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■ 2018/09/08 (土)  落ち着かない日々 ■
【落ち着かない日々】

ようやく落ち着いたので開発再開! と前回言ってたら、
台風21号でとても落ち着かないことになったウルフです。
色々被害があったのでリフォーム屋さんに連絡したら、
リフォーム屋さん自身の家さえも壊れてる中で
修理などに走り回っているらしくて大変な状態だそうです。



今年の台風21号は近年では最大級の台風とのことで、
台風の跡には2m以上のでっかいアンテナが落ちてたり柵が降ってきてたり木が倒れてたりで
外を歩いてたら本当に命がなかったかもしれないと感じられるような状況でした。

今朝(そう、今日!)も大阪含め関西で記録的短時間大雨警報が出てましたし、
台風は過ぎてもまだまだ予断を許さない状況が続いています。



今は、北海道の方が地震で大変なことになっていたり、
全域停電があったという情報がニュースで流れてきていますし、
SNSなどでも現地の方々の苦労されている声が挙がっています。
心より、北海道の皆様のご無事をお祈りするばかりです。
 
■ 2018/09/01 (土)  元の日々へ!&サイトSSL対応 ■
【元の日々へ!&サイトSSL対応】



ということでウディコンも無事終わり、複数の別件で少しドタバタしていたのも落ち着いたので
GoogleさんからスルーされないようにサイトのSSL化の部分対応を行ったり、
メインであるゲーム開発を再開したりした一週間となりました。

サイトのSSL対応とは、要するに「https」から始まるアドレスを入れても
正常に見られるようにするための対応なのですが、
これをやらないとGoogleさんの検索でも優先度が下げられるし
Google Chromeで「保護されていないページ」だとURL欄に出てしまうだとかで、
珍しく世間の波に追われての対応となりました。
ここまでサイト改修したのは、全ページをフレーム前提で作っていたのをやめたとき以来です。
(いまだに一部紹介ページやコミュニティにはフレームが使われてるページがありますが、
トップページなど主要ページはフレームを使わないように変更したのです)

まだ「保護された通信」と出ないページは多くありますが、
画像が読み込まれなかったところだった状態に比べれば
ひとまずhttpsのアドレスでもそれなりに見られるようになったり、
CGIも一通り対応できたと思うので、今後は穴を見つけてはじわじわ修正していきます。

ここからはしばらく落ち着いて『片道勇者2』の開発に戻れそうなので、
まだ残っているインターフェース調整やシステム周りのテコ入れ、
その他諸々気になるところを片付けつつ、
データを増やすフェイズにも片足を突っ込んでいきたいと思っています。
インターフェースも全然完璧じゃないんですが、長くこればっかりいじってると
良くなってるのか分からなくて精神的に悪いようなので、
色々交えて進めていきたいですね。

ということで、今年も残り4ヶ月、引き続きよろしくお願いいたします!
 
■ 2018/08/11 (土)  別件だらけの一週間 ■
【別件だらけの一週間】

今週はウディコンの各種対応を続けながら、
機器不調の修理周りの件でドタバタするところから始まって、
やったことのないお仕事が飛んできて頭を加熱させたりしていた一週間でした。

自分がやったことのないお仕事、というか自分じゃやらない類いの新しい挑戦は
強制イベントとして起こるものくらいしかしないので、
これもいい機会だと思って全力を尽くしたいですね!
そのうち何をやっていたか明らかになると思います。


何も載せるものがないのもアレなので、落書きを一枚載せておきます!





【第10回ウディコン、一般審査受付中!】

第10回ウディコンも、すでに皆様からの熱い一般審査コメントがたくさん届いております!
締め切りは来週8/18 23:59までですので、審査してみようかなと思われた方や
応援したい作品がある方は、よければぜひ一般審査に挑戦してみてください!

【ウディコン公式ページはこちら】

今年は過去にご参加くださった方の作品にも確実な進歩や遊びやすさの向上が見られたり、
一方でもうちょっといじるだけで最高の一作になるのではと思うゲームもあったりで
作者の立場としてもよい学び場になっているように感じます。

RPGエディターであるにも関わらず、相変わらず色んなジャンルのゲームが来るので、
「あー自分もこういうの作ってみたい!」と思い出させてくれるのが
私にとってウディコンのすごくいいところです。
皆様の様々な挑戦や熱意あふれる作品、本当にありがとうございます!
 
■ 2018/07/21 (土)  夏セール+ウディコン前夜 ■
【夏セールのお知らせ!】

ということで今年は夏のセールを開催します!




セール対象商品は以下の通り!

『シルエットノート』が1500→750円!(-50%)
→ 最近、顔グラフィックや背景画像などが「リファイン」されました!

※シルエットノートにはDLsite版もあるのですがこちらは割引申請待ちです。
そちらがほしいかたはもう少々お待ちください。

『シルフェイド学院物語』が2000→1000円!(-50%)

『片道勇者プラス』が500→250円! (-50%)

『片道勇者開発記』が500→300円(Kindle版)!(-40%)

『ゲーム開発者の地図』(Kindle本)が1080→756円(-30%)!

期間は2018年8月下旬頃まで、となっておりますので、
気になっていた方はよければぜひ!



【ミニメタルストラップ】

またBOOTHで販売中の「ミニメタルストラップ」も、倉庫代を稼げなくなった時点で
販売終了することにしておりますので、欲しかった方はお早めにどうぞ!

微妙に売れ続けてしまったら、いわゆる「終わる終わる詐欺」が続いてしまいますが、
それはつまり、なくなるなら買っておきたい方がまだいらっしゃるということなので、
その限りは販売を続けようと思います。



【ミニメタルストラップ販売ページへ】



【明日から第10回ウディコン開催!】

ウディタ10周年に続いて、ついにウディコンも10回目になりました!
節目となる第10回、どんな作品が来るのか今からとてもドキドキしています。

【ウディコン公式ページ】

作品公開は7/22(日)の0時からです、お楽しみに!
 
■ 2018/07/14 (土)  故障中! ■
パソコンの起動がBIOS画面から先に進まなくなったり
リカバリしようとしてもWindowsのマークが出た次に
画面が真っ暗になったきり全く進まなかったりして、
要するにパソコンが故障してしまったので
本日の開発日誌はおやすみさせていただきます。
季節柄多いとはいえ、急なHDDの故障は困りますね。

来週7/22(日)からは第10回ウディコンが始まりますので
そのタイミングで故障しなかったのは運がよかったと言えるかもしれません。
暑さのためか体も長らく不調続きなので心身パソコン共々、
バッチリ直して準備を整えたいと思います! お楽しみに!
■ 2018/06/16 (土)  地道な調整+顔グラ小話 ■
【地道な調整】

現在の状況ですが、前回に引き続き
『片道勇者2』の基本処理のオーバーホール中です!

2割くらいの人に伝わればいいかなくらいの言い方になりますが、
じっくり処理を見直していると、『片道勇者2』のほぼ全ての重要箇所を制御している
「テキストスクリプトを処理する部分」が非常に重いことが分かりました。

「テキストスクリプト処理」はキャラクターの会話イベントなどの処理だけでなく、
カードの処理などもこれでおこなわれているのですが、
カード周りの初期計算を何枚分かおこなうだけで平気で20ミリ秒くらいの
時間がかかってしまうくらい負荷が高かったので、今はそこを大規模改修中です。
(毎秒60枚更新されているゲームは「1フレームあたり最大16.6ミリ秒」しかかけられないため、
1処理で20ミリ秒もかかるほど重いと処理落ちしてしまうのです)

うまくやれれば3倍以上、運がよければ5倍くらいの処理速度になりそうなので、
アルファ1の内容が『片道勇者1』に近い負荷までおさまるかもしれません。
そこから追加で状態変化の処理や新システムが入るので、
処理はまた重くなるんですけどね!

他には描画周りも最適化を試みていて、こちらも3割か4割か高速化できそうなので、
「処理が重すぎて動かないんですけど!」とフィードバックを寄せてくださった方も、
もしかしたら次のアルファ2では少しくらい動くようになるかもしれません。

色々と課題がある「ゲームシステム部分」にも早く着手したいのですが、
もうしばらくはこれらの基本処理の負荷問題への対応が続きそうです。



【おまけ ゲームのお絵かき話】

状況報告だけというのも何なので、今回はゲームのお絵かき話を一つ!

テーマは「顔グラフィックについて」で、
「実は顔のパーツの『まゆ』と『くち』の
差分だけでいいなら低コストで表情が増やせるんです! 」

という話を説明するための見本を描いてみました。

【クリックで拡大】


ゼロから描き直さなくても、「まゆ」と「くち」を変えるだけで新しい表情が生産可能!
「こんなの当たり前じゃないか!」と思われるお絵かき担当の方も多いかもしれませんが、
どちらかというとこれは、「発注者さん」側に
知っておいてもらえるとよさそうな話です。

というのも、まだ慣れていない未熟だった頃の私のような方や、
普段は絵を描かれない発注者さんだとこれに気付いていないことが多くて、
「表情を1つ増やすために毎回ゼロから描き直したり」する判断が
頻繁に発生してしまいがちです。
そうなると作業コストが増してしまったり、
クオリティの維持も大変になってしまいます。

(※熟練のイラストレーターさんは平然とやっているように見えますが、
たとえ同じキャラクターでも、ゼロから描き直した顔を
何度も同じ度合いでかわいく/かっこよく描いたりするのも、
とても高度な技術や時間が求められる仕事です)

一方、上の見本のように「顔の方向が固定」で、
「まゆ」と「くち」(さらに追加で「目」や「漫符」)だけの変化でよいなら、
比較的簡単かつ安定して表情のバリエーションを増やすことができます。

もちろんこだわるなら全部バシッと描き直しても何も悪くないのですが、
「同じキャラの顔がなかなか同じように描けない」私のような人間だと
これはとても重宝するやり方でした。

たとえば、どうして『シルフェイド見聞録(未完)』の顔グラフィックの表情差分が
全体的に「変顔」だったかというと、この方法を知らなかったので、
あえて「変な顔」にすることで同じ顔を似せて描く必要がないように
しないといけなかったからですね!
当時の私の技量では、同じキャラであっても
2回目を書くと別人の顔になってしまっていたのです。

今でも同じキャラを同じように描くのは難しく、すごく時間がかかるので、
結果に大きな影響を与えないのならよくこの手を使わせていただいています。
また発注者のかたなら、こういったオーダーなら
絵の担当の人が忙しくても比較的通りやすいと思うので、
知っておくと演出の幅を増やせる場面があるかもしれません。



今回のは個人開発者の皆さまにもよく知られていそうなレベルの話だと思いますが、
「ゲームならでは」の効率良くやれる方法は他にも色々ありそうなので、
こういった効率化のテクニックも色々学習していきたいところです。
ゆっくり作れる状況より、急いで作らないといけない状況の方がどうしても多いですからね!
 
■ 2018/06/09 (土)  休養と次の予定とセール ■
【次の手へ】

ウディタの修正やら何やらたまってた宿題をバーっと片付けたら
気が抜けたのか体からダメージが急に吹き出してしまったウルフです。
適度に休憩をはさみつつ進めています。




【宿題が終わり片道勇者2へ】

ウディタは今週、追加でVer2.23に修正してひとまず一段落しており、
シルエットノートのサポート周りも陰で色々ありましたが解決したので、
やりたかった宿題らしい宿題はおおよそ片付いたと思います。

ということで、現在は久々に『片道勇者2』の作業に復帰しております!
やるべきことはフィードバック対応だけでも100点以上ありますが、
とりあえずよくない部分はよくない部分なりに色々あるとしても、
リリースをあきらめたほうがいいほどイマイチってわけではなさそうなので、
最終的に完成品を作ることを前提に、処理を再構成するところから実行中です。

つまり、アルファ用に間に合わせていた
違法建築ばりにめちゃめちゃだった基本処理周りを、
開発側として今後作りやすくできるように & より処理速度が早くなるように
オーバーホールするところから始めています。
一度ザツに作ってみて必要な処理の全容が一通り分かったので、
その情報を元にきれいに作り直す感じですね!
もちろん、そういった基本部分だけでなくゲームシステム周りにも
色々な課題がありますので、順番にがんばっていきます。



【セールのお知らせ】

私のKindle本2冊が、6/17(日)まで30%OFFセール中です!
スマートフォンでも読みやすいよう配慮したつもりですので、
よければ通勤通学や休憩時間のお供に!
(Amazonアカウントと、Kindleアプリのインストールが必要です)



¥1080¥756
【ゲーム開発者の地図】 紹介

私がゲーム開発のときに「どんな意図をもって作っているのか」、
「効果的だと考えている手段」や「完成させる作り方とは?」、
そういった話題のゲーム開発話を色々まとめた一冊です!
この開発日誌で評判のよかった記事をまとめたものなので、
開発者でない方にもそこそこ楽しめるかもしれません。
もっぱらRPGのゲームデザインの話が多いとのことです。

【ツイッターでの皆さまのご感想まとめ】



¥500¥350
【片道勇者開発記】 紹介

『片道勇者開発記』は上と違い1作品に焦点を当てており、
『片道勇者1』だけの開発のできごとを記した一冊です!

最初に『片道勇者1』フリーゲーム版を出してからの、
海外への展開、プラス版でより面白くするための苦労話、
そこからの家庭用ゲーム機展開など、
比較的ドラマチックな開発秘話が語られます!

設定資料集やデータに対する一言ツッコミコーナー、
妖精イーリスの過去が明らかになるサイドストーリーも充実!


※バナー上だと「定価」になっててもリンク先だと「セール価格」だったり、
その逆にセール価格っぽいのに飛ぶと定価だったりするので、価格はよくご確認ください!

※「Kindle Unlimited」にご加入済みの方はどちらも無料で読むことができます。
 
■ 2018/05/26 (土)  シルエットノートDLsite発売から一週間 ■
【シルエットノートDLsite発売から一週間】

『シルエットノート』リファイン版がDLsite様で発売されて一週間が経ちました。
お買い上げくださった皆さま、本当にありがとうございました! 



5/21に二次創作データが再生できないバグを修正しておりますので、
すでにお買い上げの方で必要な方は、再ダウンロードをお願いいたします。
内蔵の二次創作はすばらしい内容揃いですので、ぜひご覧になってみてください。

シルエットノート
【シルエットノート】 DLsite販売ページ


で、今回のDLsiteさまでは販売数が丸見えなので、たまには結果を(あいまいに)ご報告!

『シルエットノート』リファイン版は初週は20%OFFセールで210本ほどが出て、
開発を続けるのに最低限必要そうな生活維持費(+税金保険など含む)で見て、
リファインにかけた作業期間20日+サポート3日分の元を回収することができ、
追加で13~14日分くらい開発を延長できそうな収益を得ることができました。
セール終了時点からは数字はあまり動かなくなったので、これが当面の結果となると思います。

正直、初動で作業期間の元が取れるかどうかは怪しいラインかなと想像していたので、
お買い上げくださった皆さまには本当に感謝の限りです!
皆さまからいただいた貴重なご支援、大切に使わせていただきたいと思います。



【DLsite様で販売してみた感想】

DLsite様で販売させていただいたのはこれが初めてなのですが、
DLsite様の作品登録がものすごく簡単で驚きました。すごい!
迷うところもほとんどなく、申請から公開まで手軽に手続きできたので、
チャンスがあればまた利用したいと考えています。

ただ登録は簡単ですが、登録されている皆さんにもおそらく当てはまる今の課題は、
「宣伝」の方法や「手に取ってもらうためのPR」のほうだと思います。
その辺り、出してみた『シルエットノート』もどうPRすればいいのか
悩んでいて、難しいなと感じています。

自分で宣伝した瞬間くらいしか数が動かないのもあり、もともと自覚はしているとはいえ、
『シルエットノート』は「私や、私のゲームのことをご存じではない
初見の人が買うような動機」は正直あまりない商品だと思っています。
私でも、知らない人のゲームはほとんど買ったことないですからね。

ずっと宣伝し続けるのも思考力のリソース的に難しいですし、
宣伝効率も段々落ちていくので、ショップに置くものの理想としては、
「置いてあるだけでも興味をひくもの」が作れれば最高です。

どうやったらそういうものが作れるのか、そういうアピールができるのか、
というテーマは、今後ショップにお世話になるにあたって
引き続き大きな課題になりそうです。
今の私のレベルではなかなかそういうの思いつけないんですけれどね!



【これからやること】

これからやることとして、『片道勇者2』の開発を続行するのはもちろんですが、
そろそろ2ヶ月前に迫った「第10回ウディコン」の準備をしはじめたり、
最新版ウディタで気になるバグがご報告されているのでその修正をしたかったり、
公式サイト分のシルエットノートもリファイン版に更新したり、
といった宿題を片付けていく必要がありそうです。
このあたりの時間を稼ぐためのリファイン版のDLsiteリリースでもありますので、
なるべく早く進めていきたいところです。

一方の『片道勇者2』は少し時間を空けられたおかげで、
久々に触ると皆さまの意見と合わせて、明らかに問題だと感じそうなところの
いくらかがようやく自然と目に入るようになってきました。

たとえ長くゲーム開発をやってても、必死に作っていると
本当に自作のゲームに対して盲目になってしまうので、
ごくたまに副業として1~3週間くらいの別件を挟むのは、
餓死対策も含めて頭をリセットするのに有効そうな気がしました。
色々やりつつうまく生き延びつつ、開発を進めていきたいと思います。
 
■ 2018/05/19 (土)  『シルエットノート』DLsiteで公開! ■
【『シルエットノート』 リファイン版、DLsite.comで公開!】

ということで私が初めて作って2005年に公開した有料ゲーム、
『シルエットノート』のリファイン版がDLsite.com様で販売開始されました!
販売本数が出るところで売るのは初めてなのでドキドキします。

シルエットノート
『シルエットノート』(DLsite.com販売ページへ)


たぶん長期的に見ればリファインにかけた手間も回収できる(といいな!)でしょうし、
DLsiteさまの方で自動でセール開始・セール終了してくださるのはとても助かります。
このサイト内でも、『シルエットノート』はセール時にちょっとの本数が
出るくらいで、普段は基本的にずっと売上げ0本でしたからね。





【リファインで何が変わった?】

ということでリファインで変わった点についてご紹介していきます。
基本的には見た目の修正の方が多くて、
内容的にはほぼ変わっていませんのでご了承ください。


<顔グラフィックを全体的に修正>

リファインでは「顔グラフィックの整形」をおこなったのが主で、
大部分のキャラの顔を修正しました。

塗り直しはしてないので雰囲気は同じままですが、
ちょっとだけバランスがマシになったか、かわいくなったか、
今の自分好みになったと思います。
(まだ個人的に微妙なのもありますが、そこは能力不足なのでまた次の10年後に…)

あと、エンディングなどその他のイラストもちょいちょい修正を入れています。



<背景いくつか修正>

それと従来の背景画像の一部がガサガサッとなってたのでその分を描き直しました。
いいか悪いかは置いておいて、ちょっとだけ見た目がスッキリしたと思います。
「住宅地」や「自宅」、「シシトの部屋」などは変化が分かりやすいかもしれません。
とりあえず見た目の統一だけさせておきました、くらいです。



<システムやデータの微調整>

・従来はShift+F8を押さないとできなかった高速スキップが、リファイン版では
 F7キーだけで高速スキップできるようになりました。なんでなかったんだ!

・「距離読み合いバトル」における、上位のスキル本の価格を全体的に下げました。
同じ性能のリス君と何十回も戦い続けるのもイヤですしね!
シークエンス終了画面でWILLでお金を複数取ればすぐ全部買うこともできます。

・「距離読み合いバトル」で意味のなかった「待機」で、WILLが1回復するようになりました。
距離を空け続けて仲間SPを回復したりするテクニックはもうそのままにしてます。

・「終盤戦の確率調整バトル」でタックルの限界クリティカル率が85%になったのと
クリティカル+30%補正がなくなりました。従来はタックルだけで無傷で勝てましたが、
今後はタックル重視戦法でも少しの耐久度はいるよ、という感じになります。

・「HP20%回復ドリンク」を5本買った方が「100%回復ドリンク」を1本買うよりなぜか
お得だったミスを修正しました。数値調整の概念がまったくなかったことがうかがえます。
今は20%回復が200M$、100%が800M$になりました。
でも必要な回復量だけ使える分、まだ20%のが有利そう!

・後半戦のアイテムの値段を一部下げた記憶がありますが覚えていません。
育成効果2倍アイテムの「鍛えルンEX」が
いまは「250M$」になっています(元は300だったような?)



<テキストの調整>

・私の別ゲームネタを知らないと理解できなさそうな部分を減らしたか、説明を追加しました。
それでも劇中テレビでやってるアニメはなぜかシルフェイド見聞録です。
まさか13年後になってもシル見が完結していないとは思っていませんでした。
死ぬまでにはリメイクしたいですね!


・読んでて私でも意味が理解しにくかった文章を、理解しやすいように調整しました。


・13年経ってネタ的にシャレにならなくなってしまった部分を修正しました。
といっても校長先生は相変わらず黒くなったり白くなったりしますし、
オヤジンジャーはブラックとイエローとホワイトです。海外では出せませんね!


・バグや処理的に誤字・脱字が発生していた場所を修正しました。



というのが、いま私が思い出せる変更点です。
まとめると「見た目がちょっとだけ変わった版だよ」という認識で問題ないと思います!

DLsiteさまで買われる利点は、アカウントさえ覚えていれば
後からでもゲームをダウンロードし直せる点でしょうか。
公式サイト版はライセンスキーをなくしてしまうと遊べなくなってしまう弱点があるので、
そういう意味ではDLsite版は安心感があると思います。
Steamみたいにセーブデータのクラウド保存まであれば完璧なんですけどね!



<公式サイト版『シルエットノート』もリファイン差し替え予定です>

公式サイト版の『シルエットノート』も追ってリファイン版に
差し替え予定ですので、すでにお持ちの方で
リファイン版を見てみたいという方は少々お待ちください。

私の他の宿題も山積みなので、その間をぬいつつ、
可能そうでしたら5月末までにリファイン差し替えを目指したいと思います。
 
【寄り道 『シルエットノート』リファイン】

今週はなぜかちょっとだけベビーシッターしてたり、
寄り道をして『シルエットノート』のリファイン作業をしていたりしました。
狭い場所でオムツ交換する難易度の高さを思い知ったり、
本当に人肌の温度じゃないとミルクを飲まなかったり、
赤ちゃんのウマコが緑色だったことにとても衝撃を受けていました。

で、『シルエットノート』は公式サイトでの売上げがすごく前から地の底に着いてたのと、
ご要望があったのとで、ちょっとリファイン(洗練・調整)して
ダウンロード販売サイトの『DLsite.com』さんに出してみようと考え中です。
これからの長期開発では補給が全然ないので、このタイミングで
少しでも収益アップできる可能性を用意する目的です。
すでにお買い上げくださった方にはあんまり関係ない話ですけれどね。
(DLsite.comさんにリリースした後、近いうちに公式版もリファイン版に更新する予定です)

【新しい版の画像。最初からこんな感じだった気がしますが、比較画像は恥ずかしいので出しません】


で、リファインといっても、当時の自分の画力では微妙に崩れてた
「顔グラフィック」をいくらかまともに見えるように全体的に整形したり、
絵柄が違う「背景」を統一したり、「戦闘バランス」を少し調整したくらいです。
(内容に関しては、現代との整合が取れなくてもほぼそのまま残しています)

いま新しい方だけ触ると「最初からこんな感じだった気がする!」と
感じる程度の違いしかないと思いますが、12年前のゲームを
数週間でザッとマシにできるならまあ有りかなと思いまして。

しかし10年ぶりくらいにシルエットノートを遊んでみましたが、
個人的には、これは今でもとても面白いですね!
完全に内容を忘れていて、コーヒー飲みながらでは遊ぶことができませんでした。
ネタがあればこれくらいのものを作れるんでしょうけれど、
ネタがなくなると一気にクオリティがポンコツ化するので
コメディ的な内容は作るのが難しいジャンルです。

DLsite.comさんちに出した後、少し経ったら
公式サイト版のデータもリファイン版に更新する予定です。
来週中にはDLsite.comさんちに申請できると思いますので、
それが終わったらサポートの待機をつつ、『片道勇者2』開発や
他にも溜まっている用事を続行していきます。
(4月に『片道勇者2』の修正に集中してた影響でまだ大量に宿題が溜まっているのです)
 
■ 2018/02/03 (土)  1月の作業まとめ ■
【1月の仕事】

ということでご報告する面白い内容が思いつかないので、これから毎月、
その月に進めた目立つ作業をリストアップする記事を
挟んでお茶にごししていこうと思います。


<1月にやったこと>

●電子書籍のサポート
→ Kindleゲーム開発本の『片道勇者開発記』と『ゲーム開発者の地図』が
タブレット端末で正常に表示されなかったので、一通り作り直していました。
しかしアプリみたく多少おかしくても「動かない」ってことはないので、
電子書籍はいいですね! 正常に表示されていなくても読めるのは読める。


●旧作の『片道勇者&プラス』、バグ修正。
→ バグ修正を行いました、Steam版も修正済みです。
まだ世界には毎日50人くらいの最大同時プレイヤー数が
いらっしゃるみたいなので感謝の限りです。


●『片道勇者2』、仮タイトル画面を作りました(公開は正式版で!)。
→ 『片道勇者』の1みたく、爽やか風味で少し動きのあるタイトル画面ができました。
アルファ版では秘匿されます。


●『片道勇者2』、妖精アドバイス機能の初期版を実装。

→ 妖精アドバイスはゲームオーバー時にヒントをくれる機能です。妖精はまだいません。
もしあなたが、他のゲームでこんな感じの機能をそんなに多く見かけない気がするとしたら、
これが地味な割に作るのに異様に時間がかかるからだと思います。
アルファをプレイしてもらったら、フィードバックを元にもっと強化したいところです。

また『片道勇者2』では、この妖精画面から最新のセーブをロードする「クイックロード」が
できるようになる予定ですのでリトライも簡単になると思います。


●『片道勇者2』、死亡時演出実装(+死因を判定する処理)を追加
→ 妖精アドバイス機能と合わせ、これによってスタートから終了までに
最低限必要な画面処理がようやく全部そろいました。
各画面のメニュー内容はだいたい3割そこそこの完成度でまだまだスカスカです。


●『片道勇者2』(というかウディタ)、インターネット送受信周りの強化
 → まだ安定化にはほど遠いですが、使い込んでみてバグなど一通り取れたなら
次バージョンの『WOLF RPGエディター』にも反映されると思います。
ファイルの「Base64での読み書き機能(画像データなどを文字列に変換して読む)」や
POST送信(容量ほぼ無制限にアップロードできる機能、従来は数KBが限度だった)が
うまくできるようになれば、あとは認証・投稿を行うPHPなどを作って
ウディタ内からTwitterに送信できたりもするはず!
『片道勇者2』ではゲーム内から画像付きツイートができるようにしたいですね。


●『片道勇者2』、バグレポート用フォームをゲーム内に実装

→ バグや感想を送れるフォームをゲーム内に作ってみました、
いつでも呼び出せますし、その時点のセーブデータや画像データも同時に送れます。
一瞬でクラッシュした場合はどうにもなりませんが、
そうでない場合は送信チャンスがあるので
バグ追跡が容易になる……といいなあと思っています。


●『片道勇者2』、これまで溜まってた小修正を山ほど修正(まだ残ってる)
→ 新しいルールだと「何ができるか分からない」部分が大量に出るので、
分かりやすさを上げるための配慮が山ほど必要になっています。

『片道勇者プラス』でさえ熱心な方から「もっとこうすれば」という
大量のご意見をいただいているので、取り入れられる分は取り入れたいですね!


●最後に。ツイッターでこっそり続投キャラアンケートしてました。


世界観の都合でそのまま出せるかは分かりませんし
結局出ないかもしれませんが、ちょっとだけご期待ください。
(たとえば後世の話になるならば「子孫」みたいな扱いになるかもしれません)



というのが、公開可能な1月の作業内容でした。
だいたい1単位あたり大きい作業で7日、小さいので2日くらいかかるので、
やれる量的にはこんなものだと思います。
2月もバリバリ進めていきたいですね!



【セールのお知らせ】

●『ゲーム開発者の地図』が2月のKindle月替わりセールに選ばれて
¥1080→¥486(-55%)のセール中です。

→ まだリリース3ヶ月後なのにKindleさんの割引きが凄すぎて出血しそうです。
私個人のセールではしばらくはこんなに割り引かないと思いますので、
値段がネックだった方はこの機会にぜひどうぞ。

 『ゲーム開発者の地図』 Amazon購入ページ


 
■ 2018/01/13 (土)  電子書籍のサポート ■
【電子書籍のサポートやサイト修正】

今週はサイトの修正や電子書籍周りのサポート対応、
セール終了の準備などで大半の時間を使った一週間となりました。

電子書籍の件ですが、前々から告知させていただいている通り、
『片道勇者開発記』の「ゲーム版」のほうは
セールが終わった時点、早ければ1/15には販売を一時停止します。
もし欲しい方がいらっしゃいましたらお早めに!
「ゲーム版」の販売が止まっても、「Kindle版」は継続して販売されます。



【そしてKindle書籍のサポート】



実は、Kindle版の『片道勇者開発記』などを
「Page Flip」というKindleアプリ固有の機能が働く端末(タブレットなど)で見ると
どうやら設定されているスタイルシート(デザインを決めるデータ)の読み込みが
無効になってしまうらしく、どの文字が項目タイトルなのかも
分かりづらくなってしまうという辛い状況になってしまっていました。

そんなわけでKindle版のデータを一度全部作り直してアップしたり
うまく表示されるよう色々試したりしていたのが今週の主な仕事です。

手元のiPadで見た感じだと、ひとまず『片道勇者開発記』も
『ゲーム開発者の地図』も期待通りに出るようになりました。

最新のKindleアプリならファイルが自動更新されるようになっているので、
読みにくかったなあとお思いだった方にもそのうち最新版が配信されると思います。
ご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ございません。



【ゲーム開発者の地図 公式ページ!】

あまり必要なさそうかなとも思いつつ、
『ゲーム開発者の地図』の公式ページを作成しました!

新しくサイトにいらしてくださった方に、いちおうの主流作品の一つとして
ご紹介する目的で並べております。

【ゲーム開発者の地図 公式ページ】


「電子書籍」は作ってから出すまでのスパンが比較的短く、
ゲームよりは人生を賭けずに制作コストを回収しやすいので、
今後も何かしら定期的に本を出してもいいかもしれない、と少し考えています。
一方の「ゲーム」の方は、内容自体をシクったり、たまたまものすごく売れなかったり、
値段の付けミスをしただけでも人生が傾くのでヤバい!

主砲としてのゲームと、副砲としての電子書籍、みたいな形で
うまいこと生活の足しにできたらいいんですけれど、
さすがに本のほうは売り方も知名度も初心者レベルなのもあって
今のところバズる(急に話題になる)ほどの気配も特にないので、
ときどきアピールしつつ、売り方も学びつつ、地道にやっていきたいと思います。
読んでくださっている皆さま、感想をくださる皆さまには本当に感謝の限りです!

