部分」を教えてもらい損ねてしまうこともあるでしょう。

たとえば「完成品」を見せて、
劇中のワンシーンや物語のどんでん返しが非常によかったとしたら、
そこだけがみんなの主なコメントとして挙がってしまって、
せっかく作ったゲームシステムや細々としたキャラクター、
小ネタなどの細部についてはコメントされにくくなると思います。
それによって、街の住人にもいっぱい面白い会話を作ったのに、
どれにも何のコメントがない
、なんてことは日常的に起こりえます。

すごく丁寧にレビューしてくれる人や、凄くたくさんの人に遊ばれたなら、
細かい点にコメントしてもらえることもあるのですけれど、
私の印象的には、完成品を一回見せてコメントをもらえる部分はたいてい
「全体の10%にも満たない場所から」で、
作った内の残り90%の部分はコメントに挙がりません


一方、「小さな部分ごとに見せて評価してもらう」ようにすれば、
作った単位ごとにコメントをもらうことができ、善し悪しを細かく把握しやすくなります

また、もし足した「小さな部分」の中であなたが「新たな挑戦」をしたならば、
「その挑戦した部分だけ」の善し悪しをプレイヤーさんに評価してもらえる可能性も上がります。
そしてそこに問題があれば、そのたびに直して、見せて、次の評価を待てばよいのです。

「新たに作った部分や改善した点について、一つ一つフィードバックをもらえる」
という状況は、ゲーム開発についてまだ何も知らない状態から、
色々試行錯誤してみたり、ゲーム開発の知見を得るにあたってものすごく強力です。
プレイヤーさんも、見るものが少なければ新たな範囲だけを注視してコメントしてくれるので、
例えば「5%分」を作って見せれば、うち半分の2.5%分くらいに意見をもらえる可能性があります。

そうやって細かく見せたことで、最終的に100%分作ったうちの合計50%の部分について
何かしらのコメントがもらえたとしたら、完成品から10%のコメントをもらう場合に比べ、
単純計算でなんと5倍の速度で経験値が溜まるのです!
これらの数値は仮のものですが、得られる情報はまちがいなく何倍にもなります。

私にとっては、そうやって得てきた様々な肌感覚が今でも非常に役に立っていますし、
細かい部分への配慮について学ぶきっかけにもなりました。


逆に、「見てもらう」ことをしていなかった期間はずっと自分の力に対して疑心暗鬼のままで、
「自分が何をすれば人に喜んでもらえるのか」を知ることができないまま
でした。
本当に、ただ『人に見せる』ことをするようになった瞬間から急激に世界が開けたのです。

私の見て来た中では、ゲーム開発の初期の成長が早かった人は、だいたい何らかの形で、
「小さいものを作って、早いサイクルで人に見てもらう」
という体験をしている人が多いような気がしています

実は、彼らが持っていたのは「短期間で多くを学べる才能」ではなく、
「自分の『育成』の仕方が、とてつもなく効率がよかった」だけかもしれません。


なお、細かい部分についての反応を見たいならば、
今では「実況配信プレイをしてもらう」という方法も強力です。
(実況配信プレイ:ゲームをプレイしながら声でもコメントしつつ映像配信するプレイのこと)
友達に実況配信でテストプレイしてもらうだけでも、たくさんの情報を得られるはずです。

昔は、ゲームへのコメントを得る方法といえば、
掲示板などに書き込まれる「自発的に言ってもらう発言」しかありませんでしたが、
実況プレイなら細かい部分への不満や、楽しめている点も把握しやすいので、
小さい単位での情報収集が以前よりも容易になっていると思います。

とにかくどんな手段でもいいので、細かい部分への反応を収集することに
どん欲になることが、レベルアップのためには一番重要なことだと私は考えています。

耳が痛い意見もたくさん飛んできますが、
そのたびにそれまで気付かなかったことに気付いたり、
または自分とプレイヤーの感覚が微妙に違うことを知ったり、
あるいは意見への対応がうまくいかなくて大変な目にあう経験もするでしょう。
しかしそれを繰り返していくうちに、だんだんとうまく作れるようになっていくはずです。



ということで、「完成させる前提を持たずに、全力で少しずつ作っては見せていく」やり方の
利点をまとめると以下の通りです。

●自分が出せる『質』の最大値を知ることができる。
●その質で作れる『量』の最大値を知ることができる。
●気づかなかった自分の『素質』、『弱点』を知ることができる。
●『自分の作りたいものを作って喜んでもらえる』ことを知ることができる。
●作ったものごとにプレイヤーがどう感じるかという、
『細かな部分への肌感覚』を知ることができる。


私が未完にさせてきてしまった作品によって得た上記の情報は全て、
今でもずっと私の支えになっていますし、より良い成果物を作る重要なヒントになっています。

未完の連載ADV『シルフェイド見聞録』は、1話を公開後、
短い方だと1~3ヶ月くらいのスパンで新しい話を作って
皆さんに見てもらっていたと思います。

普通、ゲーム開発ではそんなスパンで新作をリリースしたり、
感想をもらえることはありませんが、『シルフェイド見聞録』では
途中で自作の戦闘システムを入れたり、物語の見せ方を少しずつ変えてみたりと、
やりたいことも織り交ぜて色んな感覚を掴んでいくことができました。

意外とプレイヤーさんは期待通りには遊んでくれないことや、
同じ課題でもできる人とできない人がいることや、
同じ内容に対してもつまらないと思う人や面白いと思う人がいることや、
自分がこういう意図で作ったものは賛否両論だったけど、
こういう意図で作ったものは多くの人に受け入れられやすいとか、
「自分の手の動かし方」に対する様々な知見をこの身で感じることができたのです。

たとえ頭では分かっていることでも、
「自分がどう考え、どう手を動かしたか」というインプットと
「皆さんの反応」というアウトプットの組み合わせが大量にそろって、
初めて理解できた
ことは山ほどあります。
これまで開発日誌に書いてきた数々のことも、まさにそうして得たものです。

初めて完成させられた中編RPGの『シルフェイド幻想譚』で運良く良い評価を得られたのも、
その前に「小さなものを早いサイクルで見てもらっていた」ことで
多くの経験を得られたからこそだと私は考えています。



【この方法、『完成品』に対しても使えます】

復習ですが、前回はレベル1「最低限の骨を作る」→
レベル2「肉付けをする(短編完成)」→レベル3「成長させる」、という順に進め、
レベル3でやる気や時間がなくなったら終わり、という方法をご紹介しました。

そして今回の「少しずつ作っては見せる」やり方は、
前回の「完成させる作り方」のレベル3「成長させる」だけを抽出して、
そこに『小さい単位で見てもらう』工程を挟んだもの
ということもできます。

つまり、『完成させる作り方』でレベル3まで達した後、
徐々にアップデートしながら小さい単位ごとに『見せる』方法にすれば、
今回の利点をほぼそのまま得ることができる
のです!

「早期アクセス(アーリーアクセス)」や「リリース後に随時アップデート」
といった形でリリースしているゲームは、そういったやり方に近い気がします。
開発者側もプレイヤーさん側も楽しみやすい上に、
開発の経験値も溜まりやすくて、一石二鳥です。

私の場合は、『片道勇者プラス』のベータ版を公開した後などがそれに近い状態でした。
ほぼ毎日のようにバグ修正や微調整を計10~20点くらいやっては、
そのたびに皆さんに見てもらうという大変なサイクルを繰り返していたのですが、
当時はその大変さを乗り越えられてしまうほどに、
「修正に対してフィードバックをもらえるループ」が楽しかったと思います。
そしてもちろん、その過程で得られた知見も山ほどありました。

ある程度熟練した開発者の人でも楽しくやれる上に、さらなる成長もしやすい!
私は今になっても、『少しずつ作って見てもらう』というのは素敵なやり方だと感じます。


<まとめ>

小さい単位ごとに見せることで、『細かく反応や意見をもらう』というのは、
小さく作って見せていく最大の利点であり、
大きな完成品を一度に見てもらうことではなかなか得られないことだと思います。

ゲーム作りが初めてで、何もかもが未知である状況下では、
この方法を使ってまず自分の能力について知ったり、肌感覚を学んだり、
自分の力で作ったものが誰かに喜んでもらえる機会を増やすのが、
きっと楽しくて、最終的には自分の強化にも繋がるのではないかなと私は考えています。

何より、何も知らない状況で最初から大きなものを作ろうとすると、
致命的に見当違いのものを作ってしまう可能性が高くなってしまいます。

まず少しの労力を色んな方向に使ってみて、あなたの力で喜ばれる方向性を学んで、
効率的に喜ばれる方法が分かったら、その方向により大きく力をそそげばいいのです。
大きなものを完成させるのは、色々なことを掴んでからでも遅くないと思っています。

……と、私は考えているのですけれど、いかがでしょうか。



【おまけ 昔の話とこれからの話】

最後に、私が初めて人にゲームを見せたときの、昔の話をします。

私は子供時代からずっと「ゲームは完成させないとダメだ!」と思っていましたが、
結局、何年間も何も完成させられままでした。
ゲーム作り自体はずっと続けていたものの、
あるとき、目標にしていたゲームコンテストが終了してしまい、
目指す場所を失った私は絶望にくれてしまいました。

ある日、完全に吹っ切れた私は、何だかんだでたった5分間しか遊べない
レジェンドオブレストール1の「1話だけ」を作って友人に見せたのですが、
それが思った以上に喜んでもらえました。
「誰にも指図されず、完全に自分の意志だけで生みだしたもの」で、
なんと友達に笑ってもらえたのです!

