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■ 2011/08/23 (火)  クリフ深淵録 開発記 ■
今回は、ノベルゲーム「クリフ深淵録」を作るときに、
苦労したことや考えたこと、意識したことを、
列挙していきたいと思います。


イラスト:透子様(キャラ立ち絵・一枚絵担当)



■主役を表示するのは右に■

このゲームでは、左右にキャラが表示されて、会話が進みます。
ただし、主人公を登場させる場合は、キャラを「」に出現させています。

最初は特に理由もなく、演劇だと右に主人公を出すので、
とりあえずマネてみるかと、この方向性に決めたところもあるんですが、
あとになってみると、案外合理的だったのではないかと感じています。

これが有効である理屈を付けるなら、
以下のようになるのではないかなと思います。

1.前提として、ゲーム中、基本的な視点位置は
左~中央に固定される傾向にある。
(左から文章を読む都合、文字数によっては視点が
一番右まで行かないことがある)

2.左側に視点が固定されがちなこの状況下では、
よく出るキャラクター、つまり主人公を左に出してしまうと、
プレイヤーさんの目に変化が少なく、新鮮味を感じにくい。


こういう問題が起きうるため、それを避けるため、
自分は、主人公を右に表示させた方がいいのかなと思ったのかもしれません。
どちらかというと、「主役を右に」という意識よりは、
「新キャラを左に」という方が、正しいかもしれません。

ここからは余談ですが、
演劇では、主役は舞台の右から登場して、
左からは脇役や悪役が登場するという基本文法があるようです。
人間の視点的に、「右の方が良いものに見える」とか何とか、
そういった心理的要素があるらしいのですが、
しかし演劇ではセリフが文字で表示されるわけではないので、
厳密に言うと、この理屈はノベルゲームに適用できないかもしれません。

なお、STGやACTのように『敵が流れてくる場合』は、
敵が ←←←←← の方向に動く方が、目に反応しやすいようです。
人間の視点は普通 →→→→ の方向に進むらしく
(※この方向は文化によって変化するかもしれません)、
その視点の動き→→→と、敵の動き←←←がぶつかるので、
「敵が右から来る方が、反応しやすくなるのではないか」といった具合に、
色々考察されているようです。



■文章のテンポ■

これはあえて強く主張するまでもなく、こだわっておられる方が多いと思います。

長い文章が唐突に出てくると、意識がついて行かないときがあります。
たとえば、

「~~~」「いや、そうなるとセシュは~~ではないだろうか」

というような文章があった場合、二文目で、発想が切りかわったのに、
心の準備が出来てないままに予想外に長い内容が来て一瞬混乱し、
思考が滞ってしまうことがあります。そこで、

「~~~」「いや……」「……そうなると、セシュは~~ではないだろうか」

といった風に、わざと短い一文に区切って、「いや……」によって
「次に長い文章が来るよ」ということを暗黙的に示して、
心の準備をしてもらおうと、意識して切った部分があります。

なお、これは、最初に書いたテキストでテストしてみて、
心の準備ができないなと感じた部分だけ、上記のように切り分けてます。
このように一回の思考の量に応じた文章に切り分けることで
「テンポが滞らない」ように心がけたりしているのですが、
人によっては、「ボタン押し回数が多いだけだよ、面倒!」
と思われる場合もあるかもしれません。
この辺は、センスと感じ方次第、という面もあると思います。



■漢数字とアラビア数字の使い分け■

横書きの文章で問題となるのが、漢数字(一~九)と
アラビア数字(1~9)の使い分けです。

クリフ深淵録では、基本は漢数字(一日、二人、三十分)にしていますが、
漢数字で3文字以上になる数字(三十五分とか九十二人とか)や、
英語の単位が付く場合は、一瞬で見ても
読みやすいように、アラビア数字にしてます。
例えば「一メルト」ではなく、「1メルト、43メルト」など。
(※序章でそうしてしまってたので以後もそれで統一している)
本当は、アラビア数字で統一した方がよかったかもしれません。

基本的には、横書きなら、熟語の場合は漢数字(「二束三文」など)、
それ以外ならアラビア文字か漢数字に統一した方がいいんじゃない?
というのが、一般見解のようです。


他にも、簡単な使い分けの基準として、

・慣用句、または他の数字に置き換えられない場合は漢数字
 → 「二人三脚」「一銭たりとも」
・別の数字に置き換えてもOKな場合はアラビア数字
 → 「5日後」
・固有名詞なら、それに合わせる
 → 「百式」「ワルサーP38」


というのもあるようですが、とある実務文書だと、

・「3角関数」「4捨5入」はアラビア数字だが、「三角定規」は漢数字

という場合があるなど、なかなか複雑なようです。

この辺の使い分けは、公文書や論文では正確に行う必要がありますが、
作家さんや新聞社によっては、読みやすいように
割と各々の基準で使い分けているようです。

また、ライトノベル作家さんへのススメの中には、審査員に
ミスだと思われないよう、特にこだわりがない限りは完全に統一した方が
有利かもしれないとか、そういった方面での発想もあるようです。

シルフェイド見聞録の頃は、全然意識していなかったので、
「1階」と「一階」が混在してたりして、カオスだったはずです。
別に面白さに関係があるわけではありませんが、
せっかくなので、次に真シルフェイド見聞録を作る時には、
この辺もしっかり意識したいですね。



■開発にかかる時間■

ノベルゲームに関しては、直感的に予想した時間がほぼ当てはまるようでした。
「クリフ深淵録 序章」を作ったときの条件と、
その条件によってできる内容量を思い出すと、

1.自分の作業は、文章とシステムにほぼ完全に集中するものとする。
 (※絵は、基本的に素材でまかったり、手伝ってもらう)
2.開発期間は約一ヶ月間とする。
3.お勤めで、平日は8~9時間分減少+体力も減少している状況。


という条件で、マスターアップ(※もう変更がない状態の提出)のための
完全なチェックを含めて、全部で20分程度の内容を作れる感じでした。
システム作成には、4日か5日くらいかかったでしょうか。

ちなみに、二話である「クリフ深淵録 第一章」は、
開発時間が飛び飛びで、通勤途中の電車の中や、
お勤めの昼休みに原稿を書いていたので、正確な開発時間は分かりません。

通勤の電車内では、ポメラにWiiリモコンのストラップを付けて、
片手でパチパチ打ってました。
さすがにもう、周りの目は気にしてられませんでした。

なお、シル学やシル幻などの、フラグが複雑なゲームだと、
予想した時間の3倍くらい開発期間がかかります。
一本のストーリーの文を作るのと違い、フラグの影響が
広範囲におよぶのでそれをチェックし直す時間が必要だったり、
文脈の整合性を取るのに大きな時間がかかるためです。

こういった経験も、今後に活かしていきたいと思います。



以下は、気になった拍手コメントです。
皆さまの拍手コメント、いつもありがたく読ませていただいております。

>アマゾンでPCソフトのDL販売が始まったみたいです。
>ツクールVXなんかもおいてありました。         .
>シルノやシル学も置いてもらえると有難いです。    .


Amazonは、ダウンロードソフトの方も、個人で販売できるんでしょうか?
本の方は、実は個人販売できるようになっているみたいなんですが、
ソフトの方は、調べてもよく分からない状況です。
個人用のDLソフト販売が始まった場合は、
レンタル費が安ければぜひ、お願いしたい気持ちもあります。

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