何か話題性のある本を作れて継続収入になれば
ゲーム開発にも集中しやすくていいんですけれど、
前回の『片道勇者開発記』もどうにもタイミングを逃した感があって、
うまいタイミングや出し方で出すのは自分にとってはまだまだ修行が必要そうです。



とにかく、色々な方面で自分が自然に品質よく作っていけるものを活用して、
継続して生きていくための努力や工夫をしていきたいですね。

当面は主にゲーム開発のターンで、ごくたまに副業もしつつ、
『片道勇者2』の開発にほぼ全てのリソースを投入していきたいと思います。
よければ今後とも、よろしくお願いいたします。
 
■ 2018/01/01 (月)  2018年あけまして! ■
【2018年あけまして!】

ということでとうとう2018年を迎えることができました。
皆さま、あけましておめでとうございます!


※直近の犬キャラはたぶん『プラネットハウル』よりウォーです。


今年の目標は、

●『片道勇者2』、アルファは当然出す。

●『片道勇者2』のベータまでいけたらいいけど無理はしない。

●その間なんとか生き延びる。


です! シンプルとはいえゲームを一本作る作業量は膨大なので
展開がどんなテンポになるかは未知数です。

今は世の中にゲームが溢れすぎているので、急いで変なものを出すよりは、
じっくり面白いものを出した方が喜ぶ人も増えるだろうと考えています。
できそうならば、今作は自分で遊んでもずっと遊べそうな一作を目指したいですね!


それでは、今年も一年、よろしくお願いします!
当サイトの有料作品セールも1/14過ぎまでやっていますので、
よければぜひ!
 
■ 2017/12/24 (日)  祝! シルバーセカンド19周年! ■
【祝! シルバーセカンド19周年!】

ということで本サイト、シルバーセカンドは
2017年12月24日をもってとうとう19周年を迎えました!

『片道勇者TRPGアペンド』よりTRPG版ネムリ(左)とアルバート(左上)、
『ゲーム開発者の地図』よりマスコットキャラのラッシー(右)



ということで今回も今年1年の戦歴を振り返っていきたいと思います!



【2017年にやったこと】

【1月~3月】
ウディタの修正作業&Ver2.20をリリース
→ 3年半ぶりの更新です、お待たせしました。今回の更新によって、
1280x960などの大きな解像度や、16:9サイズにも対応!
タイルサイズと画面サイズを個別に設定できたりして色々便利に。

◆『片道勇者TRPGアペンド』まわりの監修作業、3/18に無事発売!
→ アペンドはチャレンジ世界やNPC世界など、単発プレイを面白くする一冊!
2冊目の『片道勇者TRPGプラス』がなくても1冊目だけあれば遊べるので、
TRPG無印とこれを合わせるのもおすすめです。

『片道勇者TRPGプラス』のリプレイも同時公開!
→ この前の『片道勇者TRPGリプレイ 灰の少女とヨルムンガンド』もよろしくお願いします!
『<自家製>片道勇者TRPG』からおおよそ引き続きのメンツで、
相変わらず面白い冒険が繰り広げられています。


【4月~5月】
『片道勇者』がGクラスタへリリース
→ Gクラスタはクラウドゲームのサービスです。
ほとんど遅延なく遊べるのでびっくりしました。

◆エイプリルフールに『片道勇者新作』の開発を発表
プロトタイプ開発を開始しました。
→ ダメそうならすぐボツになる予定でした。

『片道勇者TRPG』のまとめ記事を作成!
→ 『片道勇者TRPG』がアペンドまでリリースされて一段落したので!
もしかしたらまだまだ展開が続く……かも!?


【6月】
◆片道勇者次回作のタイトルが『片道勇者2』にほぼ決定!(記事になったのは8月)
→ 2以外だと最新作が分からなくなるから、という単純な理由で2に決まりました。

◆『片道勇者2』の画面ラフを公開

→ 今ではこの画面ラフより進んでいます。


【7~8月】
第9回ウディコン、開催!

→ 今年のウディコンも楽しかったですね!
来年はいよいよ第10回、本格的に珠玉の作品が集まりそうです。


【9~10月】
ゲーム開発本『ゲーム開発者の地図』の編集作業+発売!

→ 念願のゲーム開発本をリリースしました!
一回頭の中をまとめておきたかったので、自分のためにもなりました。


【11~12月】
◆いま現在も『片道勇者2』、開発中!
→ 現在、基本システムを作っています。本当は12月にアルファ版を
出したかったんですが間に合いませんでしたね。



という感じで、今年はゲーム開発に多く時間を割けて楽しかった一年でした。
ゲーム開発に関する本をついに出せたのも嬉しかったですね!
『ゲーム開発者の地図』には私の考えのうちの結構な割合が詰まっていますので、
気になる方はぜひご覧ください。自分もたまに読み直そうと思います。

ここ数年で自分の考えやコツを明文化できて、使える技もはっきりしてきたので、
それも参考に、現在開発中の『片道勇者2』は私がこれまで身に付けてきたことを
余すところなく発揮できるゲームにしたいと考えています。

といっても、『片道勇者1』ですら無印の完成状態からプラスが出るまで
18ヶ月もかかっていることを考えると、
『片道勇者2』は2018年中には出ないかもしれません。

いちおう、途中でアルファテストなども入れて、
たまには見ていただく機会を挟みたいと考えています。



以上、今年の総括はこんな感じでした!

今年一年続けられたのも、いつも見てくださっている皆さまのおかげです。
2017年も本当にありがとうございました!
そしてよければ、2018年もときどき開発日誌を見ていただけるとうれしいです。


次回の開発日誌更新は【来年2018年の元旦(1/1)】に行う予定です。
それでは皆さま、よいお年を! 
 
■ 2017/12/16 (土)  19周年セール! ■
【19周年セール開始のお知らせ!】

ということで今年もシルバーセカンド19周年セールを行います!



セール対象商品は以下の通り!

『シルエットノート』が1500→500円!(-66%)
『シルフェイド学院物語』が2000→1000円!(-50%)
『片道勇者プラス』が500→200円! (-60%)
『片道勇者開発記』が500→300円(ゲーム版・Kindle版共に)!(-40%)
『ゲーム開発者の地図』(Kindle本)が1080→810円(-25%)!

期間は2018年1月上旬頃まで、となっておりますので、
気になっていた方はよければぜひ!



【『片道勇者開発記』ゲーム版、
2018年1月中旬より一時販売停止のお知らせ】


それと、悲しいお知らせというわけでもないのですが、
『片道勇者開発記』のゲーム版の方のみ
今回のセールが終了した時点で【3ヶ月ほど販売停止】にする予定です。

というのも、ここ数ヶ月の「片道勇者開発記 ゲーム版」の
販売本数を確認したところ、3ヶ月分を足しても1桁しか売れていなかったので、
それならいっそAmazonのKindle版のみに集中した方が私が生き残れる確率も上がるし、
Unlimitedの無料サービスでも読めるようになるので、
結果的に読んでくださる方も増えていいだろう、という判断です。
ただしその場合、最低3ヶ月はAmazon独占販売を続ける必要があります。

そんなわけで、セールが終わったら
『片道勇者開発記』をしばらくはAmazon Kindle独占販売にして、
様子見をしてみようと考えています。

つまるところ、ゲーム版の希少価値がほんの少し上がるので、
『片道勇者開発記』のゲーム版が欲しい方はよければ今のうちにぜひ!
というお知らせでした。

とはいえ、Amazon独占販売期間の1単位である「3ヶ月」が終わったら、
独占販売の自動更新を切るのを忘れていなければ
またゲーム版を一時販売再開する予定でいます。
(忘れてたり、今回のセールでもほぼ数字が動かないようならもう3ヶ月伸びるかも)

今後は、ゲーム版の方は「期間限定販売」のような感じにすると思います。
もともとKindleのような安全な電子出版を行う方法を知らなくて
最初に作ったのが「ゲーム版の片道勇者開発記」でしたので、
これはこれでいい収まり方なのかもしれません。

けれども、BGMやエンドロールが付いてる開発記は『片道勇者開発記 ゲーム版』だけなので、
そういった演出も込みでお楽しみになりたい方はこの機会にぜひどうぞ。



【そして12/24、ついに19周年に!】

↓TRPG版ネムリ、空き時間で19周年お絵かきも描いてます


そして来たる12/24に、当サイトはいよいよ19周年を迎えます!
よくよく考えるとものすごく長い道のりになっていますが、
来てみるとあっという間でした。

来週の記事で今年1年を振り返ってみて、それをもって
今年最後の開発日誌とさせていただくことになると思います。
残り二週間、引き続き開発もがんばっていきます!
体調を崩されている方が多いので、皆さまお体にはどうかお気を付けて!
 
■ 2017/11/04 (土)  『ゲーム開発者の地図』宣伝中! ■
【 『ゲーム開発者の地図』 宣伝中!】

すでに電子書籍『ゲーム開発者の地図』を手に取ってくださった皆さま、
読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます!

実は『ゲーム開発者の地図』を先週リリースしたものの、
今は有効な宣伝方法に悩んでいるところです。本を売るのは難しいですね。

「あ、そんな本が出てたんだ」といま思われた方は、
よければ【前回の紹介記事】と合わせて、
購入ページにある「サンプル」だけでもぜひご覧ください。
前半8%くらいを読むことができます。

また、Kindle Unlimitedに加入している方なら全編無料で読めますので、
(まだ残っている方は)「Unlimited一ヶ月体験無料」などもあわせてぜひご検討ください。


【ゲーム開発者の地図 購入ページ(Kindle版のみ)】
価格 税込¥1,080、Unlimitedなら¥0


【Twitter上でいただいた本書へのご感想 一覧】


『ゲーム開発者の地図 ~20年の個人開発で学んだこと~』は、
私のゲーム開発経験で学んできた考え方をたくさん記した本です。
初~中級レベルの人にとっては失敗を回避するための情報があり、
上級者の方には復習になるかも? というようなご意見をいただいております。
読んでくださっただけでなく、感想までつぶやいてくださった皆さまには本当に感謝しています!


どんな人に合うか分からないので、そういった情報のレビューもお待ちしてます。
遊ばれる側の人か、作られる側の人か、どれくらいの経験者か、などの情報も、
見る人にとって安心して手に取ったり、あるいは回避できる材料になると思います。




【そもそもKindleって何? どうやって見るの?】

前回、完全に紹介を忘れていましたが、KindleとはAmazonの
電子書籍を読むためのデバイス、あるいはアプリケーションです。

KindleアプリにはWindows版もスマホ版もあるので、
『ゲーム開発者の地図』はパソコンでもスマホでも
お好きな方法で読んでいただくことが可能です。
それぞれのダウンロードページは以下の通り!

【Windows版 Kindleダウンロードページ】

【Android版 Kindleダウンロードページ】

【iOS版(iPhone他) Kindleダウンロードページ】


Kindleアプリを開くとAmazonのアカウントにログインするよう求められます。
ログインして、AmazonでKindle書籍を買っていれば、
買った一覧が表示されるので、そこから書籍をダウンロードして閲覧することができます。
特にスマホ版は通勤通学時にも読めるようになるので、私もよくお世話になっています。



【二度目にKindleに出してみた感想・動機】

元は開発日誌の記事内容ですが、本にして考えを一つの形にするのは、
自分の学んできたことを整理したり共有するにあたって、
とても良い機会だったと思います。
こういう機会でもないと、なかなか自分の考えをまとめたりしないものですから。

なお作る前は、競合する内容の本があまり存在しないようなので、
「運がよければ割といけるんじゃないかな」と最初は思っていました。
今はがんばっている最中です。

というのもKindleは本を紹介してくれるサポートが比較的に薄いため、
自前で宣伝し続けないと一瞬で売上げが0になる厳しい世界でした。
自分から発信しないと全世界から情報が消えるので、
完全にステルス状態になる感触です。
(本屋の雑多な新着コーナーやランキングを常にご覧になっている人って、
そんなにいらっしゃらない気がしますしね)

で、他の執筆者さんもそんなに何ヶ月も宣伝し続けないということもあってか、
日あたりの平均収益が3桁以下の本もおそらくかなり多く(片道勇者開発記はそんな感じです)、
また一瞬だけ部門1位になった感じでは、部門ランキングトップ10以内でも
本1冊だけで生活ができそうな人が1人以上いるかいないか怪しいかも、
というくらいの印象でした。これは部門の人気度によっても変わるでしょうけれどね。

無論、日100円台の収益でも続けば
十分なサーバ代やいくらかの飲み物代になりますし、
もっと出ればおかず代やご飯代にも繋がるので、
最終的に数百円の収益でも維持できれば大いに助かります!

ちなみに本書を出した理由の半分は、
『片道勇者2』が来年(2018年)中にも出せなさそうな気配を感じたので、
厳しい生活を耐えるために日々のおかず代くらいは
継続収入を得ておきたい、という目的があったためです。

継続収入といえばファンクラブサービスなどを使おうかとも
思っていた時期もありましたが、こちらは新しいコンテンツを掲載し続けるなど、
サポートを継続していく必要があります。

それに対して、労力を先払いして書いた本を置いて、
たまに誰かにそれを見つけてもらうくらいの方が
精神的にもコストがかからないですし、開発ペースにも影響しないので、
「先に開発日誌などで記事を出して、それをまとめた本を出す」、
というのは、現状知る中では、自分に合ったいいやり方ではないかなと考えています。



【Kindleに出す上で知ったこと】

そしてここからは今後Kindleに出すかもしれない人に向けた情報です。
お金や、Kindleの販売システムの話なので、
興味のない方は飛ばしてくださって大丈夫です。

実は前回の『片道勇者開発記』をKindleに本を出すにあたって、
ロイヤリティ(印税)には35%コースと70%コースの2つがあることを知りました。
70%にするには、「KDPセレクト」という3ヶ月Kindle独占販売のコースに
本を登録する必要があります。

そして、前回出した『片道勇者開発記』は
Kindle独占販売じゃなかったので「35%コース」にしたものの、
現状では日々の缶ジュース代にも達していないので、
売れる頻度がこのような感じならば一本あたりの重みを上げるべきだと考え、
今回は70%コースを選ぼうとしました。

が! そのときに気付いたのが
70%コースにするための『KDPセレクト』に本を登録すると、
自動でその本が「Kindle Unlimitedに登録される」という点!

「Kindle Unlimited」というのは、ユーザの方が月額料金を払うと
Unlimited対応の本が読み放題になるというサービスで、
これに本が登録されると、要するにタダで本が読まれるようになります。
Unlimitedで読まれた本は売れたことにはなりませんが、
初回に実際に読まれたページ数が計測され、ページ単価0.4円くらいの収益になるそうです。

で、それに関して、Kindleに出してる人の話を調べていて知ったのですが、
Kindleに出した本というのは結構な場合、Unlimitedの収益の方が多くなって、
本そのものの売上げはほとんど出ないようです。
そりゃ無料で読めるサービスがあるならそっちで読みますよね!
というより、中身もよく分からないものに対して
先にお金を出す方が本来おかしいというべきでしょうか。

今回の『ゲーム開発者の地図』は数が出ないことを前提とした強気な値段設定なのですが、
そうでなくても値段にかかわらず、70%コースでは本そのものの数はあまり出ないようです。
なのでUnlimited対応本に「X万円」などのとんでもない値段を付けて、
「まちがって1本でも売れればいい戦法」を取る人もいるとか!

そんなわけで「70%」のロイヤリティを選んでも、本単品が売れる数自体は
35%のときの半分以下になりそうな感じだったので、
「これは35%コースにするか、70%コースにするか、
最適解を選ぶのが難しい選択だな」と感じました。

すごく売れた作家さんによると、Unlimitedの方は読むのが無料なのもあって、
「人気が出れば」末永く読まれやすいらしいので、
継続収益を考えるなら70%コースはアリなようです。
誰にも気付かれなければ、結局読まれないんですけれどもね。

ただ、Kindleという場所自体、置いて自サイトから
リンクを貼っておくだけでも、もしかしたら何日かに1本ずつ売れていく可能性や
読まれていく可能性があるので、印税生活の第一歩や、
フリーゲームの収益化として、Kindleなどでファンブックのような本を
出してみるのは非常にアリだと思います。

かかるのは労力だけで初期投資は本当にゼロですから、
チャレンジするのも安いですし、複数の出版も気軽にいくらでもできます。
よほど人を傷つけるようなひどい内容でない限りは簡単に受理されるはず!
本にできそうなコンテンツや内容があったら、すでに公開済みの内容でも
きれいにまとめてどんどん出してみてもいいかもしれませんね!



何はともあれ、『ゲーム開発者の地図』は
どんな形でも「読んでくだされば」収益になります!

おそらく普段Amazonをご利用の皆さんならばすでに配られているであろう、
「一ヶ月Kindle Unlimited無料体験」を使ってもタダで読めるので、
まだ権利が残っている方は、それを使って読んでくださっても、とても嬉しいです。
もしよければぜひどうぞ。
(キャンペーンもやっているようで、無料体験を使われた本に少しのボーナスが入るようです)

『ゲーム開発者の地図』 Amazon販売ページ


という感じで、ひとまずは月々のおかず代を得られるかどうかの
一つの賭けとして電子書籍も出すことができたので、
ここからはしばらく『片道勇者2』の開発に集中していきます。

ローグライクは開発の先が全く読めないので、
来年2018年にも出るかも怪しい状況ですが、
ぼちぼち状況をご報告しつつ、皆さまに最新情報をお知らせしつつ、
進めていきたいと思います。
 
■ 2017/10/28 (土)  『ゲーム開発者の地図』発売! ■
【『ゲーム開発者の地図』発売!】

ということで一部の方にはお待たせしました!
Kindleのゲーム開発本『ゲーム開発者の地図』がついに発売です!

購入ページはこちらから!

【ゲーム開発者の地図 ~20年の個人開発から学んだこと~】
Amazonページ \1,080 (Unlimitedなら\0)






【内容は?】

本書は、この開発日誌内に載せてきた「ゲーム開発記事」を
読みやすく加筆、修正、再編し、さらに全7人の
ゲーム開発者(※ほぼTRPGリプレイのメンツです)による、
内容へのツッコミコメントを追加したものとなっております。

主なテーマは以下の通り!

-------------
◆第1章 ゲームバランス編

・「3ターン与えるダメージを1.3倍」にする補助魔法、使う?
・バランスが崩れやすい要素×3
・ゲームプレイの技量をレベルアップしてもらいたい!
・コラム 状態異常の話
・どんな武装が好み?
・好みの武装 コメント編

◆第2章 メイキング編

・初RPG制作で意図したこと 前・後編
・キャラクター作りで意識すること 前・後編
・私のゲームタイトルの付け方
・これまで作ったゲームタイトルを振り返る
・コラム ゲーム開発における小粒な話
・ゲームを完成させる作り方
・楽しくてレベルアップが早いゲームの作り方
・ゲーム開発中の悩みを解消するために試していること
・座談会 永遠に遊べるゲームがあるとしたら?
-------------

ゲームバランスに関わる話や開発そのものに関わる話など
およそ15個くらいの項目が用意されています。
本文に関してはあくまで私個人の『最新の偏見』なので、
あまり鵜呑みにせず、「へーこんな考え方もあるのか」くらいに
受け取ってくださるのがいいと思っています。


【本文見本】(クリックで拡大)




【新たに追加されたコメントコーナー】

Kindle本で新たに追加されたコメントコーナーでは、
TRPGリプレイ時ほどではないにしろ似たテンションで
愉快にゲーム開発あるある話をしていたり、様々なプレイヤー観や、
ゲーム開発者特有の生々しい苦労話などにも触れていますので、
ゲーム開発者を目指す方にとってはいくらか参考になる話もあると思います。

【コメント見本 状態異常の話】(クリックで拡大)




全体の量は完成品からHTMLタグとスペースを全部抜くと26.2万文字くらいで、
『片道勇者開発記』とほぼ同じだと思います(Kindle相当460ページくらいでした)。
秒間30文字という速さで読んでも8700秒、すなわち2時間半近くかかる計算です。



【まだ買ってないけど中身が気になる人へ】

「このお値段じゃ買う気がしないけど中身は気になる」という方も、ご安心ください!
コメントコーナーを除いた「本文」の内容は、
この日誌の「開発日誌」タグを追っていけば一通り閲覧できます。


なのでざっくりとした中身が気になるという方がいらっしゃいましたら、
ぜひこちら↓からご覧ください。

【「開発日誌」タグの記事一覧】
(パッと見この記事と同じページが出ますが、
下へたどると前の記事が見られます。
2017年1月~7月頃までの記事に、収録されている
「本文」部分の内容がほぼ全てが含まれています)



【そもそもKindleって何? どうやって見るの?】

KindleとはAmazonの電子書籍を読むためのデバイス、
あるいはアプリケーションです。
デバイス持ってる人はたぶん少数なので、
ここではアプリケーション版の話をします。

すごく簡単に言うと、Kindle本はAmazonのアカウントを持ってる人が
Kindleアプリをインストールすれば読めるようになります。

KindleアプリにはWindows版もスマホ版もあるので、
『ゲーム開発者の地図』はパソコンでもスマホでも
お好きな方法で読んでいただくことが可能です。
それぞれのダウンロードページは以下の通り!

【Windows版 Kindleダウンロードページ】

【Android版 Kindleダウンロードページ】

【iOS版(iPhone他) Kindleダウンロードページ】


Kindleアプリを開くとAmazonのアカウントにログインするよう求められます。
ログインして、AmazonでKindle書籍を買っていれば、
買った一覧が表示されるので、そこから書籍をダウンロードして閲覧することができます。
特にスマホ版は通勤通学時にも読めるようになるので、私もよくお世話になっています。



Kindle本『ゲーム開発者の地図』の方では、過去記事の読みにくかった部分を
読みやすくなるよう書き直していたり、コメントコーナーが追加されていたりしているので、
この開発日誌を読み込んでくださった方でも
それなりにお得感はあるよう意識しています。

一冊にしてまとめて読みやすくしておきたい方や、
もっと掘り下げた話を見てみたい方は、よければぜひどうぞ。

【ゲーム開発者の地図 ~20年の個人開発から学んだこと~】
(Amazonページへ)




【本書をもぐらゲームスさんに紹介していただきました!】

もぐらゲームスさんにて『ゲーム開発者の地図』を紹介していただきました!
こちらにも記事ページの一部抜粋があるので、よければこちらもご覧ください。

http://www.moguragames.com/entry/map-of-game-developer/
 
■ 2017/10/14 (土)  『ゲーム開発者の地図』10月末発売! ■
【『ゲーム開発者の地図』、10月末発売!(予定)】

ということで現在作成中の、開発日誌の記事をまとめたり
色々コメントコーナーを追加したKindleゲーム開発本、
ついにタイトルが決定しました! 
その名も、

『ゲーム開発者の地図』

です!



内容がおおよそまとまってきたのに加えて、
そろそろ副業を入れた方がよさそうな状態だったり、
細切れの用件が入って開発が切れ切れになりそうな雰囲気になってきたので、
しばらくはKindleゲーム開発本の作業を優先的に進めることにしました。

Kindleゲーム開発本の発売は、今月『10月末』頃を予定しています!
といってもKindleさんちのチェックが通らないと売りに出ないので、
ある程度は前後する可能性がございます、ご了承ください!

なおKindle版では、元の開発日誌の内容を読みやすく再編したものに加え、
TRPGリプレイでいつもご協力いただいているゲーム開発者の方に、
記事に対してコメントしていただくコーナーを追加しています!

たとえば効果が見える装備が楽しいという話で、

A「マンゴーシュみたいに回避率が上がる装備を付けた場合なんかは、
『マンゴーシュで避けた!』みたいに装備の効果で避けたことが
明確に分かった方が個人的にアツいですね!」


B「上がった回避率分も足して最終的にただの『回避』扱いでまとめるのが
作る側的に一番ラクなんですが、遊ぶ側はそれぞれの装備で
避けたことが分かる方が大事……耳が痛い! ちぎれる!」


のような、プレイヤー側であり開発者側の両面の立場での意見や、
記事へのツッコミ、あるいはさらなる考察が色々と増えていますので、
「開発日誌のときの内容だけじゃ足りないぞ!」
と思われた方には、よりお楽しみいただけると思います。

企業勤めでゲーム作っているとなかなか言えないかもしれない
(個人)ゲーム開発者の生々しい苦悩!
そういった情報も含めての、『ゲーム開発者の地図』と銘打っております。

発売予定日は10月末頃! 場合によっては11月前半です! よければお楽しみに! 
 
■ 2017/09/30 (土)  Kindleゲーム開発本 2 ■
【Kindleゲーム開発本の話】

今週は『片道勇者2』のゲーム終了画面処理を進めていましたが、
『片道勇者』のサポートやら何やらもあってあまりご報告できる内容がないので、
お絵かき1枚と「Kindleゲーム開発本」の話の復習でお茶にごしです!

「ゲームバランス編」の章イラスト

※開発日誌子ラッシー。元は2001年頃に描いた10月の記念イラストでした。


「ゲーム開発記事をまとめたKindle本出します!」の話ですが、大きく
「ゲームバランス編」と「メイキング編」に章を分けることにしました。

「ゲームバランス編」では、ゲームバランスや上達してもらうことへの意図、
個人的に好きな武装についてなどをまとめており、
「メイキング編」ではキャラ作りやタイトル作りや全体の作り方において
意図していることをまとめています。
これまでに開発日誌で書いた内容を振り分けた感じですね。

現在は、「Kindleゲーム開発本」に私のことを知らない人のための補助情報や、
時代が変わってもなるべく読みやすくなるよう、
いろいろと説明や文脈を追加しているところです。
私が作ったゲームの紹介なども巻頭に足しておく必要があるでしょう。

テキスト分量は『片道勇者開発記』が25.7万文字だったのに対し、
今回のKindle本はたぶん25万文字ちょっとくらいになりそうです。
つまり、文字数だけなら近い同じ量だと思います。

Kindle本は引き続き、ゲーム開発が進まなくなったときに編集を続けていきます。
追加のお絵かきも何枚か足す予定です。



【片道勇者開発記 ~四年の旅路~】

ちなみに、今回出す予定の本の前にも『片道勇者開発記』という本を出しています!

『片道勇者』開発をどう進めてきたのか、何に悩んだのか、どう意図したのか、
そしてコンシューマ展開の経緯やサイドストーリー小説などいろいろと記されているので、
先に私の開発話に触れてみたいとお思いの方はぜひこちらもどうぞ!



『片道勇者開発記』公式ページ(ゲーム版)
※『片道勇者』と同じくウディタ製のゲーム版書籍です、BGMやエンドロールが付いてる豪華版です。

『片道勇者開発記』Amazonページ(Kindle版)
※こちらは普通にKindle本です。Kindleアプリを入れればWindowsでも
スマホでも読めますのでたまに読み直したい場合はこちらがオススメ?




以下は拍手コメントで複数いただいた内容です。コメントありがとうございます。

>『片道勇者2』のアルファ版のテストに参加したいんですが
>どういった形で行われますか?                .


まだ決めていないんですが、『片道勇者1』のアルファテストでは
おおみそかにレンタルチャット内でファイルを公開して
その場でリアルタイムに話をうかがっていました。
今回も似たような形で行うかもしれません。
(今はレンタルチャット解約状態なのでまた借りることになるでしょう)

ゲームファイル自体は一週間くらい開発日誌でも公開して、
毎週見に来てくださる方は触れられるようにするつもりです。

ただ、アルファはデータが各1~2個ずつしかないバージョンで、
可能性を測ったり基本システムや情報量をチェックすることが主目的なので、
ゲームとしては全然面白くないと思います、その点はご了承ください。
それでも、シルドラゼロのときみたいに「操作が直感的じゃなさすぎる」といった
方向性の再調整ができるので、アルファテストは大切だと考えています。

今のところ想像以上に必要な処理が多くて、
アルファテストまでたどりつくまでだいぶ遠そうです。
すでに基本システムのサイズが『片道勇者プラス』並みになっているので、
作業速度が特に遅いわけではないようなんですが、この調子だと
目標に向けて効率良くやっていかないと終わらなさそうです。
 
■ 2017/09/16 (土)  ゲーム開発Kindle本出します! ■
【ゲーム開発Kindle本、編集しています!】

ようやくメドが付いてきたのでお知らせします!

長い開発期間中の餓えを少しでも回避するための一環として、
ゲーム開発に関わる、この開発日誌の記事をまとめたKindle本の発売を決定しました!
「ゲームを完成させる作り方」のような、あの記事群ですね。

読もうと思えばこの開発日誌内で無料で読めるものですが、
まとめて読みたい人向けに少し再編して、記事への再考察(?)や
おまけコーナーを加筆したKindle版を空いた時間で作成しています。


※主に収録されるのは、このキャラ(ラッシー)のお絵かきが載ってる記事です。
記事がたくさん集まったらいつか一冊にしようと考えていましたが、
おまけ分を入れたら『片道勇者開発記』とすでに同じくらいの文字量に
なっていたので作成を決定しました。


2017年内には出したいと考えていますが、
開発に疲れたときしか触ってないので編集ペースがゆっくりなのと、
読みやすさを上げるために「寝かせては修正」をこれから何度か繰り返す予定なので、
完成は少し先になりそうです。

もし、手元に置いておいて、たまにまとめて読み直したいなーと
お思いになった方(※1人は見つけました、ありがとうございます!)がいらっしゃいましたら、
よければあとしばらくお待ちいただけますと幸いです。

私の開発日誌を知らない人と情報や考え方を共有するのにも使えるかもしれませんし、
何よりすでに無料公開されてる内容なので、売れなくて私がもだえることがあっても、
読者の方が読めなくて困るということはほとんどないと思います。
もちろん、発売後もここの記事は残しておきます。

あと「援助の窓口が欲しいんだけどないの!」と言ってくださる方もいらっしゃるので、
そういう方向けの窓口の一つになるといいかなという期待もあります。

なお、今回は『片道勇者開発記』と違ってゲーム版はありませんのでご容赦ください。
同じデジタル媒体がネット上で販売されてるとKindleの印税が半分になってしまうためです。


2011年11月頃にゲーム開発のあれこれをまとめた本を出してみたいなと
開発日誌でほんの一言だけ言っていましたが、
『片道勇者開発記』がそれに半歩踏み込んだものだとすると、
本番は6年経ってようやく実現しそうです。

ということで、もし気になる方がいらっしゃいましたらお楽しみに!
遅くても年内には出せると思います。
 
■ 2017/07/01 (土)  開発で最近試していること ■
【ゲーム開発で最近試していること色々】

今回は私が最近のゲーム開発で行っている、
自分にとって有効そうだと考えているいくつかの試みについて整理してみました。

私と似た悩みを抱えている人や、私に近いタイプの人には、
部分的に役立つ部分もあるかもしれません。
以下の項目だけ見て分かる方には、飛ばしてくださっても大丈夫だと思います。

●最初: 「面白そうに見えるゴール」を先に考えてから作る。
●中盤: 見た目をきれいにする作業はやる気が減りそうなタイミングに回す。
●全編: 絵は最後まで徐々にブラッシュアップし続けるよう作る。
●一定頻度: 段階ごとに人に見せて方向性を確かめる。
●リリース前: できれば余裕を持って終わる。






【最初:「面白そうに見えるゴール」を先に考えてから作る】

まず私は、「できるだけ多くの人に遊んでもらいたい」という欲求が強いのですが、
どうやれば自分の作ったゲームを知ってもらえるか考えるのに四苦八苦しています。
「作ったものを面白そうにアピールすること」がいかに困難か、何度も思い知らされました。
たとえば「自分にとってそこそこ自信のあるゲーム」ができあがったとき、
その完成品から「とても興味を惹かれるキャッチコピー」を考えるのは、
実はとても難しいことだと思っています。

実のところ、これまでの私のゲームを見直しても、
「分かりやすく興味を惹くキャッチコピー」が思いつかないゲームが結構あります。
たとえば『シルフェイド幻想譚』の場合、目新しい要素が実は少ないので
「ストレス少なめの時限フリーシナリオRPG!」くらいしか言えません。
コンテストに投稿したことによって目立つことができた面は大きいと思いますが、その他は
『シルフェイド』という名前が付いている、ということが実質的に最大のアピールポイントで、
作品の概要情報や、キャッチコピーが普及力に貢献できた部分はあまり大きくはないでしょう。

そんなわけで私は、基本的には『ブランド』に頼るアピールのみがメインで、
作品紹介による宣伝面ではかなり苦戦していると感じていました。

そこで、私はここ数年でこう考えるようになりました。

自分のような宣伝が苦手な人間にとって
「面白そうに感じさせるキャッチコピーや見た目」を考えることがボトルネックになるのなら、
その「一目で面白そうに感じる部分」を先に考えておいてから
ゲームを作った方が普及力を上げやすくなるのでは?
 と。

たとえば、以下のいずれかのような方法でゲームを作るのです。

●遊びたくなりそうな宣伝文句を先に考えて、それに合わせてゲームを作る。
●遊びたくなりそうな画面写真を先に考えてみて、それに合わせてゲームを作る。
●やたら興味をひかれる物語紹介だけ先に作って、それに合わせてゲームを作る。


これらは、私のような宣伝が苦手な人間には一定以上、効果が上げられるやり方かもしれません。

さっきも言いましたが、「完成済みのものを面白そうに紹介する」のは意外に大変です。
ある程度の開発能力を身に付けているなら、「作った後のもの」を面白そうに見せるより、
先に「面白そうに見える状態」を考えておいて、
それにたどり着けるものを作る方がたぶんいくらか簡単
です。
特に「画面写真」は、作った後からではなかなか面白くいじりようがない!