そのとき、「すごいものを作らなくても楽しんでもらうことはできるんだ!」
という、当時の自分にとって衝撃的な事実を私は生まれて初めて知りました。
その原体験は今でも、私の開発における心の支えになっています。
それ以後、その友人たちに対してレジェンドオブレストール1を「連載」し続け、
それが一段落ついたあたりでこのサイトが生まれることになりました。

私にはこういう経験があったので、初心者の人や自信のない人は最初はぜひ、
「量はほんの少しでもいいから、自分が全力で作れるものを作ってみて、
それを見てもらって、運が良ければ喜んでもらう」

という挑戦をおすすめしたいと思っています。

そして、その繰り返しの中であなたの自信が溜まったら、ようやく、
一本を完成させるつもりで作り始めてもいいかもしれません。


私自身も今後、手探りで始めていかねばならない新たなことをすることになったら、
「いつ打ち切るか分かりません!」と叫びながら少しずつ全力で作ってみて、
細かく意見をいただきながら学んで、力尽きた時点で終わるという、
今回のやり方を使うことになりそうな気がします。
もちろん途中で終わるにしても、打ち切り三回目ともなればある程度マシな終わり方に
できるようになっていることを期待したいんですけれどね。


ゲームを完成させるのは難しいことです。
私は、一番最初にゲーム開発に触れてからその10年後に至るまで、
一本も中編を完成させられないままだったので、
人によっては「一定以上のサイズのものをただ完成させる」ことでさえ、
まず多くの経験を重ねることが必要になるかもしれません。

しかし、完成させられないこと自体は、それほど嘆く必要はないと考えています。
最初から「完成品を作る」ことだけに意識を取られてしまうよりは、
「規模にかかわらずあなたの作ったもので誰かが喜んでくれるのだ」ということや、
「自分がどんなものを作れば人に喜んでもらえるか」を学ぶ
ことの方が、
より重要なことだと私は思っています。

皆さんが持っている創作の『武器』は、最初はみんな『未鑑定』です。
自分の武器が全部「???」の状態ではいきなりボス戦に挑みたくはないと思うので、
最初は色んなシチュエーションの小さな戦いを繰り返して、
数多くの自分の武器の性能を知ることが先決です。

そしてある程度、自分の武器についての知識を得て、いくらかの戦い方も知ったなら、
そのときこそいよいよ長くて大きな戦いに挑むときです!
己の武器に適した戦いを選べばきっと大きな壁でも打ち破れるはずですし、
運が良ければ高い成果を得ることもできるでしょう。

評価してもらえるかどうかは、最後は運です。
でも、歩いて行く道のりは、あなたが選ぶことができます。
私が紹介させていただいた方法に限らず、あなたにとって、
いつか一番いいやり方が見つかることを祈っています。



以上、長くなってしまいましたが、私なりの
「楽しくて学べるゲームの作り方」について紹介させていただきました。

今回の方法は、
「私がやってきた中で、たまたま、楽しみながら一番経験値を得られたやり方」
というだけなので、合理性を追求して試行錯誤してきた結果ではありませんし、
人によっては合わない可能性もあると思います。

他にももっといい方法があると思いますが、今回のやり方が、
よりよい方法にたどりつくための一つの手がかりにでもなれば幸いです。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ! 
 
■ 2017/05/06 (土)  ゲームを完成させる作り方 ■
【ゲームを完成させる作り方】

>ゲームを最後まで作り終えるコツを知りたいです!

というコメントをいただいたので、
現時点での私の「完成させるゲームの作り方」をまとめておきます!

ちなみに私には、最後まで作り終えられなかったゲームとコンテンツが計2つあります。
凍結中となっている連載ADVゲーム『シルフェイド見聞録』と、
半分打ち切り気味に終わったテキストコンテンツ『<自家製>片道勇者TRPGリプレイ』です。

どちらもお話としては半端な状態で終わっており、
続きを楽しみにしてくださっていた方には本当に申し訳ございません。

まず、どうしてそれらを作り終えることができなかったかについて、
自分の考えを述べていきます。



【私の失敗例 完成しなかったゲーム/コンテンツ】

まず参考として、私が体験した「完成まで作れなかった失敗例」を挙げます。

私がゲーム作り初心者だった頃は、
「前から順番に全力で画像やお話を作っていって、根性と気合で
最後まで作っていって、最後の最後にようやくラストシーンを作って開発終了!」

という流れで作ることを考えていました。

これだけ聞いて「あ、それは危ない!」と思われた方は、
たぶん色々と経験済みのゲーム開発者さんではないかなと思います。

というのも実はこのやり方、おそらく結構な確率で完成にいたりません。
このやり方で私がどんなことになったかというと、

1.最初は気合を入れて全力でグラフィックやシーンなどを作っていく。

2.しかしどんどん「モチベーション」や「作業の新鮮味」や「ネタ」といった
リソースが消耗されていき、それまでと同じ熱意で
グラフィックやシーンなどを作ることができなくなる。

3.いずれかのリソースが消耗されきった果てに、開発が進められなくなる。
あるいは質が激しく低下していく。

4.そして最終的に取りかかる気力がなくなって挫折へ……。


という感じになりました。私が何かのコンテンツを打ち切りにしてしまった大きな理由は、
だいたいの場合、『自分のモチベーションや作業への新鮮味、
使いたいネタがどの辺りで尽きるかをよく把握できていなかったから』
です。

ADV『シルフェイド見聞録』連載は全体のプロットさえ考えずに永遠に作るつもりで書いていましたし、
『<自家製>片道勇者TRPGリプレイ』連載も永遠に続けられるつもりで作っていましたが、
最後はどちらもネタと気力がなくなって開発中断を迎えてしまいました。

しかし未完に終わったとはいえ、今考えると、これらの作品を経て得られたものは、
普通にゲームを完成させてリリースした場合よりも大きなものでした。
どちらの未完作品も、私にとっては終わりまでとても真剣に挑むことができ、
皆さんのご意見を細かくいただけて自信と経験を得られたので、
皆さんに見てもらえたことは私にとって大きな糧になっています。

今は、この「完成させられなかったやり方」自体にも、
当時の私のようなゲーム開発初心者にとっては大きな利点がある
と考えています。
それも次回の記事としてまとめる予定ですので、気になる方はご期待ください。



【ゲームを完成させるための作り方】

ということで、いよいよ本題! 先の失敗例をふまえた上で、
『個人開発』で『一本のゲームを完成させる確率を上げる作り方』を考えていきます。

これからお話しすることは「私の現時点のやり方」というだけで、
向いてる人とそうでない人がいるはずですし、今後新たな方法に変化していく可能性も、
私が把握している『弱点』もあります。その辺りは、あらかじめご了承ください。



まず前述の失敗を元に、今の私はちょっと見方を変えていて、
「モチベーション切れや時間切れがいつ起きるか分からない前提で開発を行うべき」
という発想でゲームを作ることを考えています。

すでに一度作ったことのあるジャンルでさえ、
自分のモチベーションがどこまで持つかはハッキリしません。
もしかしたら同じものを作るのに飽きてて、次は前より長持ちしないかもしれません。

そういったモチベーション切れのリスクに対応すべく、
開発を重ねる中で私の「完成させるやり方」は、
徐々に以下の条件を満たすやり方になっていきました。

●何のデータや素材がどのくらい必要なのか、早期に把握できるようにする。

●肉付けは全体の量を把握してから始める。

●残りモチベーションや残り時間が不安定になる開発後半は、
「いつ開発をやめても問題ない状態」を維持しながら開発する。


そしてこれらの条件を満たせるやり方として、
今は以下のレベル1~3の順に開発を行うようになっています。
最近だと『片道勇者』の開発時に、このままの順序で開発しています。



<レベル1 最低限の骨を作る プロトタイプ> (『片道勇者』ではアルファ版)

ゲームシステムに加え、最初からエンディングまで通しで遊ぶための
「ありえないほど小さい」と考えられる規模の「骨」だけのゲームを作る段階。
ゲームシステム、スタートやエンディング、街やダンジョン一つずつなど、
絶対に外せない要素のみここで開発する。

ゲームシステムが自作の場合はそれを最重視して、なるべくしっかり固めておく。
データに関しては、見た目や内容は雑だったり仮でいいのでここでは量を確保する。
かつ、街やダンジョンなど作業量が一気に増える要素の数はここでは最低限にする。
物語系RPGなら、ダンジョンや街は本当に必要な数個くらいを作ることをメドにしてみる、など。


<レベル2 肉付け 短編の完成> (『片道勇者』では無印版のアルファ~ベータ間辺り)

大きな要素は増やさず、レベル1の「骨」に対して見た目や内容を肉付けしたり、
画像やゲームバランスをブラッシュアップしたりする段階。

いらなかった場所を切ったり、作りかえたり、プレイ途上で足りないと感じた細かいデータを
足すのは「肉付け」に含めるが、入れることで逆に作業項目が一気に増えてしまう
大きな「骨」となる要素を増やすのは次のレベル3までなるべく我慢する。
たとえば、物語系RPGなら街やダンジョンは基本的に増やさないようにする。
これが終わった段階で、ひとまず最初から最後まで遊べる、
『公開可能な』短編ゲームが完成する。


<レベル3 さらなる成長> (『片道勇者』では無印完成版とプラス版)

作りたかった要素がきっとまだ残ってるはずなので、
レベル2の質を維持しつつ、「入れて面白くなると思う順」に「骨」も含めて追加していく。

たとえばRPGなら、合間のストーリーやダンジョン、またはクリア後の新ストーリーや、
元々なかった「図鑑」といったおまけのシステムなど。
ここからはいつでも切り上げられるように意識して作業を進めつつ、
やる気が尽きるか、期限が来るか、ネタ切れするまでこれを続ける。
終わったときが、そのゲームの完成!



「レベル1 最低限の骨を作る」→「レベル2 肉付けする」→「レベル3 成長」の
レベル順にゲームを開発していけば、少なくともレベル2の段階を突破できれば
あとはモチベーションや時間が尽きた瞬間にいつでも「完成!」と宣言することができます。

このやり方は、「モチベーションがあるうちにコアになる場所だけ作っておいて、
いつでも開発終了できるようにするやり方」
と言ってもいいかもしれません。

私が明らかにこの手順で開発したと言えるのは、
ADV『シルエットノート』とRPG『片道勇者』の2本です。

『シルエットノート』は流れ上、たまたま開発手順がそうなってしまっただけなのですが、
「締め切りが決まっていたので作る量を最初に決めていて、『枠』を作ってから肉付けした」のと、
「リリース後に追加データを足した」という順に開発したことから、
この手順にほぼ該当すると考えています。

一方で『片道勇者』は、最初から上記の手順を意識して開発していました。
まず最低限、スタートから終わりまで遊べる「データが各1~2種しかないアルファ版」を作り、
それに肉付けをし、その後に入れたかったものを色々足して「無印版」を完成させました。
また運に恵まれて、無印版のリリース後にさらに「レベル3」を続行し、
『片道勇者プラス』という拡張版も作ることができました。


それではレベル1~3のそれぞれの段階について、詳しく解説していきます。



【レベル1 最小限の骨を作る】

レベル1は「骨」だけを作る段階です。
ゲームシステムだけはじっくり作っていいものとしますが、
それ以外の「データ」に関しては最初から最後の分まで最小限かつ
一通りかなり雑に作っていきます


レベル1の最重要目的は、

●「作ったゲームシステムに素質や将来性がありそうか」を確認すること。
●「全体的にどのくらいのデータや素材の量が必要か」をおおまかに把握すること。

の2つです。

レベル1まで完成した段階のゲームは
「雑に作っただけのつまらない短編」かもしれませんが、それでもこのレベル1では
「一つ一つの質を上げるのを我慢して量を作り続ける」ことがとても重要です。
時間をかけて一つずつ素材やデータを作ると、多くの場合、レベル1さえ達成できません。
一つずつの質を上げるのは、レベル2まで必死で我慢します。

この段階では、作るデータは最小限にします。
たとえばストーリーRPGなら、データは
「仮オープニング」、「スタートの街」、「途中のダンジョン」、
「途中の街」、「ラストダンジョン」、「仮エンディング」、
各1つくらいのデータ量を目標に作るといいと思っています。
「ありえないほど少ない」くらいの量がちょうどいいです。

このレベル1では、キャラ絵も
「雑なシルエットにキャラ名だけ描いた仮の立ち絵」だって構いませんし、
ダンジョンごとの敵キャラもたった1~2種類ずつで構いません。
アイテムも各数種類でいいですし、キャラクターチップはサンプルのチップを使って構いません。
全て仮のデータ、仮の画像で行くくらいの覚悟の方が、レベル1を達成しやすいでしょう。

ただし、画像の『サイズ』だけはこの時点で決定しておくと、レベル2が楽になります。
画像のサイズが途中で変わると、インターフェースや画面デザインを
何度も作り直す必要が出てきてしまう
からです。
私は、既存の素材や自分の過去作の素材を拡大縮小して配置して、
ゲーム画面の構成を考えることが多いです。

この「レベル1」の段階までできたものを、私は「アルファ版」や「プロトタイプ」と呼んでます。
画像も仮ですし、データ量も、調整も十分ではないため、遊んでも面白いものではありません。
誰にも褒めてもらえないゲームの状態が続くので、やる気の維持には苦労します。

もしここで挫折してしまったら、プロジェクトは終了です。
その場合、たぶんレベル1として計画した「骨」が大きすぎると思うので、
小さくして再挑戦する方がいいかもしれません。

あるいは、作ってみたゲームシステムが面白くなくて、
これからの期待が持てなかったのかもしれません。
それならそれで、中断することは立派な判断ですし、必要なことだったはずです。
私もシステムだけ作ってみたら、思ったより将来性が見いだせなくてボツにしたことがあります。

<レベル1のコツ>
・ゲームシステムはしっかり作っておいて、面白さの素質がどれだけありそうか知る。
・最初からエンディングまで最小限の「骨」を作り、どの程度のデータや素材量が必要か把握する。
・モンスターやらアイテムやらのデータ量も最小限でOK。素材も仮の画像でOK。
ただし画像の『サイズ』だけは確定させておいた方がレベル2以降が楽。




【レベル2 使える労力を配分して肉付け】

レベル2では、使える労力を『配分』して肉付けを行っていきます。
レベル1で必要最低限の「骨」となる要素を作れたなら、
「どのくらいの量のデータや画像を追加・ブラッシュアップしなければならないか」
という感覚がおおよそ掴めている
はずです。

キャラの数やダンジョンの数、必要な画像、テキスト、
必要そうな敵の種類、あるいは戦いを面白くするための新しい技やアイテムなど、
具体的な数を書き出してみると、意外とたくさんのものが必要だと分かると思います。
そのリストを見るたび、「もしこの全てを一つずつめちゃめちゃ凝って作っていたら、
果たしてレベル1の量だけでも作れたか……」
とゾッとしてしまうのが私です。

たとえば、もしレベル1の時点で技のアニメーションにすごく凝ってしまったら、
「このクオリティで今後も行くとなると、技の数が増やしにくい」となってしまって、
ゲームを面白くするために必要だった「多くの新しい技」を作ることが
心理的に困難になってしまうかもしれません。

その結果、技を増やすことができず、
「アニメーションはすごいけどバトルの選択肢が少なくてつまらない……」
なんて結末になると悲しいことになるので、とにかくレベル1で
「何がどのくらいの量、必要になるか」を先に知ることはとても大切だと考えています。

そしてまた、レベル1で作った量に対して、
「残りの使える労力」を配分して全体をブラッシュアップしようとすると、
「意外と大したものが作れない」
と思われるかもしれません。

たとえばキャラのドット絵だけでも、レベル1で必要になりそうな量を
全てオリジナルで作るとなると、10体か20体か分かりませんが、きっと非常に大変でしょう。
自作するか、できあいの画像を使うか……それを考え直せるタイミングが、レベル2の開始時です。

ゲームを完成させようと思った場合、
「あなたが満足できるほど一つ一つのものに凝る」
というのは、実はとても難しいことです。

びっくりするほどの短編でさえ、全ての箇所を凝るときっとヘトヘトになるでしょう。

なのでたぶん、ある程度は「質」の密度を薄く引き延ばすことが求められる場面もあるはずです。
「最初で敵のギミックのネタを使いすぎると後半が何もなくなるから、ネタを温存して後半に回そう」、
「キャラ絵1枚1枚に気合いを入れすぎると描ききれないから、量産できる質で描こう」
といった具合です。

そういった「労力」や「やる気」の配分に失敗するとやっぱり挫折するので、
慣れないうちはレベル2もきっと難しいことでしょう。
それでも、何も情報がない状態でひたすら前から順番に作っていくよりは、
レベル1を作ってある方が遙かに見通しがよくなります。

特に、レベル1で作ってある「骨」のおかげで、
「レベル2が今どのくらいまで進んでいるか分かる」というのは非常に大きな利点です。
いつ終わるか分からない作業というのはたいていとても辛いものですが、
「ゴールまであと何割か」が目に見えて分かると、人はより長く耐えることができます。
さらにいくらか進めば、作業項目を処理する速度もだいたい把握できるので、
「あと何日で終わるか」がおおよそ計算できるのもこのやり方の強みです。

そしてそういった苦労の末、何とかこのレベル2の
肉付け・ブラッシュアップまで完了させられれば……
「スタートから終わりまで遊べる、満足感が程々に高いであろう短編」が完成です!