「物語説明」もそうです。一度読んでみれば物語の内容自体はすごく面白いのに、
いざ「紹介用のあらすじ」を書いてみるとなかなか面白そうに書けない、
あるいは興味を惹くのに苦労する、といったことはないでしょうか?
私は、あらすじで興味を惹くことを意識していなかったので、そこで悩んだことが何度もありました。

こういった苦労があるのならいっそ、先に「面白そうに見せるためのゴール」を考えておいて、
チャンスがあればそれに近付ける、という作り方は一つの手です。

私の場合、『片道勇者』がその方法で生まれたもので、
最初に『強制横スクロールRPG!』という
「興味をひきそうな宣伝文句」が生まれて、そこから開発が始まりました。

思いついた時点では果たして面白くなるのか、
どんなジャンルのゲームになるかは全く分かりませんでしたが、
最終的には『強制横スクロールRPG』という期待を満たせる程度の作品に作りあげ、
目新しいキャッチコピーにより新鮮さを伝えることができたと考えています。

もしこれがただのローグライクRPG、あるいは説明が難しいローグライクRPGだったら、
見てもらえる人の数は今の半分以下や、1/4以下になったかもしれません。

もちろん、こういう作り方で失敗してしまう場合も当然あると思いますが、
今はどこへ出すにしても作品数が増えすぎて、
まず「少しでも興味を持ってもらえるかどうか」が
一番のネックになっているのではないか
、と私は考えています。

そんな環境で少しでも目立てるようにすることを考えると、
上記のように先に「面白く見えるゴールを作ってから挑む」、
言い換えれば、「企画重視」の考え方をするほうが生き残りやすいのかも?
という考えで、私は今の状況を見ています。

ただし、「自分の力量」以上にこういった考えに縛られてしまうと息苦しくなるので、
取り入れるべき度合いは当人の能力や状況によって変わってくるはずです。
「なんでもそれなりに面白いものに仕上げられるようになったけど、何を作ればウケるんだろ」
くらいの気持ちを持っている人向けかもしれません。

『片道勇者』でもそうでしたが、「企画重視」のテーマは開発においては扱いが難しい、
大変なじゃじゃ馬になりやすいものだと思っています。
『片道勇者』も、その時点の私の能力を考えれば、
「たまたま運が重なったから一本として完成させられた」という危ういものでしたから。



<本職の人にとっては当たり前のことかも?>

なお企業さまなどにおいては、偉い人に企画を承認してもらう都合上、
「企画」という名の「面白そうに見えるゴール」を偉い人に見せてから
プロジェクトが始まることが多いのではないかなと思います。
そういう意味では、これは企業的な作り方の一部を取り入れた方法とも言えるかもしれません。
(企業さまにおいては、「売れるか否か」という判断もそこに入るのでしょうけれど)

一方、個人開発の私の場合だと「偉い人に承認してもらう」といった制約がないため、
「どうやれば興味を持ってもらえるものにできるか」を全く考えずに作ってしまって、
完成した後に「これどうやって面白そうに紹介するんだよ!」と悩んでしまうということを、
私は15年以上も繰り返してきてしまいました。

「自分が作りたいものを、可能な限り面白そうに見せるためのゴール」を最初に考えておくこと
宣伝文句を考えたり、面白そうな画面写真を選ぶのに苦労する状況は、
どのみち作る前でも作った後でも必ず1回は遭遇するのですから、
後になって方針を変えにくい状況になってからそれを考えるよりは、
先に考えておいた方がいい未来に繋がるかもしれません。



【中盤:見た目をきれいにするのはやる気が減りそうなタイミングで】

以前、「ゲームを完成させる作り方」というのをご紹介しました。
それは「レベル1」で最低限の骨だけ作って、「レベル2」で肉付けして短編を完成させて、
「レベル3」で追加の実装を行う、という方法です。

ゲーム開発は最初から全ての素材が揃っている状態から始まるわけではなく、
必ず「グラフィックを良くする作業」、あるいは
「正式な画像を作成・導入する作業」がどこかに入ります。
そして「完成させるゲームの作り方」では、
「レベル1」では画像はサンプル画像でもラフ画でもよくて、
「レベル2」で本番の画像にする、という感じの話をしました。

そして、その「レベル2」内の部分的な工夫として最近考えているのが、

「本番画像を搭載する、立ち絵を清書し始める」などの「見た目をよくする作業」は、
レベル2の肉付け作業中の『気力が減ってきたあたり』で行うようにすることで、
開発中盤あたりの飽きを少し緩和しやすくなるのではないか。


ということです。というのも、「見た目をきれいにしていく作業」は、
「作る→見た目がよくなってやる気が上がる→作る→見た目がよくなってやる気が上がる」
の連鎖で、個人的にはものすごくモチベーションのブーストがかかる場所だと考えているからです。

ゆえに、そういった「おいしい部分」は最初から使い切らずになるべく温存しておいて、
やる気が下降気味になりそうなタイミングで少しずつ投入する
のが
持続性の面で効率的かもしれない、と最近考え始めています。

グラフィックを良くする以外にも、あなたにとってやる気が回復しやすい作業があるなら、
それを部分的にでも温存しておくと、モチベーションの給水所として
役立てられるかもしれません。

だいたいの場合、私が無意識に開発を進めると「楽しい作業」を先にやりたがってしまって、
苦しい作業だけが後に残って絶望することが多い
ので、そんな苦労をするタイプの人には、
おいしいところを意識的に残しておくのは割と効果的な手段だと考えています。



【全編:絵は最後まで徐々にブラッシュアップし続けるよう作る】

これは主に、あなた自身が絵を作れる場合の話です。

個人制作の場合、ほぼまちがいなく、あなたは開発中に様々な面でレベルアップします。
「絵を描く能力」など、目で見て分かる力は特にそうで、
最初にしっかり仕上げて作ってみたつもりにも関わらず、
完成前になってちょっと変だと気付いてしまう場合が多々あります。

場合によっては、開発前半と後半で作ったキャラの絵のタッチが変わってたり、
あるいは上手下手が見て分かるほど差が付く場合さえあります。

だいたいの場合、こういう場面に遭遇すると後から全部修正したくなる気持ちになってしまい、
開発の満足度的な意味でかなりキツい状況に陥ります。
でも、年単位の開発においてはこういう状況はたびたび発生します。
私は、なんとかこういう状況を避けられないかなと考えていました。

そこで、やり方を変えて個人的に今のところうまくいきそうだと考えている方法が、
「絵の一つ一つを100%に仕上げて次に行く」のではなく、
「絵は一気に仕上げず、最後まで全てをまんべんなく
ブラッシュアップし続けるつもりで描く」
ようにする方法でした。
やり方を整理すると、以下のような感じです。

1.最初は雑なキャラクターのラフを書いて、そのままゲームに導入する。
2.開発が進むにつれ、全キャラを『徐々に』ブラッシュアップしていく。変なところに気付いたら直す。
3.「仕上げ」をするのは開発が終わる直前あたりにする。


この方法には、以下のような利点があると考えています。

●あとあと精神的に楽になる。
1枚ずつ100%にしていって「一旦完成したもの」を
あとで描き直す状況に遭遇すると精神的にゲッソリしますが、
一方で「最後まで全部未完成にして、全て平均的にずっと微調整し続ける」
という前提で作業すると、終わり際だけでなく、その道中もだいぶ気が楽になります。

私の場合、時間が経てばどのみち過去の絵が下手に見えてくることは分かっているので、
「時間をかけて絵を良くしていけばいい」という環境にしておくことで、
未来の自分を恐れるストレスを感じにくくする効果がある気がしています。
そういったストレス源があると、気付かないうちに
モチベーションにもじわじわダメージを受けてしまいがちです。

さらには「今すぐうまく描けなくても、不安にならずにメインの仕事を進められる」
といった効果も得られるので、個人的にはこの点が助かっています。


●クオリティを均質にしやすい。
平均的にブラッシュアップしていくことで、
「一枚だけ気合を入れすぎて、他も同じように描けなくて苦労する状況」
が起きにくくなります。
言い換えれば、クオリティを均質にしやすくなる利点があると考えています。

これとは逆に「最大クオリティで仕上げた一枚に質を合わせる」ように
作ろうとしてしまうと、個人的には意外と大変です。
描く対象によってモチベーションが変わってくるのもあって、
普通はそうそう全部に対して最大に近いクオリティは出せないはずなんですが、
不慣れだった自分はなぜかピークの成果を出し続けられると思ってしまうのです。
そして、うまくいかないギャップで苦しむことになりました。


●新たな発見を取り入れやすい。
「描きかけの画像」があると、自分のセンサーが強化されやすいというのも利点だと思っています。
「いま若い男性キャラを描いてるんだけど、どうやったらかっこいい
細マッチョを描けるだろう、他の人はどう描いてるのかな?」とか、
「かわいい女の子キャラって、どこをどうすればかわいく見えるんだ?」など、
いま抱えている課題をよりよく解決するための情報に、より敏感になれる期待があります。
「未来の自分」を育てる価値が出てくる、とも言えるかもしれません。

一方で、「一つ一つを完成させてしまった」後によりすばらしい方法に気付きそうになった場合、
一度完成させたものを修正するコストは心理的にも非常に大きいので、
新たな発見から無意識的に目を逸らしてしまうかもしれません。割と私がそうです。

仮に「新たな発見」を受け入れるにしても、いちいち修正し続けると永遠に開発が終わらないので、
たいていは「よりよくできる可能性を知りながら無視し続ける」という、
かなりの精神力を消費する行為に挑戦することになりがちです。
だからこそ、「いま仕上げず、最後までいじってもいい」という前提のまま置いておくことは、
ストレスを低減させる大きな効果をもたらすのではないか、と考え始めています。



誰かと協力して開発している場合は、こういった方法はやりにくいかもしれませんが、
個人開発なら作りかけのものが大量にあってもそんなに困らないので、
これから試していきたいと考えている方法です。
ただ「作業の順番が変わるだけ」で、いずれはやることですからね。

私の中では、「完成品の絵をさらに作り直させたがる未来の自分」が
無意識のうちに『敵』のような存在になってしまっていて、
これまでも意志力で何度も殴り倒してきた
のですが、だんだんと疲れてきました。
どうせなら今回のやり方のように、「未来の自分」と一緒に協力する方向性でやった方が
丸くおさまりそうかなと感じています。



【一定頻度:段階ごとに人に見せて方向性を確かめる】

ゲーム開発初期はテストプレイをお願いできる友達がいないことが多いので難しいのですが、
できれば「開発の各段階ごとに他人に見てもらう」ようにすると、色んなことが分かります。
これは以前の「楽しくて学べるゲームの作り方」の記事で述べた
「小さく作って、そのたびに見てもらう」やり方の「内輪版」とも言えます。

プロトタイプの段階でも、人に見せることで以下のことに気付く機会を得ることができます。


【中度】 インターフェースや分かりやすさの確認。
→ 初めての人にとって操作が直感的でない部分や、
ルールの分かりづらい部分を知ることができます。
特に、開発者側は「『初めての人にとって分からない部分』が分からない」ことが多いので、
貴重な情報になるはずです。


【中度】 難易度の確認。初めての人にも適正か?
→ 基準の難易度が適正かどうか、という点が早めに分かるでしょう。
開発者好みのバランスで作ると、意外と最初から難しくしてしまいがちです。
配信プレイでも、横で見てるのでも何でもいいのですが、実プレイの光景を生で見ていれば、
あまりに苦戦してイライラしている様子などを確認できる確率も高いので、
もしそうであれば想定するバランスの修正が必要でしょう。


【重大】 そもそもの方向性に問題がないか?
→ 自分が普通だと思っていたゲーム内容や操作は、
もしかしたら他人にとって非常にやりにくいものになっているかもしれません。
ゲームの「方向性」の善し悪しを、完成前に知ることができるのは重要です。

たとえば私の場合、『シルフドラグーンゼロ』の開発時、最初は操作しにくい
「エストック」の機体しかなかった状態のプロトタイプをテストしてもらったら、
「操作が直感的じゃなくてやりにくい」と言われたので、
分かりやすい操作性の「ギガント」と「ラプター」を追加したという経緯があります。

もし、テストしてもらって出たその指摘がなければ、
私は確実に「エストック」の機体のみでリリースしていたはずで、
まちがいなく遊ぶ人を選ぶゲームになってしまっていたでしょう。
完成後に「機体」を追加するなんてのは修正箇所が多すぎて大変でしょうから、
早期に方向性の問題に気づけたのはとても大きな収穫でした。
方向性の問題は、早く気づければ気づけるほど対応が容易になります。


<初めての人は大事>

それと「段階ごとに見てもらうとよい」と言いましたが、
もし残せるようなら「一度もプレイしていない人」を最後まで残しておくと後で助かります。
というのも、「ゲームのやり方が理解できない」と指摘してくれる可能性が
あるのは初見の人だけだから
です。
一度見せれば初見ではなくなってしまうので、「初めて」の人は貴重です。

今なら、内輪での配信プレイもしてもらいやすいので、
身内で映像を流してもらいながらゲームを遊んでもらっているところを見て、
「自分が一切説明せずに遊べるか」などをチェックするとよさそうです。
そして遊ぶ人が分からずに困っているところに遭遇しら、きっと解説のために
あなたは口出しをしてしまうでしょうから、その「口出ししたところ」のタイミングで言ったことを、
そのままチュートリアルに追加することで、よりよいチュートリアルに仕上がっていくはずです。

また私の視点だと、「ゲームが下手な人」はもっといいです。
「知ってて当然」のことさえ知らない人にもやさしく教えられる、
あるいは遊べるゲームができれば、遊んでくれる人の幅も広がるでしょう。

一方で、「知ってる人ならチュートリアルを無視できる」ようにする配慮も大切です。
できる人とできない人、両対応した配慮をしていきたいです。



【リリース前:できれば余裕を持って終わる】

ゲーム開発は、「少し余裕を持ってリリースする」ことが非常に大事だと考えるようになりました。
なぜかというと、プレイ人数が一定以上確保できるゲームをリリースすれば、
ほとんどの場合、自分が気付かなかったゲームの問題点を、
リリースの直後からプレイヤーさんが指摘してくれるからです。

「ウディコン(私が開催しているゲームコンテスト)」で滑り込み投稿しておられる方などを見ると、
たまに地獄のような状況を目にすることがあります。
たとえばあなたが完全に疲れ切った状態で、「もうこれで開発の苦労から解放される……」と
思いながらゲームをリリースしたら、その直後から様々な報告が大量に届く
のです!
数々のバグ報告! こうしてくれという要望、などなど!

ですが、あなたが身体的、精神的に限界オーバーしてるときにそれらを抱えてしまうと、
慣れない内は「あなたをこれ以上働かせようとする意見」の全てが
まるで敵のように見えてしまうことも多々ある
と思います。
真っ当なバグ報告や要望ですら、受け止める余裕がなくなって
「ア゙ア゙ア゙ア゙ー!!」と叫びたくなってしまうこともあるでしょう。

私にも、今でもたまにそう感じることがありますが、そういった心理面の問題の多くは、
「自分の残りの元気・気力が足りないこと」によって発生しがちです。
私の場合に限れば、ゆっくり休むことで心理面の問題は8割以上解消されると思っています。

とはいえ、冷静にそれらの問題点を指摘する意見を見たときに、
「明らかに直した方がよさそうなもので、かつあなたが直せるもの」なら、
修正しておいた方が、これから遊んでもらう人達にももっと喜んでもらえることでしょう。
早く直せれば直せるほど、その問題で被害を受けるプレイヤーさんも減るわけですからね。

もちろん、様々な事情を加味した上で大変そうなら後回しにするのも大切な判断ですが、
余裕がないほど退く判断をするのも難しくなってしまいます。
何かの拍子に爆発したり折れたりしてしまわないよう、
リリース前にはできれば「身体的・精神的な余力を残しておく」、なおかつ
「リリース後の何十日かくらいは、その対応に追われる覚悟をしておく」

というのも大切なことだと、今の私は考えています。

今となっては、「リリースした一秒後からは、しばらく休むことはできないだろうな!」
くらいの覚悟でいる方が、たぶんうまく回るだろうと思うようになりました。

私の場合、ひどいケースだと、『片道勇者プラス』のときは
リリースしてからたった一ヶ月で1000行にも渡るバグ修正リストができてしまいました。
まさかそんなにたくさん直すことになるとは思っていませんでしたが、
これまでの開発の経験から、リリース直後から多くの問題報告が来ることは
なんとなく覚悟していましたので、心身が衰弱した状態で公開することだけは
なんとか避けようと当時の私は考えていました。
しかし、その心身の準備をしていても限界を一時オーバーしていましたからね!

とにかく、もしあなたが「リリースさえできれば解放される!」と考えて
今もボロボロになりながら開発を進めているのなら、
「実はリリース後の方が激しい戦争が始まる可能性がある」ということだけ
頭の隅に置いてくださると、万が一そうなった場合にショックを受けにくくなるかもしれません。
私もいまだに、大変さが最大想定を越える場合がたびたびあるので、
覚悟が不十分だと痛感しています。

なるべく無理しない程度に進められるのが一番ですが、
どんなときでも想定外の事態というのは発生してしまいます。
いつでも対応できるよう、できるかぎり余力を常に残しておきたいですね。



以上、「ゲーム開発で最近試していること色々」でした。いかがだったでしょうか。
あくまで私個人にとって有用だと考えている方法や心構えですが、
部分的にはお役に立てる内容もあるかもしれません。

ちなみに、今回述べた試みのほとんどは「順序を変える」という手段を取っています。
面白そうなゴールを「先」に考えるとか、見た目をきれいにするのは「後回し」にするとか、
絵は「最後まで徐々に」ブラッシュアップするなど、これらは
いずれやることを先に行ったり後回しにしたり薄く引き延ばしたりする形です。

基本的にこういった「順序の変更」だけなら新たなコストを大きくかけずに済むので、
少ない負担で取り入れられるのかなという印象があります。
ただ複数人で開発する場合だと、作業を分けたりすることで
管理のコストが増大したりする危険性があるので、そこは注意が必要ですが、
一人ならば管理コストの問題も起きにくいですしね。

他にも、「順序の変更」によって精神的に楽になったり、
より効率的になる部分がどこかに潜んでいるかもしれません。
ただでさえゲーム開発は苦しみが大きく、アウトプットに苦戦する場面も多々あるので、
自分の力を最大限に発揮できる開発順序を生み出せるよう、
今後も考えていきたいと思っています。



他にもし何か「こんな話題を聞いてみたい!」というお話がございましたら、
ぜひ拍手コメントからお送りください!
答えられそうなものはどんどんお答えしていきます。


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 1冊の本にまとめたゲーム開発本、
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■ 2017/06/10 (土)  ゲーム開発話 小粒編 ■
【ゲーム開発話 小粒編】

今回はいただいたコメントやご質問などにお答えしていきます!
様々なコメント、いつも本当にありがとうございます。




●ゲームのストーリー作りは、自分が面白いと思う話を考えるか
プレイしてくれる人が面白いと思う話を考えるか、どちらと捉えて作りますか?
自分はあまり世のゲームのストーリーにハマれないことが多いので気になります。


私の場合は、ストーリー作りは開発の回数を重ねるほど、
「自分が面白い」と「プレイしてくれる人が面白い」が両方混ざってきています。
いま現在意識している方向性を一言で整理するなら、以下のような感じです。

「『自分が面白いと思う話』を、自分が我慢できる範囲で
『プレイしてくれる人が面白い』と思えそうな範囲に寄せて作る」


これはストーリーだけでなくゲームそのものにも言えますが、
私が自分の好みを100%反映すると一部の人に凄く刺さるものになる代わりに、
多くの人にとって「なにこれ合わない!」となってしまうものができがちです。
なので今は、できる限り多くの人に楽しく遊んでもらえることを目指すにあたって、
「好み80%、配慮(=我慢)20%」という感じを意識しています。

たとえば私が「好み100%」でゲームを作るとどうなるかというと、
『シルフドラグーンゼロ』が「エストック」の機体しか選べないゲームになったりします。
(※エストック=直感的でない操作の機体。他2種の機体は明快な操作だが
実はそれらは配慮のために後付けしたものだった)

そしてストーリーに関して、私がまったくユーザ寄りにせずに、
ただ「自分が面白い」と思うものを100%投入したのが『レジェンドオブレストール』です。
そこで学んだことを糧に、少しプレイヤーさん向けに寄せようかなと考えたのが
『シルフェイド見聞録』や『シルフェイド幻想譚』だった気がします。

そういうわけなので、私が一切の配慮をせずに
『自分にとって面白い』と信じて作ったゲームが見たい方は、
ぜひ『レジェンドオブレストール』を遊んでみてください!
「薄めていないソーダみたいな味」(?)とどなたかが評価してくださった記憶があります。

あと、私が好みを全力を出すと頻繁にバッドエンドにしたくなってしまうので、
ゲームのクリア時には必死にハッピーエンドっぽく描写するようにがんばっています。
ハッピーエンドはたいていの場合、私にとって「配慮」の部分です。
一方、ゲームオーバー場面などは堂々とバッドエンドにできるので「好み」の部分です。

一本道ストーリーは基本的にハッピーエンドが求められがちなのでどうしても苦手で、
何かを書きかけても途中で手が動かなくなることが多いです。
一方で、「がんばった人が目の前にいるから喜んでもらいたい」と
自然に思えることもあってか、TRPGでハッピーエンドを演出するのは楽しいですね。



●SmokingWOLFさんがゲーム製作を続けられる理由を聞いてみたいです。
(生活のため、というのはあるかと思いますが、
それ以外でモチベーションになっているものがあれば)


すごいおおざっぱな一般論でいうと、精神的な面では、
「投入した労力に対して相応以上の満足感があるから」だと思います。
それがあれば、「生活できないから」という理由でやめることはあっても、
続けられる状況下であればずっと続けるでしょう。
逆に満足感がないと、たとえ生活の糧でやっていることでも続かないことが多い気がします。

「ゲーム開発」は、私にとっては全力で挑戦してみても
なかなか最適と思える解にたどり着けない、超絶難しいゲームですが、
一本作るたびに色々な発見があって次に活かせるので、とても楽しく感じています。
「前回覚えたこの『意図』を使えば次はうまくやれるはず!」
という感覚があると楽しいのは、きっとどんなゲームでもお仕事でも同じだと思います。



●最近は、スマホで無料の(しかもそれなりに高品質の)ゲームが
あったりして、以前とはフリーゲーム界隈も変わってきたように思います
(コンパクで盛り上がっていた時代が懐かしい)。SmokingWOLFさんは
この辺の変化について、どのような感想を持っておられるでしょうか?


ここ数年で、フリーゲームを遊んでいらした人が
企業製の基本無料ゲームに流れていったり、
フリーゲーム内でも遊ぶ人でも色んなジャンルに散り散りになったりしている感じはします。
一方で、ツールを提供している側としては「ゲームを作りたい人」が
昔より減るどころか逆に増えている感じがあって、
「作る人が増えて、遊ぶ人は色んなところに散ったのかな?」という感触があります。

立場ゆえにそう感じている部分もあるでしょうけれど、
でも例えばウディコンでは、年々「投票者」様の数が減っていても
「作品数の減りはすごく遅い」ので、私には作る人が増えているように感じています。

スマホに関しては、
「スマホすごい! どこでも遊べる上に、外からでは
遊んでるように見えないあたりが日本人的に最高のゲーム機だ!
そりゃこれは流行りますよ!」 と思っています。
私も面白いゲームができればスマホに展開することも
検討しているくらいには、大きい波になっていると考えています。
(果たしてそこで収益が上げられるかは別ですが!)

フリーゲームを出せる場所は昔と比べると増えた気がするんですが、どうでしょうね?
昔は盛り上がりどころが一カ所に集まっていたかもしれませんが、
今はホームページ時代からSNS時代になって投稿の場が散っている気がするので、
全てを総合すれば、投稿側の熱は昔より盛り上がっているのではないかなと想像しています。

一方で、全てを知るには情報収集のコストが上がりすぎて追いつけないので、
一カ所あたりの「遊ぶ側の人」の数は昔より減少していたりして、
「昔と同じ情報収集コストで探せる範囲内では盛り上がりが落ちたように見える」
と感じておられる方も多いのではないかなと思います。
私も、作品が増えすぎて探すのが大変になったのと、自分の開発に忙しくて、
いつしか情報を追いかけられなくなってしまいました。

今はSNSなどで「このゲーム面白いよ!」と情報を発信してださる方を経由して
初めてそのゲームを知るということも多くなったので、一カ所にみんな集まる時代は終わって、
小さな口コミが徐々に伝わっていく時代なのかなと思っています。



●キャラづけネタは以前にもありましたが、好かれる(嫌われない)
キャラクター作り(※性格や発言など精神的な部分)、というテーマは
如何でしょうか。(微)エロあり下ネタありBLネタあり、と自分は苦手だと
思う要素がありながら、不思議と不快感を感じたことがありません。
キャラクター作りというよりは、ウルフさんの表現力の賜物、という部分も
ありますが……そのあたり、工夫や苦労話があれば聞いてみたいな、と思いました。


その辺りはあまり深く意識したことがなくて、この前、人にシモネタ入りの初案を
見せたら「ちょっと過激じゃないですかね!」みたいなことを
言われた程度にはたびたびツッコまれています。

たぶん「セーフ」の許容ラインが私と近いか、もっと危険域にある人だけが
私の描写を不快感なく感じられる、というだけのことではないかなと私は考えています。
『シルフェイド見聞録』も「十分アウトだ」、「合わない」、「ウマコ!」とおっしゃる方も多いので、
人によってセーフのラインがおのおの違うのだろうなとは常々感じています。

じゃあどうしていけばマシになるかというと、最近は
「具体的な部分は想像させるような表現にとどめる」ようにすれば
人に応じたレベルで想像できるのでいいのかな? と今は考えています。

たとえば、
小学生の方が見てもその人の経験の範囲で想像できるし、
大人の方が見れば大人らしい想像ができるし、
汚いのが嫌いな人はきれいな想像もできる。
個々人が求めるものを映し出せるような、
そんな鏡のような描写を目指したいなと考えています。
そういう目的においては、「なすがままにされてしまうだろう」なんてとても便利な言葉ですね!



●わたしもウディタいじりでかれこれ1000時間以上は夢中になっているのですが
UDB(CDB)の立て方はいまだに大変悩みます。このあたり、ウルフさんのご経験で
なにかあれば話題にしていただけると嬉しいなーと思います。


データベースを作る手順はいつも

1.「項目がほとんど入っていない空のDBを作る」
→ たとえば「名前」と「グラフィック」「HP」しか入れてない「ユニットDB」を最初に作ります。



2.「処理を実装していく中で必要になったら項目を足す」
→ さっきの「ユニットDB」に「攻撃力」「防御力」などを追加します。



1~2の繰り返し。


という感じの、プロの開発者の人からは怒られそうなひどい作り方をしています。
要するにほとんど行き当たりばったりですが、ウディタはDBの項目追加がやりやすいので、
個人で開発している分にはあまり困らないと思います。

「いま処理を作っているけど何の項目が必要か分からない!」 という場合は、
もう少し整理が必要だと思います。
「どこに何を入れれば効率的か」を考え始めると私も頭が沸騰してしまいます。



●途中で英題が『Katamichi Brave』から『One Way Heroics』へと変えたのも
何か理由があってのことだと思うので、よろしければお聞かせください。


PLAYISMさんから海外展開用に翻訳したタイトル「One Way Heroics」をいただいたので、
そのタイミングで『Katamichi Brave』から表記を切り換えました。

次は仮の英語タイトルを付けずに、付けてもらうのを待とうかなと思っています。



●シル見の当初のプロットを伺いたいです。

一番最初から決まっている部分である、
「主人公が医者を目指す少年エシュターで、ヒロインが不治の病の少女シーナ」
という構成にしたところから推測できると思いますが、
「最終的に主人公が女の子の病気を何とかするストーリー」
をメインにすることだけぼんやり想定していました。

シル見は永遠に連載し続けるつもりだったので途中はあいまいで、
次の話の展開を考え始めるのはいつも毎話をリリースした後でした。
途中で最終回の展開だけは色々ぼんやり考えていましたが、
その一つは少しアレンジして『シルフェイド学院物語』内で描かれています。



●開発日誌や開発記を読んでて思ったのですが、(製作者サイドから見た)
欲しい意見や欲しくない意見―あるいは反映しやすい意見としずらい意見―
とはどのようなものがありますか?