この段階で、あなたは「どのくらいのクオリティのものをどのくらいのペースで作れるか」が
分かってきているはずですし、何より今後はいつゲームをリリースしても
それなりに許される状態になっていることでしょう。
仮とは言えゴールを迎えられたことで、だいぶ安心感が出てくると思います。

ここまでたどり着ければ、ひとまず第一の完成です。

<レベル2のコツ>
・使える労力を配分して、レベル1の「骨」にデータ追加や画像付けやバランス調整など肉付け。
・入れることで新たな作業が増える「骨」となる部分は、なるべく増やさない。
・「最初から最後まで遊べる短編ゲーム」としてリリース可能な状態にするのがレベル2のゴール。




【レベル3 気力や時間の限り増やしたり磨いたりする】

レベル2が終わった時点でまだ余裕があれば、これまでと同じ要領で
レベル3のデータ追加やブラッシュアップの段階に入っていきます。
「入れて面白くなると思う順」に、「骨」となる部分も含めて追加していきましょう。

追加のゲームシステムを入れるもよし、物語に関わる仲間を増やすもよし、
追加ストーリーやダンジョンを入れるも良し、クリア後の何かを作ったりするもよし、
より面白くなるよう調整するもよし、エクストラメニューなどを作るもよしです。
個人的には、このレベル3の工程が一番ゲームが面白くなる部分だと感じています。

ただし、なるべくいつでも「完成!」と言えるような状態を維持しつつ作業していくのがコツです。
風呂敷は一気に広げるのでなく、少しずつ、少しずつです。

新たな仲間キャラクターを物語に増やしたりした場合など、場合によっては
整合を取るためにエンディングやオープニングの修正も必要になるでしょう。
そうやって一定量を増やすたびに全体の整合性の修正も行うと、不安になりくくて済みます。

また、レベル2の状態ができあがっていると、
レベル3の作業にはかなり余裕と安心が生まれます。
「完成するか分からない状態で続ける」よりも作りやすいし、
気力が長持ちすると感じるかもしれません。
レベル1~3の中だと、レベル3が一番楽しいのではないかと個人的に思っています。

実は、「完成にたどり着けるか分からない」という『不安』は、そこにあるだけで
自分の体力や精神力をスリップダメージのように削っていきます
(少なくとも私にとっては)。
そういった意味でも、「ひとまずの完成」を早期に持ってきて、
「完成するか分からない不安」をさっさと倒してしまうのは、
ゲーム開発という長期戦においてとても効率的だと私は考えています。

そしてこのレベル3の作業を続けているうちに、いずれやる気が尽きてしまうか、
期限が近付いてきてしまうと思うので、そのタイミングが来たら、
そのときがおそらくあなたの作品のゴールになるでしょう。
そうなったら、あとは作りかけの部分の整合が取れるよう、最終仕上げをやって完了です。

お疲れ様でした、いよいよプレイヤーの皆さんにゲームを届けるときがやってきます!


それと、この「レベル3」の作業は、リリース後に行うこともできます。
レベル2ができた時点で、「この先は評判がよかったら開発を続行してみよう」
といった判断でとりあえずリリースすることもできるので、
まだまだいくらか作り続ける事を宣言して公開するのも素敵なやり方でしょう。

そのやり方は、プレイヤーさんの興味を持続させられるので長く展開しやすく、
楽しく開発できるかもしれません。

<レベル3のコツ>
・気力や時間がある限り「骨」も含めたデータを追加していく。
・「完成!」と言える状態をなるべく常に維持できるよう、広げるのは少しずつ。
・このレベル3はリリース後にやってもOK!




【この方法の利点  ダメなら気軽に切り上げられる】

このやり方はレベル1の段階で、「ゲームが面白くなりそうな期待があまり持てない」とか、
あるいは「レベル2の終わりまで気力が持たなさそうだ」と感じたなら、
その時点で気軽に開発を終了してしまえるのが一つの利点です。
一つ一つをブラッシュアップしていない段階なので、たぶんまだ損切りができます。

もしこれがきれいなグラフィックや、オリジナルの素材などを色々用意した後だと、
開発を中断するのがとても辛くなってしまうでしょう。

その場合、さらにまずいのが、

「ゲーム部分はつまらないけど、絵を色々作っちゃったから心理的にボツにできない」

となってズルズル作り続けてしまい、さらに時間が経った末に、

「ここまで時間をかけたのを開発中断したくない。
でも完成させてもつまらなさそうだし作る気力も出ない」


と続き、作りかけの作品を手放せないまま、そのまま創作家としても
フェードアウトしてしまう状況が発生する可能性があることです。
「ごめーんボツった!」とさらっと言うのが難しい、ある意味で責任感の強い人においては、
これはそこまで珍しくない例のような気がしています。

「未来が不透明な間は、気軽に撤退できる状態のままで進める」
というこのやり方には、こういった危険を避ける効果もあると考えています。
見た目が全然面白くなさそうな状態のゲームであれば、
たぶん作者さん自身も含めて、開発を中断しても大きく悲しまずに済むでしょう。

そして同時に、その「なくなっても悲しまないもの」を作り続けなければならないのが、
このやり方におけるレベル1の一番辛いところ
でもあります。



【このやり方の注意点】

このやり方には、一つ注意があります。
実はこれ、ちょっと上級者向けの方法だと私は考えています。

というのもこのやり方には問題があって、それは
「あまり面白くないやり方かもしれない」ということです。

特に、さっきも言っていますが「レベル1」の「骨だけを作る段階」って面白くないことが多いんですよ!
「見た目もしょっぱい状態で最低限の挙動と最低限のデータを作り続ける」というのは、
つまり「誰にも褒めてもらえない状態のモノを作り続ける」ということなので、
「最終的には面白くできるから、今は面白くなくても大丈夫だ」
と信じられるほどの経験から湧き出る自信がないと実行が難しいことだと考えています。


そして「レベル2」に入れても、全体を肉付けするために労力を「配分」しなければならない都合上、
完遂させるにはあなたの想像する「理想形」をいくらか妥協することになるケースが多いと思います。
「自作画像にしたかったけど、既存画像にしなきゃ作りきれない」などといった事情です。
そういう状況もまた、ときにあなたの気力を奪う原因になるでしょう。
「ゲームを完成させるには、時に目標を下げることも必要だ」という経験則を
持っていなかった場合、理想と現実のギャップにショックを受けるかもしれません。

そんなわけで、この完成させ方はあくまで、
「あんまり面白くないかもしれないけど完成させられる確率は上がる」
という、一定以上経験者向けの方法
だと私は感じています。
それは、心に留めておいてください。



ということで、ゲームを完成させるための確率が高いと考えている
私の現時点のやり方を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

自分も似たやり方だという人も多くいらっしゃるでしょうし、
他にも探せば色んなやり方があると思います。

何度も言いますが、この作り方は、
「ゲームの開発が終わるのは『全ての項目を作り終えたとき』でなく、
『自分のモチベーションが尽きたとき』である」

という考えに基づいています。

「作りたいものを全て作り終えられる」ことを前提とせず、
「一定ラインを越えたらいつでも終われるようにする」のがこの方法のコツです。

言い換えると、単純に
「完成のライン」を最後じゃなくてもっと前に持ってくるだけなんですが、
やり方をアレンジする場合も、そこさえ意識していれば
完成させるための効用はほぼ変わらないと思います。



<次回予告  初心者向けのやり方は?>

私がゲーム開発初心者の頃だったら、この方法を使っても成功しにくいと思っています。
「仮に完成させられたとしても、よい評価をもらえる確率が低そう」という意味でもです。

「一つ一つのものを面白く作るコツ」さえよく知らない状態でいきなり大きなものに挑むと、
10個作ったもののうち、1~2個くらいしか面白く作れないかもしれません。
そうなった場合、たとえ完成しても辛い結末しか待っていないのは明白です。

よって初めてのうちは「大きなものを完成させる」ことよりも、別の方法で
多く経験値を得ることを優先した方がたぶん効率的
だと私は考えています。

ということで、来週の記事は、私が初めての人におすすめしたいと思っている、
「今回よりも楽しくて、得るものが多いゲームの作り方」についてご紹介したいと思います。

先に予告しておくと、そのやり方とはほぼ「私が完成させられなかったやり方」なのですが、
その中には短い時間で経験値を大量に獲得するためのコツがいくつかありました。

最終的に完成させられなかった方法であるにも関わらず、
そのやり方には一体どういった利点があったのか?

次回はそのやり方と、それについての私見をお話ししていきます。
よければぜひ、お楽しみに!
 
■ 2017/04/29 (土)  片道勇者TRPG まとめ! ■
【片道勇者TRPGまとめ!】

『片道勇者TRPG』、これからまだまだ展開があるかもしれませんが、
ひとまず現時点では一区切りしたかなと思いますので、
今回はこれまでの『片道勇者TRPG』情報のまとめをご紹介します!



【そもそも『片道勇者TRPG』ってどんなゲーム?】

『片道勇者TRPG』 Amazon販売ページ


『片道勇者TRPG』は私の開発したフリーゲーム『片道勇者』を
元にしたTRPG(テーブルトークRPG)ルールブックです!

このTRPGは、どんどん呑まれていく大地を東に向かって進み続け、
出会ったイベントや戦闘の成否をサイコロで決定したり、
必要ならロールプレイをして判定を有利にしたりして進めていくゲームです。
基本的に「転生」による周回を前提としており、何度も冒険に挑んで
大きな物語――キャンペーンを進めていくことが多くなるでしょう。
もちろん、気軽に単発プレイを楽しむこともできます。

だいぶ初心者向けに作られており、ルールは割と簡単めです。
さらにTRPGが初めてで「いきなりロールプレイ(演技)なんてできないよ!」という人も安心!
難しければロールプレイをやらなくても問題ないというルールなので、ご安心ください!

この『片道勇者TRPG』ルールブックには、ルールやデータの他に
実際のプレイ風景を再現した「リプレイ」パートも収録されており、
私がウルファというお姫さまのキャラをやっていたりします。
このリプレイパートによって、TRPGをやったことのない人にもおおよその
雰囲気を掴んでもらえると思いますので、そういった意味でも安心の一冊です。



【『片道勇者TRPG』のゲームの流れ】

ということで、ここで『片道勇者TRPG』の簡単なプレイの流れをご紹介します!


【まずキャラクターを作ろう!】

まずセッション開始時にあなたのPC(プレイヤーズ・キャラクター)を作りましょう!
このゲームでは基本的に、セッションごとに新たなキャラクターシートを作ることになります。
仕組みが分かれば、5分でキャラを作ることができます。

作り方は簡単! まずキャラの「名前」を考え、選べる中から「クラス」を選んで、
次に「特徴」と呼ばれるボーナスを2つ選択し、
あとは「所持金」をサイコロで決めればキャラのできあがり!

クラスによって、レベルアップ時の能力の上がり方が変わったり、
初期装備が違ったり、覚えられるスキルが変わります。

<キャラクターシートの例。これは「騎士」のシートです>  クリックで拡大


原作と同じく、クラスの「剣士」や「理術士」は強いです! 「狩人」も便利かも!
「騎士」は最初から装備が良くて防御が高く、初回の魔王戦で活躍できるかもしれません。
最初に使えるクラスは上記の4種のみですが、「クエスト」(後述)をこなすことで
その他のクラスも使えるようになります。

特徴は……よく分からなければ戦闘に使うパラメータを上げるのがお手軽に強くなれます!
(剣士や騎士なら「筋力+」、狩人なら「敏捷+」、理術士なら「知力+」といった具合)

ルール上は周回ごとにクラス変更してもいいので、
状況に合わせたクラスを選ぶもよし、好みに応じて選んでも良しです。



【冒険に出発! 1日目へ進もう】

TRPGでは、GM(ゲームマスター)という人が司会・進行・審判をやってくれます。

「最初の城」でGM演じる王様の話を聞いて冒険に出たら、
あなたは「1日目」のエリア3つからどこへ行くか選んで、そのマスに進むことになります。

1日目のみ、イベントが明らかにされています。
他のPCのみんなと同じエリアに進むも良し、単独で行くもよしです!
単独で行くとより危険になる代わりに、後で経験値ボーナスがもらえます。

<マップの進行例。地形に応じて色々な追加効果が発生します> クリックで拡大




【昼のイベントをこなす】

移動したら昼のイベントとして、着いたエリアに指定されているイベントをこなします。
たとえば着いたエリアには、「モンスターが出るイベント」であったり、
「商人と遭遇する」などといったイベントが設定されています。

そして、敵ならうまく奇襲できたか、商人ならあなたが勇者であることを証明できたかなどを
そのエリアにいる代表者一名が「自分の能力値+サイコロ2個を足した数値」で「判定」し、
目標値以上を出して成功させれば課題がうまくいったことになります。
失敗したら何か問題が起きます。

そして「判定」する前には、「ジャッジ」と呼ばれるロールプレイを行うことができます!
たとえばイベントに書かれた「ジャッジ」が「どのように奇襲したか説明する」だったら、
PCは「草むらに隠れて近付いて攻撃します!」などと言ってそれがGMに認めてもらえれば、
判定に+1のボーナスを付けることができるのです。

うまく思いつかない場合や、自分の能力値が十分な場合は、
ジャッジをやらなくてもまったく問題ありません。
また、仲間がいれば判定に仲間の能力も一部足すことができます。
(能力を足せる量は、「好意」という絆の度合いによって変化します)



【日によっては昼イベント後に魔王が登場!】

日によっては、昼のイベントをこなした後に「魔王との遭遇」が挟まれます!
その際は、逃げるか、戦うかしなければなりません。
この魔王を倒せば、その周回はひとまず終了となります。

なお魔王は次に行う「夜行動」を終えて次の日に移動すればいなくなりますが、
それまでは何か行動するたびに魔王からのいやがらせを受けます。
ダメージを受けたり、装備やアイテムを破壊されたりするのです。なかなか困ります。



【夜行動を行う】

昼のイベント処理が終わったら、次は夜行動です。
夜行動は昼のイベントと違い、各プレイヤーそれぞれが1回ずつ行うことができます。
(昼のイベントは代表者一人が判定を行います)

夜行動には、「偵察」して次の日の隣のイベントを明らかにしたり、
仲間と交流して「好意」を上げたり、「探索」してイベントを発生させたりできます。
(※「探索」のみ、やった時点でエリア全員の夜行動が終わってしまいます)
これらの行動を行う場合は、【ST】を消費します。

今後に備えて上記の夜行動を行うか、それとも【ST】を温存するか……
それぞれ、自分の状態を見て考えることになるでしょう!



【次の日へ】

【ST】を消費する夜行動が終わったら、次の日付のエリアを選んで「進行」します。
進行時にはサイコロを振って通過した道のりを決めるのですが、
場合によっては【ST】が大きく減少してしまうこともあります。
またこのとき、そのエリアにずっと1人でいた人は経験値のボーナスがもらえます。

ちなみに2日目以降のエリアは、前日の夜行動で「偵察」しないと、
そのエリアで何のイベントが起きるか事前に把握することができません。
やみくもに突っ込んだ先には凶悪なドラゴンがいたり……なんてことも!
「偵察」は地味ながら重要です。



そして、この要領で日を進めていき……。



【ゲームが終わったら?】

魔王を倒したり、「世界の果て」にたどりついたり、PCが全員死んだりした場合は
その周回が終了し、【伝説P】という強化ポイントを得ることができます。

この【伝説P】を使うことで、新たな特徴をアンロックしたり、
次元倉庫を広げて次の周回へより多くのアイテムを持ち越したり、
取れる特徴の数を増やしたりできます。要するに、戦力を底上げできます。

それが終わったら、次の周回へ向けて新たなキャラクターシートを用意します!
このとき、クラスを変更したり、特徴を変えたり、キャラを別人にしても構いません。

以上、ここまでが1セッションの流れとなります。



【レベルアップは?】

道中、イベントをこなしたり、戦闘を終えるか逃げると【経験値】を入手でき、成長していきます。
そう、『片道勇者TRPG』はセッション中にレベルアップするのです!
実は他のTRPGって、ゲームの途中でレベルアップすることが少ないんですよ。

レベルアップすると、キャラクターシートに記載された数値に従って能力値が上がり、
スキルを習得できます。【経験値】を得てレベルが上がれば、クラスによっては
【ST】を消費することでダメージを増やしたりイベント判定の成功率を上げるスキルも
習得できるので、冒険がラクになっていきます!

……もちろん、日が進むにつれて冒険の難易度も上がっていくんですけれどね。



【戦闘ってどんな感じ?】

戦闘はザコ戦の場合、「1回」の攻撃で全てが決着します!
「PCが攻撃判定に成功」し、さらに
「攻撃に成功したPCがダメージ算出した結果、総ダメージが敵の【LIFE】以上」
になれば無傷で勝利することができます!

ただしダメージが敵の総LIFEを上回っても、「攻撃判定に失敗した人」は
敵からの反撃ダメージや【ST】減少を受けてしまいます。

また、「倒すための総ダメージが足りなかった場合」は、たとえ攻撃判定に成功した人でも
全員が反撃ダメージを受けてしまいます(1人以上攻撃成功していれば辛勝した扱いです)。
なのでたまに、敵と味方が相討ちになる場合もあります。

なお、普通の戦いは1ターンがケリが付きますが、
魔王などの特別な敵との戦いに限り、何回も攻撃判定と反撃処理を行って決着を付けます!
何ターンも戦いを続け、魔王の【LIFE】を削りきれれば勝利です!
(※ルールブック上ではターンという表現は使われていませんので、あしからず)



【そしてクエストの存在!(※最重要)】

魔王を倒せばめでたくゲームクリア! ……というわけでもありません。

というのも、各PCはゲーム開始前に「クエスト」という秘密の目標を選ぶことができます。
それは公開条件を満たせば他のPCにも見せることができ、
さらにクエストを達成できればキャンペーンのお話が進んだり、強力な装備が手に入ったり、
【伝説P】というゲーム終了時の強化ポイントを追加で得ることができるのです。

実はPCたちにとって「魔王を倒すこと」はサブ目標で、
どちらかというとPCの真の目標は「クエストの達成」であることが多いです。

たとえばキャンペーンシナリオでは、何度も周回してクエストをどんどんこなし、
クエストクリアによって解放された新たなクエストをさらに進めることでお話を進めていくので、
魔王を倒すよりもクエスト達成を優先せねばならない場合が多々あるのです。

そしてクエストを次々に解放していくうちに、いずれ最後の敵と戦えるようになり、
真の敵との決戦のクエストを選ぶことができるのです!



【でもすぐ死ぬんじゃない? 死んだらヒマじゃない?】

GMさんのイベント配置次第ですが、『片道勇者TRPG』は意外と死にません。
そして仮に死んでしまっても、このゲームではPCは「幽霊」となってついていくことが可能です!