ゲームの改善や、知見を得るために欲しいご意見は主に以下の通りです。

「~~が面倒臭く感じる」
「~~が理不尽に感じる」
「~~の部分がつまらないです」
「ここにあの情報を出して欲しい」
「ここにバグがあります!」


ややネガティブっぽいコメントが多いと思われるかもしれませんが、
上の3個あたりは遊ばれた人にとっての間違いのない真実です。

また、どれも全て「そもそも私が気付いてなかった」部分が原因であることが多いので、
言っていただければ「何か対応を考えようか」、あるいは
「次回作からその辺も配慮できないか考えてみよう」と
初めて思考コストを投入できるようになります。
そしてそれができるようになった分だけ、今後の配慮の向上に繋がるはずです。

基本的には、「制作者が気付いていない」ことによって
発生する問題はかなり多いと考えているので、
プレイヤーさんからの多くの主観的コメントは全て大歓迎です。

もちろん、「ここが面白く感じた」「このキャラが好き」といった
ポジティブな部分へのコメントも大歓迎です。
たまたま一定数の人に対してうまく希望に沿うものが作れたということで、
「喜ばれやすい成果物」に近付ける意図であったことが分かるからです。
何より、私自身の精神的栄養に繋がりますしね。

ゲーム開発初心者の頃は、作れるものの中でどの部分がウケがいいのか知るためにも、
このポジティブなコメントがたくさん必要だと思います。


一方で難しいかもしれないこととして、「こういう仕様にしてほしい」系のご意見は、
他の部分と干渉せずに低コストで面白みを上げられそうなものならすぐ採用できますが、
他の部分が色々こじれそうな場合や、自分の好みじゃない、
導入によって得られそうな面白さと実装コストが見合わなさそう、
と判断した場合は反映しにくいと思います。

コストが安くて安全性さえ高ければできることも多いので、
その要望が出た意図を汲み取った上で、他の場所の問題も
一気に解決できるような方向性で何かできないかなー、
と考えることが多いです。要するにコストをかけるにしても、
できるだけ一気にたくさんのことを解決できるようにしたいと考えています。



●数年前、某有名Civプレイヤーが何でゴブリンを兵糧攻めしないのか?
という趣旨のツイートで話題になりました。その話の中でその方は
「命懸けの冒険者が生存確率を高める為に物理的に可能な全ての手段を
講じないとしたらその世界は全く非現実的だ」という理由から、TRPGにおける
GMはPLの一見理不尽に思えるような提案でも一考し、咄嗟に筋の通った
ルールを構築すべきであるという論で話を進めていたように思います。
 そこでTRPGを幾度となくプレイされていて、その上実際に新作の
TRPGの開発に携わったウルフさんにお聞きしたいのですが、
ウルフさんは上記の論についてどう思われますか?


ゲーム開発とは微妙にずれていますが面白そうなお話!
私はTRPG属性がカオス寄りで、事故や意外な展開が大好きなので、個人のGM側としては
「無茶振りっぽい案でも面白かったら有りじゃないですかね! その場で何か考えますよ!」
と考えている派です。刑事役PCなのにいきなり「銃の威力を試したい」などといって、
突然何の罪もないそこらの住人を撃ってみたりするPLさんよりはだいぶ良心的です。

個人的には、GMをする方が多い立場として
PLさんからそういった無茶振りに近い提案が出ること自体はもう前提としていて
(何十人かと遊べば、必ず何度かは無茶振りが出るはずです)、
そういった状況で私がご提案できそうなGMさんが使えそうなやり方は、

GM「兵糧攻めか、いいぞ! じゃあ実行するための費用と期間を考えてみよう。
まず兵糧攻めに必要な包囲人員に払う報酬とその間の食料一式から計算だ。
たぶんゴブリン退治の報酬だと圧倒的な赤字になると思うけど。
なお空腹ルールは人間と同じものを使用して……」


とその場ですぐ思いつけるようなら言ってみるか、
そうでない場合、自分の知識や裁定力で瞬発的に手に負えなさそうだと思ったら、

GM「その願いはゲームシミュレータとしての自分(GM)の能力を越えていそうだ!
そこまでしなくて大丈夫なクエストだから、
他になんか自分の手に負えそうな案はない?」


なんてお手上げ宣言してしまってもいい気がしています。
ゲーム内リソースとルールの限界に加えて、基本的には
「GMが制御できるキャパシティの範囲内」で遊んだ方が楽なのがTRPGですし、
何よりそういう場面では早めにGM側から技術的に困難であることの主張と
方針転換の催促を宣言しないと、モメ方がヒートアップして
雰囲気が悪くなってしまう場合も多いですからね。

もちろんPCの皆さんとも協力して処理の仕方を考えていくのも楽しいので、
もしその卓にそういうのが好きなPCさんが多いなら、
協力してルールのアイデアを考えるのも楽しいと思います。

GM「すぐには思いつかないので案を一緒に考えてくれないか!? 認めた範囲で採用するよ!」

みたいな感じですね。いざというときに備え、
「お手上げして別の案を求める」、「PLの手を借りてみる」という選択肢を入れておくことで、
きっともっと落ち着いてGMができると思います。

ということで個人的なご提案としては、円滑さ重視を目的として
「GMさん側は手に負えないような状況ならメタ(ゲーム外の都合)でもいいので
早めにお手上げ宣言する」
「PLさん側はGM的に難しそうな提案をするなら同時に
GMさんの手に負えるかも聞いてみる」

といった感じで意識しておくといいのかなと考えています。
え? ヤバいPLさんは「今からすること」がGMの手に負えるかそもそも聞いてこないって?
ハハハ! ズギューン!(罪のない住民を射殺する音)

上記は割とGM側の立場のお話ですが、PLとしての私も回数を重ねるごとに、
「こうしてみたいんだけど処理できる?」とか
「これもしかしてとっとと進んだ方がいい?(=テンポ破壊するほど警戒しすぎ?)」
など
GMに聞くようにした方がいい場面もあるということを徐々に学びつつあります。
特に、GMさん側の経験が少ない場合は余計にです。

なお、私がGMやるときによく関わるTRPGプレイヤーさんは
ゲーム開発者同士なのもあってか、

「GMがダンジョンを用意してない気がするから
行くのはやめた方がいいんじゃ?」


といった感じのことを言っていただけるくらい優しいので、
ある意味で助かっていますがどこか切なくなったりします。
でも仮に私が準備してなくても、5分いただければ
「判定に成功したら1歩進める4マス分くらいのミニダンジョン」
を出したりするといった工夫もできるので別に行っていいんですよ!?

刑事役PCの人が突然いきなり住民を射殺しても、そのまま上手に話の筋を戻して
物語を進められてしまうGMさんもいれば、対応不能なGMさんもいます。
良くも悪くも、人を見てプレイしなければならないのがTRPGの楽しいところであり、
難しいところでもあるなあと思いますが、PLさんからの提案の実現が難しいと思ったら
とりあえずGMさん側としては堂々とお手上げしていいんじゃないかなと私は考えています。



<おまけ ゴブリン退治は恐いかも?>

ここからは主題ではないお話です。今回のお話だとゴブリン退治は
「特に兵糧攻めするほどでもない仕事」という文脈で使われていて、
TRPG慣れしている人なら私も含め、無意識にそんな感じで受け取っているかもしれません。
でも前提なしで想像してみると、ゴブリン退治はかなり恐い戦いになる気がします。

たとえば私が一人の冒険者の場合でも、
「数が不明なゴブリンが洞窟に潜んでいる」という情報しかない状況だったら、
実は洞窟内がゴブリンたちの集合住宅になっていて、
うかつに入ったら死んでしまう危険性を考えるでしょう。

なので私もおそらく、パーティの死傷率を抑えるためにも、

「食料集めにゴブリンが洞窟から出てくるまで待ち、少し離れたところで仕掛けて各個撃破」
(もしこの時点で手に負えない量になったら退却して依頼者に任務遂行が難しいことを報告)

「帰ってこないのを心配したか、腹を空かして仕方なく出てきたゴブリンを同様に狩る」

(もし洞窟への煙攻めがGMに許可されたなら実行して外で待ち伏せ。でも洞窟内を
いぶすのは実は相当に難しそうです。入口を埋めないとうまく行きにくいでしょうし)

「まだ生き残りがいないか洞窟探索開始、隠れても無駄だぜグヘヘ」


という、ほぼ兵糧攻め(=包囲戦)に近い作戦を最初に提案してみると思います。
とにかく「相手の戦力を少しずつ削るか、ある程度正確な数を知るための作戦」を取るでしょう。

GMさんの殺意やリアリティ重視度などにもよりますが、
一般的な「最初のゴブリン退治クエスト」的な雰囲気で何も考えずに
洞窟に入った場合、もしかしたら以下のような展開が待ち構えているかもしれません。

GM「洞窟に入った4人のPCたち。だが夜目がきくゴブリンにはすでに気付かれており、
洞窟内の少し広い場所に出たところで、待ち伏せしていた20体以上の
老若男女様々なゴブリンから一斉に投石攻撃を受けた! 20回分のダメージ!」


こんな状況に陥って一瞬で仲間が何人か死んだらたまったものではありません!
でも、このくらいの展開ならゴブリン相手でも普通にありえそうな気がします。
ある程度の知能がある敵対種族の住み処に入るのは、情報不足の中では危険すぎます。

そして、戦術眼・戦略眼に優れた人ほどそういった「ありうる」最悪の想定をすると思うので、
GMさんはそういった傾向のPLさんがあまりにも慎重に考えすぎるようなら、
円滑に進めるためにも、安心してもらうための情報提供を意識すると
いいのかなという気がしています。

GM「60年生きてる長老の記憶によると、この地方のゴブリンは3匹以下の
グループが住み着いた事例しか聞いたことがないとのことだ。
だからとっとと突入して! お願い!」


さすがにこうぶっちゃけられれば「じゃあ突入するかー」となるかもしれません。
といいますか、私自身が「慎重に考えすぎるPL」になってしまいがちなので、
似たタイプのPLさんがもしうっかり過剰に策を練りすぎたり慎重になりすぎて
ゲーム進行を遅らせてしまっているようなら、
GMさんから指摘していただけると嬉しいです、という立場です。

慎重タイプのPLさんは、究極的にはサイコロを振らないで
任務を遂行する手段まで考え始めますからね!
「サイコロに頼る状況に陥った時点で作戦負けである!」
ウォーゲーム出身の人や、少しのミスで即死するゲームを多く経てきた人には、
それに近い発想をする人も多いかもしれません。


<便利な時間制限>

あと、今回の件にも関わる話ですが、TRPGのミッションには
常に「日数制限」を付けた方がいいかなと私は考えています。 
明確な制限がなくても、一日経つたびに何のためか分からないダイスを振って、
「一日ごとに裏で状況が進んでいきますからねグヒヒ(本当は何も考えてない)」
というやり方でも構いません。

『シルフェイド幻想譚』みたく、最終的には時間が余り気味だったとしても、
「時間制限」があることで最も効率的な判断が求められますし、
かつ状況次第で「情報不足でも行くしかない」という意識が働くので、
ゲーム進行を円滑にしたり勇気を働かせてもらうにあたって便利な方法です。

時間制限は遊ぶ方もドキドキできますし、メタな見方をすれば
「その日数の中で解決できるミッション」であることも暗黙に明示されるわけです。
2日以内に解決しなければならない冒険なら、
さすがに突然ゴブリンが20体も出てくることはないでしょう。
でも、これが一ヶ月も与えられたら敵が20体くらい出るかもしれませんし、
もしかしたら何か裏の事情があるのかもしれません。
時間制限一つとっても、様々な情報を与えることができるはずです。



ということで、今回は以上です。いかがだったでしょうか?
皆さまの多くのご意見コメント、本当にありがとうございます!

他にもし何か「こんな話題を聞いてみたい!」というお話がございましたら、
ぜひ拍手コメントからお送りください!
答えられそうなものはどんどんお答えしていきます。


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■ 2017/06/03 (土)  ゲームタイトルを振り返る ■
【これまで作ったゲームタイトルを振り返る】

前回は「私のゲームタイトルの付け方」だったので、
今回はこれまでの私の主要作品に付けてきたゲームタイトルを
振り返って自己レビューしてみます。



今回は、私が作ってきた主要作品に対して、
<名前から推測されるイメージ><実際のゲーム内容>
2つについてそれぞれ述べていきます。
「名前から推測されるイメージ」は、私がタイトルだけを見た場合に
どんなゲームだと予想するか、という主観です。



●レジェンドオブレストール(アドベンチャーゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
レジェンド(伝説)とあるので、レストールという人物による
壮大な物語のRPGっぽい印象があります。
あるいは大陸以上の世界を股に掛けたシミュレーションRPGかもしれません。
何にせよ戦いが多そうなイメージです。

<実際のゲーム内容>
これはゲーム一覧の古いところに置いてある私の処女作です。
耳長の青年レストールが主人公の、マッチョや亜人やモンスターと共に
一つの街で繰り広げる日常コメディADVです。ほとんど街から出ません。
タイトル命名の際は、「誰に向けて送り出すか」といった一切の考慮はなく、
ただひたすら雑に決められたタイトルです。
当初は友達にしか見せないつもりのゲームでしたから。

せめてかっこよくしようと思ったんですが、
今では「レジェンドオブ~~」はありきたりすぎてイマイチかもしれません。



●シルフェイド見聞録(アドベンチャーゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
『見聞録』なので、『シルフェイド』という地での冒険もののようです。
新たな地での出会いや発見が多そうなRPG、
あるいは紀行物ADVっぽい印象です。

<実際のゲーム内容>
実際は『シルフェイド』という世界で、ノーマ学院に入学した医者を目指す少年エシュターが
学校内で繰り広げるドタバタコメディが中心になっているADVです。
『見聞録』的な場面まで行ってないので、少し名付けを失敗してしまった感があります。

いずれ旅に出る予定があったり、話のコアに『見聞録』が関わる予定だけはありましたが、
作り始めたときはそんなことを一切考えていませんでした
これはたぶん、前作がレジェンドオブレストール(レストールの伝説)というタイトルにも関わらず
割とほのぼの生活コメディものだったので、その流れを汲んだものと思われます。
要するに、「かっこよさそう」というだけで名前を決めました。

あと、当時の私は背景のグラフィックがほとんど描けなかったので、
ほとんどの物語を学院内で進行せざるを得なかったというのも理由の一つにあります。
「劇中で行ける範囲」の制約は、そのまま「私が作れる素材の種類と量」に
左右されていたのです。



●シルフェイド幻想譚(RPG)

<名前から推測されるイメージ>
『シルフェイド』世界のお話っぽいですが『幻想』なのでファンタジー世界のお話のようです。
人によってはファンタジー童話の物語系なゲームにも見えるかもしれません。
たぶんADVかRPGのどちらかだと思いますが、幻想って付くゲームはRPGが多いかも?

<実際のゲーム内容>
シルフェイド世界の浮遊島を舞台にした半フリーシナリオRPGです。
おおよそ内容から外れていないタイトルだと思っています。

ただこのタイトル名には少し問題があって、一部の漢字変換ソフトだと
『譚』の字がなかなか出ない場合があるらしく、それで
正式名称の普及力が少し低下してしまった感じがあります。
それでも、「シルフェイド」や「シル幻」といった略称のおかげでだいぶ救われました。
当時はSNSがそんなに流行っていなくて、掲示板時代だったせいもあるかもしれません。
(掲示板の名前を見て語り場を探しに行くことはあっても、
自分から打つ機会は今より多くなかったため)



●シルエットノート(アドベンチャーゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
「シルエット」はおそらくファンタジーというよりは「現代」や「未来」を感じさせる用語で、
「ノート」という単語から、これも現代感や、何かを調べるゲームである雰囲気が
予想されるかもしれません。アドベンチャーで探偵ものっぽく感じられるかもしれませんね。

<実際のゲーム内容>
近未来の海上都市アクアフロートで繰り広げられる、ときどき魔法少女もので
ときどき学園ものでときどきサスペンスなアドベンチャーゲームです。
登場キャラクターはある程度シルフェイド系に登場したキャラを元にしており、
シルフェイド系列であることをほんのり示すために、「シル」から始まる単語を選びました。

あえて『シルフェイド』と付けなかったのは、初の有料ゲームだったということもあり、
シルフェイドの名前に頼らずいくら売れるか挑戦したかった、という理由でした。



●モノリスフィア(マウスアクションゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
モノリス(石柱、四角っぽいイメージ)とスフィア(球体)を繋げた名前から察するに、
どことなく幾何学感があるので、前知識なしだと
パズルゲームっぽい印象があるかもしれません。
というか、一番最初はパズルゲームのつもりで作ってたんですよ。

<実際のゲーム内容>
実際は女神モノリスが力の源である(モノリ)スフィアを集めにいくアクションゲームです。
前回の「新ブランドなら分かりやすい名前の方がいいかも」という話の筋からすると、
あまり直感的じゃないゲームタイトルかもと個人的に思っている一本です。
だったらどう名付ければより効率的か、というのも、すぐ思いつかないんですけれどね。

語感の面では、『モノリスフィア』は割とよく付けられた方だと思います。
英語では『Monolith Sphere』となっています。
英語名だとこの矛盾したような名前に「おっ?」と思えるかもしれないので、個人的に好きです。
日本語だとその効果を活用しきれていない気がします。



●シルフドラグーンゼロ(シューティングゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
「ドラグーン」という単語がいかにもシューティング風なので、
これは多くの人がシューティングゲームだと推測できると思います。
かつて『シルフィード』というシューティングゲームも家庭用にあったので、
「シルフ」部分もシューティングゲームを想起させるかもしれません。
また、「ゼロ」と付いていれば竜に乗ったファンタジーものだと誤解する人は減るでしょう。
(「シルフドラグーン」だけだと「風の竜騎士」みたいに捉える人もいるかもしれません)

「ドラグーン」はその語感から、日本では「竜に乗った騎士」みたいな意味で
使われるケースも多いらしいのですが、
元の意味は「竜騎兵」→「銃で武装した騎兵」のことだそうです。
作中でも、近世ヨーロッパの竜騎兵から名前を借りて航宙戦闘機に付けている、
といった記述を入れています。

<実際のゲーム内容>
航宙戦闘機ドラグーンを駆って戦う1画面全方位シューティングゲームです。
だいたいゲームタイトル通りな感じがしますが、
全方位シューティングっぽさはさすがに出せませんでした。

これは『シルエットノート』の作中ゲーム『シルフドラグーン』が元で、
本作はその続編なのですが、そもそも元の方に「シルフ」を付けたのは
「シル」シリーズの系列であることをアピールしたかったからだったと記憶しています。

あと「ゼロ」が付くと、ゲームタイトルのかっこよさが
簡単にいくらか増える感じがしたので、
開発開始時にはとりあえず「ゼロ」を付けることを決めていました。
ストーリーも、この『ゼロ』のタイトルに合わせて作られています。



●シルフェイド学院物語(育成シミュレーション)

<名前から推測されるイメージ>
『シルフェイド』という学院で繰り広げられるお話を描いたゲームのようです。
アドベンチャーか、RPGか、といった感じでしょうか。
『物語』と付いている場合、個人的にはアクションゲームっぽさを感じにくくなって、
ターン制など非リアルタイム進行のゲームっぽさを感じます。

<実際のゲーム内容>
実際は、このゲームは『シルフェイド』島の学院で1年を過ごす、
近未来世界の育成シミュレーションゲームです。
タイトルだけ見ると『シルフェイド』の学院のお話っぽいので、
これこそ学園内のお話が多かった『シルフェイド見聞録』に
本来付くべき名前だった気もしますね。

『シルフェイド』と名前が付くゲームを並べてみると、
登場キャラやトーテムという存在や世界観が近いだけで、
結局のところベースとなる世界や時代は毎回変わってるので、
『シルフェイド』の定義とは一体何なのか考えさせられます。



●片道勇者/片道勇者プラス(ローグライクRPG)

<名前から推測されるイメージ>
ゲームタイトル名から察するに、「片道」なので出発したきり二度と帰って来られない、
「勇者」の冒険を描いたゲームのようです。

「勇者」と付いているので、ジャンルはいかにもなスタンダードRPGを想像させます。
クラシックな画面に大きいドットのキャラクターが歩き回ってるような、
そんなゲームかもしれません。


<実際のゲーム内容>
このゲームは『闇』によって画面左から世界が呑み込まれていく中、
二度と戻ることのできない一方通行の冒険を繰り広げるローグライクRPGです。
主人公が勇者だったり、魔王を倒しに行ったりするゲームなので、
ほぼタイトル通りの内容かもしれません。ドットはそこまで大きくないですけれど。

『片道勇者』は伝わりやすい名前ですし、
人によってはほんのり悲壮感も伝わってとてもいい名前だと思います。
(とても鉄砲玉っぽいあたりが)
これほど短く、かつ何かを想像させられそうな名前はもう付けられない気がします。



●プラネットハウル(マウスアクションゲーム)

<名前から推測されるイメージ>
「プラネット」という名前が付いてるので少しSFっぽい気がします。
「ハウル」は分かる人には分かる「遠吠え」という意味の単語なので、
分かれば動物っぽいニュアンスを掴めるかもしれません……が、
多くの人にはあんまりピンと来ないかもしれませんね。

SF感が伝わる一方、ジャンルは分かりにくいと思われます。
惑星を股に掛けたSFアドベンチャーか、異色のSF RPGか、アクションゲームか、
あるいは星ごとどうにかする惑星シミュレーションゲームかもしれません。

<実際のゲーム内容>
獣人系のキャラがいっぱい出てくる、
宇宙を舞台とした変則操作の機体を操るマウスアクションゲームです。

タイトル案として『アストロ・ケモノーツ』(「アストロノーツ=宇宙飛行士」にかけた名前)
という案が一瞬出たのですが、開発に関わる人が完全に私一人だけだったら
もしかしたらそう名付けていた可能性もいくらかあったかもしれません。
ちょっとお間抜け感があるので厳しい世界観には合わない感じもありますけれど、
アクションゲームっぽさが出るのと、獣人が出ることが非常に分かりやすいからです。

もう一つは『星の遠吠え』というタイトル案もあって、
「SF小説みたいなタイトルになるね」と共同開発者の方と話していました。
結局、アクションゲームっぽさを重視して『プラネットハウル』に決定した気がします。
日本語名のタイトルだと、あんまりアクションゲームっぽくない気がしたもので。



という感じです。いかがだったでしょうか。

ジャンルが伝わりそうなタイトルもあれば、全然分からないものもあります。
特に変則操作アクション系はジャンルが分かりにくい名前だったので、
タイトルで変則操作アクションっぽいアピールができれば、
そういうのが好きな(おそらく少数派の)人がもっと見つけてくれたかもしれません。

この多ゲーム時代、タイトルそのものが詳細情報を見てくれる確率に影響するのは
ほぼ間違いないので、今後もますますゲームタイトルの名付けは
重要になってくる気がしています。

たくさん作っていても、タイトルを付けるのはいまだに難しいことです。
中身が面白いことは大前提ですが、
「見ただけでおいしそうに見えるゲームタイトル」が付けられれば最高です。
中身が味なら、ゲームタイトルは香りの一部なのですから。

ゲームタイトルは普段あまり他人と比べないところなので、記事を書いていて、
「せめて自分に刺さるタイトルを見つけたらメモしておこう」と思い直しています。
ゲームタイトルは人にゲームをアピールするにあたって重要なパーツなので、
これまで以上によく考えていきたい部分です。



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■ 2017/05/27 (土)  私のゲームタイトルの付け方 ■
【私のゲームタイトルの付け方】

ご要望をいただいたので、今回は「ゲームタイトルの付け方」について、
個人的に意識していることをお話しします。


※人形とおもちゃの世界に飛ばされてしまった愛称ラッシー(仮本名ラーシア)の少女が
重量比の軽い人形軍団を蹴り飛ばしたりトランプの兵隊を四つ折りにしたりして
「これで暴力の快感に目覚めたらどうしよう……」などと不安になりながら元の世界に帰るべく旅をする物語で、
マウスだけで遊べるジャンプ方向アナログな「地上戦ベースのモノリスフィア」みたいになる予定でした。



といっても「タイトルの決め方」ってあまりに感覚的な話なので、
私も断定できるようなことはほとんどありません。
基本的には、私がこれまでやってきて「うまくいったかな」と思うことや、
私が開催しているゲームコンテストを見ていて感じたことなどを記していきます。
方向性としては、「なるべくゲームのポテンシャル限界まで普及させる・人気を取る」ために
私が目指している内容です。


主な内容は以下の通りです。

●「英語」や「難しい漢字」を避けて覚えやすい名前に。
覚えやすいほど普及力の面で有利になりそう。

●『内容が伝わりやすいゲーム名』は、ライバルが多い中ほど有利そう。

●『前に遊んだゲームの関連作品だと分かる』よう、
ブランドを意識して名前を付けると長続きするかも。

●同じゲーム名がないか調べておく。


ネットを検索すれば他の方もたくさん似たような話をしておられるので、
これだけ読んで全部分かる人には飛ばしてくださっても大丈夫だと思います。

ここからは、各内容の詳細説明です。



【「英語」や「難しい漢字」を避けて覚えやすい名前にすると
普及力の面で有利そう】


もうこれは誰もが言っている話なんですが、「SNSなどでの普及力を上げる」目的なら、
「英語」や「難しい漢字」を使うのを避け、
覚えやすいゲーム名を目指す方が普及力の面で効率的です。

「打ち込みにくい文字」「誤字を誘発する単語」「長い名前」は、

●見た人がゲーム名を記憶することが難しくなる。
●情報を拡散してくれる人がゲーム名を打ち込むためのコストも増大する


ことから、人の頭に入るのも、場に出てくる回数も減ってしまいます。

逆に入出力コストが小さければ小さい名前であるほど、
人々への「ゲームタイトル」の記憶回数と出現回数は増えます。
「覚えやすく、入力しやすく、短い名前」というのはそういう点でとても有利で、
「正式名称の普及度」が段違いに上がります。

ユニーク(単一)な名前を目指す目的でも、難しすぎたり、
打ちにくい単語はあまり使わない方がいいだろうと今は考えています。

私の付けたゲーム名だと、『片道勇者』が覚えやすさと入力しやすさの面で
最もうまくいった例になりそうです。

一方、『シルフェイド幻想譚』は昔、「譚」が漢字変換ソフトで出ないケースがあったり、
読み方が分からない人が一定数いらっしゃったので、
その点がちょっとマイナスに働いたかもしれないと感じているケースです。

なお、長いゲーム名でも「略称」がうまく流行すれば普及の面での問題は小さくなります。
が、うまいことインターネットの検索対策をしないと
「略称」を検索してもサイトが見つからないことがあるので、
ゲームの公式サイトがあるなら公式ページ内に必ず略称も入れた方がいいと思います。

私のツール『WOLF RPGエディター』では、一時期「ウディタ」と入れても
直接サイトが見つからなかったので、公式サイトの先頭にも
「ウディタ」という略称を書いたという経緯があります。


<日本でリリースする場合、英語は不利かも?>

日本でアピールするにあたって、「英語のゲーム名」は注意した方がいいかもしれません。
『Elona』ほどに誤字が発生しにくく短いゲームタイトルなら全く問題ないと思いますが、
以下の条件に当てはまりそうなものは普及力の面で不利になると考えています。

●7文字以上のスペルの英単語が含まれる。
●スペルをまちがえそうな単語である(flightなど難しめです)。
rとlで迷う、erやorなどが入る英単語、など。


こういった単語が含まれる名前だと、SNSなどでは
「ゲーム名を間違えるリスク」などから名前を気軽に入力されにくくなってしまうので、
カタカナを使う場合より普及力が一定以上低下すると思っています。
日本で出す場合は、せめてその英語のタイトルをそのままカタカナにした方が有利かもしれません。

たとえば「Celestial Silfade Story」は私が雑に付けた『シルフェイド幻想譚』の英語名ですが、
もし正式名称がこの英語名の方だったら、掲示板などで滅多に入力されなかったと思います。
特に「Celestial」の部分! 長い! エルとアールがややこしい部分もある!
ので、まだカタカナで『セレスティアル シルフェイドストーリー』にする方がいいかもしれません。
それでも長すぎてあんまりですけれどね!



【『内容が伝わりやすいゲーム名』は、
ライバルが多い中ほど有利そう】


今はフリーゲームどころか、企業さまが送る基本無料ゲームでさえもあまりに大量に出ていて、
ゲームのタイトルを覚えることも、全ゲームの詳細情報をチェックするのも
大変な時代になってしまいました。

こんな状況になると、個人開発のゲーム、あるいは企業製の「新作ブランド」も、
「一つ一つが注目される確率」は相対的にかなり低下すると私は考えています。

では、過去の資産に頼れない新作ブランドで売り出す場合は、
一体どんな名前にするのが普及させるにあたって効率的でしょうか?
そう考えた場合、だいぶ昔ながらの命名法である、

●ジャンル名やゲーム内容が強く伝わるゲーム名

を付けることは、割と強力な策なのではないかなと思っています。
というのも、

●現在はゲームの数が多すぎて、「名前のみ表示された一覧ページ」から飛んで
「詳細ページ」まで見てくれる人が割合的に減っているため


です。サイトにもよりますが、ダウンロードサイトで多くのゲームが並んでいる場合、
まず一番最初の一覧に出るのは「ゲーム名」と「バナー・アイコン」(+あって短い紹介文)が主で、
「詳しい紹介内容」はそのゲーム名をクリックして飛んだ先で表示されます。
現実世界の店舗で棚に置いてもらう場合も、ほぼ同様でしょう。

その中で少しでもお客さまに見てもらおうとするなら、
「ゲーム名」と「バナー・アイコン」だけでなんとか自分の作品に
注意を割いてもらうべく、情報を届けることが最重要です。

たとえば今のSteamでは、一日20~30件ずつゲームがアップされるので、
うちみたいな宣伝力に圧倒的に劣るところが何かゲームを出した場合、
「見ただけで興味を引く可能性がある名前+バナー・アイコン」でないと
ほとんど注目されずに流れてしまうリスクがあると考えています。
「ゲーム一覧」に並んでいる時点でお客様を引き寄せるかなりの努力をしないと、
そもそもゲーム詳細ページまで開いてくれないでしょう。

1日何十本もゲームがリリースされている中で、
あなたがたまたま「ゲーム詳細ページ」まで飛んだゲームがあるのでしたら、
それは作者様やパブリッシャー様が「ゲーム一覧」の時点で
うまくお客様を引き寄せる仕事ができている、ということなのだと思います。


<たとえばどんな名前を付ける?>

たとえば名前が決まっていないファンタジーのシミュレーションゲームがあるとします。
それは、重厚で練り込んだ世界観がバックにあるゲームですが、
そこであえてジャンル名重視の「タクティクスナイツ」という名前で売り出すことを考えてみます。

『タクティクスナイツ』なら、ファンタジー系シミュレーションRPGに興味がある人なら
ゲームタイトルだけ見て「もしかしたら好みに合うヤツかな?」と思われるでしょうし、
そのまま詳細説明ページまで見てもらえる確率も上がりそうに思えます。
もちろんその際、同時に表示されるであろうバナーやアイコンも、
雰囲気の方向性を伝えるのに役立つでしょう。

一方で、これが『タクティクスナイツ』という名前でなく、
ゲーム世界の名前から取って『クロモア・ロコマ』なんて名前にしていたら、
その名前だけではシミュレーションRPGを探している人はクリックしなくなるかもしれません。

代わりに、「独特なアート系の雰囲気のゲーム」を探している人には
クリックされやすくなる名前かもしれませんし、アイコンの雰囲気と名前から
「世界観重視のRPG」を期待する人もいるかもしれません。
そういうお客様は、詳細ページを見て期待と違うゲームだと気付いたら
前のページに戻ってしまうかもしれませんけれどね。

「ゲーム名」は多くのプレイヤー候補を獲得するための「第一の網」です。
自分の欲しい作品を探している人に少しでも見つかりやすくなるよう、
「タイトル」で中身のジャンルや方向性などを表現できれば強力です。

先の『クロモア・ロコマ』の例を取っても、名前の付け方一つで、
「第一の網」にかかるお客様の層が恐らくガラっと変わってしまうので、
私としては一番興味を持ってもらえそうな人に届くよう名付けたいと思います。


それと、「バナーやアイコン、画面にこだわっておけばタイトルはザツでもいいんじゃ?」
と思われることもあるかもしれません。
しかし、SNS上では画面やアイコンなしでゲームタイトルの文字だけが挙がることが一番多いので、
そこで名前を見た潜在ユーザさんに興味を持ってもらうためにも、
「ゲームタイトルそのもの」の重要度はとても大きいと考えています。


<分かりやすさ重視の弱点>

「分かりやすさ重視のゲームタイトル」は、もっぱら
「新しいゲーム性を持った作品」に使いやすい方法かもしれません。
ただこの発想で命名する場合、失敗するとタイトルがかっこ悪くなりがちだったり
あるいは雰囲気を伝えにくくなりがちなのが難点という気がしています。

たとえば前の方のイラストにある例の『ジャンプガールラッシー』は、
ジャンルの分かりやすさと引き替えに、メルヘン感の伝わり方が
だいぶ削れてしまっている印象があります。

一方で『片道勇者』は、「内容が伝わる名前」という方向性においては、
「かっこよさ」は微妙ながら「王道っぽさ」「RPGっぽさ」「戻れないゲーム性」は
伝わりやすいと思うので、そういった意味ではバランスがよい名前にできたと考えています。



【『前に遊んだゲームの関連作品だと分かる』よう、
ブランドを意識して付けると長続きしそう】


これはさっきの「内容を表現したゲームタイトルを付ける」とは
少し別の方向性になるかもしれません。
こちらは、私の経験談やブランドについてどう考えてきたか、ということをお話しします。

私が本格的にインターネット上でゲーム制作者として活動し始めたとき、
長くやっていくことを前提にしていたので、『ブランド』を確立していくべきだと考えていました。
最初に意図していたのは、以下の点です。

●タイトルを見ただけで同じ開発者が作ったということを分かるようにしたい。

→ たとえば私が最初に意図していたこととして、『シルフェイド』という世界を、
私が開発するゲームの共通の世界観として使うことで、
今後もタイトルを使い回しできるようにすることや、
連作にしてプレイヤーさんに続けて興味を持ち続けてもらうことを考えていました。
遊ぶ人は「作った人の名前」ではなく先に「ゲームタイトル」を見るはずなので、
同じ人が作ったということを示すならそれをタイトルに込めた方が有効だと考えたのです。



『シルフェイド』という名前は当時、競合がないオリジナルな名前であるにもかかわらず、
割と覚えやすく、たまたま私が思いついた名前の中では最高のものでした。
それもあってか、今では割と多くの人に認知されて感謝の限りなのですが、仮にうまくいかなくても、
基本的には共用世界観としてずっとこの名前を使っていくつもりだったのです。

そして実際のところ、『シルフェイド見聞録』と『シルフェイド幻想譚』までは、
この発想はうまくいったように思えます。
今でも、『シルフェイド』と付いていればそれだけで興味を持ってくださる潜在プレイヤーさまも、
たぶん少なくないと思います。時間経過と共に、徐々に減ってはいるでしょうけれどね。


<ブランド付けの分岐点 方向性が違うゲームも同じブランドにすべき?>

そしてあるとき、『シルフェイド』のブランド付けの分岐点が訪れました。
私が初めてアクションゲームを作ろうとしたときに、
そのゲームに『シルフェイド』と付けることも考えたのですが、

『ジャンルが大きく違う場合は完全に別のゲームタイトルを付けた方がいいかも』

と立ち止まることになりました。
プレイヤーさんから、以下のような感じ方をされるかもしれないからです。

●『シルフェイド』って名前が付いていたから、
これまでに近いゲーム性を期待して始めたのに、
いざやってみたら完全に人を選ぶアクションゲームじゃないか! なんだこれは!