「幽霊」は移動以外は自分から行動できませんが、交流の対象にされたり、協力したり、
持ってるものを「あげる」ことだけはできるので、生存者をサポートしてあげましょう。




という感じです! ざっくりな説明でしたが、何となく流れを思い浮かべられましたでしょうか?

『片道勇者TRPG』はボードゲーム的に進めることもできますし、
ロールプレイ多めの冒険を展開することもできるでしょう。
そういった自由があるのに加え、正当派寄りのファンタジー世界で
割と死ぬ機会にも恵まれているゲームなので、そういうのが好きな人にもおすすめです。



【公式リプレイ動画もあります!】

そして、ただいまの『片道勇者TRPG』の最新コンテンツはこれ! 公式リプレイ動画!
私とルールブック内のセッションをご一緒した「ブリッツP」様という方が、
公式リプレイ動画を作ってくださいました!

手軽にルールを掴むのによさそうな一作なので、よければぜひご覧下さい。
全4話となっております。ハチャメチャで面白い一本です!

【片道勇者TRPG】ドラゴンブックリプレイ 第1回


【片道勇者TRPG】ドラゴンブックリプレイ 第2回


【ニコニコ動画】【片道勇者TRPG】ドラゴンブックリプレイ 第3回

【ニコニコ動画】【片道勇者TRPG】ドラゴンブックリプレイ 第4回

おじいちゃんズ3人+女の子1人という、
平均年齢がやたら上に偏ったメンバーで繰り広げる珍道中!
これが公式でいいの!? というハッチャけっぷりですので、
そういうのが好きな方に特におすすめです。
もちろん監修である私も、編集部の人も誰も止めませんでした。さすがです。



【私が作った『片道勇者TRPG』リプレイも!】

『片道勇者TRPG』のリプレイは私も作成しております!
その名も『灰の少女とヨルムンガンド』!

<片道勇者TRPGリプレイ『灰の少女とヨルムンガンド』> クリックでリプレイページへ


魔王を倒すべくそれぞれの世界で旅に出た勇者たちでしたが、
魔王を倒し闇に呑まれて次に目覚めたのは、見たこともないようなおどろおどろしい世界!
そんな「監獄世界」と呼ばれる場所で繰り広げられる、勇者たちの死闘の物語です。

『片道勇者TRPG』による全9話 + 『片道勇者TRPGプラス』でプレイした後日談的な外伝1話、
でお送りしております。

フリーダ王女やネムリやデュークガルツなどの原作NPCも多数登場!
なぜか頻繁にひどい目にあうネムリは必見!



【さらなる冒険を楽しみたい人には、サプリメントもおすすめです!】

『片道勇者TRPG』には「サプリメント」という拡張ルールブックがあります!
一冊目の『片道勇者TRPG』と合わせて使うことで、より楽しい冒険を楽しめます。


『片道勇者TRPGプラス』


この『片道勇者TRPGプラス』、リプレイは収録されていないものの、
たくさんのキャンペーンが掲載されています!

原作プラス版を再現したキャンペーンや、NPCたちとの物語が楽しめるクエスト集、
闇の中へ帰って行く『往復勇者』キャンペーンなんていうのもあり、
長編の冒険のネタに困っておられるGMさんにとってとても嬉しい一冊です。

システム的には、「理騎士」や「忍者」、「観光客」という新クラスが追加されている他、
「城の拡張」や「食品の劣化(腐敗)」、「国」システム、「関所」の存在など
新システムが色々追加されています!

また、追加されている新たなデータは一冊目より過激になっており、
一冊目での冒険に慣れてしまった人でも生きるか死ぬかの楽しいプレイが楽しめます。
より判断が求められるようになり、盛り上がること間違いなしの一冊です!



『片道勇者TRPGアペンド』


「プラス」とは打って変わって、こちらの『片道勇者TRPGアペンド』は
ボリュームのたっぷりのリプレイが主に収録されている一冊です!
今回は、PCとしてなんと私が演じる「アルバート」が参戦します!
リプレイだけ読んでみたいという人にもおすすめできます。

もちろん他にも新システムや新データ、そしてNPCにスポットが当てられた「NPCの世界」や、
原作の『集う世界』『闇が速い世界』といったキャンペーンワールドを再現した
「チャレンジ世界」の冒険などが用意されています。

『片道勇者TRPGアペンド』は、どちらかというと単発プレイに向いた一冊だと思いますので、
「単発プレイに味付けして遊びたい!」とお考えの方にぜひおすすめします。
また、アペンドは『片道勇者TRPGプラス』がなくても、
1冊目の『片道勇者TRPG』だけあれば組み合わせて遊べるので、それも手軽なところです。



以上、いかがだったでしょうか?

「これだけじゃ情報が足りないよ!」 と思われた方には
『片道勇者TRPG』公式の方でも色々情報がございますので、そちらもあわせてご覧ください!

『片道勇者TRPG』サポートページ
公式情報まとめ、シートのダウンロード等ができます。
https://ssl.fujimi-trpg-online.jp/freepage/324



以下のサポートブログではエラッタ(記述の誤り修正)公開や
シナリオ配布、最新情報のお知らせなどが行われています。

『片道勇者TRPG 公式サポートブログ』
http://katamichitrpg.tumblr.com/




『片道勇者TRPG』はルールが割とシンプルめだと思いますので、
TRPGが初めてで不安な人や、とりあえず正当派ファンタジー世界で遊んでみたい人など、
そういった方々に特にオススメできると思います!

TRPG布教用や、片道勇者のファンブックの一つとしても持っておいて損はない……
かもしれない片道勇者TRPG関連ルールブック! よければ末永く、よろしくお願いします!


<体験会のお知らせ>

また、関東圏の方で『片道勇者TRPG』を体験してみたい! という方は公式で
近日イベントも開催されますので、TRPGが初めての方もよければぜひ!
TRPGそのものが初心者な人向けの1時間体験会も用意されています! ルールブック不要!
(片道勇者TRPG以外にも、今回はダークソウルTRPG(!)なんてのもあります)

「ドラゴンブックTRPG祭 春フェス2017」
開催日は5/28、先行予約は5/1まで。二次受付は5/10からとのことです。
https://ssl.fujimi-trpg-online.jp/fes2017s/index.html
(参加特典として、片道勇者TRPG用の特典クエストももらえます!)
 
■ 2017/04/22 (土)  初RPG制作で意図したこと2 ■
【初RPG制作で意図したこと 後半】

先週の記事(前半)から続けての内容です!
今回は、12年前の2005年にリリースしたRPG『シルフェイド幻想譚』を振り返り、
当時考えていたであろう「意図」について引き続き整理していきます。

前回は大きな意図について述べましたが、今回は細々としたものが多めです。
『シルフェイド幻想譚』を私好みのゲームにするにあたって、
一体どういう意図があったのか、よければぜひご覧ください。

今回の話題一覧↓
【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】
【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】
【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】
【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】
【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】
【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】
【初めてクリア評価を入れた】




【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】

『シルフェイド幻想譚』では、従来の普通のRPGを遊んでいるときに
「この情報がないと判断しようがないんだけど!」と私が感じていた部分に、
「判断するための情報」をいろいろ明示するように意識しました。

<バトル時の相談>


たとえば『シルフェイド幻想譚』では、バトル中でも「相談」コマンドが使用できます。
使ってもターンは進みません。この「相談」で何が聞けるかというと、主に、
「その戦闘から逃げられるか、逃げられるなら逃走率はどのくらいか」
「敵と自分との強さの差はどのくらいか」
の二点です。

これは、
「相手が強いなら逃走することを判断に入れて欲しかった」
という自分の要望を入れたかったのと、
「プレイヤーさんは強い相手だったら逃げようと思っているかもしれないのに、
そもそも相手が強いか見た目だけじゃ分からない」

という問題を回避する二つの目的があったからだと記憶してます。

特に後者の「強さ」に関しては、当時の私はだいぶ気にしていまして、
「RPG慣れしてしまった人ほど見た目から敵の強さを判断しなくなってしまうのではないか」
という考えを持っていました。

たとえば、何かのRPGの中盤で出てくる「ワイバーン」と、
後半に出てくる「ファイアドラゴン」がいるとしたら、仮に似た大きさ・見た目だったとしても
バランスの都合で後半で出る「ファイアドラゴン」の方が普通は強いはずです。

それどころか、バランス調整の問題で「後半で出てくるネズミみたいな敵」が
前述の「ワイバーン」より強かったりする場合さえありますから、
相手の強さを誤解のない手段で伝えるのは重要な課題だと考えていました。

特に本作は最初から好きな場所に移動できてしまうゲームなので、
いきなり極端に敵が強いエリアに踏み込んでしまう可能性もあります。
そういった可能性もある中、戦闘において実際にぶつかる前の「相談」ができれば、
プレイヤーさんもより安心して偵察ができるはずです。

何より、「おおまかな逃走成功率」が事前に分かれば、
「逃げにくいのでいちかばちか戦う」や、
「必ず逃げられるからギリギリまで戦ってみる」
など、新たな判断が生まれます。
そういう点も、面白みが生まれていいんじゃないかと考えていた部分でした。

さらに『シルフェイド幻想譚』では、道をふさがれていたり、
明らかに退路がない場面以外ではボスからでも逃走することができます

「相談」コマンドで逃走できる可能性を示したのは、従来のRPG的な常識に従ってしまって、
「ボス戦に入ってしまったときに、不利な状況にもかかわらず死ぬまで戦ってほしくはなかった」
からというのもありました。

「逃走コマンドって、強い相手にこそ一番使いたいコマンドのはずですよね! 
使えるときは逃走成功率の大小を教えますのでぜひ判断の上で『逃走』してください!」

という主張が、当時の自分のどこかにあったのかもしれません。
そして、今でも割とそう思っています。逃げることが重要な判断の一つになるRPG、好きですよ。



【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】

イベントの報酬をどういう形にするか、開発当時はだいぶ悩んでいました。

『シルフェイド幻想譚』は「物語に興味がない人でも楽しく考えて遊べるように」という前提で
作っていたので、完全にストーリーを取っ払っても楽しめるよう、
「全てのイベント報酬は必ず一定以上のゲーム的利益に繋がる」ように意識していました。

ここでの「ゲーム的な利益」とは、「一定以上のお金や、装備・仲間などの意味のある強化」や
「クリアするために必須のフラグ(最終ダンジョンへのカギなど)」
を指します。
時間制限があるゲームなのでイベントを無視するケースも増えると思いますが、
かけた時間以上に必ずいいものがもらえるならば、きっといくらかは挑戦してくれるでしょう。

というわけで、もらっても仕方がない3桁くらいの金額の金銭報酬や、
報酬が感謝の言葉だけというケースは、基本的に
ほとんど入れてなかったと思います(忘れてるだけかもしれませんが)。

そしてもう一つ注意したこととして、労力さえつぎ込めば、
たとえイベントに失敗しても何かしらの報酬が得られる
ように意識しました。
たとえば、以下のような具合です。


●とある村が襲撃されるのをうまく防衛できればクリアフラグがその場で手に入るし、
仮に失敗しても仲間が一人増える。

●敵の砦を攻略したとき、ゲーム開始から時間が経ちすぎていたら
仲間が加入する可能性がなくなる代わりに大金を得られる。



イベントに失敗ルートがある場合は、ほぼ必ず
こういった別報酬が手に入るようにしていたので、
「失敗ルートでも徒労に終わらないようにしたい」という意識が強くあったように思います。

ただ全てに配慮はしきれていなくて、一部のイベントは
リソースの投入タイミングが遅れると何ももらえなくなってしまいます(病気の姉弟など)。
こういう場合は、リソースを投入した分だけは何か見返りをくれるようにすればよかったですね。

何はともあれ、
「失敗した場合に何も得られなくてゲーム内時間を損失するだけなら、やらない方が効率的」
という発想がプレイヤーさんの意識に根付いてしまったら、
それが一番作り手からすると面白くない結果なので、
なるべくそういった状況を避けられるように、
チャレンジをうながすような造りにしようと心がけていました。

「挑戦してくれたこと自体に報酬をあげたい」という考えは、
12年経った今でも特に大事にしていきたい「意図」です。



【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】

最後の調整段階に入ったとき、フィールドマップがスカスカに感じたので、
できるかぎり「1画面あたり1つ」くらいの施設を置くつもりの意図で、
何もなかった場所に施設をいろいろ追加したり、
後半に作った施設の配置を変えたりしていました。

<赤い点が予定通り作った施設、青い点が後で追加したり移動させた施設やイベント地点>
青い点が、赤い点の隙間や、何もなかった場所を埋めるように配置されています。



上の図の「青い点」が後半に追加した部分や場所に迷っていた部分です。
その中には、埋めるために無理矢理ネタをひねり出したものもあります。

たとえば、「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が守る宝物庫ダンジョン」や、
「封印された扉を開けるカギを売っている人の家」「滅ぼされた何もない家」といった具合です。
特に「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が出る宝物庫」に関しては、
「いつでも戦える、今は倒せない強い敵」に一度でもぶつかってもらえば、
それを目標にして勢いよくゲームを進めてもらえるのではないか、
と考えていたようで、割と序盤のエリア付近にも設置しました。

フィールド上の施設やイベント地点を「1画面あたりおおよそ1つ」という密度にしたのは、
当時の言い分だと単純に「スカスカだとつまらない」という理由になるのですが、
今の自分が言い換えるなら、「フィールドを探索すればだいたい一定のペースで
何かが見つかるという期待を感じて欲しかった」
からだったような気もしています。

「労力を投入したが何も得られず徒労に終わる」というのがゲーム内で一番面白くないことで、
それが続くと以後、『プレイヤーさんが積極的に調べてくれたり、
期待感を持ってくれなくなってしまう』可能性が高くなってしまいます。

そんなわけでマップ探索に関しても、とにかく
「一定以上動けば定期的に『新しい場所』」が見つかる」ように意識していました。
そして、もし何もないように見える場所があるとすれば、
「そこには隠された何かがある」という感じで、秘密のありかをほのめかしています。
また、最後までどうしても空白地帯ができてしまう場所には「立て札」を置いて
プレイヤーさんを不安にさせないようにしました。

今になって思うと、私にとって「どちらにいけばいいか心配になる距離」が
だいたい1画面分くらいだったのかもしれませんね。狭い!



【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】


フィールドマップには「約1画面あたり1つ」という密度で施設やイベントを置くようにした一方、
街での用事はなるべく最短で終わるようにすべく、「街のサイズは最小限」にするよう心がけました。

『シルフェイド幻想譚』の街はおおよそ3~5画面程度の大きさで、
階層を移動しない限りは画面切り換えもありません。
人の家もたったの6x6マスだったりします。

たとえば、以下は最初の街のマップです。他の街も、ほぼこれに近い大きさです。

<最初のサーショの街 全体図>


基本的にマップは大きければ大きいほど作るのが大変になるので、開発側としても、
「目的を果たす最低限の大きさなら自分も楽ができるだろう!」
と考えていたことは確かです。

ですがそれ以上に、
「移動してもゲーム内時間が進まない場所での『広さ』はゲーム的に意味がないので、
それなら無駄なリアル移動時間を使わせない方が親切だろう」
という考えもありました。
つまり、「入口から宿屋まで3秒! よし、効率的!」という発想で街を見ていたのです。

また、マップサイズを最小限にすると同時に、
「家の装飾品は『調べたときに情報を得られるもの』だけを置く」ように心がけました。
タンスやクローゼットを置く場合は、調べたときに必ず反応があるようにしたのです。

たとえば病気の姉弟がいる家でタンスを調べたときには「質素な服が入っている」
といった情報を出したりして、住人の生活や雰囲気を伝えることができるので、
この辺りは物語やキャラ好きの人に楽しんでもらえる部分になるだろうと考えていました。

逆に、「調べても反応がないもの」はとにかく置きませんでした。
これも同様に「物語やキャラ好きの人」に対しての配慮で、
「調べても何も出ないことがあって徒労に感じる」ことを徹底的に避けたかったからです。

何を調べても必ず反応があるなら、住人たちの背景を知りたいプレイヤーさんであれば
どんどん細かいところまで探してもらえるかもしれません。
フィールドマップでもそうでしたが、内部のマップ探索においても、
「かけた労力が無駄にならず、必ず何らかの反応が与えられる」形にすることを意識していました。



【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】

皆さんには、次のような経験がないでしょうか。
たとえばお金を貯めて武器を買ったら、すぐ行ける場所で
次のグレードの武器が販売されていてガッカリしてしまったり、
あるいはそうなることを心配していつ装備の換装をすればいいか
分からなくなったりしたことなど、一度くらいあるかもしれません。

「これから先にもっとコストパフォーマンスのいい武装や、
より強い武器が出たらどうしよう、ここで買っていいのかな?」

という発想でお金を温存するハメになると、結局お金が使えなかったり、
仮に買ってもすぐ新製品が出たりして損した気分になる
のではないかな、と私は考えました。
システム的なところでゲームへの不安を感じさせるのは、なんとなくもったいない気がします。

もちろん、そういった「将来どうなるか分からない中での対応方法」も
ゲームのうまさだよと言われればそうなのですけれども、
今どきは育成スキルツリーも初期状態で全て公開されてることが多い時代ですし、
先々の強化方針を計画してもらうためにも、「強化のコストと強くなれる度合い」くらいは
最初に見せた方がフェア
な気がします。

そこでゲーム的に安心できる形にするために、『シルフェイド幻想譚』では、
『買える武装のレパートリーは全て最初の街に並べる』ことにしました。
こうしておけば、「どの段階で何の装備の換装を行うのが最適か」という点について、
おのおの自分のペースで考えてもらえるかもしれません。

何より、「強い装備を買うにはお金が全然足りない」ことを最初に示せば、
以後、お金を手に入れられるチャンスに敏感になってくれる可能性が上がるでしょう。
そうやって「足りない感」を感じてもらうのも、ゲームのやる気に繋がる大事な点だと私は考えています。
「あと1000シルバ貯めれば●●が買える!」と思っている状況で
そのゲームを二度とやらなくなるプレイヤーさんって、あまりいらっしゃらないと思いますしね。

なお、最初の街には全ての購入可能武装が売っていますが、
次の街ではなんと全ての基本的な理力(魔法)が購入可能になっています。
店で主人公を強化できる機会は、最初と次の街でほぼ完結しているので、
「どういった成長ができるか」という情報は、かなり早期に提供を済ませています。
あとは、お金と必要パラメータ次第です(といいつつ、隠し魔法ショップも存在していますが)。