これは、それまでアドベンチャーやRPGとして2作出していた『シルフェイド』シリーズの次に、
マウスアクションゲーム『モノリスフィア』を作る際に私が想像していたことで、
「あまりにゲーム性が違う場合は同じ名前を付けるのは危ないかな」と考えていました。

それまでに、『シルフェイド』という名には「とりあえずほぼ誰でも遊べるゲーム」という印象が
根付いてきた感じだったので、それはそれで大事にしたいなと私は思いました。
もしここで『シルフェイド』という名前に対し、「この名には人を極めて選ぶゲームも含まれる」
という警戒感を持たれてしまったら、安心感という意味でのブランド価値は一定量落ちてしまうでしょう。
それはちょっと今後を考えるともったいないかな、と私は考えました。

その結果、私は新作のアクションゲームに、
まったく別の名前である『モノリスフィア』と名付けることにし、
世界観も新たなものにしたのです。


<同じ名前を、大きく異なるジャンルで使えるか?>

ちなみに、家庭用ゲームの世界では
「元がアクションやシューティングゲームだったシリーズの世界観を
シミュレーションゲームとして出したりしてうまくいっている例」

などもあったので、「アクションにするから別の名前にしよう」という発想が
よかったのかどうかは、今になっても分かりません。

例えば家庭用ゲームにおいて、●●という名のアクションゲームが、
「●●ウォーズ」というリアルタイムストラテジーゲームになったり、
▲▲というシューティングゲームが「▲▲タクティクス」という戦略シミュレーションゲームになったり、
といった事例が過去に存在しています。それなりにうまくいっていました。

ただ、このケースでは「リアルタイム進行」のアクション/シューティングゲームから
ある程度進行がゆっくりめまたはターン制のシミュレーションゲームになっていたので、
その部分もある程度うまくいっていた理由なのかもしれません。
理屈を付けるとしたら、以下の通りです。

●「激しいアクションゲームができる人が、シミュレーションゲームを遊べる可能性」
はそれなりに高いと予想される。

●逆に「シミュレーションゲームしか遊ばない人が激しいアクションを遊べる可能性」
は低そうな気がする(仮にアクション化するなら、ゆるめで素直なゲームの方がよさそう?)。


上記の推測はたぶん、ある程度は合っていると思うのですが、
こういった仮説の上では、『モノリスフィア』に『シルフェイド』系の名を付けようとした例のように、
「ターン制ゲームのシリーズと同じゲームタイトル」を付けて
「人を選ぶ変則操作のアクションゲーム」を出すのは危険すぎる
気がしています。

結果として、それまで『シルフェイド』という名前を使っていたけれど、
変則操作マウスアクションゲームに『モノリスフィア』という
新たな名前を付けたことには、今でも満足しています。

そして、もし違うジャンルでブランドを使い回す場合は、
「アクションゲームのブランドをターン制ゲーム化する」(ゆるい方向に変化させるのはOK)
という方向性で使った方がいいかもしれない、と今は思っています。

私はこういった発想で、ブランド面を意識したゲームのタイトルを付けてきています。


<現状のブランド>

今のところ、私の作るゲームでは、以下のような使い分けで
ブランド化していくことを考えています。

●『シルフェイド』シリーズ
 → 攻略法を知れば割と誰でもクリアできる、お話が多めの固定ステージ進行のターン制ゲーム。
ランダム生成なゲームはあまりこの名を使わないようにしたいと考えています。

●『片道』シリーズ
 → 腕前を問われる、お話少なめのアドリブ重視ターン制ゲーム。現在次回作開発中。
これも最初は、『シルフェイド』と付けてしまうと「なんだこれは!」と言われそうだったので、
『シルフェイド』の名は使わず、別名として『片道勇者』と付けました。

●その他:オリジナル名の変則アクション
 → 人を選ぶ、変わった操作性のアクションゲーム。もちろんリアルタイム進行型。
シリーズ・ブランド化する前提としては部分的にでも「世界観の共有」が必要だと思うので
毎回世界観が変わるアクションではブランド化はなかなか難しそうです。

ちなみに、アクションゲームではそこまでギチギチに物語を詰めなくてもいいので、
私のネタの中で使われずに浮いている短いストーリーや
世界観を突っ込むのに便利に使わせていただいております。

●それ以外のゲーム
 → 世界観が違っても、付けられそうならとりあえず「シル」だけでも
名前の先頭に付けてみて、うちのゲームっぽさをアピールします。
すごい雑な発想ですが、『シルエットノート』もその考えで名付けられました。
『シル』と先頭に付いたゲーム名を見たとき、ごく一部の人でいいので
なぜか私のことを一瞬思い出せるくらいには印象に残せるといいなという期待があります。



という感じです。ブランドを考慮して名前を付けられれば
それまでの「知名度資産」とでもいうべきものを活かしやすくなるので、
ゲーム開発人生を長続きさせやすい気がしています。
長く続けていきたいとお考えの方は、よければぜひご一考を。



【同じゲーム名がないか調べておく】

最後に。すごく当たり前ですが、思いついたタイトルは必ず検索エンジンでかけて、
同名の既存作品がないか調べておきましょう。

といっても、今回述べた中の「内容が伝わりやすい名前」を付ける場合、
「ありきたりな単語」だけで分かりやすいゲームタイトルを組もうとすると、
かなりの確率ですでに同名のゲームが存在するんですよね!

さっき挙げた『タクティクスナイツ』などは偶然にも日本語ゲームにはまだなさそうですが、
こんなシンプルな名前ほど、すでにその名前のゲームが存在していることが多いはずです。
『片道勇者』なども、こう名付けられたのはたまたま運がよかっただけです。

もしまだ誰も名付けていない「非常に分かりやすく内容を表せるゲーム名」を思いついたのなら、
誰かとかぶってしまう前に、早く発表したほうがいいかもしれません。
できれば念のため、「商標」も検索しておくとよさそうです。



ということで、私がぼんやり考えている、
「なるべく普及させる/長続きさせるつもりで考えているタイトルの付け方」
として意識していることを一通り紹介させていただきました。

ゲームタイトルは潜在ユーザさんに興味を持ってもらう第一の網である都合上、
名前が違っていればここまで遊ばれなかっただろうな、と思うゲームも、
私が開発してきた中にはあります。
一方で、名前がイマイチで私が作ったことに気付かれていなかったり、
覚えにくかったりしたであろうものもあるので、
中にはゲームタイトルが普及の足を引っ張ってしまったものもあると思います。

「違うタイトルで同じゲームを出す」ことはできないので、
ゲーム名の差による効果を検証することはなかなかできません。
なので、今回お話ししたこともどれだけ有用か、私にはあまりハッキリしません。

最終的には皆さんのお好きなように付けてくださればいいと思っていますが、
寄せられる範囲で、「潜在ユーザさんに興味を持ってもらえる確率が高まる」よう意識してみたり、
「ゲーム開発を長く続けることも考慮に入れて名付けてみる」ことで、
ゲームのポテンシャルを最大限に引き出す結果を出せるかもしれません。


できれば私も、他の人のも並んだゲーム一覧を眺めて、
ゲームタイトルやバナー・アイコンを見ただけで
「これは商品ページを開きたくなる」「これはそうではなさそう」
と直感できるセンスも鍛えていきたいですね。

私の場合はSteamをときどき見ているんですが、
つくづく「分かりやすいタイトルは強いな!」と感じます。
私が詳細ページまで飛ぼうと思えるゲーム名は、

●内容が想像できる、自分の興味と合うゲーム名
●どこかの記事ですでに見たことがあるゲーム名


の2つだけでほぼ100%になります。
皆さまのゲーム選びにおいても、これと近い基準の方は多いかもしれません。

自分のゲームも、せめて「詳細ページ」まで見てもらえるよう、
興味を持ってもらえるゲーム名にすることを心がけたいです。



来週はこのお話のおまけとして、私の各ゲームの名前について
簡単に自己レビューしていこうと思います。

そして「こんな話を聞いてみたい」などの拍手コメントをお寄せくださっている皆さま、
いつも本当にありがとうございます! お答えできそうなものは、
ぜひ今後の記事で取り上げさせていただきたいと考えております。


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■ 2017/05/13 (土)  楽しくて学べるゲームの作り方 ■
【楽しくて学べるゲームの作り方】

前回から引き続き、今回もゲームの作り方のお話です!

前回の記事でご紹介した『完成させるための作り方』は、
「あまり楽しくない部分もあるので、たぶん経験者向けです」と私は言いました。

では、初心者におすすめな「楽しくて、かつ経験値を多く得られる作り方」には、
どんな方法があるでしょうか?

今回お話しするのは、あくまで私の体験を元におすすめするやり方ですので、
だいぶ主観が強いですし、どれほどの人にお役に立てる話かは分かりません。
また、このやり方は「完成させること」を前提にしていませんので、
それも念頭に置いた上で、読み進めてくだされば幸いです。





【初心者向けの作り方、まずどんな『方向性』?】

前回の最後にも言いましたが、「一つ一つのものを面白く作るコツ」さえ
よく知らない状態でいきなり大きなものに挑むと、
10個作ったもののうち、1~2個くらいしか面白く作れない
かもしれません。
そうなった場合、たとえ完成しても辛い結末しか待っていないのは明白です。

よって初めてのうちは「大きなものを完成させる」ことよりも、別の方法で
多く経験値を得て、一つ一つのものを面白く作れるようになったり、
その他の経験を積むことを優先した方がたぶん効率的ではないか、と考えています。

そこで今回ご紹介するやり方の大きな方向性は、以下の通りとなります。


< 『楽しくて得るものが大きい作り方』の方向性 >

●作る面白さや短期的な満足感を重視して作る。
●なるべく素早く、多く評価してもらえる形態で作る。
●プレイヤーからのフィードバックをすぐに反映できる形で作る。
●完成させることは考慮に入れない。



それぞれについて、少し詳しく説明します。


●作る面白さや短期的な満足感を重視して作る。
→ あなたが初心者の人なら、ここはもう当然外せないところです!
といってもどんなことでも、たぶん無意識に取りかかると、
自然と面白さ重視の方向性になってしまうと思います。


●なるべく素早く、多く評価してもらえる形態で作る。
→ よりテンポ良く、たくさんの回数評価してもらう方が
当然、経験値の溜まり方が早くなります。
最短でたくさん評価してもらうにあたって、よさそうな方法を目指します。


●プレイヤーからのフィードバックをすぐに反映できる形で作る。
→ プレイヤーの人から送られてきた意見を取り入れ、実験してみるのは重要です。
「これがダメなら、一体どうやれば君たちは満足するんだ! これか!?」
と腹の内で思いつつ、色々試して、何度も見てもらうやり方を目指します。


●完成させることは考慮に入れない。
→ 今回のやり方では、「完成させる」ことは二の次とします。
「完成させるように作る」だけで作る面白さが相当に削がれるためです。

というのも、完成させようとすると、計画性が要求されたり、
追加の不安が生まれたり、素材作成へのコスト配分やペース配分も必要だったりで、
思考にかかる総コストが大幅に上がってしまう割に、
部分部分への満足感が減ってしまいやすくなります。

なので慣れない間は「楽しいところだけ最低限の手間で味わってもらう」ということで、
今回のやり方は完成させることを考えずにとにかく「作る面白さ」を重視します。
もちろん、最終的に完成してしまう分には全く問題ありません!

あと、私はゲーム作りに初めて触れてからの最初の数年間、
「完成を目指そうとしてしまって、ずっと詰まっていた」ので、
それも「最初は完成させない」ことをおすすめする理由の一つです。

私と似たタイプの人だと、たぶん、ただ「完成させる」という要求を入れるだけでも、
簡単に何年も完成させられない状態になってしまうことでしょう。
きっと、「よいものを出さねば」と思っている人ほど、そうなってしまうと思います。

あの頃は、「人にお見せするからには『よいもの』でないといけない」と内心では思っていながらも、
最初から上手に作ることなどできなかったので、作ってみた一個のものにさえ満足できず、
ずっとゴールのない『練習』や『試行錯誤』をし続けて、先に進まなくなってしまいました。

具体的には、完成品を作る気概だけはあったものの、
全然進まないまま細部を何度も作り直してみたり、
ドットやマップやイベント作りを色々試したりするだけになってしまい、
結局いま振り返れば、何年もかけて完成させるふりをして
「経験を貯める作業」に従事するだけ
になってしまっていたのです。

ですが、こうなるくらいなら、最初からもっと効率的に経験を貯めることを目的にしたほうが、
人生の時間を無駄にせずに済むかもしれません。
それに、一人で悩んでいたことの7割くらいは実は大した問題ではありませんでしたし、
本当に大事なことは、「実際に人に見せて意見をもらって、初めて気付いた点」の方が
圧倒的に多かった
のです。


私は上記の経緯で一度挫折した後、たまたま新たな取り組み方を選んだのですが、
それは偶然にも、レベルアップする目的において非常に効果的なやり方でした。
今回はそれをご紹介します。



【初心者の人におすすめする作り方】

ということで、いよいよ本題の「初心者の人におすすめする作り方」です!

早速ですが、「面白さや満足感を重視」「素早く多く評価してもらう体制」
「フィードバックを反映してすぐ試せる」「完成させることは考えない」
の4つが揃った、私がゲーム開発初心者の人におすすめするゲームの作り方は、
以下のようなやり方です。



<1.何も考えずに、前から順に『全力の質』で作る>
全力でゲームを前から作る。素材やテキスト全てに対し、
後先を考えずに全身全霊で労力やネタを詰め込んでいいものとする。
ゲームシステムも、動くならまずは一部分からだけで構わないとする。

<2.一定以上できたら、そのたびに必ず『見てもらう』>
作ったものが「少し」できたら、必ず人に見せて意見や感想をもらう。
「少し」のペースは、数週間から一ヶ月程度、最大でも三ヶ月くらいが望ましい印象。
見せるのは友達でもSNSの知り合いでも一般公開でも、範囲や対象は自由。

<3.『やる気が尽きるまで1→2を続ける。飽きたらやめる>
ひたすら1→2の手順を繰り返してゲームを大きくしていく。
やる気が尽きたり飽きたりしたら、完成していなくてもそこで終わってよい。
あるいは、1→2の手順が1回で終わる「ミニゲームをいくつも完成させ続ける」やり方もOK。



一言で言うと、「小さい単位で全力で作って、少しずつ人に見てもらう」というやり方です。
連載形式で出していくやり方や、徐々にアップデートしていく方式、
あるいはミニゲームをポンポン出していくような形になるでしょう。

実は、前回の記事で最初に「完成させられなかった失敗例」として挙げた
「全力で前から順にひたすら絵やデータを作っていく」というやり方は、
「一番早く開発の満足感を得る」ことにおいては非常に効率的な方法でした。

そして今回ご紹介した上のやり方は、その「一番早く満足感を得る方法」に加えて、
「たくさんの経験値を得るため」の工夫として『見せる』手順を混ぜた方法となっています。

私の場合は、最短で多くの経験値を得られる『修行』を楽しくやるにあたって、

「全力で少しずつ作る連載形式を取り、1話分をアップデートしたらそのたびに見てもらう」

というやり方をこれまで3回ほど使いました。

その3回中、2回は未完になってしまいましたが、とにかくこのやり方の一番重要な点は、
『完成させるためのペース配分だとか後先をまったく考えずに、
全身全霊で自分の力をぶつけて好きなものを作って』

そしてそれを『見せて』いくことです。

『見せる』の部分が特に重要ですので、
いくら恥ずかしくても絶対にそこは外さないでください。
私も相当な勇気がいりましたが、そのとき誰かに何度も『見せて』いなければ、
今の私はここにはいなかったでしょう。

どのくらい勇気がいるかというと、公衆の面前で
下着を全開にして見せるくらい恥ずかしいです。
さらに『物語』のように、見られるのが自分の『内面』だったりすると、
もしかしたら全裸になるくらい恥ずかしいかもしれません。
創作はそもそも自分の見えない部分をさらす行為なので、どうか耐えてください。

といっても私の場合は運がいいことに、最初は学校の友達だけに見てもらって、
そこで「これなら次は広い場で見てもらっても大丈夫かな?」と自信をもらった上で
インターネット上に公開する流れを取ることができました。
内気で恐がりだった私では、一人だとインターネット公開までできなかったでしょうから、
いい友達に巡り会えたのも今ここにいる理由だと思います。



この『少しずつ全力で作っては見せる』やり方には、
私がゲーム開発者としての初期段階の栄養を得るために
とても大きな利点がありました。

このやり方で私が得ることができたものを、以下に挙げていきます。



【質の最大値を知ることができる】

まずペース配分や後先を考えずに全力で挑むことで、
自分が作れる「質の最大値」を知ることができます。
絵だけはすごくきれいに作れるとか、お話だけは面白く作れるとか、
快適なインターフェースが自作できる、キャラのドット絵がすごく動く、など、
何かしらの点であなたのピーク値を出せるはずです。

「完成させる」方向でいくと、どうしても労力やアイデアをある程度配分せざるをえなくなり、
『あとさき考えずにやたら全力で作る』といったことがやりにくくなるため、
「どこまでも遠慮なく質の最大値を試し続けられる」のは
「完成させない」前提だからこその最大のメリット
です。

もちろん「全力を出した結果、どういう評価をもらえるか」
という点に着目するのはもっと重要です。
期待通りの反応を得られてその技にもっと自信を付けられるかもしれませんし、
あなたが得意だと思い込んでいた技術が
実はそれほど評価を得られないかもしれません。

あるいは、自分としては平凡だと思っていたことが
なぜか異常に評価されたりして、自分の新たな『素質』を知る
かもしれません。
この話は、2つ後ろの項目でも述べていきます。



【量の限界を知ることができる】

限界の質で作り続けていれば、いつかやる気の減少や飽きなど何らかの原因で
続けられなくなるでしょうから、そこで開発を終わりにします。
(これに備えて、プレイヤーさんにはいつ開発を打ち切るか分からないことを
あらかじめ伝えておくといいでしょう)

開発を続けられなくなった時点で、
「あなたが最大値の質を出し続けた場合に、一体どのくらいの『量』を作れるのか」
ということが分かるはずです。これは後々、貴重な情報になります。

たいていの場合、意外と多くのものを作れないことを知るかもしれません。
「よく動くキャラクターのドット絵を描けるが、いざやると10体くらいが限界だった」
「無限に書けると思っていたが3時間プレイできるくらいのテキストを書くのが限界だった」
などです。

この『量』に関しては、『期間』と言い換えてもいいと思います。
最初に情熱を持って始めて一本を開発するにあたって、
一体どのくらいの期間までなら飽きずに続けられるか。
それはあなたにとっては三ヶ月かもしれませんし、一年かもしれません。
それが分かっていれば、本格的に一本作るときに、無理のない計画を立てやすくなります。

私の場合はとても意欲的な状態でも、1年くらい経った辺りから
気力が目に見えて減少し始めるようなので、
できる限りそれまでに決着を付けられるようにするか、
あるいはコアのところを開発し終われるように意識しています。

たいてい、この『期間』をオーバーすると作れるものの質が急激に低下していくと思うので、
密度の高いゲームを作りたいならば、開発期間の設定は重要です。



【自分の素質や弱点、高コストな部分を知ることができる】

作ったのがほんの一部分であれど、一定以上の人に見てもらうことで、
「あなたが平凡だと思っていた成果物なのになぜか評判がよかったもの」、
言い換えると、
「あなたが通常攻撃やパッシブスキルみたいなつもりで使ってるのに、
実は大きな成果を発揮できていた『素質』」

に気づく機会も増えるはずです。

というのも、自分にとって一番得意なことってたいてい「無意識にやれてしまう」ことなので、
自分自身では気付けないことが多いと私は考えています。
なので「普通に作っただけなのになぜか高い評価をもらった」部分というのは
おそらくあなたにとっての強い『素質』であり、それは今後もずっと多用できる武器になります。
なにせ、「低コストで高い結果を出せる」んですからね。

それ以外にも、
「作るのは好きなんだけど、なぜか不評ばかりな部分(苦手な技)」
「ウケはすごくいいんだけど、作るのが大変な部分(MP消費が激しい強い技)」
などに気付くこともあるでしょう。
早期にそれらを学べれば、今後の「自分の使い方」を考えるにあたって重要な材料になります。

たとえば、新たなゲームを作るときにも、

●「低コストで大きな効果が出せていた」技をなるべく多用できるような設計にする。
●「MP消費が激しいけどウケはいい部分」は要所ごとに使うようにする。
●「どうがんばってもウケが悪かった部分」はそもそも多く作らずに済むようにする。


といった風に、周りからの評価によって自分を知れば知るほど、
「自分を最大限に活かせるゲーム開発」ができるようになっていくはずです。
「他者からのウケがいい技」を中心に使って作ったゲームは、
そりゃ基本的には良い品質になります。自分の強みは遠慮なく活かしましょう。

私の場合、人からの評価で「自分はキャラ作りやセリフを書くのが得意なのかも」と感じましたが、
後に、それをメインに据えると期待した量が全然作れないことを知りました。
実は、それをメインの武器にするにはMP消費が大きすぎたのです。
一部の小説家の人のように、ものすごい量の文章をバリバリ生産し続けることはできません。

今はそういったMP消費が多い技は、なるべく要所要所だけに使うか、
あるいは量が足りなさそうな場合は他の人の手を借りるように意識しています。



【自分の作ったもので喜んでもらえることを知る】

「一部分だけを作って誰かに喜んでもらう」ということは、
実は「完成品を見て喜んでもらう」ことよりもある程度簡単
だと私は考えています。
なぜかというと、一部分だけに最高の情熱とアイデアを詰め込んで作った「密度」は、
ほとんどの場合、「完成品」よりも高くなるからです。
何より、1回あたりの挑戦のコストが段違いに少なくて済みます。

そしてゲーム作りの原体験として、
「自分の作ったものが、一部分といえど喜んでもらえた」
という経験を少しでも早い内に得ておくのは、後々とても大事になります。
喜んでもらえるかどうかは運次第とはいえ、見てもらう回数を増やせば、
それだけ「自分の力で喜んでもらえる部分」を発見するチャンスが増えるはずです。

「誰かに喜んでもらえた部分」は、今後も自信を持って作れるようになると思います。
ゲーム開発では大きな我慢が必要になることもたびたびありますが、
経験に裏打ちされた「たぶんここは喜んでもらえるだろう」という自信は、
心をとてつもなく折れにくくします。
その「自信」は開発におけるほぼ全ての面において、あなたを助けるでしょう。

なお、最初はその自信を得た影響でいくらか『慢心』してしまうこともあると思うんですが、
どこかで怒られたり、慢心のせいで失敗したりすることで、
いずれバランスの良い『自信』に調整されていくはずです。

大人になるまで、生きててずっと自分の存在意義を確認できなかった私のような人の場合、
「自分の意志で始めたことで誰かに喜んでもらえた」という体験をしてしまうと、
嬉しすぎて何年かおかしくなってしまいます。でもきっと、いつか通る道です。



【細かい部分への肌感覚を学ぶことができる】

「小さく作る」のに比べ、「完成品を作る」ことで逆に不利になってしまう点があります。
その中でも『評価や意見、感想をもらうこと』に関しては、
完成品の方に以下の不利な点があるのではないかと私は考えています。

●完成品を一気に見てもらっても、含まれている要素が多くて
目立つところしかコメントされないことが多く、
細部のどこがよかったかがあいまいになりやすい。


ほとんどの場合、完成品をまるっと見せたときには、
プレイヤーさんはゲーム全体のうちで最も気になったところの
いくつかしかコメントしてくれないことが多いはずです。

そしてたいてい、一番目立ついい点、あるいは悪い点に
注目が集まってしまって、その影響で他の
細かな「いい部分」「悪い部分」を教えてもらい損ねてしまうこともあるでしょう。

たとえば「完成品」を見せて、
劇中のワンシーンや物語のどんでん返しが非常によかったとしたら、
そこだけがみんなの主なコメントとして挙がってしまって、
せっかく作ったゲームシステムや細々としたキャラクター、
小ネタなどの細部についてはコメントされにくくなると思います。
それによって、街の住人にもいっぱい面白い会話を作ったのに、
どれにも何のコメントがない
、なんてことは日常的に起こりえます。

すごく丁寧にレビューしてくれる人や、凄くたくさんの人に遊ばれたなら、
細かい点にコメントしてもらえることもあるのですけれど、
私の印象的には、完成品を一回見せてコメントをもらえる部分はたいてい
「全体の10%にも満たない場所から」で、
作った内の残り90%の部分はコメントに挙がりません


一方、「小さな部分ごとに見せて評価してもらう」ようにすれば、
作った単位ごとにコメントをもらうことができ、善し悪しを細かく把握しやすくなります

また、もし足した「小さな部分」の中であなたが「新たな挑戦」をしたならば、
「その挑戦した部分だけ」の善し悪しをプレイヤーさんに評価してもらえる可能性も上がります。
そしてそこに問題があれば、そのたびに直して、見せて、次の評価を待てばよいのです。

「新たに作った部分や改善した点について、一つ一つフィードバックをもらえる」
という状況は、ゲーム開発についてまだ何も知らない状態から、
色々試行錯誤してみたり、ゲーム開発の知見を得るにあたってものすごく強力です。
プレイヤーさんも、見るものが少なければ新たな範囲だけを注視してコメントしてくれるので、
例えば「5%分」を作って見せれば、うち半分の2.5%分くらいに意見をもらえる可能性があります。

そうやって細かく見せたことで、最終的に100%分作ったうちの合計50%の部分について
何かしらのコメントがもらえたとしたら、完成品から10%のコメントをもらう場合に比べ、
単純計算でなんと5倍の速度で経験値が溜まるのです!
これらの数値は仮のものですが、得られる情報はまちがいなく何倍にもなります。

私にとっては、そうやって得てきた様々な肌感覚が今でも非常に役に立っていますし、
細かい部分への配慮について学ぶきっかけにもなりました。


逆に、「見てもらう」ことをしていなかった期間はずっと自分の力に対して疑心暗鬼のままで、
「自分が何をすれば人に喜んでもらえるのか」を知ることができないまま
でした。
本当に、ただ『人に見せる』ことをするようになった瞬間から急激に世界が開けたのです。

私の見て来た中では、ゲーム開発の初期の成長が早かった人は、だいたい何らかの形で、
「小さいものを作って、早いサイクルで人に見てもらう」
という体験をしている人が多いような気がしています

実は、彼らが持っていたのは「短期間で多くを学べる才能」ではなく、
「自分の『育成』の仕方が、とてつもなく効率がよかった」だけかもしれません。


なお、細かい部分についての反応を見たいならば、
今では「実況配信プレイをしてもらう」という方法も強力です。
(実況配信プレイ:ゲームをプレイしながら声でもコメントしつつ映像配信するプレイのこと)
友達に実況配信でテストプレイしてもらうだけでも、たくさんの情報を得られるはずです。

昔は、ゲームへのコメントを得る方法といえば、
掲示板などに書き込まれる「自発的に言ってもらう発言」しかありませんでしたが、
実況プレイなら細かい部分への不満や、楽しめている点も把握しやすいので、
小さい単位での情報収集が以前よりも容易になっていると思います。

とにかくどんな手段でもいいので、細かい部分への反応を収集することに
どん欲になることが、レベルアップのためには一番重要なことだと私は考えています。

耳が痛い意見もたくさん飛んできますが、
そのたびにそれまで気付かなかったことに気付いたり、
または自分とプレイヤーの感覚が微妙に違うことを知ったり、
あるいは意見への対応がうまくいかなくて大変な目にあう経験もするでしょう。
しかしそれを繰り返していくうちに、だんだんとうまく作れるようになっていくはずです。



ということで、「完成させる前提を持たずに、全力で少しずつ作っては見せていく」やり方の
利点をまとめると以下の通りです。

●自分が出せる『質』の最大値を知ることができる。
●その質で作れる『量』の最大値を知ることができる。
●気づかなかった自分の『素質』、『弱点』を知ることができる。
●『自分の作りたいものを作って喜んでもらえる』ことを知ることができる。
●作ったものごとにプレイヤーがどう感じるかという、
『細かな部分への肌感覚』を知ることができる。


私が未完にさせてきてしまった作品によって得た上記の情報は全て、
今でもずっと私の支えになっていますし、より良い成果物を作る重要なヒントになっています。

未完の連載ADV『シルフェイド見聞録』は、1話を公開後、
短い方だと1~3ヶ月くらいのスパンで新しい話を作って
皆さんに見てもらっていたと思います。

普通、ゲーム開発ではそんなスパンで新作をリリースしたり、
感想をもらえることはありませんが、『シルフェイド見聞録』では
途中で自作の戦闘システムを入れたり、物語の見せ方を少しずつ変えてみたりと、
やりたいことも織り交ぜて色んな感覚を掴んでいくことができました。

意外とプレイヤーさんは期待通りには遊んでくれないことや、
同じ課題でもできる人とできない人がいることや、
同じ内容に対してもつまらないと思う人や面白いと思う人がいることや、
自分がこういう意図で作ったものは賛否両論だったけど、
こういう意図で作ったものは多くの人に受け入れられやすいとか、
「自分の手の動かし方」に対する様々な知見をこの身で感じることができたのです。

たとえ頭では分かっていることでも、
「自分がどう考え、どう手を動かしたか」というインプットと
「皆さんの反応」というアウトプットの組み合わせが大量にそろって、
初めて理解できた
ことは山ほどあります。
これまで開発日誌に書いてきた数々のことも、まさにそうして得たものです。

初めて完成させられた中編RPGの『シルフェイド幻想譚』で運良く良い評価を得られたのも、
その前に「小さなものを早いサイクルで見てもらっていた」ことで
多くの経験を得られたからこそだと私は考えています。



【この方法、『完成品』に対しても使えます】

復習ですが、前回はレベル1「最低限の骨を作る」→
レベル2「肉付けをする(短編完成)」→レベル3「成長させる」、という順に進め、
レベル3でやる気や時間がなくなったら終わり、という方法をご紹介しました。

そして今回の「少しずつ作っては見せる」やり方は、
前回の「完成させる作り方」のレベル3「成長させる」だけを抽出して、
そこに『小さい単位で見てもらう』工程を挟んだもの
ということもできます。

つまり、『完成させる作り方』でレベル3まで達した後、
徐々にアップデートしながら小さい単位ごとに『見せる』方法にすれば、
今回の利点をほぼそのまま得ることができる
のです!

「早期アクセス(アーリーアクセス)」や「リリース後に随時アップデート」
といった形でリリースしているゲームは、そういったやり方に近い気がします。
開発者側もプレイヤーさん側も楽しみやすい上に、
開発の経験値も溜まりやすくて、一石二鳥です。

私の場合は、『片道勇者プラス』のベータ版を公開した後などがそれに近い状態でした。
ほぼ毎日のようにバグ修正や微調整を計10~20点くらいやっては、
そのたびに皆さんに見てもらうという大変なサイクルを繰り返していたのですが、
当時はその大変さを乗り越えられてしまうほどに、
「修正に対してフィードバックをもらえるループ」が楽しかったと思います。
そしてもちろん、その過程で得られた知見も山ほどありました。

ある程度熟練した開発者の人でも楽しくやれる上に、さらなる成長もしやすい!
私は今になっても、『少しずつ作って見てもらう』というのは素敵なやり方だと感じます。


<まとめ>

小さい単位ごとに見せることで、『細かく反応や意見をもらう』というのは、
小さく作って見せていく最大の利点であり、
大きな完成品を一度に見てもらうことではなかなか得られないことだと思います。

ゲーム作りが初めてで、何もかもが未知である状況下では、
この方法を使ってまず自分の能力について知ったり、肌感覚を学んだり、
自分の力で作ったものが誰かに喜んでもらえる機会を増やすのが、
きっと楽しくて、最終的には自分の強化にも繋がるのではないかなと私は考えています。

何より、何も知らない状況で最初から大きなものを作ろうとすると、
致命的に見当違いのものを作ってしまう可能性が高くなってしまいます。

まず少しの労力を色んな方向に使ってみて、あなたの力で喜ばれる方向性を学んで、
効率的に喜ばれる方法が分かったら、その方向により大きく力をそそげばいいのです。
大きなものを完成させるのは、色々なことを掴んでからでも遅くないと思っています。

……と、私は考えているのですけれど、いかがでしょうか。



【おまけ 昔の話とこれからの話】

最後に、私が初めて人にゲームを見せたときの、昔の話をします。

私は子供時代からずっと「ゲームは完成させないとダメだ!」と思っていましたが、
結局、何年間も何も完成させられままでした。
ゲーム作り自体はずっと続けていたものの、
あるとき、目標にしていたゲームコンテストが終了してしまい、
目指す場所を失った私は絶望にくれてしまいました。

ある日、完全に吹っ切れた私は、何だかんだでたった5分間しか遊べない
レジェンドオブレストール1の「1話だけ」を作って友人に見せたのですが、
それが思った以上に喜んでもらえました。
「誰にも指図されず、完全に自分の意志だけで生みだしたもの」で、
なんと友達に笑ってもらえたのです!

そのとき、「すごいものを作らなくても楽しんでもらうことはできるんだ!」
という、当時の自分にとって衝撃的な事実を私は生まれて初めて知りました。
その原体験は今でも、私の開発における心の支えになっています。
それ以後、その友人たちに対してレジェンドオブレストール1を「連載」し続け、
それが一段落ついたあたりでこのサイトが生まれることになりました。

私にはこういう経験があったので、初心者の人や自信のない人は最初はぜひ、
「量はほんの少しでもいいから、自分が全力で作れるものを作ってみて、
それを見てもらって、運が良ければ喜んでもらう」

という挑戦をおすすめしたいと思っています。

そして、その繰り返しの中であなたの自信が溜まったら、ようやく、
一本を完成させるつもりで作り始めてもいいかもしれません。


私自身も今後、手探りで始めていかねばならない新たなことをすることになったら、
「いつ打ち切るか分かりません!」と叫びながら少しずつ全力で作ってみて、
細かく意見をいただきながら学んで、力尽きた時点で終わるという、
今回のやり方を使うことになりそうな気がします。
もちろん途中で終わるにしても、打ち切り三回目ともなればある程度マシな終わり方に
できるようになっていることを期待したいんですけれどね。


ゲームを完成させるのは難しいことです。
私は、一番最初にゲーム開発に触れてからその10年後に至るまで、
一本も中編を完成させられないままだったので、
人によっては「一定以上のサイズのものをただ完成させる」ことでさえ、
まず多くの経験を重ねることが必要になるかもしれません。

しかし、完成させられないこと自体は、それほど嘆く必要はないと考えています。
最初から「完成品を作る」ことだけに意識を取られてしまうよりは、
「規模にかかわらずあなたの作ったもので誰かが喜んでくれるのだ」ということや、
「自分がどんなものを作れば人に喜んでもらえるか」を学ぶ
ことの方が、
より重要なことだと私は思っています。

皆さんが持っている創作の『武器』は、最初はみんな『未鑑定』です。
自分の武器が全部「???」の状態ではいきなりボス戦に挑みたくはないと思うので、
最初は色んなシチュエーションの小さな戦いを繰り返して、
数多くの自分の武器の性能を知ることが先決です。

そしてある程度、自分の武器についての知識を得て、いくらかの戦い方も知ったなら、
そのときこそいよいよ長くて大きな戦いに挑むときです!
己の武器に適した戦いを選べばきっと大きな壁でも打ち破れるはずですし、
運が良ければ高い成果を得ることもできるでしょう。

評価してもらえるかどうかは、最後は運です。
でも、歩いて行く道のりは、あなたが選ぶことができます。
私が紹介させていただいた方法に限らず、あなたにとって、
いつか一番いいやり方が見つかることを祈っています。



以上、長くなってしまいましたが、私なりの
「楽しくて学べるゲームの作り方」について紹介させていただきました。

今回の方法は、
「私がやってきた中で、たまたま、楽しみながら一番経験値を得られたやり方」
というだけなので、合理性を追求して試行錯誤してきた結果ではありませんし、
人によっては合わない可能性もあると思います。

他にももっといい方法があると思いますが、今回のやり方が、
よりよい方法にたどりつくための一つの手がかりにでもなれば幸いです。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ! 


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■ 2017/05/06 (土)  ゲームを完成させる作り方 ■
【ゲームを完成させる作り方】

>ゲームを最後まで作り終えるコツを知りたいです!

というコメントをいただいたので、
現時点での私の「完成させるゲームの作り方」をまとめておきます!

ちなみに私には、最後まで作り終えられなかったゲームとコンテンツが計2つあります。
凍結中となっている連載ADVゲーム『シルフェイド見聞録』と、
半分打ち切り気味に終わったテキストコンテンツ『<自家製>片道勇者TRPGリプレイ』です。

どちらもお話としては半端な状態で終わっており、
続きを楽しみにしてくださっていた方には本当に申し訳ございません。

まず、どうしてそれらを作り終えることができなかったかについて、
自分の考えを述べていきます。



【私の失敗例 完成しなかったゲーム/コンテンツ】

まず参考として、私が体験した「完成まで作れなかった失敗例」を挙げます。

私がゲーム作り初心者だった頃は、
「前から順番に全力で画像やお話を作っていって、根性と気合で
最後まで作っていって、最後の最後にようやくラストシーンを作って開発終了!」

という流れで作ることを考えていました。

これだけ聞いて「あ、それは危ない!」と思われた方は、
たぶん色々と経験済みのゲーム開発者さんではないかなと思います。

というのも実はこのやり方、おそらく結構な確率で完成にいたりません。
このやり方で私がどんなことになったかというと、

1.最初は気合を入れて全力でグラフィックやシーンなどを作っていく。

2.しかしどんどん「モチベーション」や「作業の新鮮味」や「ネタ」といった
リソースが消耗されていき、それまでと同じ熱意で
グラフィックやシーンなどを作ることができなくなる。

3.いずれかのリソースが消耗されきった果てに、開発が進められなくなる。
あるいは質が激しく低下していく。

4.そして最終的に取りかかる気力がなくなって挫折へ……。


という感じになりました。私が何かのコンテンツを打ち切りにしてしまった大きな理由は、
だいたいの場合、『自分のモチベーションや作業への新鮮味、
使いたいネタがどの辺りで尽きるかをよく把握できていなかったから』
です。

ADV『シルフェイド見聞録』連載は全体のプロットさえ考えずに永遠に作るつもりで書いていましたし、
『<自家製>片道勇者TRPGリプレイ』連載も永遠に続けられるつもりで作っていましたが、
最後はどちらもネタと気力がなくなって開発中断を迎えてしまいました。

しかし未完に終わったとはいえ、今考えると、これらの作品を経て得られたものは、
普通にゲームを完成させてリリースした場合よりも大きなものでした。
どちらの未完作品も、私にとっては終わりまでとても真剣に挑むことができ、
皆さんのご意見を細かくいただけて自信と経験を得られたので、
皆さんに見てもらえたことは私にとって大きな糧になっています。

今は、この「完成させられなかったやり方」自体にも、
当時の私のようなゲーム開発初心者にとっては大きな利点がある
と考えています。
それも次回の記事としてまとめる予定ですので、気になる方はご期待ください。



【ゲームを完成させるための作り方】

ということで、いよいよ本題! 先の失敗例をふまえた上で、
『個人開発』で『一本のゲームを完成させる確率を上げる作り方』を考えていきます。

これからお話しすることは「私の現時点のやり方」というだけで、
向いてる人とそうでない人がいるはずですし、今後新たな方法に変化していく可能性も、
私が把握している『弱点』もあります。その辺りは、あらかじめご了承ください。



まず前述の失敗を元に、今の私はちょっと見方を変えていて、
「モチベーション切れや時間切れがいつ起きるか分からない前提で開発を行うべき」
という発想でゲームを作ることを考えています。

すでに一度作ったことのあるジャンルでさえ、
自分のモチベーションがどこまで持つかはハッキリしません。
もしかしたら同じものを作るのに飽きてて、次は前より長持ちしないかもしれません。

そういったモチベーション切れのリスクに対応すべく、
開発を重ねる中で私の「完成させるやり方」は、
徐々に以下の条件を満たすやり方になっていきました。

●何のデータや素材がどのくらい必要なのか、早期に把握できるようにする。

●肉付けは全体の量を把握してから始める。

●残りモチベーションや残り時間が不安定になる開発後半は、
「いつ開発をやめても問題ない状態」を維持しながら開発する。


そしてこれらの条件を満たせるやり方として、
今は以下のレベル1~3の順に開発を行うようになっています。
最近だと『片道勇者』の開発時に、このままの順序で開発しています。



<レベル1 最低限の骨を作る プロトタイプ> (『片道勇者』ではアルファ版)

ゲームシステムに加え、最初からエンディングまで通しで遊ぶための
「ありえないほど小さい」と考えられる規模の「骨」だけのゲームを作る段階。
ゲームシステム、スタートやエンディング、街やダンジョン一つずつなど、
絶対に外せない要素のみここで開発する。

ゲームシステムが自作の場合はそれを最重視して、なるべくしっかり固めておく。
データに関しては、見た目や内容は雑だったり仮でいいのでここでは量を確保する。
かつ、街やダンジョンなど作業量が一気に増える要素の数はここでは最低限にする。
物語系RPGなら、ダンジョンや街は本当に必要な数個くらいを作ることをメドにしてみる、など。


<レベル2 肉付け 短編の完成> (『片道勇者』では無印版のアルファ~ベータ間辺り)

大きな要素は増やさず、レベル1の「骨」に対して見た目や内容を肉付けしたり、
画像やゲームバランスをブラッシュアップしたりする段階。

いらなかった場所を切ったり、作りかえたり、プレイ途上で足りないと感じた細かいデータを
足すのは「肉付け」に含めるが、入れることで逆に作業項目が一気に増えてしまう
大きな「骨」となる要素を増やすのは次のレベル3までなるべく我慢する。
たとえば、物語系RPGなら街やダンジョンは基本的に増やさないようにする。
これが終わった段階で、ひとまず最初から最後まで遊べる、
『公開可能な』短編ゲームが完成する。


<レベル3 さらなる成長> (『片道勇者』では無印完成版とプラス版)

作りたかった要素がきっとまだ残ってるはずなので、
レベル2の質を維持しつつ、「入れて面白くなると思う順」に「骨」も含めて追加していく。

たとえばRPGなら、合間のストーリーやダンジョン、またはクリア後の新ストーリーや、
元々なかった「図鑑」といったおまけのシステムなど。
ここからはいつでも切り上げられるように意識して作業を進めつつ、
やる気が尽きるか、期限が来るか、ネタ切れするまでこれを続ける。
終わったときが、そのゲームの完成!



「レベル1 最低限の骨を作る」→「レベル2 肉付けする」→「レベル3 成長」の
レベル順にゲームを開発していけば、少なくともレベル2の段階を突破できれば
あとはモチベーションや時間が尽きた瞬間にいつでも「完成!」と宣言することができます。

このやり方は、「モチベーションがあるうちにコアになる場所だけ作っておいて、
いつでも開発終了できるようにするやり方」
と言ってもいいかもしれません。

私が明らかにこの手順で開発したと言えるのは、
ADV『シルエットノート』とRPG『片道勇者』の2本です。

『シルエットノート』は流れ上、たまたま開発手順がそうなってしまっただけなのですが、
「締め切りが決まっていたので作る量を最初に決めていて、『枠』を作ってから肉付けした」のと、
「リリース後に追加データを足した」という順に開発したことから、
この手順にほぼ該当すると考えています。

一方で『片道勇者』は、最初から上記の手順を意識して開発していました。
まず最低限、スタートから終わりまで遊べる「データが各1~2種しかないアルファ版」を作り、
それに肉付けをし、その後に入れたかったものを色々足して「無印版」を完成させました。
また運に恵まれて、無印版のリリース後にさらに「レベル3」を続行し、
『片道勇者プラス』という拡張版も作ることができました。


それではレベル1~3のそれぞれの段階について、詳しく解説していきます。



【レベル1 最小限の骨を作る】

レベル1は「骨」だけを作る段階です。
ゲームシステムだけはじっくり作っていいものとしますが、
それ以外の「データ」に関しては最初から最後の分まで最小限かつ
一通りかなり雑に作っていきます


レベル1の最重要目的は、

●「作ったゲームシステムに素質や将来性がありそうか」を確認すること。
●「全体的にどのくらいのデータや素材の量が必要か」をおおまかに把握すること。

の2つです。

レベル1まで完成した段階のゲームは
「雑に作っただけのつまらない短編」かもしれませんが、それでもこのレベル1では
「一つ一つの質を上げるのを我慢して量を作り続ける」ことがとても重要です。
時間をかけて一つずつ素材やデータを作ると、多くの場合、レベル1さえ達成できません。
一つずつの質を上げるのは、レベル2まで必死で我慢します。

この段階では、作るデータは最小限にします。
たとえばストーリーRPGなら、データは
「仮オープニング」、「スタートの街」、「途中のダンジョン」、
「途中の街」、「ラストダンジョン」、「仮エンディング」、
各1つくらいのデータ量を目標に作るといいと思っています。
「ありえないほど少ない」くらいの量がちょうどいいです。

このレベル1では、キャラ絵も
「雑なシルエットにキャラ名だけ描いた仮の立ち絵」だって構いませんし、
ダンジョンごとの敵キャラもたった1~2種類ずつで構いません。
アイテムも各数種類でいいですし、キャラクターチップはサンプルのチップを使って構いません。
全て仮のデータ、仮の画像で行くくらいの覚悟の方が、レベル1を達成しやすいでしょう。

ただし、画像の『サイズ』だけはこの時点で決定しておくと、レベル2が楽になります。
画像のサイズが途中で変わると、インターフェースや画面デザインを
何度も作り直す必要が出てきてしまう
からです。
私は、既存の素材や自分の過去作の素材を拡大縮小して配置して、
ゲーム画面の構成を考えることが多いです。

この「レベル1」の段階までできたものを、私は「アルファ版」や「プロトタイプ」と呼んでます。
画像も仮ですし、データ量も、調整も十分ではないため、遊んでも面白いものではありません。
誰にも褒めてもらえないゲームの状態が続くので、やる気の維持には苦労します。

もしここで挫折してしまったら、プロジェクトは終了です。
その場合、たぶんレベル1として計画した「骨」が大きすぎると思うので、
小さくして再挑戦する方がいいかもしれません。

あるいは、作ってみたゲームシステムが面白くなくて、
これからの期待が持てなかったのかもしれません。
それならそれで、中断することは立派な判断ですし、必要なことだったはずです。
私もシステムだけ作ってみたら、思ったより将来性が見いだせなくてボツにしたことがあります。

<レベル1のコツ>
・ゲームシステムはしっかり作っておいて、面白さの素質がどれだけありそうか知る。
・最初からエンディングまで最小限の「骨」を作り、どの程度のデータや素材量が必要か把握する。
・モンスターやらアイテムやらのデータ量も最小限でOK。素材も仮の画像でOK。
ただし画像の『サイズ』だけは確定させておいた方がレベル2以降が楽。




【レベル2 使える労力を配分して肉付け】

レベル2では、使える労力を『配分』して肉付けを行っていきます。
レベル1で必要最低限の「骨」となる要素を作れたなら、
「どのくらいの量のデータや画像を追加・ブラッシュアップしなければならないか」
という感覚がおおよそ掴めている
はずです。

キャラの数やダンジョンの数、必要な画像、テキスト、
必要そうな敵の種類、あるいは戦いを面白くするための新しい技やアイテムなど、
具体的な数を書き出してみると、意外とたくさんのものが必要だと分かると思います。
そのリストを見るたび、「もしこの全てを一つずつめちゃめちゃ凝って作っていたら、
果たしてレベル1の量だけでも作れたか……」
とゾッとしてしまうのが私です。

たとえば、もしレベル1の時点で技のアニメーションにすごく凝ってしまったら、
「このクオリティで今後も行くとなると、技の数が増やしにくい」となってしまって、
ゲームを面白くするために必要だった「多くの新しい技」を作ることが
心理的に困難になってしまうかもしれません。

その結果、技を増やすことができず、
「アニメーションはすごいけどバトルの選択肢が少なくてつまらない……」
なんて結末になると悲しいことになるので、とにかくレベル1で
「何がどのくらいの量、必要になるか」を先に知ることはとても大切だと考えています。

そしてまた、レベル1で作った量に対して、
「残りの使える労力」を配分して全体をブラッシュアップしようとすると、
「意外と大したものが作れない」
と思われるかもしれません。

たとえばキャラのドット絵だけでも、レベル1で必要になりそうな量を
全てオリジナルで作るとなると、10体か20体か分かりませんが、きっと非常に大変でしょう。
自作するか、できあいの画像を使うか……それを考え直せるタイミングが、レベル2の開始時です。

ゲームを完成させようと思った場合、
「あなたが満足できるほど一つ一つのものに凝る」
というのは、実はとても難しいことです。

びっくりするほどの短編でさえ、全ての箇所を凝るときっとヘトヘトになるでしょう。

なのでたぶん、ある程度は「質」の密度を薄く引き延ばすことが求められる場面もあるはずです。
「最初で敵のギミックのネタを使いすぎると後半が何もなくなるから、ネタを温存して後半に回そう」、
「キャラ絵1枚1枚に気合いを入れすぎると描ききれないから、量産できる質で描こう」
といった具合です。

そういった「労力」や「やる気」の配分に失敗するとやっぱり挫折するので、
慣れないうちはレベル2もきっと難しいことでしょう。
それでも、何も情報がない状態でひたすら前から順番に作っていくよりは、
レベル1を作ってある方が遙かに見通しがよくなります。

特に、レベル1で作ってある「骨」のおかげで、
「レベル2が今どのくらいまで進んでいるか分かる」というのは非常に大きな利点です。
いつ終わるか分からない作業というのはたいていとても辛いものですが、
「ゴールまであと何割か」が目に見えて分かると、人はより長く耐えることができます。
さらにいくらか進めば、作業項目を処理する速度もだいたい把握できるので、
「あと何日で終わるか」がおおよそ計算できるのもこのやり方の強みです。

そしてそういった苦労の末、何とかこのレベル2の
肉付け・ブラッシュアップまで完了させられれば……
「スタートから終わりまで遊べる、満足感が程々に高いであろう短編」が完成です!

この段階で、あなたは「どのくらいのクオリティのものをどのくらいのペースで作れるか」が
分かってきているはずですし、何より今後はいつゲームをリリースしても
それなりに許される状態になっていることでしょう。
仮とは言えゴールを迎えられたことで、だいぶ安心感が出てくると思います。

ここまでたどり着ければ、ひとまず第一の完成です。

<レベル2のコツ>
・使える労力を配分して、レベル1の「骨」にデータ追加や画像付けやバランス調整など肉付け。
・入れることで新たな作業が増える「骨」となる部分は、なるべく増やさない。
・「最初から最後まで遊べる短編ゲーム」としてリリース可能な状態にするのがレベル2のゴール。




【レベル3 気力や時間の限り増やしたり磨いたりする】

レベル2が終わった時点でまだ余裕があれば、これまでと同じ要領で
レベル3のデータ追加やブラッシュアップの段階に入っていきます。
「入れて面白くなると思う順」に、「骨」となる部分も含めて追加していきましょう。

追加のゲームシステムを入れるもよし、物語に関わる仲間を増やすもよし、
追加ストーリーやダンジョンを入れるも良し、クリア後の何かを作ったりするもよし、
より面白くなるよう調整するもよし、エクストラメニューなどを作るもよしです。
個人的には、このレベル3の工程が一番ゲームが面白くなる部分だと感じています。

ただし、なるべくいつでも「完成!」と言えるような状態を維持しつつ作業していくのがコツです。
風呂敷は一気に広げるのでなく、少しずつ、少しずつです。

新たな仲間キャラクターを物語に増やしたりした場合など、場合によっては
整合を取るためにエンディングやオープニングの修正も必要になるでしょう。
そうやって一定量を増やすたびに全体の整合性の修正も行うと、不安になりくくて済みます。

また、レベル2の状態ができあがっていると、
レベル3の作業にはかなり余裕と安心が生まれます。
「完成するか分からない状態で続ける」よりも作りやすいし、
気力が長持ちすると感じるかもしれません。
レベル1~3の中だと、レベル3が一番楽しいのではないかと個人的に思っています。

実は、「完成にたどり着けるか分からない」という『不安』は、そこにあるだけで
自分の体力や精神力をスリップダメージのように削っていきます
(少なくとも私にとっては)。
そういった意味でも、「ひとまずの完成」を早期に持ってきて、
「完成するか分からない不安」をさっさと倒してしまうのは、
ゲーム開発という長期戦においてとても効率的だと私は考えています。

そしてこのレベル3の作業を続けているうちに、いずれやる気が尽きてしまうか、
期限が近付いてきてしまうと思うので、そのタイミングが来たら、
そのときがおそらくあなたの作品のゴールになるでしょう。
そうなったら、あとは作りかけの部分の整合が取れるよう、最終仕上げをやって完了です。

お疲れ様でした、いよいよプレイヤーの皆さんにゲームを届けるときがやってきます!


それと、この「レベル3」の作業は、リリース後に行うこともできます。
レベル2ができた時点で、「この先は評判がよかったら開発を続行してみよう」
といった判断でとりあえずリリースすることもできるので、
まだまだいくらか作り続ける事を宣言して公開するのも素敵なやり方でしょう。

そのやり方は、プレイヤーさんの興味を持続させられるので長く展開しやすく、
楽しく開発できるかもしれません。

<レベル3のコツ>
・気力や時間がある限り「骨」も含めたデータを追加していく。
・「完成!」と言える状態をなるべく常に維持できるよう、広げるのは少しずつ。
・このレベル3はリリース後にやってもOK!




【この方法の利点  ダメなら気軽に切り上げられる】

このやり方はレベル1の段階で、「ゲームが面白くなりそうな期待があまり持てない」とか、
あるいは「レベル2の終わりまで気力が持たなさそうだ」と感じたなら、
その時点で気軽に開発を終了してしまえるのが一つの利点です。
一つ一つをブラッシュアップしていない段階なので、たぶんまだ損切りができます。

もしこれがきれいなグラフィックや、オリジナルの素材などを色々用意した後だと、
開発を中断するのがとても辛くなってしまうでしょう。

その場合、さらにまずいのが、

「ゲーム部分はつまらないけど、絵を色々作っちゃったから心理的にボツにできない」

となってズルズル作り続けてしまい、さらに時間が経った末に、

「ここまで時間をかけたのを開発中断したくない。
でも完成させてもつまらなさそうだし作る気力も出ない」


と続き、作りかけの作品を手放せないまま、そのまま創作家としても
フェードアウトしてしまう状況が発生する可能性があることです。
「ごめーんボツった!」とさらっと言うのが難しい、ある意味で責任感の強い人においては、
これはそこまで珍しくない例のような気がしています。

「未来が不透明な間は、気軽に撤退できる状態のままで進める」
というこのやり方には、こういった危険を避ける効果もあると考えています。
見た目が全然面白くなさそうな状態のゲームであれば、
たぶん作者さん自身も含めて、開発を中断しても大きく悲しまずに済むでしょう。

そして同時に、その「なくなっても悲しまないもの」を作り続けなければならないのが、
このやり方におけるレベル1の一番辛いところ
でもあります。



【このやり方の注意点】

このやり方には、一つ注意があります。
実はこれ、ちょっと上級者向けの方法だと私は考えています。

というのもこのやり方には問題があって、それは
「あまり面白くないやり方かもしれない」ということです。

特に、さっきも言っていますが「レベル1」の「骨だけを作る段階」って面白くないことが多いんですよ!
「見た目もしょっぱい状態で最低限の挙動と最低限のデータを作り続ける」というのは、
つまり「誰にも褒めてもらえない状態のモノを作り続ける」ということなので、
「最終的には面白くできるから、今は面白くなくても大丈夫だ」
と信じられるほどの経験から湧き出る自信がないと実行が難しいことだと考えています。


そして「レベル2」に入れても、全体を肉付けするために労力を「配分」しなければならない都合上、
完遂させるにはあなたの想像する「理想形」をいくらか妥協することになるケースが多いと思います。
「自作画像にしたかったけど、既存画像にしなきゃ作りきれない」などといった事情です。
そういう状況もまた、ときにあなたの気力を奪う原因になるでしょう。
「ゲームを完成させるには、時に目標を下げることも必要だ」という経験則を
持っていなかった場合、理想と現実のギャップにショックを受けるかもしれません。

そんなわけで、この完成させ方はあくまで、
「あんまり面白くないかもしれないけど完成させられる確率は上がる」
という、一定以上経験者向けの方法
だと私は感じています。
それは、心に留めておいてください。



ということで、ゲームを完成させるための確率が高いと考えている
私の現時点のやり方を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

自分も似たやり方だという人も多くいらっしゃるでしょうし、
他にも探せば色んなやり方があると思います。

何度も言いますが、この作り方は、
「ゲームの開発が終わるのは『全ての項目を作り終えたとき』でなく、
『自分のモチベーションが尽きたとき』である」

という考えに基づいています。

「作りたいものを全て作り終えられる」ことを前提とせず、
「一定ラインを越えたらいつでも終われるようにする」のがこの方法のコツです。

言い換えると、単純に
「完成のライン」を最後じゃなくてもっと前に持ってくるだけなんですが、
やり方をアレンジする場合も、そこさえ意識していれば
完成させるための効用はほぼ変わらないと思います。



<次回予告  初心者向けのやり方は?>

私がゲーム開発初心者の頃だったら、この方法を使っても成功しにくいと思っています。
「仮に完成させられたとしても、よい評価をもらえる確率が低そう」という意味でもです。

「一つ一つのものを面白く作るコツ」さえよく知らない状態でいきなり大きなものに挑むと、
10個作ったもののうち、1~2個くらいしか面白く作れないかもしれません。
そうなった場合、たとえ完成しても辛い結末しか待っていないのは明白です。

よって初めてのうちは「大きなものを完成させる」ことよりも、別の方法で
多く経験値を得ることを優先した方がたぶん効率的
だと私は考えています。

ということで、来週の記事は、私が初めての人におすすめしたいと思っている、
「今回よりも楽しくて、得るものが多いゲームの作り方」についてご紹介したいと思います。

先に予告しておくと、そのやり方とはほぼ「私が完成させられなかったやり方」なのですが、
その中には短い時間で経験値を大量に獲得するためのコツがいくつかありました。

最終的に完成させられなかった方法であるにも関わらず、
そのやり方には一体どういった利点があったのか?

次回はそのやり方と、それについての私見をお話ししていきます。
よければぜひ、お楽しみに!

→ 次回「楽しくて学べるゲームの作り方」


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■ 2017/04/22 (土)  初RPG制作で意図したこと2 ■
【初RPG制作で意図したこと 後半】

先週の記事(前半)から続けての内容です!
今回は、12年前の2005年にリリースしたRPG『シルフェイド幻想譚』を振り返り、
当時考えていたであろう「意図」について引き続き整理していきます。

前回は大きな意図について述べましたが、今回は細々としたものが多めです。
『シルフェイド幻想譚』を私好みのゲームにするにあたって、
一体どういう意図があったのか、よければぜひご覧ください。

今回の話題一覧↓
【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】
【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】
【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】
【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】
【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】
【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】
【初めてクリア評価を入れた】




【判断するために必要な情報をいくらかオープンにした】

『シルフェイド幻想譚』では、従来の普通のRPGを遊んでいるときに
「この情報がないと判断しようがないんだけど!」と私が感じていた部分に、
「判断するための情報」をいろいろ明示するように意識しました。

<バトル時の相談>


たとえば『シルフェイド幻想譚』では、バトル中でも「相談」コマンドが使用できます。
使ってもターンは進みません。この「相談」で何が聞けるかというと、主に、
「その戦闘から逃げられるか、逃げられるなら逃走率はどのくらいか」
「敵と自分との強さの差はどのくらいか」
の二点です。

これは、
「相手が強いなら逃走することを判断に入れて欲しかった」
という自分の要望を入れたかったのと、
「プレイヤーさんは強い相手だったら逃げようと思っているかもしれないのに、
そもそも相手が強いか見た目だけじゃ分からない」

という問題を回避する二つの目的があったからだと記憶してます。

特に後者の「強さ」に関しては、当時の私はだいぶ気にしていまして、
「RPG慣れしてしまった人ほど見た目から敵の強さを判断しなくなってしまうのではないか」
という考えを持っていました。

たとえば、何かのRPGの中盤で出てくる「ワイバーン」と、
後半に出てくる「ファイアドラゴン」がいるとしたら、仮に似た大きさ・見た目だったとしても
バランスの都合で後半で出る「ファイアドラゴン」の方が普通は強いはずです。

それどころか、バランス調整の問題で「後半で出てくるネズミみたいな敵」が
前述の「ワイバーン」より強かったりする場合さえありますから、
相手の強さを誤解のない手段で伝えるのは重要な課題だと考えていました。

特に本作は最初から好きな場所に移動できてしまうゲームなので、
いきなり極端に敵が強いエリアに踏み込んでしまう可能性もあります。
そういった可能性もある中、戦闘において実際にぶつかる前の「相談」ができれば、
プレイヤーさんもより安心して偵察ができるはずです。

何より、「おおまかな逃走成功率」が事前に分かれば、
「逃げにくいのでいちかばちか戦う」や、
「必ず逃げられるからギリギリまで戦ってみる」
など、新たな判断が生まれます。
そういう点も、面白みが生まれていいんじゃないかと考えていた部分でした。

さらに『シルフェイド幻想譚』では、道をふさがれていたり、
明らかに退路がない場面以外ではボスからでも逃走することができます

「相談」コマンドで逃走できる可能性を示したのは、従来のRPG的な常識に従ってしまって、
「ボス戦に入ってしまったときに、不利な状況にもかかわらず死ぬまで戦ってほしくはなかった」
からというのもありました。

「逃走コマンドって、強い相手にこそ一番使いたいコマンドのはずですよね! 
使えるときは逃走成功率の大小を教えますのでぜひ判断の上で『逃走』してください!」

という主張が、当時の自分のどこかにあったのかもしれません。
そして、今でも割とそう思っています。逃げることが重要な判断の一つになるRPG、好きですよ。



【全ての報酬は十分以上に&失敗しても何かを得られるようにした】

イベントの報酬をどういう形にするか、開発当時はだいぶ悩んでいました。

『シルフェイド幻想譚』は「物語に興味がない人でも楽しく考えて遊べるように」という前提で
作っていたので、完全にストーリーを取っ払っても楽しめるよう、
「全てのイベント報酬は必ず一定以上のゲーム的利益に繋がる」ように意識していました。

ここでの「ゲーム的な利益」とは、「一定以上のお金や、装備・仲間などの意味のある強化」や
「クリアするために必須のフラグ(最終ダンジョンへのカギなど)」
を指します。
時間制限があるゲームなのでイベントを無視するケースも増えると思いますが、
かけた時間以上に必ずいいものがもらえるならば、きっといくらかは挑戦してくれるでしょう。

というわけで、もらっても仕方がない3桁くらいの金額の金銭報酬や、
報酬が感謝の言葉だけというケースは、基本的に
ほとんど入れてなかったと思います(忘れてるだけかもしれませんが)。

そしてもう一つ注意したこととして、労力さえつぎ込めば、
たとえイベントに失敗しても何かしらの報酬が得られる
ように意識しました。
たとえば、以下のような具合です。


●とある村が襲撃されるのをうまく防衛できればクリアフラグがその場で手に入るし、
仮に失敗しても仲間が一人増える。

●敵の砦を攻略したとき、ゲーム開始から時間が経ちすぎていたら
仲間が加入する可能性がなくなる代わりに大金を得られる。



イベントに失敗ルートがある場合は、ほぼ必ず
こういった別報酬が手に入るようにしていたので、
「失敗ルートでも徒労に終わらないようにしたい」という意識が強くあったように思います。

ただ全てに配慮はしきれていなくて、一部のイベントは
リソースの投入タイミングが遅れると何ももらえなくなってしまいます(病気の姉弟など)。
こういう場合は、リソースを投入した分だけは何か見返りをくれるようにすればよかったですね。

何はともあれ、
「失敗した場合に何も得られなくてゲーム内時間を損失するだけなら、やらない方が効率的」
という発想がプレイヤーさんの意識に根付いてしまったら、
それが一番作り手からすると面白くない結果なので、
なるべくそういった状況を避けられるように、
チャレンジをうながすような造りにしようと心がけていました。

「挑戦してくれたこと自体に報酬をあげたい」という考えは、
12年経った今でも特に大事にしていきたい「意図」です。



【フィールドでは1画面あたり1つくらいの施設を用意した】

最後の調整段階に入ったとき、フィールドマップがスカスカに感じたので、
できるかぎり「1画面あたり1つ」くらいの施設を置くつもりの意図で、
何もなかった場所に施設をいろいろ追加したり、
後半に作った施設の配置を変えたりしていました。

<赤い点が予定通り作った施設、青い点が後で追加したり移動させた施設やイベント地点>
青い点が、赤い点の隙間や、何もなかった場所を埋めるように配置されています。



上の図の「青い点」が後半に追加した部分や場所に迷っていた部分です。
その中には、埋めるために無理矢理ネタをひねり出したものもあります。

たとえば、「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が守る宝物庫ダンジョン」や、
「封印された扉を開けるカギを売っている人の家」「滅ぼされた何もない家」といった具合です。
特に「負けてもゲームオーバーにならない強めの敵が出る宝物庫」に関しては、
「いつでも戦える、今は倒せない強い敵」に一度でもぶつかってもらえば、
それを目標にして勢いよくゲームを進めてもらえるのではないか、
と考えていたようで、割と序盤のエリア付近にも設置しました。

フィールド上の施設やイベント地点を「1画面あたりおおよそ1つ」という密度にしたのは、
当時の言い分だと単純に「スカスカだとつまらない」という理由になるのですが、
今の自分が言い換えるなら、「フィールドを探索すればだいたい一定のペースで
何かが見つかるという期待を感じて欲しかった」
からだったような気もしています。

「労力を投入したが何も得られず徒労に終わる」というのがゲーム内で一番面白くないことで、
それが続くと以後、『プレイヤーさんが積極的に調べてくれたり、
期待感を持ってくれなくなってしまう』可能性が高くなってしまいます。

そんなわけでマップ探索に関しても、とにかく
「一定以上動けば定期的に『新しい場所』」が見つかる」ように意識していました。
そして、もし何もないように見える場所があるとすれば、
「そこには隠された何かがある」という感じで、秘密のありかをほのめかしています。
また、最後までどうしても空白地帯ができてしまう場所には「立て札」を置いて
プレイヤーさんを不安にさせないようにしました。

今になって思うと、私にとって「どちらにいけばいいか心配になる距離」が
だいたい1画面分くらいだったのかもしれませんね。狭い!



【内部マップのサイズをできるだけ最小限にし、
反応のない装飾品は置かないようにした】


フィールドマップには「約1画面あたり1つ」という密度で施設やイベントを置くようにした一方、
街での用事はなるべく最短で終わるようにすべく、「街のサイズは最小限」にするよう心がけました。

『シルフェイド幻想譚』の街はおおよそ3~5画面程度の大きさで、
階層を移動しない限りは画面切り換えもありません。
人の家もたったの6x6マスだったりします。

たとえば、以下は最初の街のマップです。他の街も、ほぼこれに近い大きさです。

<最初のサーショの街 全体図>


基本的にマップは大きければ大きいほど作るのが大変になるので、開発側としても、
「目的を果たす最低限の大きさなら自分も楽ができるだろう!」
と考えていたことは確かです。

ですがそれ以上に、
「移動してもゲーム内時間が進まない場所での『広さ』はゲーム的に意味がないので、
それなら無駄なリアル移動時間を使わせない方が親切だろう」
という考えもありました。
つまり、「入口から宿屋まで3秒! よし、効率的!」という発想で街を見ていたのです。

また、マップサイズを最小限にすると同時に、
「家の装飾品は『調べたときに情報を得られるもの』だけを置く」ように心がけました。
タンスやクローゼットを置く場合は、調べたときに必ず反応があるようにしたのです。

たとえば病気の姉弟がいる家でタンスを調べたときには「質素な服が入っている」
といった情報を出したりして、住人の生活や雰囲気を伝えることができるので、
この辺りは物語やキャラ好きの人に楽しんでもらえる部分になるだろうと考えていました。

逆に、「調べても反応がないもの」はとにかく置きませんでした。
これも同様に「物語やキャラ好きの人」に対しての配慮で、
「調べても何も出ないことがあって徒労に感じる」ことを徹底的に避けたかったからです。

何を調べても必ず反応があるなら、住人たちの背景を知りたいプレイヤーさんであれば
どんどん細かいところまで探してもらえるかもしれません。
フィールドマップでもそうでしたが、内部のマップ探索においても、
「かけた労力が無駄にならず、必ず何らかの反応が与えられる」形にすることを意識していました。



【購入可能な武装のレパートリーを最初の街で全部見せるようにした】

皆さんには、次のような経験がないでしょうか。
たとえばお金を貯めて武器を買ったら、すぐ行ける場所で
次のグレードの武器が販売されていてガッカリしてしまったり、
あるいはそうなることを心配していつ装備の換装をすればいいか
分からなくなったりしたことなど、一度くらいあるかもしれません。

「これから先にもっとコストパフォーマンスのいい武装や、
より強い武器が出たらどうしよう、ここで買っていいのかな?」

という発想でお金を温存するハメになると、結局お金が使えなかったり、
仮に買ってもすぐ新製品が出たりして損した気分になる
のではないかな、と私は考えました。
システム的なところでゲームへの不安を感じさせるのは、なんとなくもったいない気がします。

もちろん、そういった「将来どうなるか分からない中での対応方法」も
ゲームのうまさだよと言われればそうなのですけれども、
今どきは育成スキルツリーも初期状態で全て公開されてることが多い時代ですし、
先々の強化方針を計画してもらうためにも、「強化のコストと強くなれる度合い」くらいは
最初に見せた方がフェア
な気がします。

そこでゲーム的に安心できる形にするために、『シルフェイド幻想譚』では、
『買える武装のレパートリーは全て最初の街に並べる』ことにしました。
こうしておけば、「どの段階で何の装備の換装を行うのが最適か」という点について、
おのおの自分のペースで考えてもらえるかもしれません。

何より、「強い装備を買うにはお金が全然足りない」ことを最初に示せば、
以後、お金を手に入れられるチャンスに敏感になってくれる可能性が上がるでしょう。
そうやって「足りない感」を感じてもらうのも、ゲームのやる気に繋がる大事な点だと私は考えています。
「あと1000シルバ貯めれば●●が買える!」と思っている状況で
そのゲームを二度とやらなくなるプレイヤーさんって、あまりいらっしゃらないと思いますしね。

なお、最初の街には全ての購入可能武装が売っていますが、
次の街ではなんと全ての基本的な理力(魔法)が購入可能になっています。
店で主人公を強化できる機会は、最初と次の街でほぼ完結しているので、
「どういった成長ができるか」という情報は、かなり早期に提供を済ませています。
あとは、お金と必要パラメータ次第です(といいつつ、隠し魔法ショップも存在していますが)。



【パズルが解けない人もいるので飛ばせるようにした】

『シルフェイド幻想譚』には一カ所だけパズルを解いて突破する場所があります。

といってもRPGのパズル部分は、解けない人や、
そもそもやりたくない人もいるだろうなと思ったので、
パズル自体は入れはしたものの、同時に飛ばせる配慮も入れました。

具体的には、「パズルに苦戦していると判断できる状態」になったら、
アドバイザーが「ゲーム内時間」を消費して突破する手段を提案
してくれます。
それを採用した場合、時間を使って壁を破り、パズルを無視することができます。

これは『シルフェイド幻想譚』が時間の概念を持つRPGだからできたことですが、
普通のRPGでも「お金を使えばパズルを無視できる」という感じにしてもいいかもしれません。



「苦手なことを無視できるか、別リソースを消費したり別の手段で通過できる」
という配慮は、多くの人に遊んでもらいたいゲームを目指すならば
大事な点かもしれないと今は思っています。

特に『シルフェイド幻想譚』は、「時間制限付きのRPG」という
ただでさえ人を選びそうな内容ですから、変なところで詰まったりしないようにと、
なおさら注意しようと思っていたのかもしれません。

何はともあれ、人によってはずっと攻略できなさそうな課題は、無視できるようにするか、
他の課題で補えるようにすると親切そうです。
……といいつつ、クリアできるか怪しい最難関ミッションとか、
やっぱり一個くらい入れちゃうんですけどね!



【初めてクリア評価を入れた】

私が「クリア評価」を初めて導入したのは、この『シルフェイド幻想譚』からでした。

これは「リプレイ性を高くするため」と、「どのくらいのものを見たか」
プレイ後に少しでも把握できるようにする目的です。
「クリアにかかった日数」や、「強い敵とどれだけ戦ったか」、
「仲間にできるようになったキャラの数」、「人々を救った度合い」などが評価されます。

詳細な内容は、旅を共にしたアドバイザーキャラクターが主にコメントしてくれます。
プレイの傾向をキャラクターが評価してくれるとちょっと嬉しくなるだろう、と考えたからです。
というか私がそういうのを求めていますので、皆さまにもどんどん採用していただきたいですね!

また、ここで「他のプレイ方法もあるんだよ」というのを示すきっかけにもなりますから、
リプレイ性の高いゲームにはこういった「クリア評価」は相性がいい要素だと感じます。
他にも、こういう評価画面で「知らない間に失敗した点」や、
「まだ見てない点」についてのヒントも出せるかもしれません。
「実はX日以内にXXすると●●できるんだよ」とか、「仲間は最大で●人いるよ」といった情報です。

それと、もう一つ意識した点として、クリア評価のコメント内容は、
評価が仮に最低ランクでも、「初めてならこれが普通です!」
「今度やったらもっとうまくいける!」と言ってくれるようにしたり、
他にも戦闘評価が低かったら「強すぎる相手と戦うのは避けて慎重に戦ったんだね」という具合に、
なるべく遊ぶ人がションボリしない、前向きな言い方にすることを心がけていました。
といっても初めてだったので、今と比べればやや雑な感じはあります。
この技術は、これからもどんどん磨いていきたいと考えています。


そして本作のクリア評価、実は確か全てSランクのパーフェクト評価にすることはできません
全部を最高評価にしようとしても、どれかが一段階以上抜けるようになっています。

例えば、最高評価の日数で急いで進むと、
人々を救う評価が最大にならない、といった具合です。
これは確か、「完璧な答えはないよ」と示す意図でこうしていた気がします。

これはこれでシブくて、今でも個人的に好きな発想だとは思うのですが、
開発経験を重ねた今となっては、そもそも「A」~「C」ランクのような「優劣」でなく、
「早い旅」「慎重な旅」などといった「傾向」を評価する形の方が
よかったかもしれない、と思うようになっています。

たとえば「最低限しか戦わずにクリア!」も偉大な挑戦のはずですし、
悪いことができるなゲームなら「邪悪プレイ」も試してもらえると私にとって嬉しいはずなので、
善人プレイだから「優れている」という評価を示してそのコースばかり遊んでもらうのは、
果たして開発側にとってお得なことなんだろうか? と感じるところもあるのです。

なので、最終的に「色々試してもらうこと」を目的とするなら、
「優劣」でなく、「傾向」評価の方が合っていた
のかもしれません。
たとえばクリアにかかった「日数」の評価なら、A~Cというランクを出すのでなく、
「超特急!」「慎重な旅!」「バランス!」という表現にするといった具合です。

一方でシューティングゲームなど、「うまくなってもらうこと」を
最終的な目的とするゲームの場合は、A~Cランクのような
「優劣」の方が望ましい
のかなと思います。

より高みを目指して欲しいところは「優劣」評価で、
色々試して欲しいところは「傾向」評価にしよう、という考え方は、
全方位シューティングゲーム『シルフドラグーンゼロ』あたりによく反映されていたと思います。
確か「スコア」や「強化のケチり具合」は「優劣」の評価としてA~Cなどランクが付けられるのですが、
「多く使った機体」や「好みの武装」に対しては「傾向」についての感想コメントがあるだけで、
「優劣」のランクは付かないようになっているのです。


評価の仕方も、いま振り返ってみると色々と考えさせられるところがあります。
プレイヤーさんも開発者側も、お互いが幸せになれるような
よりよい評価手段を模索していきたいです。



ということで、以上、『初RPG制作で意図したこと』、後編でした!

いま『シルフェイド幻想譚』に対して思い出せる「意図」はこんな感じとなります、
いかがだったでしょうか。後半はやや地味だったかもしれませんね。

ここまでの前編・後編の内容をざっくりまとめると、
主な意図は以下の四種類くらいに整理できそうです。

●キツくはしたくなかったが緊張感を持たせたかった。
→ 比較的余裕のある時間制限を設けたり、
死亡回数に余り気味な制限を持たせた。

●好みが分かれそうなところは、見たくない人は見ずに済むように、
やりたくない人はやらずに済むようにした。

→ オープニング削減や相談コマンドの搭載で、ストーリーやキャラに
興味がある人とそうでない人に両対応化した。
→ フィールド上の戦闘のエンカウント場所を限定した。
→ リソースを消費してパズルを飛ばせる配慮を入れた。

●不安に感じそうなところは不安を軽減させる工夫を入れた。
→ 戦闘時、判断するために必要な情報をいくらかオープンにした。
→ 買える装備のメニューを最初から全部見せるようにした。
→ 時間制限付きのゲームなので進行度の目安を見せるようにした。

●投入した労力そのものや、プレイ傾向を評価するようにした。
→ 内部マップでは反応のない装飾品は置かず、必ず何か反応があるようにした。
→ フィールドではできるかぎり1画面あたり1つくらいの施設を用意した。
→ クエストでは成功しても失敗しても程々以上の報酬を得られるようにした。
→ クリア評価を搭載し、どんなプレイでもなるべく前向きな表現でコメントした。


締めるところはキュッと締めて、ゆるくすべきところはゆるくして、
かつ安心して遊んでもらいつつ、チャレンジにはしっかり見返りを用意する。
そうまとめてみると、本当にどれも当たり前の話かもしれません。
ですがそういった当たり前のことをするのが難しいのもまた、ゲーム開発です。

『シルフェイド幻想譚』を作った当時の私は、今よりはるかに未熟でありながら、
今でも使える重要な考え方もいくつか持っていた気がします。
そしてまた、その中には今の自分でさえたまに忘れがちなことも含まれています。

ゲーム開発における「意図」は、良いゲームを再現するための大切な武器です。
次のゲームでも、これらの「意図」が使えそうな部分があれば忘れずに使っていきたいですね。





以下は前編の記事に対する気になった拍手コメントです。
皆さまの拍手コメント、いつも本当にありがとうございます!


>【『シルフェイド幻想譚』では、「システム上、2人以上の仲間を同時に  .
>迎え入れることができない」という制限】に対し、仲間キャラクターの   .
>一部に、それぞれに特有で納得のいく理由づけがあって、当時とても  .
>感心させられた思い出があります。アルバートには             .
>「他の仲間キャラとは意思疏通が不可能で、戦闘時に支障が出るから」
>という至極当然な理由づけが。オーバは「トリオが嫌いだから」という、 .
>本人の性格的にも読み取れそうで単純明快な理由が。セタには     .
>「信用できる人間が主人公のみだから」という、ストーリー面でも     .
>重要で合点の行く理由がある点などですね。(中略) ところどころの  .
>状況説明に納得がいくのも、遊んでいて気持ちがよかったところです。 .


こういう観点のコメントは初めていただきました、ありがとうございます!
仲間の人数をオーバーしたときのメッセージはうまく思いつかなくて、
割と必死で考えていた気がします。

できれば『片道勇者』における「闇」のように、ゲームシステムに関わる部分には
もっとらしい世界観上の理由もしっかり付けたいなと考えているのですが、
全部は全部そうすることができないのでまだまだ力不足を感じます。

うまいこと説明できればゲームにも世界観にも入りやすくなるので、
これからもできる限り、システムとストーリーはリンクさせていきたいなと願っています。

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■ 2017/04/15 (土)  初RPG制作で意図したこと1 ■
【初RPG制作で意図したこと 前半】

新作開発を進めるにあたって知見を整理しておこうと思い立ったので、
今回は12年前の2005年にリリースしたRPG『シルフェイド幻想譚』を振り返り、
当時考えていたであろう「意図」について整理してみることにしました。

当時は「何となくこうやった」としか説明できなかったことも、
今なら明文化して説明することができるようになっているはずです。

と思って書いていたら長くなったので、今回の記事は前半分の「前編」となります!
よければぜひ、ご覧ください。前編の話題は以下の通りです。

【『シルフェイド幻想譚』はどんな人をターゲットにしていたか】
【まず開始時のオープニングが長かったので、分けた】
【物語への「興味が薄い人」と「興味がある人」、両対応にしたかった】
【フィールドのエンカウント戦闘がストレスだったので場所を限定した】
【(余り気味だが)リソースに限度があることを示して緊張感を増した】
【どのくらいのペースで進めばいいか分からず不安になるので、
ペースメーカー的な存在を入れた】






【『シルフェイド幻想譚』はどんな人をターゲットにしていたか】

まず、『シルフェイド幻想譚』とは私が初めて作ったRPGです。
このゲームは、15日以内に世界を救うために天空島を冒険するRPGで、
移動したり休んだりするごとにゲーム内時間が経過していきます。
敵を含むメインキャラクターたちは、日数が経過するたびに
各々の目的のために島を移動したり、抱えている使命を進めていきます。
たとえば、あんまり放っておくと敵の側が伝説の武具を回収したりするのです。

このゲーム、当時は私が未熟であったがゆえに「どういう層に向けて作るか」といったことを
ほとんど意識できていなかったため、ひとまず仮想ユーザは私であり、
「私の好み」を大いに反映したRPGとなっています。

このゲームで反映した「私の好み」、つまり「想定ターゲット」は、
おそらく以下の通りだと考えています。

<ターゲット>
・常に行動に判断を問われるようなゲームが好きな人
・多すぎるザコ戦はちょっと遠慮したいという人
・なるべくフェアなプレイ感で遊びたいと思ってる人
・ストーリーを押しつけられたくないと思ってる人
・ゲーム面の楽しみや最適化を重視する人
・リプレイできるRPGを楽しみたい人


もし似た感じのターゲットを想定されている開発者さまなら、
これからお話しする中にも何か使いやすい工夫があるかもしれません。



【まず開始時のオープニングが長かったので、分けた】

すでに遊ばれた方にしか分からない言い方になってしまいますが、
実は『シルフェイド幻想譚』のオープニングは今の分だけではなく、元はもっと長いものでした。
「世界には目的のために動いている仲間がいるんだよ」ということを伝えるために、
他の仲間キャラの演出もオープニングに含めようと考えていたのです。

ただ、『シルフェイド幻想譚』は当初から「何度もリプレイする可能性があるゲーム」に
仕上げるつもりでした。そうなると何度も見るであろうオープニングが
長いと邪魔だよなあ、と思った末、私は、
「作りかけていた仲間キャラの演出をオープニングから分離」
することにしました。

分離した分のオープニングはどこへ行ったのかというと、
「街の人から聞ける話」という立ち位置に変え、
最初の街のイベントに移しています。その話は後でも述べています。

何はともあれ、
「オープニングで出るはずだった情報を、プレイヤーが任意に見られる場所に移動させる」
ことで、「短いオープニングですぐゲームに入れるようにできる」というのは、
初めてRPGを作った自分からすると画期的な手段に思えました。

なにより『シルフェイド幻想譚』は「ストーリーにあまり注目しない人」もターゲットです。
私も割とそっち寄りなんですが、そんな方々にとっては
長いオープニングは価値が低い時間です。
彼らはおそらく「必要最小限のゲーム的な情報だけ与えて始めさせてよ!」と
おっしゃると思います。というかそれがまさに私です。

そんなわけで、最終的にできあがったオープニングのメッセージ量は以下の通りとなりました。
(ここでは1文=1メッセージウィンドウ分として計算するものとします)

「主人公の性別選択・名前指定・トーテムの選択」
15文 (プレイヤー自ら開ける詳細情報テキストを除く)

「シーン転換、ゲームに必要な情報の説明」
17文(15日以内に災いを見つけること・15回まで復活可能であることなど)

「依頼者の誠意が多少感じられるおまけの会話と、プレイヤーの意思確認」
選択肢によって5文か8文

「重要アイテム入手メッセージとトーテムの挨拶」
9文くらい


キャラメイク含め、最低限通過するテキストは約50文ほどで、
名前とトーテム(他RPGでいう「クラス」のような要素)をすばやく選択すれば、
おそらく1分くらいでオープニングが終わると思います。

そしてスタート地点から見える最初の街に入ると、すぐに
兵士が「大ニュース大ニュース!」と叫びながらぶつかってきて、
兵士詰め所に入っていきます。
一周目のプレイヤーさんなら、たぶんその人に話を聞いてみることでしょう。

そこで話をすると発生するイベントは1分くらい続く長いシーンだったと思いますが、
実はあれこそが、元「仲間紹介を目的としたオープニング部分」だったのです。



【物語への「興味が薄い人」と「興味がある人」、両対応にしたかった】

これも、先ほどの「オープニングを切った」という話に関連する内容です。

私を含む「ストーリーにあまり注目しない人」がオープニングやデモシーンに出くわして困るのが、
「聞かなくてもゲームプレイそのものには影響しない世界観説明などの内容がほとんどなのに、
『重要なゲーム的情報』がそのシーンに混ざっていることがある」
場合です。

たとえばめちゃめちゃ長い世界観説明の後に、最後にちらっと
「ここで別れよう、おまえは南の砦で竜のカギを探すんだ!」
と言うゲーム的指示が出ていた場合、うっかりデモシーンを飛ばしたり、
テキストを読み飛ばしたりしてしまうと次への行き先が分からなくなってしまいます。

このような場合、飛ばすとゲームプレイに支障が出てしまうので、
「ストーリーにあまり注目しない(がゲーム部分にだけは注目する)人」にとっても、
たとえ興味がなくても全部しっかり見ないといけません。
となると、中には少し苦痛に感じる人も出てくるかもしれません。
私自身でさえ、自分で作ったお話が万人に対して面白いとは考えていませんしね。

開発者の方や「ストーリーに興味がある人」からしたら
「けしからん! 物語もしっかり見なさい!(見せなさい!)」と言われてしまいそうですが、
ストーリーに興味が持てない場面がしばしばある私にとっては、
ストーリーに興味がない人にも、興味がある人にも、両対応にした
「強制演出シーン」にできるのが望ましいなと思います。

ではシルフェイド幻想譚でどうやってその両対応を実現しようとしたかというと、
以下の手段を採用しました。

●先のオープニングのように、強制的に見る内容は「ゲーム的指示」に絞ることを心がけた。

●「ストーリーやキャラクターに注目したい人」向けの配慮として、「相談」コマンドを用意した。
→ 「相談」は今一緒にいる仲間やアドバイザーキャラとどこでも会話ができる機能で、
「場所」や「経過日数」に応じて会話の内容が変化します。

●世界観に興味がある人なら街のNPCキャラなどにも話しかけてくれるでしょうから、
その辺りでもある程度は欲を満たしてもらえる期待がありました。
切ったオープニングも、街のNPCキャラの方に入れたわけですしね。


これらの意図を言い換えると、以下のような感じになるでしょうか。

●キャラクターや物語に興味を持てない人に対しては、
「強制テキストにはゲーム的に必要な情報が主に出るんだよ」と
最初からアピールすることで、強制テキストだけは
以後もしっかり読んでもらうようにする。

●ストーリーやキャラに注目したい人のために、自発的に見られる会話パートを用意する。

『シルフェイド幻想譚』ではこうすることで、両方のタイプのプレイヤーさんが
不満を感じにくい構成にしようと意図していました。
当時、自分のストーリーには自信がありませんでしたから、
「遊ばれる人にとって見るに堪えないものだったら、見なくても済むようにしよう」
という考えも強かったのかもしれません。いまだにストーリーには自信はありません。

ただ、『シルフェイド幻想譚』ではこういった両対応を意識していたものの、
私の他のゲームだとあまりうまくいってないこともあります。

たとえばマウスアクションゲーム『モノリスフィア』のストーリーの入れ方は、
個人的にはちょっと微妙な評価です。
「ゲーム開始時やステージ間に、たまに割と長めの会話パートが入る」
という形式なのですが、あれこそ強制テキストを短めにして、
任意のタイミングで実行できる『相談』コマンドを入れた方が
スマートだったような気がします。

なお、最近のゲームは次にこなせるミッションやクエストがリストで確認できるようになっており、
強制演出シーンを飛ばしたり忘れても問題ない造りになっていることが多いはずです。

『シルフェイド幻想譚』は12年前のゲームなのでそのトレンドに乗ってはいませんでしたが、
一方で、クエストリストが存在しないことで「やらされている感」を
感じさせない造りになっていた可能性もある
ので、
そういうのがあった方がよかったのか、そうでなかったのかは今も分かりません。
これが長編だったら「クエストを忘れることによる不便さ」が上回るでしょうから、
まちがいなくクエストのリストを搭載したと思います。



【フィールドのエンカウント戦闘がストレスだったので場所を限定した】

これは私が一般のRPGをプレイしているときによく思っていたことなのですが、
単純なランダムエンカウント方式はストレスが溜まりやすい方式だと感じていました。
たぶん、特に予定も覚悟も期待もしてないのに何の前触れもなく突然戦いが始まるというのが、
ほんのり理不尽に感じていたのかもしれません。

なのでフィールド上での戦闘もいっそのことなくしてしまおうかと考えたのですが、
フィールド上で手軽に野良の敵に戦いを挑めなかったり、力を手軽に試せなかったり、
通過にあたって能力不足を感じられる場所がないというのは
RPGとして面白くないかもしれないとも思います。

そこで、「力試しやレベルアップがすぐできる」、「戦わなくてもある程度進める」
の両方を成立させられる方式として、以下の仕組みを導入しました。それが、

「フィールドでは、『森』の中でしかランダムエンカウント戦闘が発生しない」

という方式です。
これなら移動したいだけの人は気楽に移動できますし、
戦いたい人は自ら戦いにおもむくことができます。

私が過去に見た、エンカウント場所が限定されているシステムが
採用されているゲームは『ポケットモンスター』で、このゲームでは
「草むら」に入らない限りはランダムエンカウント戦闘が起きないようになっていました。

ポケットモンスターは、「すでにそのエリアのポケモンを回収済み」などの理由で
「戦う意味がない」場面が多いからこそのこの配慮だと思いますが、
普通のRPGでも戦いたくないときは多いので、これは素晴らしい方法だと考えています。
平均的なRPGで「プレイヤーがフィールドマップに出ている状況」というのは、
半分以上は「移動・探索」を主目的としている場合でしょうからね(残り半分が「戦闘」)。

そしてまたこれを採用した結果、「歩くだけでゲーム内時間を消費する」というシステムとあいまって、
「フィールド移動時はなるべく『森』部分を積極的に通って、
経験値を稼ぐ方が有利だと感じられる人が増えた」

というのが個人的に面白かったところです。
もちろん戦う価値がなくなれば森を通らなければいいので、面倒くささもありません。
「感じられる面白さ」だけを上げることができるということであれば、
この「限定された場所のランダムエンカウント」を採用しない手はありませんでした。

なおフィールドの後半では、部分的に「森」を通らざるを得ないところもあります。
これは「戦闘能力が低すぎる状態で先に進んでも大変なことになる」ので、
通行する心理的負担を大きくすることで、他のところを先に回ってもらうことを推奨する意図でした。
ある程度強くなった状態であれば、あっさり倒せるくらいの敵しか出ませんけれどね。

また敵との戦闘に入っても、たしか空を飛ぶ敵や水中など悪条件での戦闘でない限りは
逃走成功率を100%にしていた気がします。敵と戦うのもだいたい自由なゲームです。



【(余り気味だが)リソースに限度があることを示して緊張感を増した】

『シルフェイド幻想譚』ではゲーム内時間に「15日間」という時間制限がある他、
命の数も予備が「15個」と制限されています。つまり、

「それなりに次の行動を考えて時間を節約しなければならないけれど、
むやみに突っ走って死にまくるのは損」


ということをゲームシステム側で示しています。
急ぎつつ慎重に進まねばならないということで、なかなかのジレンマです。

といっても実際のところ、このゲームは変な詰まり方をしなければ
ゲーム内時間10日もかからずにクリアできる上、
死亡回数が5回を超える人も割合的にはかなりの少数だと思われます。
つまり、リソースは実はだいぶ余り気味に設定されているのです。

これは「日数にふさわしい量のイベントを用意できなかったから」というのもありますが、
もう一つ、「できればクリアはしてほしい」けれど「無思考になってほしくはなかった」
という私の要求を解決するために導入した方法でした。

この「無駄なことをしなければほぼ確実に突破できるくらいの制限時間」という、
最終難易度にはほとんど影響がなさそうな制限を付けるというのは、
「プレイヤーさんに全力で取り組んでもらう」目的においては非常に効果的な手段です。
シルフェイド幻想譚ではもっぱら「緊張感を持ってもらう」ための機能として、
これらのリソース制限を設定しています。

ただ、今振り返ってみると反省もあります。
あとどのくらいでゲームが終わるか分かりにくいので、
「前半は慎重に進んで、後半追い上げるぞ!」とか、
「後半で時間の余裕を持てるように前半は急ごう」「時間があるからここで溜めよう」といった
全体的な戦略があまり持てない形式だったということです。

この点に関しては、次の項目で話している「ペースメーカー」的な存在を
用意することでなんとかカバーしようと試みていますが、もう一歩欲しかったかもしれません。

もし次に同じような感じのゲームを作るなら、
「全体マップを最初に見せたり踏破率を出して、今どのくらいの探索ができているかを
もっと分かりやすくする」
といった配慮も入れればいいのかな、と今になって思っています。
言い換えると、「現在の進行度が何%か明確に分かるようにしたかった」というのが反省点です。
そうすれば、プレイヤーさんももっと先を見据えた判断ができそうです。

また、時間制限や死亡数制限を設けるもう一つの問題として、
「ゲームが苦手な人がクリアできない」という可能性が出てしまいます。
この点は対策を諦めてしまったのですが、いちおうサポートの一つとして、
「たとえ時間切れでゲームオーバーになっても、稼いだ成長のためのポイントを
そのまま引き継いで再プレイができる」
ような配慮を行っています。

ですがそれ以前の問題として、フリーゲームRPGという立ち位置の場合、
ゲームが苦手で挫折する人の数よりも、モチベーションが尽きて
途中であきらめる人の方がはるかに多いだろう
、と私は考えていました。

その一方で、ゲーム内に制限時間があれば、
とりあえず1回時間切れするまでは遊んでくれる可能性が上がりそう
な気がします。
そういう期待も制限時間を設けた理由の一つで、
「実は少し厳しい世界の方が、プレイ時間の平均値が伸びるのでは」と考えていたのです。

実際、私も時間制限があるゲームなら、
「とりあえず時間切れが来るまで挑んでみよう」と思うことが多いタイプです。
制限内でどこまでいけるか、楽しみになっているところもあるのかもしれません。

もちろんその場合、いざ時間切れでゲームオーバーになってしまったら、
次プレイへの期待がない限りはもう二度と遊ばない確率が高いと思います。
そこで『シルフェイド幻想譚』では、
「開始時にプレイスタイルを選べる『トーテム』の選択ができるようにした」のと、
前述した通りの「ゲームオーバーになっても一部経験値を引き継ぎできる仕組み」
搭載することで、2回目に挑んでもらえる確率を上げるような配慮を試みています。



【どのくらいのペースで進めばいいか分からず不安になるので、
ペースメーカー的な存在を入れた】


前述の通り、『シルフェイド幻想譚』にはゲーム内時間が設定されており、
フィールドやダンジョンで一歩あるくたび、あるいは宿屋で寝るたびに時間が経過していきます。
そしてゲーム内で15日が経つと、世界が滅んでゲームオーバーになってしまいます。

時間制限があると緊張感を持たせられるのがよい一方で、こういうシステムの場合、
「どれくらいの速度で攻略せねばならないか分からなくなってしまう」ため、
プレイヤーさんは「本当に必要最低限のこと」だけこなして、
脇目もふらず必死でただひたすら前進していくプレイになってしまうかもしれません。

開発者である私も、プレイヤーさんには「考えて効率的に行動して欲しい」と思っているものの、
さすがに「そこまで急かしたくはない」と考えていました。
何より、ゲームシステム側の問題でむやみに不安を与えるのは、
ゲームの形としてはあんまりだと思っています。

そこで、ある程度は時間の猶予があることを示すために、
「推奨する進行度」を表す「ある旅人」を日ごとにフィールド上を移動させて、
それを指標にしてもらうことにしました。

<マップで見える「焚き火」が、ペースメーカーたる旅人のいる場所です>


ゲーム内では、「この旅人と同じところまで来ていれば進行度的に大丈夫だよ」と
教えてくれるので、街のそばにその旅人がいる限りは、
比較的安心してその近くの探索や強化を行うことができるわけです。

ただ、当時はペースメーカーを付けたことをそこまで重要なことだと思っておらず、
後で評価されてようやく重要度に気付いた点だったので、
「ペース配分が分からないゲームシステムなら、ゲーム側からの
進行度の目安を示すのはとても重要なことかもしれない」

と考えさせられた一件になりました。

これは、リソースをどんどん消耗していく形式のRPGにも言えることかもしれません。
ダンジョン攻略時、今が何%くらいの進行状況なのか分からないことには、
進むべきか退くべきかの判断もできません(そしてたいていは情報不足から退くことになります)。
アイテムを大量に持ち込めるゲームならいいですが、慎重な配分が要求されるゲーム性なら、
「進行状況」を表す指標がどこかにあると、私も楽しく作戦を考えて楽しめそうです。
情報がない場合、とにかく継戦重視や安全重視のセッティングしかしなくなって、
プレイが一辺倒になってしまうことも多いですからね。


そして話が戻りますが、この「進行度の目安を示す」方法、
『シルフェイド幻想譚』では一つ失敗したところがありました。
実は旅人のいるマップで「相談」コマンドを使わないと、
「この人と同じペースで行けばいい」という情報を得ることができないようになっていたのです。

「旅人が進行度の目安である」という情報は今になってみると相当に重要な話だったので、
もっと積極的に、強制に近い形で教えてあげるようにすればよかったなと考えています。
物語やキャラに興味のない人は「相談」コマンドを使わない可能性があったので、
判断にも関わる重要なゲーム的情報は強制メッセージで出すべきだったのです。

こういった情報の重要度の見定めも、これからもっと
上手にやっていきたいなと考えさせられたところでした。



ということで以上、まだまだ続きますが、
ここまでが 『初RPG制作で意図したこと』 の前編です!
今回はここで一旦区切らせていただきます。

残り半分はこちらから!↓

【初RPG制作で意図したこと 後半】
http://smokingwolf.blog.fc2.com/blog-entry-567.html




← 今回のような記事を
 1冊の本にまとめたゲーム開発本、
 『ゲーム開発者の地図』、
 Kindleで好評発売中です!

 
■ 2017/04/01 (土)  エイプリル 片道続編? ■
【エイプリルヒストリー!】

ということで、2017年のエイプリルフールは新しいネタを用意できなかったので、
2007年から2016年までのエイプリルフール総集編となりました。

【2017年 エイプリルヒストリー ページへ】


いざ振り返ってみると、この10年間で色んな出来事がありました。
上のエイプリルページの最後にもチラっと書きましたが、
現在、『片道勇者』の続編ポジションのゲームを構想&プロトタイプ作成中です。

まずはプロトタイプを作ってみてからですが、面白く作れそうな素質がありそうなら
リリースに向けて本格開発されると思います。よければほんのりご期待ください。



【片道勇者続編 目標】

前回と同じく、今回も『片道勇者続編』の目標をここに挙げておきます。

・「強制横スクロールローグライク」の部分は素直に踏襲。

・相変わらず「リプレイ性」を高くすることを目指す。

・「目標」の数を増やす=ストーリー要素を前回より多めにする?
または目標を後からどんどん増やせる仕組みにする。
『片道勇者』は後から足しやすい構造じゃなかったので。

・相変わらず画像素材が自作じゃなくても泣かない。

・スマートフォン展開も視野に入れた(ゲーム)デザインを目指す。

→ スマホ展開を考慮すると基本的な
ゲームシステムにもだいぶ変化が出そうです。
これについて考え中の案があるので、
プロトタイプにして試してみたいと考えています。

→ こちらはちょっとあきらめ気味です。ビジネス面でも開発面でも
簡単に両用を目指すものじゃなかった!

・バグが起きにくいような形式を強く意識して作る
→ この点に気をつけないと、『片道勇者プラス』みたいに
修正点が計700個以上になったりして後からデータやシステムを足すのが
激しくおっくうになるので、今度は気をつけたいです。
多少いじっても安心な形なら、安心して拡張できますしね。


ということで目標は前回のプラスアルファという感じですが、
『片道勇者開発記』の執筆によってローグライク開発のコツがだいぶ整理できたので、
それを活かしてもう一度、面白く遊べるローグライク作りに挑戦したいという欲があります。

『片道勇者』が一作目、『片道勇者プラス』が実質二作目なら、
この続編が「こなれた三作目」か「番外編」か「片道シリーズの悲しい末路」くらいの
立ち位置になるのではないでしょうか。

要求されるプレイスキルの方向性はそのままにするつもりですが、
システム自体は片道勇者からだいぶ変わると思います。
判断重視ゲー寄りだったり、次元倉庫でゴリ押しできたりする部分は
相変わらずにする予定ですので、その辺りはご安心ください。

ただ、『片道勇者』の正当続編を期待されている方からすると
「なんだこりゃ、別ものだ!」と言われるかもしれないので、
『片道勇者2』と名付けるのは避けるべきかどうしようか、と考えています。
→ ※ 2017/06/27追記 結局『片道勇者2』になりそうです!

もっとも、プロトタイプを作ってみて素質や将来性がないと思ったら
片道勇者のときと同様、遠慮なくボツにする勢いで挑みます。
まずは考え中のアイデアをひとまず動く形にしてみて、
どれだけ実用に耐えうるかチェックする段階から始めていきます。

もちろん今日はエイプリルフールですので、
ぜひその点も加味して以上のお話を聞いていただけますと幸いです。

それでは、今年度もよろしくお願いいたします!
 
■ 2017/03/25 (土)  遊ぶ人に技量アップしてほしい! ■
【ゲームプレイの技量をレベルアップしてもらいたい!】

今回は自分の「アクションゲーム」を作るときに考えている
「遊び手の技量アップを考慮したステージ作成」についてご紹介します。
というところから始まって、途中からRPGの技量アップの話をし始めています。
今回はちょっと長いです。

・アクション作り――最初に『技量のレベル分け』をしよう!
・この「技量順にステージを考える」方法、RPGでも使える?
・じゃあRPGでプレイが上手になってもらえる方法ってある?






【アクション作り――最初に『技量のレベル分け』をしよう!】

皆さんはアクションゲームを作るとなったら、どんな意図でステージを作るでしょうか。

「世界観やストーリーをドラマチックに展開できるステージ?」
いいですね、私はまだそこまでの配慮に自信がありません!

「最初はゆるゆるで、徐々に求められる精度が上がっていく感じ?」
はい、私もおおよそそうです。でも、その「精度」の部分をもう少しだけ細かく考えています。

私が「アクションゲームを作りたい!」と思ったとき、
そのゲームはだいたいの場合、変わった操作性のものです。
代表的なのは『モノリスフィア』と『プラネットハウル』で、
『モノリスフィア』はマウスを引っ張ってその反動で飛ぶ感じのゲーム、
『プラネットハウル』は変則操作の宇宙船を苦労して操るゲームとなっています。

そんな変な操作性のアクションゲームは
「ほとんどの人が初めてこの操作性に触れる」ことが容易に推測できたため、
「急に求められる技量が上がったりすると絶望的なことになるだろうな!」と考えていました。
つまり、慎重に「要求技量」を上げていかないと、突然「壁」ができてしまうだろうと考えました。
「いきなり難易度が跳ね上がりすぎて攻略できない場所」、アクションゲームでたまにあります。

なので私はそういう事態をできるかぎり避けられるよう、
アクションゲームを作る際は基本的な挙動を楽しめるプロトタイプができた時点で、
最初に『要求技量のレベル分け』を行い、それを元にステージを作ることにしました。

たとえば、『モノリスフィア』ではおおよそ以下のような感じで、
プレイヤーさんへの『要求技量のレベル分け』を行っていました。


【モノリスフィア開発開始時に想定していた要求技量のレベル】

 レベル1 時間をかけてもいいので「おおよその方向」に飛べるようになる
 レベル2 時間をかけてもいいので「狙った一点」に飛べるようになる
 レベル3 敵の攻撃をタイミングよく回避できるようになる
 レベル4 すばやく何度も「おおよその狙った方向」に飛び続けられる
 レベル5 あいまいな精度で移動してそこそこタイミングよく攻撃ボタンを押せる
 レベル6 高い精度で移動してタイミングよく攻撃ボタンを押せる
 レベル7 敵の激しい攻撃を回避しながら精度の高い移動をしつつ攻撃ボタンを押せる
 レベル8 すばやく何度も「精密な方向」に飛び続けられる


私はまず最初にこれらのレベル分けを行った後、
ほぼこの要求技量の順番で技術を要求されるステージを作成したり、
あるいは最後の調整時に「ステージの登場順」を注意深く並び替えしたりしていました。

各技量のレベルに応じて、どんなステージを作ったか紹介していきます。



【レベル1 時間をかけてもいいので「おおよその方向」に飛べるようになる】
最初のステージ。敵もおらず、最も困難な課題でも「細い道を移動する」くらいで、ダメージは受けない。
ただし挑戦したい意欲がある人向けに、レベル4「素早くおおまかな操作」を求める課題も
ステージ内に置いていたりする。これはクリアしなくても先に進める。

【レベル2 時間をかけてもいいので「狙った一点」に飛べるようになる】
小型の蛇を倒すステージ。同じルートを行き来する蛇に横から上手に当たることが求められる。
といっても、よほど隙だらけな行動をしない限り蛇はこちらを積極的に攻撃しないのでゆっくり狙える。
(蛇は頭上に行くと上に飛び跳ねてくるが、横から慎重にいって触れることで安全に倒せる)

【レベル3 敵の攻撃をタイミングよく回避できる】
ボス蛇を倒すステージ。「敵の攻撃を誘発するいい位置にたどり着く」ための正確さに合わせて、
そこで敵の攻撃をタイミングよく回避できれば倒せる。回避方向はおおざっぱでよい。

【レベル4 すばやく何度も「おおよその狙った方向」に飛び続けられる】
レースで他のニワトリたちより早く先にゴールするステージ。
とにかくすばやい移動が求められ、一定以上コースをずれると速度が落ちて不利になる。
多少のミスや精度不足は許容されている、というか最下位でも先に進める。

【レベル5 あいまいな精度で移動してそこそこタイミングよく攻撃ボタンを押せる】
「移動しながら狙って右クリック」をして消火活動をするミッションや、
水バリアを張ったまま溶岩を抜ける場面や、固定目標に火の攻撃を行う場面。
それまで移動だけだったモノリスフィアにおいて、「攻撃」という新しい概念に慣れる段階。

それらの本番として火や水の世界の「ボス戦」があり、
「敵が動くが、比較的大きいので狙いが甘くてもどこかに当たる」、
あるいは「相手が動くし攻撃もしてくるがヒットさせるまでの時間に多少の猶予がある」
といった状況の戦闘シーンが繰り広げられる。ボス戦辺りはレベル5と6の中間くらいかも。

【レベル6 高い精度で移動してタイミングよく攻撃ボタンを押せる】
草原の世界のボス戦や、それ以後の世界で炎の能力を使って敵を倒すシーン。
「ゆっくり来る攻撃や一定のリズムで動く敵」をかわしながら
「すばやい精度で敵本体に攻撃を当てること」が求められる。
そういったシーンで使う炎の攻撃は「正確な移動方向でないと当てることができず」、
「持続時間も短い」ので、「高い精度」と「タイミング」と「ほどほどの回避力」の3つが同時に要求される。

【レベル7 敵の激しい攻撃を回避しながら精度の高い移動を行いつつ攻撃ボタンを押せる】
冥府の世界のボス戦や隠しボス戦など。激しい敵の攻撃をかいくぐりつつ、
敵の小さな弱点やすばやく動く小さな敵に高い精度で攻撃を当てなければならない。
すばやい移動と精度の両方が求められ、戦闘の最終段階にふさわしい忙しさになる。

【レベル8のステージ すばやく何度も「精密な方向」に飛び続けられる】
「(細い道で)15秒以内に壁に触れずに全ての黄色クリスタルを集める」など、
全くミスが許されない精密操作の課題。これはできない人もいると思ったので、
クリアしなくてもストーリーを進められるところにおまけミッションとして入れていた。



という感じでした。基本的には、「より早く」「より精密に」「やることが多くなる」のが
順当な要求技能のレベルアップだと思います。

各レベルの要求技量の設定は、あくまで「『初めて見るステージ』のレベルが
この順番になるように並べる」
という目的で使っており、
たとえばレベル1が終わっただけなのに、レベル2~4を飛ばして
いきなりレベル5が「クリアに必須」になるステージを出したりはしません。

でも、「前のレベルの課題が後の方にも出てくる」ことはあって、たとえば
技量がレベル5まで行っても、レベル1や3の高難易度版のステージを間に挟んだりします。
これは「飽きさせない」目的で、「前と似ているけれどより難しい課題」に挑んでもらう意図です。

そしてもし「技量のレベルを飛ばして課題を出す」場合は、
できる限り「無視しても進めることができるサブミッション」として用意
します。
これを用意しておくのもたぶん重要で、そうすることで、
「順番通りに進めるのが退屈だと感じかけていた熟練者あるいは挑戦者の人」が
「あ、ゲームがうまい人や挑戦者にも配慮してくれてるな」と感じてくれると思うので、
そういった人達にも続けて遊んでもらえる確率が上がるんじゃないかなと私は考えています。

RPGでも、「今すぐ攻略しなくてよい、現段階だと攻略が難しい課題」が
早い内にポンと置かれてると興奮しませんか?
それはたぶん、あなたが熟練者あるいは挑戦者の心を
お持ちだからではないかなと私は考えます。
どう工夫すれば無理矢理に突破できるか、それを考えるのは私も好きです。



【この「技量順にステージを考える」方法、RPGでも使える?】

この技量別にステージや課題を作っていくやり方は、
「RPG」などでもまったく同じ文法が使えると思います。

たとえばRPGの要求技量として、
「集中攻撃して危険な敵から1体ずつ減らせる」「敵を倒す効率的な順序を考えられる」
「補助魔法を使いこなせる」 「最小のコストで勝てる作戦が立てられる」

などの知識や技量を求められるように敵の出し方を工夫すれば、
似たような技能習得ができるかもしれません。

……が、今その考えに至ったとき、RPGのようなターン制バトルゲームで
「プレイが上手になったと感じた経験」が私にはあまりなく、
作る側である私としても、これまで遊び手にそういった訓練をさせることを
ほとんど意識していないことに気付きました。
「植物の敵には火炎属性が有効」などそういった「ゲームごとの知識」の面では
よく教えられましたが、「持ってる技を組み合わせて最適化をする」などの
「うまさ」の面で鍛えられた記憶があまりないのです。

たとえば「補助魔法は大人になってから」と知り合いに言われましたが、
まさに私もそうで、自分も年を取って複雑な計算ができるようになって、
ようやくまともに補助魔法を使うようになったのです。
(ただ、昔のゲームは効果説明があいまいだったり説明がなかったりする場合も多かったので、
この件を議論するには時代の影響も考慮する必要がありそうです)

あなたはRPGを遊んでて「うまいこと補助魔法などを使えるようになったゲーム」を
思い出せるでしょうか? 「補助魔法を使わないと絶対死ぬ」ゲームもあると思いますが、
これ以外にも、あなたはいつ「技をどう使えばもっともコストが安くダンジョン攻略できるか」
などを考えるようになったでしょうか?

こういうことを考えているうちに、私は
「RPGにおける最適な戦術を、果たしてゲーム内の教育だけで
身に付けてもらうことはできるのだろうか?」と考えるようになってきました。

もちろん、私が開発者の皆さまが作ってくださった工夫に全然気付かず、
自然と戦術を習得させられてきた可能性は十分にあると思います。
いいゲームほど、気付かないうちに自然と技術を習得させてしまいますからね。

ただ同時に、RPGの場合は以下のゲーム性になっているために
「自分の技量」の影響度があいまいになっているところも
あるのかなと感じるところもあります。


●勝てない理由が強化不足か戦術が甘いせいかの判断が付きづらい

→ 基本的にRPGはレベルアップや装備の更新をし続けることが求められるので、
ある段階で勝てないとき、「自分の戦術面での技量不足」に原因があるのか、
「そもそも強化不足でゲーム的にクリア不可能な状態なのか」の区別が
付かない場合があります。



要するに、「自分の戦術を改善するだけで勝てるようになるのかが分かりにくい」
という意味で、何が結果に影響したかがあいまいになっており、RPGはアクションゲームよりも
「ゲームプレイが上手になるきっかけ」を得にくいのかもしれません。
そもそも日本のRPGは「戦術」と「蓄積(装備やレベル等)」の両面を足したのが
総合的な強さになるゲームなので、あいまいなのは当然なんですけれどもね。

アクションゲームはうまいやり方ができるようになるとステージを突破できたりして、
うまいプレイに対するご褒美が割と即座に分かりやすく出ますが、
RPGではテクニカルかつ効率的に戦っても反応が地味なケースも多い気がします。
それをどうにかする意図で、たまに戦闘ごとに評価をしてくれるRPGもあると思います。

個人的な希望としては、勝てたのが「自分の戦術でうまくやれたから」なのか、
「溜め込んだ力が想定より多かったから勝った」のかを教えてくれる
ゲームが好きですし、
私もそういうゲームを作りたいと願っています。
ついでにプレイヤーさんのプレイ技量が上がってくれるとなおよしで、
初心者の人をゲーム中級者に引き上げられれば、
彼らが遊べるゲームはもっと増えるでしょう。

ちなみに『片道勇者』のようなローグライクRPGでは、自ら使おうとしない限りは
「溜め込んだリソース(倉庫の中身)」を使えないことが多いので、
プレイの結果のどの部分が「溜めたリソース」によるもので、
どの部分が「自分の技術」なのかが、ほどほどに区別できるようになっている気がします。
こういう形にできると、より私好みに近付きます。



【じゃあRPGでプレイが上手になってもらえる方法ってある?】

RPGのプレイ技量を上げる方法には、どんなものがあるでしょうか。
自分の場合、どう上手になってきたかを思い出せない、というか
年齢にしたがって自然と身に付いたような感じもあって、はっきり思い出せない状況です。

私が初めてまともに「補助魔法の使い方」を意識したのは
いつだったかなーと記憶をたどってみたところ、
ある変わったシステムのコンシューマRPGを遊んだときだったことを思い出しました。
そのゲームでは、「レベルがストーリー進行に従ってのみ上がり、それ以外は一切成長しない」
というシステムだったのです。

そのゲームでは「ある時点でのプレイヤー側の強さ」にはどうがんばっても限度があるので、
ボスに勝てない理由があるとしたら確実に「自分の戦術不足」だと知ることができました。
実質的にほとんどパズルゲームになっていたのかもしれませんが、
「自分のやり方に改善の余地がある」ことにさえ気付ければ改善は容易でした。

そういうことを考えると、RPGでの学習がうまくいってないのは、
「各要素を使ってもらうための圧力が弱い」、言い換えると
「ゲーム側からの強い動機を持たせてない」ケースが多いからかもしれません。
もっと言い換えると、「補助魔法を使わないとクリアできない難易度を
ぶつければいいんだね!」
と過激なことになっちゃうんですけれどもね。

問題が一つあるとしたら、そこまで要求技量を強制すると、
今度はゲームを投げられてしまう可能性が高くなることです。
「補助魔法を使ってようやく勝機が見えるゲーム」も
とあるゲーム会社さんのRPGには多かったりしますが、
一方で挫折する人を減らしたい気持ちもあるので、ゴリ押しの余地は残したい気がします。
ひどく優柔不断に思われるかもしれませんが、それが私のRPG開発スタイルです。

そんなことを私が考えているとき、プレイヤーさんに
補助魔法の使い所を意識してもらうにあたって、
いいほのめかし方があるとコメントをいただきました。
その一例が、昔のRPG『ドラゴンクエスト3』に登場した
「じごくのハサミ」というカニ型の敵です。


<敵に自分たちと同じ技を使わせるテクニック>

ドラゴンクエスト3の「じごくのハサミ」は大量に出てきて、
敵全員を硬くする防御アップ魔法「スクルト」を使ってくる敵です。

この敵、戦闘開始時は打撃でも(たしか)少しダメージが通るのですが、
元の高い防御力に補助魔法「スクルト」重ねがけの効果が合わさると、
なんとほぼ全く物理攻撃のダメージが通らなくなってしまうのです!

この体験から私も「スクルト強いな! いつか自分も使ってやる!」と感じさせられ、
補助魔法の使い方がとても印象に残った敵だったので、
いま考えると、このやり方はすごくいいほのめかし方だったように思います。

敵が 『自分たちが使うのと同じ名前の魔法』 を効果的に使ってプレイヤーを困らせる

この方法は、「いつかあの魔法を覚えて自分も同じ戦法で有利に戦ってやる!」
と感じさせてくれる、とてもいい手段だと思います。
特にこれ、「うっかり敵専用の技を作ってしまわない」のが重要なコツの一つかもしれません。
容量に余裕がある今の時代なら、カニが使う防御アップ技をうっかり「硬化」なんて専用技に
したくなるところを、あえて「主人公が覚えうる魔法と同じ『スクルト』」にするのです。

遊んでいるときは全然意識していなかったことですが、
こうやって振り返ってみると、うまいやり方が使われていたんだなあと感心します。
私のRPGは普段、そこまでいじわるな敵キャラが出てこないらしいので
歯ごたえがないと言われがちなのですが、これからはプレイヤーさんを困らせる敵を出すついでに、
こういった技の使い方のほのめかし方も混ぜていきたいなと考えています。

そしてまた、私の気付いてないところでこうやってたくさん教えられてきたのかもしれません。
そう思うと、己の未熟さを恥じるばかりです。



【補足 最終的にゴリ押しできてもいい】

この話の主題と矛盾するように思われるかもしれませんが、
私の作ったゲームが最終的に「うまい戦い方を覚えなくてもゴリ押しでクリアできる」
というプレイができたとしても、それはそれで全く問題ないと私は考えています。

子供時代の私のように、どうやってもうまい戦い方ができない人は必ず出るでしょうし、
そういう人達にも楽しんでもらえるようリソース(『片道勇者』なら「強い武器」など)をためて
クリアできるようになっている分には、それはそれですばらしいことだと思っています。
「技能の違う様々な人が、人それぞれにできることをしてクリアへたどり着ける」というのは、
ゲームのあり方として素敵なことだと思っていますから。

もちろん、「開発側として一番楽しんでもらいたいやり方」で挑むほど、
お得感や達成感が味わえるように作るのは大前提です。
それに加え、ゲーム開発者としては「ゲームがより上手になれるきっかけ」や、
「プレイヤー自身が気付いたと感じられるヒントの出し方」
があるなら
どんどん採用したいなと、次回作を控えた今になってますますそう思っています。
これからも「新しいルールのゲーム」を次々に作っていくにあたって、
その技量はきっとどれだけあっても足らないでしょうからね。



以上、プレイヤーさんの技量をレベルアップしてもらうきっかけを作るのは難しいなあ、
という話題でしたが、いかがだったでしょうか。

この記事で挙げた以外にも、「こういう形で俺は補助魔法の使い方を学べた!」とか、
「敵の各個撃破の重要性を学んだのはこのゲーム(のあの部分)だったなあ」
みたいな話があれば、情報をお寄せくださると幸いです。
ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。



それと、ビックリするかもしれませんが、私が初めてRPGを遊んだとき、戦闘では
「仲間キャラクターそれぞれで別々の敵を攻撃する」という遊び方をしていました。
つまり各個撃破を狙う「集中攻撃」を全然しなかったんですね。

なぜかというと、当時の私は「各グループの敵を一人以上で相手しないと、
囲まれて不利になったりするんじゃないか」
と考えていたからです。
近接武器でのリアルな戦闘風景をイメージしたとき、
「他の敵からの攻撃を受けるのを無視してでも、味方全員で敵一人に集中攻撃する」
ってのはなんだかおかしな気がしたんですよ。

実はそのゲームではそんなことを意識する必要など全くなかったのですが、
初めてゲームを遊ぶ人ほど、まず「ゲームルールに応じた効率化をすべき」という
ルールを学ぶまでが遠いのではないかとも感じます。

どこまで初心者の人に配慮するかは開発者さま次第ですが、
「安心して他の人にもおすすめできるゲーム」を目指すならば、
そんな昔の私にも上達してもらえる気配りをしたゲームを作りたいなと考えています。



他にもし何か語って欲しいことや、開発において聞いてみたいこだわり部分などが
ございましたら、ぜひ拍手コメントからどうぞ! 

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