【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】

『シルフェイド幻想譚』には一カ所だけパズルを解いて突破する場所があります。

といってもRPGのパズル部分は、解けない人や、
そもそもやりたくない人もいるだろうなと思ったので、
パズル自体は入れはしたものの、同時に飛ばせる配慮も入れました。

具体的には、「パズルに苦戦していると判断できる状態」になったら、
アドバイザーが「ゲーム内時間」を消費して突破する手段を提案
してくれます。
それを採用した場合、時間を使って壁を破り、パズルを無視することができます。

これは『シルフェイド幻想譚』が時間の概念を持つRPGだからできたことですが、
普通のRPGでも「お金を使えばパズルを無視できる」という感じにしてもいいかもしれません。



「苦手なことを無視できるか、別リソースを消費したり別の手段で通過できる」
という配慮は、多くの人に遊んでもらいたいゲームを目指すならば
大事な点かもしれないと今は思っています。

特に『シルフェイド幻想譚』は、「時間制限付きのRPG」という
ただでさえ人を選びそうな内容ですから、変なところで詰まったりしないようにと、
なおさら注意しようと思っていたのかもしれません。

何はともあれ、人によってはずっと攻略できなさそうな課題は、無視できるようにするか、
他の課題で補えるようにすると親切そうです。
……といいつつ、クリアできるか怪しい最難関ミッションとか、
やっぱり一個くらい入れちゃうんですけどね!



【初めてクリア評価を入れた】

私が「クリア評価」を初めて導入したのは、この『シルフェイド幻想譚』からでした。

これは「リプレイ性を高くするため」と、「どのくらいのものを見たか」
プレイ後に少しでも把握できるようにする目的です。
「クリアにかかった日数」や、「強い敵とどれだけ戦ったか」、
「仲間にできるようになったキャラの数」、「人々を救った度合い」などが評価されます。

詳細な内容は、旅を共にしたアドバイザーキャラクターが主にコメントしてくれます。
プレイの傾向をキャラクターが評価してくれるとちょっと嬉しくなるだろう、と考えたからです。
というか私がそういうのを求めていますので、皆さまにもどんどん採用していただきたいですね!

また、ここで「他のプレイ方法もあるんだよ」というのを示すきっかけにもなりますから、
リプレイ性の高いゲームにはこういった「クリア評価」は相性がいい要素だと感じます。
他にも、こういう評価画面で「知らない間に失敗した点」や、
「まだ見てない点」についてのヒントも出せるかもしれません。
「実はX日以内にXXすると●●できるんだよ」とか、「仲間は最大で●人いるよ」といった情報です。

それと、もう一つ意識した点として、クリア評価のコメント内容は、
評価が仮に最低ランクでも、「初めてならこれが普通です!」
「今度やったらもっとうまくいける!」と言ってくれるようにしたり、
他にも戦闘評価が低かったら「強すぎる相手と戦うのは避けて慎重に戦ったんだね」という具合に、
なるべく遊ぶ人がションボリしない、前向きな言い方にすることを心がけていました。
といっても初めてだったので、今と比べればやや雑な感じはあります。
この技術は、これからもどんどん磨いていきたいと考えています。


そして本作のクリア評価、実は確か全てSランクのパーフェクト評価にすることはできません
全部を最高評価にしようとしても、どれかが一段階以上抜けるようになっています。

例えば、最高評価の日数で急いで進むと、
人々を救う評価が最大にならない、といった具合です。
これは確か、「完璧な答えはないよ」と示す意図でこうしていた気がします。

これはこれでシブくて、今でも個人的に好きな発想だとは思うのですが、
開発経験を重ねた今となっては、そもそも「A」~「C」ランクのような「優劣」でなく、
「早い旅」「慎重な旅」などといった「傾向」を評価する形の方が
よかったかもしれない、と思うようになっています。

たとえば「最低限しか戦わずにクリア!」も偉大な挑戦のはずですし、
悪いことができるなゲームなら「邪悪プレイ」も試してもらえると私にとって嬉しいはずなので、
善人プレイだから「優れている」という評価を示してそのコースばかり遊んでもらうのは、
果たして開発側にとってお得なことなんだろうか? と感じるところもあるのです。

なので、最終的に「色々試してもらうこと」を目的とするなら、
「優劣」でなく、「傾向」評価の方が合っていた
のかもしれません。
たとえばクリアにかかった「日数」の評価なら、A~Cというランクを出すのでなく、
「超特急!」「慎重な旅!」「バランス!」という表現にするといった具合です。

一方でシューティングゲームなど、「うまくなってもらうこと」を
最終的な目的とするゲームの場合は、A~Cランクのような
「優劣」の方が望ましい
のかなと思います。

より高みを目指して欲しいところは「優劣」評価で、
色々試して欲しいところは「傾向」評価にしよう、という考え方は、
全方位シューティングゲーム『シルフドラグーンゼロ』あたりによく反映されていたと思います。
確か「スコア」や「強化のケチり具合」は「優劣」の評価としてA~Cなどランクが付けられるのですが、
「多く使った機体」や「好みの武装」に対しては「傾向」についての感想コメントがあるだけで、
「優劣」のランクは付かないようになっているのです。


評価の仕方も、いま振り返ってみると色々と考えさせられるところがあります。
プレイヤーさんも開発者側も、お互いが幸せになれるような
よりよい評価手段を模索していきたいです。



ということで、以上、『初RPG制作で意図したこと』、後編でした!

いま『シルフェイド幻想譚』に対して思い出せる「意図」はこんな感じとなります、
いかがだったでしょうか。後半はやや地味だったかもしれませんね。

ここまでの前編・後編の内容をざっくりまとめると、
主な意図は以下の四種類くらいに整理できそうです。

●キツくはしたくなかったが緊張感を持たせたかった。
→ 比較的余裕のある時間制限を設けたり、
死亡回数に余り気味な制限を持たせた。

●好みが分かれそうなところは、見たくない人は見ずに済むように、
やりたくない人はやらずに済むようにした。

→ オープニング削減や相談コマンドの搭載で、ストーリーやキャラに
興味がある人とそうでない人に両対応化した。
→ フィールド上の戦闘のエンカウント場所を限定した。
→ リソースを消費してパズルを飛ばせる配慮を入れた。

●不安に感じそうなところは不安を軽減させる工夫を入れた。
→ 戦闘時、判断するために必要な情報をいくらかオープンにした。
→ 買える装備のメニューを最初から全部見せるようにした。
→ 時間制限付きのゲームなので進行度の目安を見せるようにした。

●投入した労力そのものや、プレイ傾向を評価するようにした。
→ 内部マップでは反応のない装飾品は置かず、必ず何か反応があるようにした。
→ フィールドではできるかぎり1画面あたり1つくらいの施設を用意した。
→ クエストでは成功しても失敗しても程々以上の報酬を得られるようにした。
→ クリア評価を搭載し、どんなプレイでもなるべく前向きな表現でコメントした。


締めるところはキュッと締めて、ゆるくすべきところはゆるくして、
かつ安心して遊んでもらいつつ、チャレンジにはしっかり見返りを用意する。
そうまとめてみると、本当にどれも当たり前の話かもしれません。
ですがそういった当たり前のことをするのが難しいのもまた、ゲーム開発です。

『シルフェイド幻想譚』を作った当時の私は、今よりはるかに未熟でありながら、
今でも使える重要な考え方もいくつか持っていた気がします。
そしてまた、その中には今の自分でさえたまに忘れがちなことも含まれています。

ゲーム開発における「意図」は、良いゲームを再現するための大切な武器です。
次のゲームでも、これらの「意図」が使えそうな部分があれば忘れずに使っていきたいですね。





以下は前編の記事に対する気になった拍手コメントです。
皆さまの拍手コメント、いつも本当にありがとうございます!


>【『シルフェイド幻想譚』では、「システム上、2人以上の仲間を同時に  .
>迎え入れることができない」という制限】に対し、仲間キャラクターの   .
>一部に、それぞれに特有で納得のいく理由づけがあって、当時とても  .
>感心させられた思い出があります。アルバートには             .
>「他の仲間キャラとは意思疏通が不可能で、戦闘時に支障が出るから」
>という至極当然な理由づけが。オーバは「トリオが嫌いだから」という、 .
>本人の性格的にも読み取れそうで単純明快な理由が。セタには     .
>「信用できる人間が主人公のみだから」という、ストーリー面でも     .
>重要で合点の行く理由がある点などですね。(中略) ところどころの  .
>状況説明に納得がいくのも、遊んでいて気持ちがよかったところです。 .


こういう観点のコメントは初めていただきました、ありがとうございます!
仲間の人数をオーバーしたときのメッセージはうまく思いつかなくて、
割と必死で考えていた気がします。

できれば『片道勇者』における「闇」のように、ゲームシステムに関わる部分には
もっとらしい世界観上の理由もしっかり付けたいなと考えているのですが、
全部は全部そうすることができないのでまだまだ力不足を感じます。

うまいこと説明できればゲームにも世界観にも入りやすくなるので、
これからもできる限り、システムとストーリーはリンクさせていきたいなと願っています。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ!